平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

大阪万博の総費用2350億はウソだった! 来場者輸送のために「45秒に1台」シャトルバスを発車するという発言も!

2023年11月30日 | 事件・出来事
 大阪万博開催まで500日。
 本日(11/30)より前売り券が販売される。
 行こうと思っている方、今、正価で買うのは損ですよ。
 おそらく企業向けの前売り券が大量にバラ撒かれて、金券ショップに並ぶと思いますから。

 さて予算の件。
 万博の総費用2350億はウソだった。
 国会質問であきらかになったことだが、以下の予算は入っていなかったのだ。
 その明細は──
・パビリオンの日本館の建設費 360億
・発展途上国のパビリオン建設支援 240億
・警備費 190億
・気運醸成費(万博宣伝費)38億
・万博アクションプラン費 93億
 アクションプランとは、万博に由来する、各省庁のプロジェクトのことだ。
 万博に乗じて、省庁はやりたかったプロジェクトの予算を取ろうとしたわけね。
 オリンピックや万博は予算を引き出す「打ち出の小槌」なのだ。

 では、なぜ政府は2350億以上の予算がかかることを公表しなかったのか?
 おそらく当初予算(1250億)が1.9倍になって叩かれたので、
 これ以上かかると言うとまずいのでゴマかしたのだろう。
 ちょっと調べれば、すぐにわかることなのにね……。

 パビリオン日本館の売りは「リサイクル」と「微生物」らしい。
 江戸時代の古着などの「リサイクル文化とその未来形」を展示。
 納豆などの「発酵食品とその未来形」を紹介。
 日本の売りってこれなのか?
 日本人には当たり前で、あんまりワクワクしないな……。
 
 なお上記の費用は国の負担で、われわれの税金が使われる。
 上記の費用には「撤去費用」が含まれていないので、さらに予算UPが見込まれる。
 杭は打つより抜く方が費用がかかるらしいし……。
 ……………………………………………………………………

 ロジスティクス(輸送)の問題も指摘されている。

 万博会場の夢洲へのアクセス方法は、橋とトンネルのみ。
 自見万博担当大臣は、目標来場者数が来た場合、シャトルバスを「45秒に1台発車する」と発言!
 45秒に1台──無理だろう!
 シャトルバス乗り場は数ヶ所あるらしいけどさ。
 大阪府はこれ用の臨時バス運転手を時給2000円で募集しているが、なかなか集まらないらしい。
 結果、大阪維新は「自転車で万博会場に来て下さい」と言い出した!笑

 ちなみにロジスティクスの問題は会場建設にも言えて、
 工事のトラックが殺到して大渋滞になる可能性がある。

 なんだかんだで面白くなって来た大阪万博。
 さすがお笑いの街、大阪だ。
 大阪万博はツッコミを入れて楽しむものかもしれない。

 でも笑えないこともある。

 万博会場の夢洲はゴミの埋め立て地で有害物質がたくさんあるのだ。
 現に現在建設中の地下鉄工事ではメタンガスなどが発生して苦労しているらしい。
 そして万博主催者の対応は、地面を覆うというもの。
 一方、夢洲のIR(カジノ)予定地は2300億かけて有害物質を除去する土地の改良工事をおこなう。
 この違いは何なのか?
 万博会場は安全な場所なのか?

 これらの混乱のすべては大阪維新が「夢洲」でやろうと言い出した結果。
 この判断の背景には、IR建設があったからだろうが、
「夢洲」でなければ、こんな大変なことにならなかったのに……。
 費用ももっと抑えられたのに……。


※追記
 本日、新たな追加費用として、シャトルバスルート整備費1600億がかかることが判明した。

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どうする家康 第45回「二人のプリンス」~家康よ、わが弟よ、弱音を吐きたい時はこの兄が聞いてやる……!

2023年11月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 二人のプリンス、豊臣秀頼(作間龍斗)と徳川秀忠(森崎ウイン)。

 秀頼はすぐれた才の持ち主だ。
 家康(松本潤)や本多正信(松山ケンイチ)の策を逆手に取り、事を自分に有利に運ぶ。
 二条城の会見。
「意地を張るのも大人げないので横並びにいたしましょう」
 と言いつつ、結局、家康を上段に座らせた。
 家康は豊臣を公家として位置づけるつもりだったが、
 秀頼は「武家として手を携えて共に世を治めてまいりましょう」
 お見事! 秀頼は駆け引きで家康・正信に勝った。
 成果はこれだけでなく世論も豊臣に傾いた。
 家康が上座に座ったことで「徳川無礼」のブーイング!

 秀頼の進撃は続く。
 方広寺の大仏開眼供養で「豊臣の威信」を世に見せつけた。
 結果、徳川の威光は霞むばかり。

 一方、もうひとりのプリンス、徳川秀忠は凡庸で頼りない。
 秀頼のすることを指をくわえて見ていることしか出来ない。
 焦り、嘆く秀忠に家康は諭す。
「おまえはわしの才を受け継いでおる。
 弱い所じゃ。その弱さを素直に認める所じゃ」
「弱かった頃のわしは多くの者に慕われて幸せだった。
 わしはそなたがうらやましい。それを大事にせい」

 家康は秀忠に秀頼にはない、よい資質があることを認めている。
・弱さゆえ好戦的でない。
・弱さゆえ独断に走らない。
・弱さゆえまわりの者が支えてくれる。
 弱さの再評価だ。
 人は強さを求めるが、果たしてそれでいいいのか?
 乱世の時代なら強さは必要かもしれないが、治世の時代ではそれが負に働く。

 だから家康は最後に秀忠にこう言った。
「徳によって治めるのは王道。武力によって治めるのは覇道」
「いくさを求める者たちに天下を渡すな。わしの志を継いでくれ」

 しかし、いくさを求める者たちは次の手を打って来た。
 本来なら、柿が落ちる時(家康が死ぬ時)を待てばよかったのだが、仕掛けて来た。
『国家安康』『君臣豊楽』
 豊臣はいくさを求めている。
 いくさを求める者たちの心に火がついて、もはやいくさは避けられない。
 ………………………………………………………………………………

 今回も上手い脚本でした。

 普通なら、秀頼の描写だけをしておけば、そのまま「大阪の陣」に繋がったのだが、
 ここで秀忠を持って来た。
 秀忠を通して「弱さ」の復権、「王道の政治」を描いた。
 秀忠を通して、家康が「弱かった頃の自分」を求めていることも描いた。
 家康は過去の自分を捨て、泥をかぶること、罪を犯すことを引き受けている。

 それは今川氏真(溝端淳平)との会話でも。
「奥方と歌を詠む日々、うらやましいかぎりじゃ」
 氏真は昔の家康を知っている。
 だから家康の苦悩がよくわかる。
 家康を抱きしめて、
「家康よ、わが弟よ、弱音を吐きたい時はこの兄が聞いてやる」
 人を殺して来たことに苦悩する家康に対しては、自分を例にして、
「お主に助けられた命もあることを忘れるな」

 ここ名シーンだと思う。
 よくぞ、ここで氏真を登場させた。
 見事な伏線回収でもある。
 氏真と言えば「王道」の今川義元でもあるし。
 
 秀忠を描いたこと。
 氏真を登場させたこと。
 これがドラマの厚み、豊かさになるんですね。

 前回といい、僕的には「神回」が続いている。

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馳浩、吉村洋文、細野豪志~政治家の言葉がひどすぎて嫌になる……。

2023年11月25日 | 事件・出来事
 政治家の言葉がバカ過ぎて嫌になる。

★馳浩(石川県知事)
 五輪招致をめぐり安倍晋三首相から
「馳、金はいくらでも出す。官房機密費もあるから」
 と言われ、IOC委員105人全員のアルバムを作成。
「官房機密費使っているから。1冊20万円するんですよ」
 と講演会で発言。

 おやおや買収かよ?
 官房機密費ってこんなことに使えるのかよ?

 一言多い男・馳浩知事はあわてて撤回。
「誤解を与えかねない不適切な発言であり、全面的に撤回する」
 どんなことが誤解なのか? と記者に問われると。
「全面撤回しているので、五輪招致に関して今後一切発言することはない」

 なんだ、これ?
 撤回すると説明しなくていいのか?
 これまた便利な言葉が出来たな?

★吉村洋文知事
 X(ツイッター)で勝ち誇ったようにこんなポスト。

【速報】阪神とオリックス、史上初の優勝記念同時パレードは計96万人の観客。
 大阪会場は前回の阪神パレード超える55万人→監督、選手、パレードに来てくれた人達96万人のこの笑顔。やって良かったよ。メディアからは、散々批判を受けたけどね。この笑顔。これが答え。


 いやいや、メディアやネット民が批判したのは「優勝パレード」じゃなくて、
 オリックス・阪神優勝を「万博に政治利用」しようとしたことであり、
 大阪府と市の職員を「無給」でパレード警備に使ったことだから!

 読解力がないのか、論点ずらしをしたいのか、は不明だが、ガキだよね、吉村って。
「やって良かったよ。メディアからは、散々批判を受けたけどね。この笑顔。これが答え。」
 は大人なら書かない。
 
 大阪万博も終わったら同じことを書くんだろうな。
「○○○万人来場! 大成功!」って。
 でも、その実態は、大阪の子供たちを無料で何回も万博に行かせる。
 前売り券を無理矢理、下請けや業者に買わせる。
 といった水増しした数字。

★細野豪志(自民党)
 Xでこんなポスト。

 この週末、ある高齢者から「最近の政治は私たちを忘れている」と声をかけられた。
 困っておられるように見えなかったので、一息おいて「今、一番経済的に厳しいのは若い世代なんです」と丁寧に説明したら分かってくれた。
 シルバー資本主義の時代だからこそ、覚悟を持って説明することが必要だと思う。


 実際に現場を見たわけではないので断定はできないが、
 このお年寄り、あんたに言っても無駄だと思って、諦めたんじゃないの?
 ていうか、せっかく話しかけて来たんだから、政治家なら耳を傾けろよ。

 それと細かいことだが、言葉が間違っている。
「シルバー資本主義」じゃなくて「シルバー民主主義」だから。
 それに「シルバー民主主義」の恩恵を受けているのは、あんたたち自民党議員だから。
 お年寄り票がなくなって困るのはあんたたちじゃないの?

 この細野氏の言葉は「お年寄りと若者の分断」を招きかねない。
 この発言を読んだ若者は「俺たちが苦しいのは年寄りのせいだ」と思うかもしれない。
 分断を煽るのはやめろ!

 ていうか、国民の生活を貧しくしているのは、あんたたち政治家だろう?
 経団連、アメリカ、財務省の言うことばかりを聞いて国民を顧みない政治をやめろ!

 今回、3人の政治家の言葉を紹介したが、これが2023年の政治家のレベルだ。
 政治家の口から「崇高で美しい言葉」を聞くのは無理なのだろうか?


※追記
 パレードの話に戻るが、同じくパレードに駆り出された兵庫県職員は「休日出勤」だ。
 大阪府と市の職員さん、可哀想。
 一応、要請はボランティアという形になっているが、断わったら査定や出世に響くのは明白。
 だから休日を返上してパレードの警備だ。
 ちなみに吉村知事はこのパレードに「公務」として参加している……。

※追記
 このパレードに参加した職員さんはボランティアなので、昼食代、交通費は自己負担。
 与えられたのは「スタッフ・ジャンパー」のみ。
 ちなみにこのジャンパーはメルカリに多数出品されている。
 まあ、こうやって少しでもお金にしないと割り切れないよね。

※追記
 このパレードではクラウドファンディングで5億を集めようとしたが、
 結局9800万しか集まらず大失敗。
 しかも、このクラファンに協力するよう大阪府・市の職員、学校の教職員に依頼。
 大阪府と市の職員さん、教職員の皆さん、可哀想。
 ちなみに残りの出資者は企業で、選手の乗ったバスは「企業広告」ばかりだったとか。

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「コタツがない家」「いちばんすきな花」~これぞ令和のお茶の間ドラマである!

2023年11月22日 | ホームドラマ
 日本のドラマの神髄は「お茶の間」にある!
 食卓を囲んで、ああでもない、こうでもないと話しをする。
 それは「サザエさん」から続く伝統なのだ。

「コタツがない家」(水曜22時・日テレ系)の第5話の「お茶の間」シーンは秀逸だった。

 登場人物たちはそれぞれに思いを抱えて食卓を囲んでいる。
・万里江(小池栄子)~部下・師島の社内恋愛が上手くいくか。
・悠作(吉岡秀隆)~口うるさい義父・達男に早く出て行ってほしいと考えている。
・順基(作間龍斗)~同じ学校のれいらにフラれて面白くない。
・達男(小林薫) ~師島の恋に脈があるかチェックしている。
・師島(河野真也)~好きな志織が隣りにいて緊張している。
・志織(ホラン千秋)~同居した彼氏が出て行って落ち込んでいる。
・れいら(平澤宏々路)~描いた漫画が編集者に突き返されて落ち込んでいる。
・凛奈(石川萌歌)~上の事情を全く知らない万里江の部下……。

 こうした思いを抱えた登場人物たちが食卓を囲んで会話するのだ。
 
 万里江と師島は志織の彼氏が出て行ったことを知って期待する。
 れいらは同棲してどれくらいなんですか? と興味津々。
 凛奈はれいらにツッコミを入れた順基に「そんなことじゃ女の子にモテないわよ」と言う。
 達男は、万里江と悠作の結婚式の面白話を語り、それがウケて大喜び。

 話しはあっちこっちに飛び、さりげなくツッコミが入ったりしてスウイングする。
 これが楽しい!
 何だか、ひとつの舞台劇を見ている感じだ。

 ちなみに順基役をやっている作間龍斗さんは「どうする家康」で豊臣秀頼役をやっている。
 ……………………………………………………………………

 同じ食卓シーンでも「いちばんすきな花」(木曜22時・フジテレビ系)では様子が違ってくる。

 ゆくえ(多部未華子)
 椿(松下洸平)
 夜々(今田美桜)
 紅葉(神尾楓珠)
 この4人は、ゆくえと紅葉が幼なじみであること以外、まったくの他人だ。

 そして彼らは食卓を囲み、自分の「過去のトラウマ話」や「現在の苦しみ・悩み」を語り始める。
「実は僕はいい人を演じているんです」
「都合のいい人間の自分が嫌いなんです」
「わたしは母親の玩具でした」
「男女に友情は存在しないのでしょうか?」
「紅葉くんなら、このカップを選んでくれると思っていました」

 僕はこの時間を「トラウマ・タイム」と呼んでいるが、なかなかキモい。
 だって、上に書いたような会話を始めるんですよ!
 自分をさらけ出すと、まわりの人間が「自分もそうだ」と共感するんですよ!
 でも、ハマるとジワジワ来る。
 いつの間にか、この時間を心待ちにしている自分がいる。

 このシーン、会話をまわす松下洸平さんとサブでフォローする多部未華子さんが上手いんですよね。
 これに引っ張られて、若手の今田美桜さんと神尾楓珠さんがいい味を出している。

「コタツがない家」
「いちばんすきな花」
 これぞ令和のお茶の間ドラマである。
 
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どうする家康 第44回「徳川幕府誕生」~本多忠勝、榊原康政退場……。腹心の家臣を失って家康は孤独な戦いをおこなう

2023年11月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 いくさなき世をつくるために動き出す家康(松本潤)。
 三成(中村七之助)にいくさなき世は「まやかしの夢」と言われたが、
 そうでないことを家康は証明しなければならないのだ。

 そして時代は武人から文民へ。
 本多正信(松山ケンイチ)の進言で家康は征夷大将軍に。
 安定の時代が訪れて、本多忠勝(山田裕貴)と榊原康政(杉野遥亮)は、
 病を抱えていることもあり、自分たちの時代は終わったと考える。

 しかし、家康の状況分析は違っていた。
 まだ火種は残っている。
「関ヶ原はまだ終わっておらん」
 大坂の豊臣勢力だ。
 秀頼が成人になった時、それは猛火となると家康は呼んでいた。
 だから家康は正信と康政が一線から退くことを認めない。
「隠居は認めぬ」
「まだ老いるな」
「まだお前たちの力が要る」

 家康にしてみれば、これからが本当の修羅の道。
 今までどおり忠勝と康政に支えてもらいたかったのだろう。
 しかし、ふたりは病で先に逝ってしまった……。
 井伊直政(板垣李光人 )もすでに亡くなっている。
 残る旧家臣は本多正信のみ。
 家康は孤独な戦いをしなければならない。
 ……………………………………………………………………

 見事なシナリオでした。

 忠勝と康政の退場を描きながら、時代の推移と家康の孤独を見事に描いている。
 家康が家臣たちに支えられて生きて来たことも表現している。

 それは秀忠(森崎ウイン)を後継者に選んだ理由でも。
 秀忠は「人並みの者」。
 しかし人柄がいい。
 つまり頼りなさゆえ、家臣が支えようと思ってくれる存在なのだ。
 秀忠はまさに過去の家康そのもの。
「偉大なる凡庸」でもあり、人並みであることも、関ヶ原に遅参したこともプラスに捉えていた!
 さすが於愛(広瀬アリス)の子だ!笑

 一方、「才ある将」は独断に走り滅びていった。
 思い浮かぶのは武田勝頼(眞栄田郷敦 )だ。
 家康はお万の子・結城秀康(岐洲匠)にそれを見て後継者に選ばなかった。

 大坂城の柱の傷で、時の推移と秀頼の成長を描いたのも上手いシナリオでした。
 ラスト、1611年、関ヶ原から11年後、秀吉(ムロツヨシ)の身長を超えて、
 大人になった秀頼(作間龍斗)が登場する!
 上手い見せ方だ。

 家康が秀忠に語った君主論も素晴しい。
 関ヶ原遅参を自分のせいにされた秀忠に対し、
「この世は理不尽だ。だが、どんなに理不尽であっても結果の責めを負うことが主君の役割」
「うまくいった時は家臣の手柄、うまくいかなかった時は主君が責めを負う」

 本多忠勝の老いの見せ方も上手かった。
 生涯、戦場でひとつの傷を負わなかった忠勝が刀の手入れをしていて傷を負った。
 視力が衰えていたのだ。
 こういうディティルが心憎い。

 そして伏線回収。
 家康を「殿」と認めたのはいつか? と康政に問われて忠勝は言う。
「大樹寺の時だ」
 これを聞いて康政も
「わしもじゃ」
 確かに大樹寺の家康は大物の片鱗を見せたが、そんなに前だったのか!
 康政はあれを見て家臣になったからまだわかるが、忠勝はツンデレ過ぎる!

 密度の濃い内容だった。
 真田信繁も荒ぶっていたし、豊臣との戦いの前エピソードとして十分な内容だった。

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大阪万博の大屋根リング~清水寺を越える建造物と胸を張ったが、金具とボルトで作っていた!

2023年11月18日 | 事件・出来事
 今、話題の大阪・関西万博の大屋根リング。
 批判を受けて、橋下徹氏がXでこんな反論。

『万博リング。京都清水寺の舞台と同じ懸造り。釘を一切使わないあの工法。
 清水の舞台は高さ13メートル。万博リングもその高さに匹敵し、規模は清水の舞台よりもはるかに大きい』


 橋下氏はこう胸を張るが、その実態は──

 

 ボルト使ってるやないかいっ!
 金具使ってるやないかいっ!
 木材は接着剤を使った集成材やないかいっ!
 どこが清水寺なのか?

 まあ、橋下氏の言うように確かに釘は使ってないようだが……。
 懸造りではあるようだが……。
 ボルトや金具を使っている時点で「なんちゃって清水寺」になる。
 これを清水寺に匹敵というのは詭弁である。
 清水寺に失礼である。
 いい加減、テレビはこの橋下という口だけ男を使うのをやめたらどうか?

 これに対してネットでは、さまざまなツッコミ。

・これを見るのなら清水寺に行くわ!
 清水寺の拝観料400円 万博の入場料7500円

・釘を使えばコストカットできるんじゃねえ?

・全長2キロの円形にする必要があるのか?
 エントランス部分だけで十分じゃねえ? ←ごもっとも!

・1970年万博の「太陽の塔」の制作費は今の物価に換算して15億。
 大屋根リングは350億。
・東京スカイツリーの建設費は400億。
 大屋根リングは350億。

 庶民は金額が大きくなると、350億も350万くらいの感覚で捉えてしまうが、
 350億あればいろいろなことができるのだ。
 維新などの万博推進者もお金の感覚が麻痺しているのだろう。

 まあ、万博予算が当初の1250億で収まっているのなら
 大屋根リングを作ってもいいと思うよ。
 でも現実は約2倍、2350億に膨れあがっている。
 だとしたら何らかの形で削減努力をするべきだろう。
 大屋根リングを半円にするだけで、単純計算だが、175億が浮く。

 東京五輪の時にも書いたが、
 民間では仕事で予算が2倍になったら担当者は飛ばされるぞ。
 万博協会の会長は経団連の十倉会長らしいが、
 自分の会社の事業で予算が倍になったら激怒するだろう。
 なのに十倉氏は容認している。
 要は自分の懐が痛まないお金だから平気なんだよ。

 それからモニュメントというのは縦に延びるのがいいんだよ。
 たとえば19世紀のパリ万博のモニュメント・エッフェル塔。
 太陽の塔もそうだ。
 なのに、なぜ横に広げる?

 この大屋根リングを手掛けているのは、建築デザイナーの藤本壮介氏。
 なかなかオモテに出て来ないが、今後注目される人物になるだろう。

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「二千年…若しくは…二万年後の君へ」~「進撃の巨人」の最終話の曲は壮大な叙事詩だ!

2023年11月17日 | コミック・アニメ・特撮
「進撃の巨人」最終話で流れた曲「二千年…若しくは…ニ万年後の君へ…」
 ひとつの壮大な叙事詩になっている。

 曲は4部構成

1.ミカサとエレンの物語
 エレンを殺して生きる意味を失ったミカサ。
「いってらっしゃい、エレン」と見送って覚悟したのに後悔は絶えない。
 最後の口づけを赤く染めたのは私……という歌詞が胸を打つ。
 だがその時、鳥が飛んできてミカサのスカーフを巻く。
 エレンは自由に空を飛べる鳥になったのか?
 メソメソするな、強く生きろ、とミカサを励ましに来たのか?

2.ミカサの死
 エレンの墓参りに来る仲間たち。
 季節はめぐり年月は経ち、問題のこのシーン。

 

 ファンの間では、子供を連れてエレンの墓参りに来ているふたりはミカサとジャンではないか
 と言われている。
 髪の色が同じだからだ。
 ということは、ミカサはジャンと結婚して子供を得た?
 いや、ガビだよ、とミカサの純愛を信じるファンはガビ説を唱える。

 でも、ミカサも大人。
 エレンを思いつつも、誰かを求めることはある。
 ジャンも、ミカサのエレンへの思いも含めてミカサを愛したのだろう。
 こんな想像をさせてしまう所が上手い。
 ファンはここでさまざまな物語を想像してしまう。
 予定調和を壊して、ファンの心をざわざわさせる所は意地悪だ。

 そしてレクイエム……。
 レクイエム、レクイエム……と哀しく歌うLinked Horizon。
 ここは「進撃」ファンなら涙なしに見られない。

3.戦争、そして無
 3つめのパートになると世界は大きく変わる。
 人類はふたたび戦争を始めるのだ。
「記憶」は「進撃の巨人」のテーマのひとつだが、人はすぐに忘れる。
 どんなに悲惨な目に遭っても、世代が変わり記憶が薄れれば同じ愚行を繰り返す。
「投げ返す石を捨てられない臆病な人間たち」って言葉は今、すごく胸に突き刺さる。
 そして愚行を繰り返した結果、世界は「無」になる。

4.二万年後の世界
 犬を連れた少年がエレンの巨木の洞を訪れる。
 かつてユミルが巨木の洞を訪れたように歴史は繰り返すのだ。

 この「犬を連れた少年」には考察がなされていて、
 タロットカードの「愚者」ではないか、と言われている。
 タロットカードの「愚者」
 正位置では「すべての始まり」「無限の可能性」「自由」を意味し、
 逆位置では「無謀」「不安定」「衝動的」など、「愚者」を意味する。
 実に象徴的だ。


※壮大な叙事詩「二千年…若しくは…ニ万年後の君へ…」はこちら
「二千年…若しくは…ニ万年後の君へ…」Linked Horizon(YouTube)

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「明日があるさ」~のん、そして「あまちゃん」ファミリーが歌ってすごく楽しいアンサンブル!

2023年11月15日 | その他
「明日があるさ」あらためて聴くと良い曲だなぁ。
 さすが、さまざまな人がカバーしているだけのことはある。
 今後もずっと歌い続けられる曲。

 サビの、明日がある ♪があまりにも有名で忘れられがちなんだけど、
 歌の内容は「気になる女の子に声をかけられない男の子の気持ち」を歌ったもの。
 今日も話しかけられなくて「明日がある」と心に誓う。
 誰もが青春時代に通った道だ。

 サビの「明日がある」のインパクトが強すぎて、この歌、世界線がふたつあるように思われる。
・ひとつは気になる女の子に声をかけられない男の子の世界線
・もうひとつは万人が共有する「明日がある」という思いの世界線

 要は「明日がある」というのはすべての人が共感できる価値観なんですね。
 それぞれが自分の弱さやダメさを抱えて生きている。
 でも「明日がある」と自分に言い聞かせて前に進む。
 ここで、さまざまな人の世界線がひとつに繋がる。
 この世界に生きるたくさんの人と共感し連帯できる。
 もはや自分はひとりぼっちではない。

 さて今回の動画は、のんとも。
 女優の、のんさんの友達による「明日があるさ」だ。
 参加しているのは小泉今日子さん、尾美としのりさん、片桐はいりさん、渡辺えりさん
 楽曲演奏は大友良英スペシャルビックバンド。
 つまり朝ドラ「あまちゃん」つながりだ。

 みんな、楽しそうに歌っている。
 尾美さんは語るように歌い、渡辺えりさんは「ぷるる」とアレンジを加えている。
 楽器はそれぞれに自己主張。
 これそアンサンブルの愉しさ!
 これをまとめるのは、のんさん!
 やっぱり、のんさんの透明感はハンパじゃないな。
 何だろう、この言葉にできない、のんさんの魅力って!


※動画はこちら
 のんとも「明日があるさ」(YouTube)

※追記
 作曲は中村八大。
 作詞は青島幸男。

 青島幸男、永六輔、野坂昭如、井上ひさし──
 彼らはテレビというおもちゃで遊んでいた。
 基本は放送作家・文筆家だが、そこをベースに自らも演者になって楽しんでいた。

 今で言えばテレビはインターネット。
 彼らはYouTuberやTicktockerの先駆者と言えるかもしれない。

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どうする家康 第43回「関ヶ原の戦い」~いくさなき世などなせぬ。まやかしの夢を語るな

2023年11月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 ネットでは昨夜の関ヶ原は評判がよくないようだ。
 いはく、
『兵士同士のぶつかり合いはよかったのですが、大谷吉継の切腹がカットされたり、
 島津義弘・豊久、松平忠吉、池田輝政、山内一豊、安国寺恵瓊などの重要武将の出番がなかったり、
 戦後処理がスルーされてたのは残念でした。関ヶ原に力を入れるなら全部描かないと』

 まあ、島津義弘・豊久、松平忠吉、池田輝政、安国寺恵瓊らは前振りがなかったので
 仕方ないんですけどね。
 僕的には、前3回の関ヶ原に至るまでの描写がよかったので、
 すこしあっさりしている感じはあった。

 関ヶ原の詳細についてはこちらを!
「関ヶ原の戦い」を布陣図で見ていこう(本ブログ)
 …………………………………………………………

 今作の関ヶ原で描きたかったことはこれだろう。

 家康(松本潤)と三成(中村七之助)のやりとり。
「そなたとは無二の友となれたはず。行き違いがこの不幸をもたらした」
「さにあらず。これは豊臣の天下のためになしたること」
「何がそなたを変えたのか?
 いくさなき世をつくるという同じ考えを持っていたのではなかったのか?」
「私は少しも変わっておりません。
 この私にも戦乱を求める心があったこと。
 誰の心にも火がつけば止まらぬ火種がある。
 いくさなき世などなせぬ。まやかしの夢を語るな」
「それでもわしはやらねばならぬ」

 人の心の中にある「戦乱」を求める心。
 確かに、
 人は憎悪している相手を叩き潰したいと考えているのかもしれない。
 退屈で平凡な日常に絶えられないのかもしれない。
 死と隣り合わせのヒリヒリとした生きている実感を求めているのかもしれない。
 経済が行き詰まっているから戦争で大儲けしたいのかもしれない。
 孤独に耐えられないから国家や集団と一体化したいのかもしれない。
 エントロピーの物理法則に従っているのかもしれない。
 すべてを無にしたいと潜在意識で願っているのかもしれない。
 …………………………………………………………

「どうする家康」らしさはここ。

 まずは家臣団との心の交流。
 決戦を前にして家臣たちは語る。
「やはり殿といっしょに戦うのは楽しい」
「思う存分、愉しみましょう」
「おいらを家臣にして下さってよかったでしょう」
 家康も回想して
「先に逝った者が皆、ここに集まっておる。わしは皆と共におる」

 女性たちの戦いも。
 阿茶の局(松本若菜)は単身、大坂城に乗り込んで茶々(北川景子)と対決。
 阿茶は、吉川広家や小早川秀秋らはすでに調略されているので三成に関わらない方がいいと説く。
 一方、茶々はこれを秀頼を出陣させないためのハッタリだと考えている。
 バチバチの駆け引きと戦い。
 こういう女性の戦いを入れる所が本作の特長だ。

 茶々は秀頼を出陣させる気満々だったようだ。
 確かに秀頼と毛利輝元(吹越満)の軍3万が出陣していたら結果は変わっていただろう。
 3万という兵の数もそうだが、福島正則(深水元基)ら豊臣家中の武将たちが動揺する。
 毛利輝元としては、いくさが長引くと見て出陣の時を待っていたようだが、
 三成が崩れるのが速すぎた。
 結果、判断を誤った輝元は茶々に叱責されることに。

 今回のメインエピソードは「家康と三成」だが、
 サブエピソードの「家康と家臣団」「阿茶と茶々」「茶々と輝元」も面白い。
 サブエピソードを加えることで作品が豊かになる。

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「関ヶ原の戦い」を布陣図で見ていこう!~本日の「どうする家康」ではどのような関ヶ原が描かれるのか?

2023年11月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 本日の「どうする家康」は関ヶ原!
 東西15万の軍勢が激突する。

 

 明治時代、この布陣図を見たドイツの軍人は「これは西軍が勝つだろう」と語ったらしい。

 確かに家康の背後は頼りない。
 長く延び切っていて、吉川、安国寺、毛利、長宗我部に突破されれば挟撃されてしまう。
 前回の「どうする家康」でも三成は「家康を蜘蛛の巣にかける」と言っていた。
 一応、北国街道という逃げ道はあるが、ここを通るということは負けを意味する。
 だが、吉川、安国寺、毛利、長宗我部は日和見で動かなかった。
 これは三成にとって大誤算。

 ちなみに背後の兵の数はほぼ同じ。
・西軍 吉川4200、安国寺1800、毛利1500、長宗我部6600
・東軍 山内2100、池田4500、上の図には描かれていないが、浅野幸長6500だ。
 …………………………………………………………………

 さて、ここでより詳細な布陣図で関ヶ原の戦いを見ていこう。

 

 午前8時開戦。
 井伊直政が松平忠吉に先陣を切らせるために鉄砲を撃ったのがきっかけ。
 東軍・福島正則6000が前方の西軍・宇喜多秀家1万7000に攻めかかる。
 西軍・大谷吉継・吉勝2300は福島正則の背後にいた東軍・藤堂高虎2400・京極高知3000と戦闘。

 東軍・黒田長政5400、細川忠興5100は石田三成6000の本陣に攻めかかる。
 西軍・蒲生備中1000は三成を守る。

 桃配山の麓の家康の本陣は3万。
 その横に東軍の猛将・本多忠勝500。
 家康を守りつつ戦況に応じて臨機応変に戦うための遊軍部隊か?

 そして──
 家康は赤備え・井伊直政3600、松平忠吉3000を投入。
 これで三成の本陣を一気に切り崩す作戦だ。
 しかし西軍はしぶとい。
 やはり宇喜多秀家の1万7000の兵が効いている。
 島津義弘1500も奮戦。
 東軍は決め手の兵力が足りない。
 徳川秀忠の軍が真田に足止めされて遅参したことが影響している。
 結果、戦場は大混戦で膠着状態に。

 ここでクローズアップされたのが松尾山に陣取る小早川秀秋だ。
 兵数1万5000で、小早川が味方についた方が勝利する。
 特に東軍は小早川が攻めかかれば横を衝かれて総崩れになるだろう。
 家康は松尾山に催促の大筒を撃ちかける。
 どうする小早川秀秋?
 果たして小早川が松尾山を下って戦ったのは──西軍の大谷吉継の軍だった。
 小早川が東軍についたため、松尾山山麓の脇坂安治1000、小川祐忠2100らも寝返り。
 大谷吉継が敗走・自決。
 西軍は総崩れに。
 島津義弘1500は戦場を突っ切って北国街道を南に遁げた。

 こうして家康は勝利。三成は敗北。
 九州の黒田官兵衛は関ヶ原の戦いが長引くと考え、
 この間に九州を平定して天下を狙おうと考えたが、たった1日で決着がついてしまった。

 やはり関ヶ原はドラマチックだ。
 本日の「どうする家康」はどんな関ヶ原を見せてくれるのだろう?

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