平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

名探偵コナン 瞳の中の暗殺者

2009年06月30日 | コミック・アニメ・特撮
 連続刑事殺害事件!
 目の前で佐藤刑事が撃たれたショックで記憶を失ってしまった蘭。
 蘭は犯人の顔を見たらしい。記憶が戻れば犯人がわかってしまう。
 蘭に迫る犯人の魔手。
 コナン(新一)は蘭を守れるか!?

★「名探偵コナン」の面白さを凝縮した作品ですね。
 新一と蘭の恋愛物語が前面に出ている。
 新一は「蘭を守る」としっかりせりふで言ってる。
 蘭の手を取って犯人の追跡から逃げるコナンの姿に新一の姿がオーバーラップする。
 そして新一は蘭に衝撃の告白!
 ネタバレになるので書かないが、蘭に「坊や、どうしてわたしをそんなに必死に守ってくれるの?」の問いに新一は……!
 でもその告白がコナン君の姿で言われたものだから蘭には軽くいなされて……。

 ふたりの恋はすれ違いなんですよね。
 素直になれないふたり。
 コナン君を媒介にして気持ちを伝え合っている。
 そして、この<コナン君を媒介にして伝え会う恋>という所が「名探偵コナン」の魅力になっている。
 「瞳の中の暗殺者」はそんなふたりの恋愛を最も効果的な設定の中で描いた作品。

★またこの作品、絵的な面白さもある。
 小学生(コナン)が高校生の女の子(蘭)を犯人から守る。
 普通ではあり得ない絵。「名探偵コナン」の設定だから許される。
 でもこれが新鮮なんですね。
 小学生に守られる女子高生なんて見たことがない絵ですから。

 今回、蘭が犯人に追われる場が遊園地だというのも絵的に楽しい。
 遊園地にはボートもあれば山もある。ピエロもいればタワーや望遠鏡もある。
 これらが効果的に使われ、絵的な楽しさになっている。
 まさにおもちゃ箱をひっくり返した様な楽しさ!

★「名探偵コナン」の劇場版は新一と蘭の恋愛話が前面に出ているから実に楽しい。
 そんな劇場版の中での一番のお薦めは「時計仕掛けの摩天楼」でしょうか。
 推理ドラマとしても良くできている。


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天地人 第26回「関白を叱る」

2009年06月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 「関白を叱る」

★兼続(妻夫木聡)VS秀吉(笹野高史)
 わりとあっけなかったですね。
 世紀の大いくさと期待していたのですが。
 黄金を積み上げる秀吉に兼続はひたすら沈黙。
 策がない。言葉がない。
 秀吉は兼続の<まっすぐな目>で説得されたと言っていたが、言葉で秀吉を「あっぱれ!」と言わせてほしかった。
 目は口ほどにものを言う?

 思えば昨年の「篤姫」でも様々な対決があったが、篤姫はすべて言葉で相手と親交を結んでいった。
 意見の違う井伊直弼とも最後には言葉で分かり合えた。
 昨年は<言葉>で今年は<目>。
 秀吉を説得出来る言葉を兼続が言えなかったのは、脚本家さんの力量の差?
 もっとも天下人に対する大名とはこの様なものだったのかもしれないが……。

★この様に中途半端な形で終わった兼続と秀吉の対決。
 一方その後で描かれた秀吉と家康の対決は見所があった。
 まさにタヌキの化かし合い。
 これこそがお涼の嫌う「偽りばかり」の世界で、雪解け水の様なさわやかさの兼続と対照的に描きたかったものかもしれないが、家康との対決の方が迫力があったのは役者さんの力量の差?
 そう言えば、この家康、秀吉の対決ではあと説明がなかった。
 対決シーンだけですべてを語っていた。
 一方、兼続、秀吉の対決はだらだらとあと説明がいっぱい。
 「あの目には覚悟があった」「やりとりが楽しくなってしまったのじゃ」などなど。
 対決シーンは対決シーンで完結してほしい。
 あと説明がなければ理解されない対決というのはやはりイマイチ。
 この辺が今回の不完全燃焼を物語っている様に思われる。

★この作品「天地人」はやはり面白くない。
 3話にわたって積み上げてきた兼続、秀吉の対決、一番の見せ場がこれだから。
 対決の後何が描かれたかと言うと、三成(小栗旬)や利休、お涼らとの別れ話。
 初音(長澤まさみ)との別れは少しは感じるものがあったが、他はイマイチ。
 利休との会談などはそれまでのふたりの関わりが描かれていないから、「なぜ?」「突然?」がつきまとう。
 景勝(北村一輝)と兼続の主従の関係も今回の見せ場であっただろうが、「一国、領民、家、家臣を台なしにするほどのものか」という疑問が持たれる。

 描き込みの浅さと「なぜ?」がつきまとう登場人物達の行動。
 この辺が面白くない理由ではないか?


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MR.BRAIN 第6話

2009年06月28日 | 推理・サスペンスドラマ
 第6話「変人脳科学者VS悲劇の多重人格トリック!!脳トレは嘘発見器!?」

★秋吉かなこ(仲間由紀恵)の悲劇が伝わってきていいドラマになっていましたね。
 演技を見破られて手錠を求めるかなこ。
 そんなかなこは言う。
 「閉じこめられるのは慣れているから」「本当は狂ってしまいたかったから」
 また警察に連行される時、かなこは立ち止まって言う。
 「空を見せてほしい」
 とても哀しい。
 
 かなこが殺人を持つ動機もうなずける。
 監禁犯はもとより、自分を見ている不審者がいるという訴えを聞いてくれなかった教師、自意識過剰と言っていっしょに帰ってくれなかった同級生。
 そんな教師と同級生はかなこが誘拐されると、悪びれず「かなこを救え」と叫び出す。
 動機はこうでなくてはならないですよね。
 <この情況なら自分も感じ事をしてしまったのではないか>
 そう視聴者に思わせるのがよく出来た説得力のある動機。

 今回はかなこが的確に描かれていていいドラマになってしました。
 演じられた仲間由紀恵さんも3つの人格を演じられて好演。
 特に俊介の迫力はなかなか。

★事件の解決方法はデジタルでしたね。
・プロファイリング
・監禁されていたかなこの唯一の情報源であったテレビの映像から次の被害者を割り出す。
・赤と青のフェイク。

 前週にやっていた平塚八兵衛とは正反対の解決方法。
 八兵衛は現場百回、ともかく歩いた。そして取り調べて落とした。
 しかし九十九(木村拓哉)や丹原(香川照之)は……。
 テレビの映像から次の被害者を割り出して、少しも足を使っていない。
 かなこが怪しいと思ったのも映像から。
 そしてかなこが多重人格でないという証明は、赤と青の<騙し>。取り調べで落とすということはない。
 「ガリレオ」もそうでしたが、現在の刑事には歩きまわることと犯人に対峙する人間力は必要ないのかもしれません。

※追記
 今週の和音(綾瀬はるか)は「九十九ーーーーーーーっ!」
 地下室に閉じこめられて金属バットを持って追いかける。
 こういう女優さん、好きです。

※追記
 林田(水嶋ヒロ)はかなり九十九に影響を受けている様ですね。
 俊介でもショウコでもかなこでもない”きれいなお姉さん”という感じの素のかなこを目撃した。
 これは右脳で思考をしている証拠。

※追記
 番組では少女誘拐・監禁という映像をストレートに見せましたね。
 その影響力は?
 テレビでこういう映像を見せられる様になったのだろうか?
 以前なら象徴的に語っていたはず。


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BOSS 最終話

2009年06月26日 | 推理・サスペンスドラマ
 最終話。
 野立(竹野内豊)が<黒い月>と繋がっている!?

★前後編・2話にわたって視聴者に仕掛けられた<大騙し>でしたね。
 僕は騙されなかったけど。
 だって今までの「BOSS」を見ていればわかる。
 <一連の出来事の中には裏がある><視聴者をあっと言わせる何かがある>と考えれば、自ずと答えは出て来る。
 野立=テロリストをひっくり返して見ればいい。
 絵里子(天海祐希)がやたら「野立さんじゃない」と「さん付け」するのを否定するのも気になったし。
 そんなわけでオチがネタバレされているので物語にはイマイチのめりこめない。
 野立の死も高倉龍平(反町隆史)の「革命には犠牲が伴う」も空回り。 

 ということになると、楽しみを別に持ってくるしかない。
 まずは小ネタ。
・片桐(玉山鉄二)が見ていた野立会の案内は伏線に違いない。
・刺された岩井(ケンドーコバヤシ)が花形(溝端淳平)に告白!
・反町隆史さんと竹野内豊さんの共演は「ビーチボーイズ」以来。
・弁護士の名は間宮貴子!?

 それに戸田恵梨香さん!
・眼鏡の木元(戸田恵梨香)。戸田恵梨香さんは眼鏡がよく似合う。
・刺されていなかった岩井を蹴る戸田さん。かわいい。

★この作品はある意味、林宏司脚本の集大成。
 間宮貴子も出て来たし、チームの要素も「医龍」を思わせる。
 でもこの林さんのカラーも少し飽きてきた様な……。
 次回、新機軸の林宏司作品に期待!!

※追記
 「24」などの海外アクションドラマを見てると、同じジャンルの日本のドラマはどれもイマイチなんですよね。
 スケール・テンポ・ハードさが違う。
 予算や日本では派手な銃撃戦は似合わないなどの事情があって仕方のないことなのですが……。
 となるとやはり日本はアニメなんですかね。


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東国原知事騒動を考える。

2009年06月25日 | 事件・出来事
東国原知事「総裁候補なら衆院選出馬」 本気?(産経新聞) - goo ニュース

 今回の東国原知事の出馬騒動。
 東国原知事のすごい戦略を感じる。
 
★ひとつは地方分権推進の大きな力。
 地方直轄補助金のことなど、全国知事会で全国知事が団結して地方からの声が大きな力になる様になったが、まだ足りない。
 しかし東国原知事が国政でそれなりの力を持つ様になったら、地方分権は大きく進むだろう。
 全国知事会の要求を自民党のマニュフェストにいれることも条件にしているわけだし。

★ふたつめはそこまでいかなくても、この一連のマスコミ報道で「地方分権がこの国の未来を作る」ということをアピールできること。
 はっきり言って現在の国主導の行政では限界が来ている。
 天下りを含めた中央官僚、利権政治家、その利権で恩恵を得る企業、このトライアングル構造は現状に合わなくなっている。弊害になっている。
 この構造を壊すのが<地方分権>だ。
 東国原知事らが地方分権を主張するのはそのため。
 そして今回の騒動はその地方分権の主張をそれなりに訴えた。

★この東国原知事騒動で見なくてはならないのは各政治家のリアクションだ。
 反対する政治家、面子が潰れたと言って怒る政治家はもはや弊害でしかない。
 反対する政治家は現在の利権を保つことしか考えない政治家、面子が潰れたと怒る政治家は面子しか考えない政治家だからだ。
 この国の未来に何が必要かを考えている政治家なら、少なくとも今回の東国原知事の提案について真面目に考えるべき。

★ただし今回の騒動はインパクトのあるウルトラCであるがゆえに、両刃の剣であることも知らねばならない。
 マスコミは麻生下ろしの政局絡みで面白おかしく報道し、その主張は「東国原知事の思い上がり」「支持してくれた県民を裏切るのか」というものになっている。
 これは東国原知事にとってはマイナス。
 東国原知事は<国政で力を持って地方自治を実現する>という自らの主張をもっと強くアピールすべき。

※追記
 今回の騒動について麻生さんは静観。
 別の言葉でいうとノーリアクション。
 総理ゆえに軽率な発言は避けているということだろうが、情況に対し何も判断できない麻生さんの体質をよく現していると思う。
 この騒動に対し早く手を打たないと、『鳩の乱』と同じことになりますよ、麻生さん。


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ごくせん再放送 学園ドラマを考える

2009年06月24日 | 学園・青春ドラマ
 「ごくせん」の再放送を見ながら考える。

★「ごくせん」はテレビが描いてきた学園ドラマのひとつの完成型ではないか。
 まず主人公の教師像。
 過去、学園ドラマは暴走族あがりの教師(=GTO)、弁護士で受験のプロの教師(=ドラゴン桜)など、教師にもうひとつの何かを掛け合わせることで<新しい教師像>を描いてきた。
 「ごくせん」では先生×ヤクザの組長の娘。
 この王道を行っている。

 教頭や教育委員会が敵なのも「飛び出せ青春!」から始まる学園ドラマの王道。
 生徒たちから新しいスターが出て来るのもそう。(例えば、過去で言えば「金八先生」)
 「ごくせん」はこれらの要素も満たしている。

★さて「ごくせん」以降の学園ドラマはどうか?
 「太陽と海の教室」「学校じゃ教えてくれない」「生徒諸君!」……どれもイマイチ。
 この学園ドラマの不調はどうだろう?
 「花ざかりの君たちへ」「メイちゃんの執事」「花より男子」も学園ドラマだろうが、そこに教師はいない。
 教師不在の方が学園ドラマは盛り上がる。
 新しい教師像が枯渇してしまったのか?
 確かにそれもあるだろうが、一番大きいのは主人公の先生が戦う相手がいなくなってしまったこと。
 <教頭・教育委員会><受験戦争><不登校><いじめ><性>。
 先生の戦う相手として、これらが挙げられると思うが、どれも素材として古くなっている。
 <受験戦争>では「ドラゴン桜」があるし、<いじめ>では「女王の教室」、<性>では「金八先生」といった名作がある。
 そして新しい作品はこれらの作品を越えられないでいる。
 <教頭・教育委員会>が敵だと言うと視聴者は「ああ、またか」と思ってしまう。
 その点「ごくせん」は敵である<教頭・教育委員会>をうまくパロディ・記号にして成功している。
 そう、ある意味「ごくせん」は今までの学園ドラマのパロディなのだ。

★さて様々な意味で息詰まってしまった学園ドラマ。
 今後新しい教師像は現れるのだろうか?
 今の若い人はいろいろ悩みを抱えているのだろうが、彼らの悩みに答える明確なメッセージを学園ドラマやその教師たちは伝えられずにいる。
 金八先生はただの<ウザい親父>になってしまった。
 まあ言ってみれば、それだけ世の中が複雑になってしまったということだろう。

 今こそ作家は新しい学園ドラマ、教師像を模索すべき。
 学園ドラマのパロディ「ごくせん」を越えるオリジナリティのある新しいものを生み出してほしい。


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刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史

2009年06月23日 | 推理・サスペンスドラマ
★歩く、聴く、話す!
 相手の心の中に入って真実を引き出す!

 これが平塚八兵衛(渡辺謙)の捜査手法。
 <相手の心の中に入る>って所がアナログなんですね。
 現代はデジタル。
 その代表が「MR.BRAIN」の科捜研の捜査。
 指紋、DNA、声紋鑑定、遺体復元、プロファイリング……これらデジタル技術で真相をあぶり出していく。
 このドラマ「刑事一代」でもFBIの声紋鑑定を使うという描写があったが、八兵衛には「アメリカ人に日本語がわかるか」と一笑にふされてしまった。

 アナログとデジタル。
 それぞれに長所、短所があるのでしょうが、アナログにあってデジタルにないことは<人の心>でしょうね。
 指紋、DNA、声紋、いずれも<事象>であって<心>ではない。
 事象で容疑を固めていく。心で相手を見ようとしない。

 だから最近の『足利事件』の様な冤罪事件が起きる。
 足利事件はDNAを信じすぎたために起こった事件。
 菅家さんを<心>で見ていたら起こらなかった事件。
 おまけに『足利事件』ではDNA鑑定が違っていたことを隠蔽?
 警察のシステムの中で疑問を表明することが出来ない現代の捜査官たち。
 もし八兵衛が生きていたら「DNA鑑定をやり直せ」と言ったでしょうね。
 八兵衛の判断基準はあくまで自分。警察ではなかった。だから警察システムに歯向かえた。

★八兵衛は現代が失ったものを教えてくれる。
 「吉展ちゃん事件」の小原保(萩原聖人)との関わりもそう。
 八兵衛のお陰で<真人間>として死んでいけると言って死刑になった小原。
 八兵衛は八兵衛で、保が母親が眠る小原家の墓に入れなかったことを哀しみ号泣する。
 ここにあるのは、刑事と犯人の間にある信頼・友情。

 また「MR.BRAIN」を例に挙げるが、九十九の犯人を落とす方法は『騙し』ですからね。
 九十九は騙して、ネックレスの欠けらを手の中に隠したこと、証拠の楽譜を隠したことで犯人を追いつめた。
 ここには犯人との信頼・友情はない。
 『騙すこと』でしか犯人を追いつめられない九十九の<人間力>のなさも感じる。

 今の時代に必要なのは八兵衛の様な人間。
 時代を少し<アナログ>に戻しましょう。


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天地人 第25回「天下人の誘惑」

2009年06月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 「天下人の誘惑」

 初音(長澤まさみ)を使うなど多少の強引さがあるが、一応合格点で65点ぐらいはつけられる。
 何より兼続(妻夫木聡)が葛藤し戦っていますからね。
 葛藤とは<秀吉に仕えるか否か>。戦いとは<秀吉との政治的戦い>。
 主人公が迷い、葛藤しているからまわりの人間も動き始めるんですね。
 初音は自分の存在が兼続を苦しめていることに悩み、幸村(城田優)も兼続の優しさにつけ込んでいることに悩む。
 親友・石田三成(小栗旬)はそんな兼続に手を貸し、主君・景勝(北村一輝)は兼続を思いやる。
 悩む主人公を中心にまわりが動き、物語が進行していく。
 プロの脚本家さんに釈迦に説法だろうが、これが物語の基本。
 ところがこれまでそれが出来ていない。
 例えば前回。兼続は何に悩み、何と戦ったか?
 都の政治に戸惑い、お涼(木村佳乃)に助けられただけだった。
 今回の最後に兼続は<自分が秀吉の前で無礼を働いたら自分の首を差し出してほしい>と景勝に言ったが、死で解決することの是非は別の問題として、これぞ主人公。
 まさに<命がけの戦い>をしている。お涼に助けられる様な<ぬるい戦い>をしていない。

 さて来週。
 今回は序盤戦で次回から本格的な戦いが始まるわけだが、果たしてどうなるか?
 今までが腰砕けでしたからね、少し不安だが、見事に戦いを全うしてくれることを期待したい。

※追記
 それにしても天下人が欲しがる兼続の優秀さって?
 前田利家によれば「知略を持ち、人の懐に入る情を心得ている」と言う。
 情の部分は三成や幸村たちが心を寄せたことで何となく描かれてきたが、知略の部分はほとんど描かれていない。
 御館の乱では火に油を注いだだけ。
 和漢の事柄に通じていることも今回初めて知らされた。
 描き込みの浅さのツケがここに来てズン!とまわって来ている。


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MR.BRAIN 第5話

2009年06月21日 | 推理・サスペンスドラマ
★前回の解決編はこう。
・ドミラレ→ハホイニ→八木仁。
 なるほど!
 よかったのは<脳のいたる所に愛情を覚えている部分がある>という所。
 <愛>って人間の本質的なものだったんですね。
 ちょっと救われた感じ。

★さて新しい事件
 今回は何と言っても仲間由紀恵さん。
 顔中血まみれ。
 弁当や大食いステーキをむしゃむしゃ食べる。
 監禁されていたのだろう、倉庫から出てきた所も怖かった。

 きれいな人がこういう汚れ役をやるとギャップがあり、インパクトがある。
 これぞ右脳で見る楽しみ。
 視聴者に明らかにされるのは
・彼女が<秋吉かなこ>という14年前に誘拐された女の子であるということ。
・復讐をしているらしいということ。
・多重人格者であるということ。
 その人格は<復讐の人格><食欲の人格←監禁されてたから><かなこの人格>の3つ?
 これらのことがビジュアルで描かれていく。
 この間、ラストの「空が見たかったから」まで、かなこのせりふはほとんどない。
 せりふ過多なドラマが多い中、映像だけでかなこを描こうとする試みは素晴らしい。
 この作品、右脳で物語を見せてくれる。

★さて今週のコメディエンヌ・綾瀬はるか。
 ビールでプハーッは「ホタルノヒカリ」の螢さんではないですか!
 土手で寝そべってイビキ!
 犯行の再現を行って床を這いつくばって必死の演技!
 今回は綾瀬はるかファンには永久保存版!!

 それにしても九十九(木村拓哉)と綾瀬さんの由里が歩く土手のシーンは毎回どうしてきれいなんだろう?
 今回は土手の緑と空の青さが秀逸だった。
 こういう映像をもっと見せてほしいですね。


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アイシテル ~海容~ 最終話

2009年06月19日 | ホームドラマ
 最終話

 ラストシーンは橋の上を歩いてくる野口家と小沢家。
 <取り戻した両家の笑顔><未来へ生きる意思>。
 このラストをどう見るか?
 このふたつの家族は橋の上で出会わないんですよね。道路を挟んだ橋の両端を歩いてすれ違うだけ。
 ニアミス。
 これの意味する所は何か?
 もし出会ってたら両家の笑顔はなくなる。笑顔は凍りつき心の中に嵐が吹き荒れる。
 一見幸せに見えても彼らは十字架を背負って生き続ける。
 ニアミスかそうでないかのちょっとした偶然で崩れてしまう幸せな日常。
 思えば智也(嘉数一星)の殺人もそうだった。
 ちょっとした歯車の違いで起こってしまった事件。壊れる平和な日常。
 そんなことを暗示させるラストでしたね。

 まあ、ここはプラス思考で考えましょう。
 すなわち、すぐに崩れてしまうほんのわずかな時間かもしれないが、家族が幸せに笑って過ごせる一瞬一瞬こそが重要なのだ。
 一瞬一瞬を大事に生きていくべきなのだと。

 少なくとも野口家、小沢家には強い絆がある。
 苦しみを共有し乗り越えてきた結果生まれた絆。
 もしこの事件がなければ、家族はバラバラでこれほどの結びつきを得られなかっただろう。
 笑顔でいられる一瞬一瞬の大事さに気づかなかっただろう。

 この様に様々なことを考えさせてくれるラストシーン。
 ではエンディングの花束贈呈はどうか?
 ラストシーンの余韻を壊してしまっていることは否めない。
 さつき(稲森いずみ)や聖子(板谷由夏)は決して解放されたわけではなく苦しみは続くわけだからその暗示を壊してしまう。
 でも演じていた役者さんにしてみれば……。
 クランクアップの花束贈呈はさつきや聖子という役柄から稲森いずみ、板谷由夏という人間に戻る儀式。
 まあ良しとしましょう。

 最後に今回の中盤はやきもきしましたね。
 智也は自分の犯した罪について叱られたがっているのにさつきたちは優しく接するばかり。
 悪いことは悪いと叱ることこそ大事だし、叱ることで逆に愛情を感じることもある。
 まださつきたちはわかっていない。
 でも最後についにさつきは智也を叱って抱きしめた。
 <叱って抱きしめる>、子育てにはこれが重要なことなんですね。


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