平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

無理な恋愛 その2

2008年04月30日 | 恋愛ドラマ
★立木さんの様なおっさんになりたい

 立木正午(堺正章)はかっこいいなぁ。
 かえで(夏川結衣)と龍彦(徳井義実)の恋のキューピット。
 自分は何をやってるんだろう?と思いつつ、かえでの喜ぶ顔を見ているのが幸せ。
 友人(かまやつひろし)はそれを「愛」だと言うが、確かに大きな愛。
 かえでが龍彦と幸せに家に帰っていったのを知って「いい恋でした」とさわやかに言える。
 これも大人。

 しかし迷うこともある。
 小説を書く龍彦に裏切られたかえでに泣きつかれる立木。
 大人の愛で接していた心が揺れる。
 おずおずと抱きしめ頭を撫でてしまう。
 この様に「迷い」「揺れる」のも愛。
 60歳は「不惑」ではない。

 恋愛は様々だ。
 立木の様な愛もあれば、独占欲の愛、揺れる愛もある。
 考え方も人それぞれだ。
 ダメ男・龍彦と優しく見守るかえでの関係を立木は微笑ましいと思うが、「粉砕してやりたい」と思う人もいる。
 人間の心の中はフクザツで一様でないのだ。

 ただ自分が60歳になって恋をするとしたら、立木の様な相手の幸せを優先できるような恋愛をしたいものだ。
 パワー・情熱も残っていないだろうし、その方が粋だ。

 立木の生き方は壮年の男性のひとつのモデル。
 こうした生き方のモデルを示してくれることもドラマを見る楽しみだ。
 その点で「Around40」の主人公たちがどの様な結論を出してくれるかが興味深い。

※追記
 立木の大きな愛はかえでにも伝染した様だ。
 友人に先を越されてしまった龍彦を見守り励ます。
 懸命に原稿用紙に向かう龍彦をあたたかく見つめる。
 この瞬間のかえではすごく幸せだったに違いない。

※追記
 今回のスザンヌ様は「そんなわけないだろ」のせりふの練習。
 「龍彦がんばってるかな」とつぶやくかえでにも「そんなわけないだろ」。
 スザンヌ様の登場シーンは一服の清涼剤。
 ドラマにメリハリがつく。


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カンフーハッスル

2008年04月29日 | 洋画
 豚小屋砦にやって来るギャング団・斧頭会。
 彼らを迎え撃つ三人の達人。
・麺打ち職人……棒術・五郎八卦棍の達人
・人足……蹴り技・十二路譚腿の達人
・仕立て屋……鉄輪をはめて闘う洪家せん線拳の達人

★達人三人が少しも強そうでない所がいい。
 どこにでもいる様なおじさんが実はすごい達人。この方がキャラが立つ。

 どこにでもいそうな人が達人というのは豚小屋砦の大家夫婦にも言える。
 「彼らは家賃を払え」しか言わない。
 しかし妻は獅子の咆哮という必殺技を持ち、夫は太極拳の達人。

★達人がさらに強い敵に倒され、さらに強い達人が現れてその敵を倒すというのは少年ジャンプ方式のストーリー。
 麺打ち職人、人足、仕立て屋の三達人は琴を使う敵の刺客に倒されるが、大家夫婦に撃退される。
 この大家夫婦と琴を使う刺客の戦いは見応えがある。
 琴を使う刺客はかまいたちの様に空気を凶器に使って攻撃してくる。
 幻覚の様なものも見せられるらしい。
 これに対抗するのは音波=獅子の咆哮だ。
 刺客も自分の技の弱点を知っているらしく妻の大声を怖れる。
 妻がくわえタバコで髪はカール、夫はチョビ髭なのもいい。

 少年ジャンプストーリーはさらに続く。
 大家夫婦が「笑う殺し屋・火雲邪神」に倒されてしまうのだ。
 必殺技「獅子の咆哮」のパワーを増幅させるために夫婦は鐘を拡声器代わりにして使う。
 火雲邪神はそのパワーアップされた技をくらってしまうが……。
 
★いやあ面白い。
 最強の大家夫婦が倒されて豚小屋砦は風前の灯火と思いきや、ここで主人公が出てくる。
 主人公はそれまでさえないチンピラだが実はすごい才能と必殺技「如来神拳」を持っていて……。

 次から次へと出てくるバリエーションに富んだ拳法。
 これがこの作品の魅力だがリアリティを感じてしまうのは『中国四千年』の力。
 「だって中国は四千年だから」と言われれば「どの技もありそうだな」と思ってしまう。

 チベット問題などで非難されている中国だが尊敬されるのはこうした文化や巧みの力だ。
 こんなカンフーを生み出した中国ってすごい。
 自分もやってみたい。
 そんな所から交流と相互理解が始まるような気がする。
 ブルース・リーがそうであった様に。

 
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篤姫 第17回「予期せぬ縁組み」

2008年04月28日 | 大河ドラマ・時代劇
★尚五郎のウソの意味
 小松の家に養子に入ることになった尚五郎(瑛太)。
 お近(ともさかりえ)とは夫婦になる。
 篤姫(宮崎あおい)にお近と兄妹になることを言われるが、尚五郎は否定できない。結婚することを言えない。
 尚五郎の複雑な心情だ。
 「夫婦になる」と言ってしまえば、篤姫への想いは永遠に断ち切られることになる。
 諦めたと言っているが、尚五郎はまだ最後の可能性を求めてあがいている。
 せつない男の心情。

 尚五郎が「お近と夫婦になる」と言っていたら、篤姫はどんな反応をしただろう?
 友として心から祝福するだろうか?
 あるいは
 尚五郎を失う喪失感で、心の奥底に秘めた想いに気づくのだろうか?
 後者の可能性も捨てきれない。
 篤姫と尚五郎は合わせ鏡。
 尚五郎と向き合うことで篤姫は自分を確認することができる。
 『昔の自分』『御台所として生きていく未来の自分』。
 尚五郎は篤姫の心の支えだ。

 篤姫に本家の養女の話がなく結婚していたら、ふたりは幸せな夫婦になっていただろう。
 そんな人生のifが様々な想像をさせる。

 いずれにしてもふたりは面白い関係だ。
 ふたりは今後再会することはあるのかな。
 再会したらどんな話をするのだろう。
 こんな想像もかきたててくれる。

★尚五郎の帰郷はギャグ
 結果として三ヶ月余で薩摩に戻ってきた尚五郎。
 在郷の人々には小松家の養子になることなどが伝わっていなかったらしい。
 みんな、尚五郎が江戸で失敗をやらかしたと思っている。
 とぼけたギャグだ。

 それにしても尚五郎を黙って見送り、出迎えるお近さん。
 いいなぁ。こういう日本女性はいなくなった。
 ダメダメ尚五郎にはしっかり意見するし、尚五郎は幸せ者だ。

★家定様!
 将軍・家定(堺雅人)はやはり賢い。
 「賢さは大奥では役に立たない」と分析しているし、せんべいの次はカステラを焼いている。
 このせんべいとカステラ。
 日本の物と西洋の物を作ることで彼なりに「日本は外国とどうつき合うべきか」を考えているのではないか?
 カステラを食べさせることで、斉彬(高橋英樹)の西洋に対する考え方を確認しているのではないか?
 家定様の正体がいずれ明らかになる。

★婚礼道具
 婚礼道具を発注する西郷(小澤征悦)。
 様々な意匠。
 江戸時代、日本は職人の国だったのですね。
 職人は精を込めて一流のものを作る。
 それは家宝として代々引き継がれる。
 英姫から篤姫に渡された様に。渡されたことで想いも伝わる。

 今の時代は大量生産で使い捨てだ。
 どちらが文化的に豊かかと言えば江戸時代だろう。


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パズル 第2話

2008年04月26日 | 推理・サスペンスドラマ
★今回は落武者伝説。
・巨大な石の下敷き
・鍵の掛かった社での逆さ吊り
・火焔地獄
 犯人はこれを再現しようとするが、そこにはトリックが……。
 しかし鮎川美沙子(石原さとみ)と三人の生徒たちは相変わらずの珍道中。
 次の伝説の再現が「火焔地獄」で、まわりに液体を撒かれればわかるでしょう?

★この作品にはパターンがあるらしい。
・鮎川美沙子がこだわるのはあくまでお宝。
・生徒3人組は夜必ず女子校生3人組に呼び出され、美沙子に何らかの妨害をされる。
・お宝探しのついでに殺人犯人がわかる。
・お宝は毎回見つかるが、いつもスカ。
・美沙子の行いはいつも刑事に賞賛される。
 今回は「炎の中、自分の命よりも生徒の命を優先させたこと」
 本当は炎を飛び越せなかっただけなのだが。
・美沙子はいつも何かを学校に持ち帰る。
・体育教師は生徒たちを怒り、美沙子をナンパする。しかしいつも美沙子はいない。
・ラストは生徒たちを追いかける美沙子。

 パターンにはプラスとマイナスがある。
 プラスは
・視聴者が安心して見ていられること。
・今回はどんなバリエーションで見せてくれるか楽しみにできること。
 マイナスは
・意外な展開で驚きがないこと。マンネリになりやすいこと。

 「水戸黄門」みたいなもんですね。
 「ごくせん」もそう。
 このパターン作品嫌いじゃない。
 日常をだらだらと見せられる作品よりはよっぽどいい。
 肩に力を入れずに見ていられるし。

 今後このパターンでどんなバリエーションを見せてくれるか楽しみだ。
 どんどん遊んで楽しませてほしいです。

 
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ラスト・フレンズ 第3話

2008年04月25日 | 恋愛ドラマ
★人と人の心地よい距離っていうのがありますよね。
 美知留(長澤まさみ)と宗佑(錦戸亮)もいっしょに住む前は、そんな距離を保っていたのでしょう。
 でもいっしょに住んで相手の本当の姿が見えてきて……。

 それは瑠可(上野樹里)と美知留の関係にも言えるかもしれない。
 今の距離では瑠可はかけがいのない親友。宝物。
 でも距離が縮まって瑠可の本当の姿(「男の目で見ていること」)を知ってしまった時、美知留は何を思うのか?

 シェアハウスでの生活は楽しそうだ。
 美知留と宗佑の部屋が陰惨なだけに尚更よく見える。
 だが、それも彼らが一定の距離を保っているから。
 自分をぶつけあって理解し合えた70年代「俺たちの旅」の様なわかりやすい時代ではない。

 物語はお互いの<陰の部分>を見てしまった彼らが理解し合えるのかが焦点になるのだろう。
 それは宗佑の場合も同じ。
 彼は精神的におかしい部分があるが、おそらくその異常な行為は強い愛情の裏返し。
 だから美知留も逃げずに宗佑にこだわるのだろう。
 宗佑をモンスターとして排除してしまうのは簡単だが、美知留が彼をどれだけ理解し受け入れられるかはドラマのポイント。

 この作品は『人間の陰の部分を含めてどれだけ愛せるか?』というドラマだ。
 確かに夜の横浜を美知留、瑠可、タケル(瑛太)で見るのは心地いいのだけれど、まだ瑠可もタケルも本当の姿を見せていない。
 彼らの距離は「人の幸せはそれぞれ」「それがつらいことであってもやめろ」と言わない距離。
 この距離を保っている分には心地いい。
 その距離を縮めたら……。
 瑠可は一歩踏み込む決心をした様だ。

 
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ホカベン 第2話

2008年04月24日 | 職業ドラマ
★やはりドラマで胸を打つのは『感情』なんですね。
 裁判。
 証人として夫による娘への性的虐待があったことを話す灯(上戸彩)。
 娘の母親・享子(富田靖子)は涙を流す。
 その涙は
 ・夫に対する怒り
 ・家族が円満であるためにそれを受け入れてしまう娘の哀しさ
 ・自分の無力に対するやるせなさ
 様々な感情が錯綜した涙だ。
 悲しいから涙を流すだけでは単純すぎる。
 様々な感情が入り交じった涙だから胸を打つ。

 ストーリーは『感情』に説得力を持たせるためのもの。
 灯は名前を変えること(戸籍法)で世間の目から子供を守ろうとする。
 裁判で性的虐待について証言することを享子に了承させる。
 法律を武器に使った解決方法だ。
 これがストーリー。
 でも人はストーリーでは感動しない。
 「なるほどねえ」「そういう手があったか」と思うだけだ。
 人を感動させるのは、ストーリーの中で表現された『感情』であり、現実と戦う人物たちの『行動』だ。

★脚本は「アンフェア」の秦建日子さん。
 アンフェアな世の中。
 それは法律の世界でもそうだ。法律によって黒が白になってしまう。
 灯も雪平同様そんなアンフェアな世の中に立ち向かう戦士のひとりだ。
 雪平は<銃>だけど、灯は<法律>を使う。


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スピード2

2008年04月23日 | 洋画
★パート2と言えば、再びジャック(キアヌ・リーブス)とアニー(サンドラ・ブロック)が出てくると思いきや、出てくるのはアニーのみ。
 共に戦うのは別の男・アレックス(ジェイソン・パトリック)。
 キアヌの出演交渉がうまく行かなかったのかどうかわからないが、意表をついたパート2だ。

★物語の舞台は船。
 3億ドルを越えるダイヤのジュエリー・コンベンションも行われることになっている。
 それの強奪と自分をクビにした船会社への復讐をもくろんだ犯人がシージャックするという物語だ。銃を使うのではなく船の自動操縦プログラムにアクセスしてシージャックするというのが現代ふう。

 アクションとして展開されるのは船でお馴染みのもの。
 船の速度を落とすために船底に水を入れるが、船底には女の子がいて水の中を潜って女の子を助ける。水の中を潜るというアクションは「タイタニック」「ポセイドン」「海猿」でも描かれた定番中の定番。
 こんなアクションもある。
 乗客を救命ボートに乗せる。だがボートが引っかかってうまく下ろせない。
 これは「タイタニック」。

★クライマックスは3つ用意されている。
 ひとつはタンカーとの衝突の危機。
 大きな船は簡単に曲がれないし、すぐに発進できないことがわかる。
 ふたつめは港に突っ込む船。
 みっつめはヘリコプターでの犯人の追跡。

 ふたつめの港に突っ込むシーンはユーモアがある。
 船が突っ込んできているのに家を買う下見と交渉をしている。
 子供が「船が来るよ」と言っているのに母親は気にしない。
 犬が吠える。
 装飾の大きな酒瓶があり、それに船がぶつかって進水式の様。
 恋人のバカンスを邪魔されて文句を言う。

 船が突っ込んでくるなんて現実には大惨事なのに、それをユーモアのオブラートに包む。
 ハードで緊迫感のあるアクションシーンもいいが、こういう軽いのもなかなかおしゃれ。
 まさにハリウッドアクション!
 「ダイハード4.0」もそうだったが、今の時代はユーモアのあるアクションなのだろう。
 シルベスター・スターローンが「ランボー」の新作を作るのはそんな時代への抵抗なのだろうか。

※追記
 パート1はバス一台だったのに今回は豪華客船。
 おまけにタンカーを爆発炎上させてしまった。
 十分な製作費が使えるようになったためだろうが、実はパート1の方が面白い。
 「少ない予算で面白いものを作ってやろう。ヒット作を作ってやろう」という製作者の怨念にも似た意気込みがあったからだろう。


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ドリームガールズ

2008年04月22日 | 洋画
 『夢があれば生きていける。
  愛があれば支えられる。
  私たちと大きな夢を。私たちが支えてあげる』

 主題歌「ドリームガールズ」の歌詞。
 ポップで楽しくなる。
 でもインパクトがあるのは感情をぶつけ合う楽曲の方だった。

 例えばセンターから下ろされてわがままになったエフィにディーナたちが感情をぶつける歌。
 例えばカーティスからも拒絶されエフィが歌う歌。
 『目が覚めて誰も隣に寝ていないなんて
  独りになりたくない。
  きっと愛してくれるはず。愛して』

 これらの曲が胸を撃つのはソウルがあるからだ。
 感情のほとばしりがあるからだ。
 劇中、売れるからという理由でリズムだけのディスコミュージックを歌わせようとするカーティスに反発するシーンがあるが、この作品には華麗な音楽よりソウルのある音楽の方がフィットする。

 物語は人間関係の再生のドラマ。
 登場人物全員が欠点を抱えている。
 エフィはセンターを下ろされたことから荒れる。自分勝手に振る舞う。
 カーティスはプロデューサーとして成功して暴君になる。アーティストの気持ちを理解しようとしない。
 ディーナは人気者になったが、自分の歌に個性と深みがないことを知っている。自分が作られた存在であり、自分の足で歩きたいと思っている。

 これらの思いの中で行き違う登場人物たち。
 売れることを目指して、夢を目指してみんながひとつの家族になっていた時代がどんなに素晴らしいものであったことか。

 『ひとりじゃない、仲間がいる。
  私たちは家族、かけがいのない繋がり』
  楽曲 One for allの一節が心に響く。

 カーティスはその後仲間として受け入れられたのかな?
 物語のその後を描かず観客に想像させるところは大人の映画だ。
カーティスが受け入れられたのでは甘っちょろいし、拒まれたのならロマンがない。

 
 
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篤姫 第16回「波乱の花見」

2008年04月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 第16回「波乱の花見」

★篤姫VS斉昭
 対決シリーズ、今回は水戸のご老公。
 攘夷の筆頭で島津が発言力を増すことに懸念をいだいている。
 御台所・篤姫(宮崎あおい)の反対者でもある。
 そんな斉昭(江守徹)を説き伏せるために花見で篤姫に会わせることを画策する斉彬(高橋英樹)。

 こうして実現した対決。
 結果は斉昭の心の中に入り込んだ篤姫の勝ち。
 斉昭は自分が腫れ物に触るように扱われることに嫌気がさしていたらしい。
 そこへ「斉昭様は攘夷思想の旗頭」「中途半端な意見は聞きたくない」とストレートに斬り込んできた篤姫。
 おなごでここまでできる人はなかなかいないだろう。
 これで斉昭は納得した。
 政治的な利害よりも『人物』。
 斉昭は追随者よりは一本筋の通った人間を評価するひとかどの人物として描かれている。

 また篤姫。
 彼女にはオーラがある様だ。
 前回の斉興(長門裕之)との対決でもそうだったが、篤姫の挨拶に相手が圧倒されるという演出が施されている。
 ここは演技としては難しい所。
 宮崎あおいさんはオーラのある役者さんだと思うが、表現するのはなかなか難しい。

★家定様は聡明なのかもしれない。
 篤姫を御台所として迎えることを認めた家定(堺雅人)。
 せんべいがうまく焼けないと駄目だとのらりくらりとしていたが、水戸の斉昭、水戸嫌いの母・本寿院(高畑淳子)が納得しているのを見て「好きにせよ」と返した。
 家定は水戸が納得するのを待っていたのではないか?
 母と水戸の両者が納得する形で御台所を迎えることが必須と考えていたのではないか?
 その条件が揃ったから家定は了解した。
 そうなるとなかなかの名君である。

 家定の正体とは?
 彼は聡明さを隠しているのか?
 あるいは優れた直感の持ち主なのか?

 その辺は篤姫との対決の中で明らかにされていくだろう。
 面白い人物の描き方だ。


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パズル

2008年04月19日 | 推理・サスペンスドラマ
★「富豪刑事」に続き新しいタイプの探偵が登場だ!
 何しろ殺人犯人を追わない探偵なのだから。
 人が殺されても鮎川美沙子(石原さとみ)が探すのはお宝・金の壺。
 容疑者として教え子が警察に引っ張られても気にするのは、自分の引率責任。
 でもすぐに立ち直る。
 「金の壺を手に入れられれば教師をクビになっても何とかなる」

 以下はその他の美沙子のハチャメチャぶり。
・遺産を遺した祖父のメッセージを読み取る美沙子。
 「みんなで力を合わせなさい」「死んだ洋子のことも気にかけなさい」
 感動的なメッセージ。
 だが美沙子には関係ない。
 「おかげでお宝独り占めだ!」
・壺のある洞窟にたどり着くと生徒たちを返し、独り占めを考える。
・洞窟が崩れて死にそうなのに書かれた暗号を書き写す。
・生徒がいなければ生き埋めになっていたのに、学校では逆に。
 「無謀なことをして。先生がいなければ生き埋めになってたんだぞ」
・最後は花瓶。
 蔵にあった花瓶(あまり価値のないヤツ)をしっかり持ち帰っている。

 今まで明るく正しい女の子を演じてきた石原さとみさん。
 新境地開拓ですね。

★推理ドラマとしては3つの暗号解読。
 ひとつは英文をローマ字読み。
 ふたつめは英訳して逆さ読み。
 三番目は数字と50音の組み合わせ。

 この番組のHPを見た。
 冒頭に出てくるのは
 『頭のいいやつにこの謎は解けない』・笑
 ある意味、推理ドラマの常識を覆している。

 エンディングの仮面には何か意味があるのかな?
 二重人格とも言える美沙子。
 彼女には心の傷があったりして。
 でもそんなことより美沙子が繰り広げるハチャメチャぶりを楽しみたいですね。

※追記
 このドラマのもうひとつの面白さは、美沙子の善良な外面に男たちがダマされてしまうこと。
 みんな、「こんないい先生はいない」と大絶賛。
 美沙子の正体を知っている生徒たちのギャップがおかしい。


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