「ゲゲゲの女房」名セリフ
★まずは茂(向井理)
「自分は幸運です。腕一本なくしただけで生きて帰れたんですから」
「自分は生きている人間には同情せんのです」
生きているだけで丸儲け。
戦争で戦友を亡くした茂にはこの考え方がある。
また幸福とは相対的なもの。
たとえば茂は戦争で腕をなくした。それは普通なら嘆き悲しむことであるが、戦争で命を落とすことに比べたら幸福。
考え方次第で物事は幸福にも不幸にもなるんですね。
貧乏に対する考え方も次のようなもの。
「好きなことをやっているから貧乏でも仕方がないのです」
こう思えれば幸せだ。
貧乏も受け入れられる。
だから都会に馴染めない太一にもこう言える。
「お互いうまくいっとりませんな。まあ、のんびりやればいいのです」
教師の仕事で悩んでいる藍子にもゲーテの言葉を引用してこうアドバイスする。
「うまくいかないときは焦らず好機の到来を待て」
「努力している時は悩むもの」
「本当に好きなこととは、悩んで苦しくてもやってしまうこと」(これは茂の言葉)
実にたくましい人生哲学だ。
つらい時、うまくいかない時には思い出したい。生きているだけで丸儲けという考え方も。
そんな茂だから他人に対しても優しい。
常に相手の長所を見る。
絵が下手くそでアシスタントして使いものにならない菅井(柄本佑)について茂はこう言う。
「根気の良さなら誰にも負けない。それに見とって面白い」
★布美枝(松下奈緒)と茂の夫婦関係も名セリフがいっぱいだった。
見合い相手の茂が戦場で怪我をして片腕がないと、父親に告げられた時のこと。
布美枝はこうつぶやく。
「服の袖はどうしてるんだろう?」
裁縫が得意な布美枝らしいリアクションだ。
そして見合い。
ふたりが交わした会話も次のひと言だけだ。
「自転車には乗れますか?」
昔はこれで結婚が成立していたんですね。
そして<自転車>は後の伏線に。
結婚しても茂は仕事ばかりで、布美枝は孤独を感じる。自分は何なんだろうと思う。
するとある時、茂は<自転車>を買ってきた。
その時に布美枝はこうつぶやく。
「……これを買いに?」
たったひと言だが、布美枝のうれしい気持ちが伝わってくる名セリフだ。
このエピソードの時の週タイトルは「花と自転車」だったが(←実にいいタイトル)、登場人物の気持ちを表す小道具として、自転車、そして花=ナズナの使い方も上手かった。
また、この作品でふたりが本当の夫婦になった瞬間としてよく引用されるのがこのせりふ。
「この人は本物の漫画家ですけん!」
茂を責める父親・源兵衛(大杉漣)に布美枝はこう反論したのだ。
今まで父親に反論したことのないおとなしい娘だったのに。
そして源兵衛を駅に送る時にはこう言う。
「お金はないけど、私、毎日笑って暮らしてるよ」
これに対して源兵衛が安来の家に帰って言ったせりふも秀逸だ。
「金には恵まれていないが、人の縁には恵まれているようだ」
こうして強くなっていく茂と布美枝の絆。
布美枝が原稿料の取り立てに言って半分しか取れなかった時には茂はこう言う。
「仕方がない。俺がやっても同じだっただろう」
ぶっきらぼうでありながら茂はいざという時に優しい。
また貧乏が極まり、漫画家廃業を茂が考えた時には布美枝は……
「お父ちゃんは強い人。腕が三本だから何とかなりますよ」
<腕が三本>とは茂の手一本と布美枝の手二本を合わせて三本ということ。
「何とかなりますよ」と言えるのも布美枝の強さ。
そしてふたりは最後には夫婦ゲンカをするようになった。
娘の藍子の進路をめぐって……
「おや? おやおやおや?」
「あら? あらあらあら?」
これは向井さん、松下さんのアドリブだそうだが、こんなアドリブが出るほど、ふたりは息が合う夫婦になっていたんですね。
「ゲゲゲの女房」名セリフ その2はこちら
★まずは茂(向井理)
「自分は幸運です。腕一本なくしただけで生きて帰れたんですから」
「自分は生きている人間には同情せんのです」
生きているだけで丸儲け。
戦争で戦友を亡くした茂にはこの考え方がある。
また幸福とは相対的なもの。
たとえば茂は戦争で腕をなくした。それは普通なら嘆き悲しむことであるが、戦争で命を落とすことに比べたら幸福。
考え方次第で物事は幸福にも不幸にもなるんですね。
貧乏に対する考え方も次のようなもの。
「好きなことをやっているから貧乏でも仕方がないのです」
こう思えれば幸せだ。
貧乏も受け入れられる。
だから都会に馴染めない太一にもこう言える。
「お互いうまくいっとりませんな。まあ、のんびりやればいいのです」
教師の仕事で悩んでいる藍子にもゲーテの言葉を引用してこうアドバイスする。
「うまくいかないときは焦らず好機の到来を待て」
「努力している時は悩むもの」
「本当に好きなこととは、悩んで苦しくてもやってしまうこと」(これは茂の言葉)
実にたくましい人生哲学だ。
つらい時、うまくいかない時には思い出したい。生きているだけで丸儲けという考え方も。
そんな茂だから他人に対しても優しい。
常に相手の長所を見る。
絵が下手くそでアシスタントして使いものにならない菅井(柄本佑)について茂はこう言う。
「根気の良さなら誰にも負けない。それに見とって面白い」
★布美枝(松下奈緒)と茂の夫婦関係も名セリフがいっぱいだった。
見合い相手の茂が戦場で怪我をして片腕がないと、父親に告げられた時のこと。
布美枝はこうつぶやく。
「服の袖はどうしてるんだろう?」
裁縫が得意な布美枝らしいリアクションだ。
そして見合い。
ふたりが交わした会話も次のひと言だけだ。
「自転車には乗れますか?」
昔はこれで結婚が成立していたんですね。
そして<自転車>は後の伏線に。
結婚しても茂は仕事ばかりで、布美枝は孤独を感じる。自分は何なんだろうと思う。
するとある時、茂は<自転車>を買ってきた。
その時に布美枝はこうつぶやく。
「……これを買いに?」
たったひと言だが、布美枝のうれしい気持ちが伝わってくる名セリフだ。
このエピソードの時の週タイトルは「花と自転車」だったが(←実にいいタイトル)、登場人物の気持ちを表す小道具として、自転車、そして花=ナズナの使い方も上手かった。
また、この作品でふたりが本当の夫婦になった瞬間としてよく引用されるのがこのせりふ。
「この人は本物の漫画家ですけん!」
茂を責める父親・源兵衛(大杉漣)に布美枝はこう反論したのだ。
今まで父親に反論したことのないおとなしい娘だったのに。
そして源兵衛を駅に送る時にはこう言う。
「お金はないけど、私、毎日笑って暮らしてるよ」
これに対して源兵衛が安来の家に帰って言ったせりふも秀逸だ。
「金には恵まれていないが、人の縁には恵まれているようだ」
こうして強くなっていく茂と布美枝の絆。
布美枝が原稿料の取り立てに言って半分しか取れなかった時には茂はこう言う。
「仕方がない。俺がやっても同じだっただろう」
ぶっきらぼうでありながら茂はいざという時に優しい。
また貧乏が極まり、漫画家廃業を茂が考えた時には布美枝は……
「お父ちゃんは強い人。腕が三本だから何とかなりますよ」
<腕が三本>とは茂の手一本と布美枝の手二本を合わせて三本ということ。
「何とかなりますよ」と言えるのも布美枝の強さ。
そしてふたりは最後には夫婦ゲンカをするようになった。
娘の藍子の進路をめぐって……
「おや? おやおやおや?」
「あら? あらあらあら?」
これは向井さん、松下さんのアドリブだそうだが、こんなアドリブが出るほど、ふたりは息が合う夫婦になっていたんですね。
「ゲゲゲの女房」名セリフ その2はこちら