平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

『春雨や身をすり寄せて一つ傘』~中国・大連市、友好都市・北九州市に『漱石の句』を沿えてマスクの返礼をおこなう!

2020年03月31日 | 事件・出来事
 日本の北九州市と中国の大連市は「友好都市」の関係を結んでいるらしい。

 今年2月、北九州市はコロナ感染で苦しむ大連市にマスクを提供。
 そして現在、大連市はそのお礼とお返しで、マスク不足の北九州市にマスク20万枚を送付。
 いいですね、こういう関係!
 pay it forward
 受けた親切を、別の人物への新しい親切でつないでいく。
 そうすれば世界は善意でいっぱいになる。

 大連市がマスクを送った際のダンボールに書かれていた言葉も粋で素晴らしい。
『北九州加油 日本加油』
 という言葉と共にこんな言葉が。

『春雨や身をすり寄せて一つ傘』

 漱石の句らしい。
 今の状況に当てはめて解釈すると、
 大連市と北九州市、中国と日本、その連帯の意味になる。
 おおっ、中国の方が僕たちも知らない漱石の句でメッセージを送ってきたのか!

 すごいのはそれだけでない。
 この句にはバックグラウンドがあるらしい。
 実はこの句は友人・正岡子規の書いた句の返句なのだ。
 正岡子規の句がこれ。

『人に貸して我に傘なし春の雨』

 この句を今回の状況に当てはめて解釈すると、
 2月に北九州市が大連市にマスクを送ったことを意味する。

『人に貸して我に傘なし春の雨』
『春雨や身をすり寄せて一つ傘』


 この元句と返句のバックグラウンドを理解して、メッセージを送った大連市の人ってすごくないですか?
 向こうにもかなりの教養人がいるな。

 そして、これが文化の力である。
 外に出られないイタリアで窓からオペラを歌うのもそう。
 公演できないオーケストラがSNSを使って、ひとつの曲を同時演奏するのそう。
 フランスで命がけで治療に当っている医療スタッフに毎晩定時に拍手するのもそう。
 これだけで元気が湧いてくる。
 僕たちはひとりでないと実感させてくれる。

 こういう時だから、面白い言葉も出て来る。
 今週土日の外出自粛の時に出たツィートがこれ。

『家でゴロゴロしながら「自分は今、世界を救ってるんだ」
 と思える機会なんて、たしかに、なかなかないな』


『友達のギャルが「家にいるだけで生きる確率あがってってる感じしてアガる」って言ってて、いま世の中に必要なのはお前だ!ってなった』

 おおっ、ふたつともすごい逆転の発想!
 ユーモアもある!

 結局、人を救うのは『言葉』や『文化』なんだなあ。
 昨日、志村けんさんが亡くなったが、『笑い』や『ユーモア』も人を救ってくれる。


※関連記事
 今度は769倍返し 中国から「日本がんばれ」マスク(朝日新聞)

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麒麟がくる 第11回 「将軍の涙」~有能サラリーマン・光秀、上司のムチャブリで東奔西走する!

2020年03月30日 | 大河ドラマ・時代劇
「織田がこれほど無力だったとは。困ったなあ」
 利政(本木雅弘)ーーーっ、それが本音だったのかいっ!(笑)
 高政(伊藤英明)や稲葉良通(村田雄浩)の前では偉そうに話していたのに。

 信長(染谷将太)はいっぱしの戦略家のように
「要は強い方の顔を立ててやればいいのじゃ」
 と語っていたのに、今川との和議をどう実現するか、考えていない様子(笑)

 というわけで、『困った時の光秀』の登場である。
 利政は光秀(長谷川博己)に「兵糧は送れるが、兵は送れないこと」を織田に伝える役割を命じる。
 信長は膝を打って光秀に「将軍の調停」を実現する役割を命じる。
 しかも将軍の調停に関しては、利政も信長もカネを出さない!(笑)

 こういう人、実社会にもいますよね。
 有能ゆえ、上司に便利屋として使われる人って。
 ………………

 見てはいけないこと、聞いてはいけないことを見聞きしてしまう光秀でもあった。

 土岐頼芸(尾美としのり)の屋敷では、高政(伊藤英明)の本音を聞いてしまう。
「わたくしはお館様をお守りし、父・利政を……」
 次の言葉を言い出せない高政に頼芸はこう問いかける。
「殺せるか?」

 信長の城では、信長と帰蝶(川口春奈)の仲むつまじい姿を目撃して、光秀、居心地が悪そう。
 光秀に調停役を命じるあたり、帰蝶は完全に信長の側にいる。
 しっかり夫婦になったんだねえ。

 そして、光秀が今回見聞きした中で、最大なのが『将軍の涙』。
「世の中が平らかにならぬのは、わしの力が足りぬゆえ。
 わしはまだ麒麟を連れて来ることができぬ。無念じゃ」

 こうやって見てみると、光秀が一番信頼できる上司は将軍・義輝(向井理)ですね。
 麒麟を連れてきて世の中を平らかにする、という点で思いを共有している。
 利政に対する光秀の認識は「ケチ」ですし、信長に対しては「よくわからぬ人」(笑)

 というわけで、光秀のサラリーマン人生は続く。
 これからもいろいろなムチャブリをされるのだろう。

 最後は竹千代。
 しっかり前を見て、将来の敵・今川義元(片岡愛之助)の顔を覚えていました。

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コロナ蔓延の時期だからこそ、エドガー・アラン・ポーの『赤き死の仮面』を読もう!

2020年03月29日 | 短編小説
 コロナ蔓延の時期だからこそ、エドガー・アラン・ポーの『赤き死の仮面』を読む。
 冒頭の書き出しはこうだ。

「赤死病」が国土を荒廃させてからすでに久しかった。
 かほど致命的、かほど忌まわしい疫病はためしがなかった。
 血がその権化、その紋章だった──血の赤さと血の恐怖が。
 激烈な苦痛、突然の眩暈(めまい)、毛穴からの大量出血、そして死。


 この疫病で人口の半分が失われる中、プロスペロ公は宮廷の騎士や貴婦人を城塞風の僧院の中に集め、引きこもる。
 食糧を十分に蓄え、享楽に耽る。

 公は娯楽のためのあらゆる手立てを整えておいた。
 道化師もいれば、即興詩人もいた。舞姫もいれば、美女もおり、葡萄酒もあった。
 これらすべてと安泰は内部にあり、外部には「赤死病」があった。


 享楽に耽るプロスペロ公は大がかりな仮面舞踏会を開く。
 仮面をつけて皆が踊る中、貴族たちは嫌悪を覚えずにはいられないひとりの異質な人物に気づく。

 この人物は丈高く、痩せこけ、頭から爪先まで死の装束をまとっていた。
 顔をかくす仮面は硬直した死体の容貌にこよなく似せられ、いかほど目を凝らして吟味しても、その真贋を見極めるのは困難だっただろう。
 しかしこれだけなら、酔狂な連中のことゆえ、是認はしなかったにせよ、大目に見てやったことだろう。
 だがこの役者は、こともあろうに「赤死病」の化身に扮していた。
 衣裳は血でまみれ──その広い額と顔全体は「緋色の恐怖」で点々と彩られていた。


 さあ、「赤き死の仮面」の登場だ。
 貴族たちが彼を見て嫌悪を抱いたのは、それが「死」を象徴しているからだ。
「赤死病」や「死」から目を逸らすために享楽に耽っていたのに、見せつけられたら堪らない。
 プロスペロ公は激怒する。
「何者だ? ひっとらえて仮面を剥げ! 正体を確かめ、日の出には胸壁から吊して縛り首にしてくれようぞ!」
 しかし、仮面の男を捕まえてみると──

 掴みかかり、その経帷子(きょうかたびら)と死の仮面をまこと手荒く引き剥がしてみると、驚くなかれ、中には手ごたえのある姿はさらになく、その名状しがたい恐怖に、彼らは声もなく喘ぐばかりだった。

 何と「仮面の男」には実体がなかったのだ!
 そしてラスト。

 今や「赤死病」が侵入してきたことは誰の目にも明らかだった。
 それは夜盗のように潜入してきたのだった。
 宴の人びとは一人また一人と彼らの歓楽の殿堂の血濡れた床にくずれ落ち、その絶望的な姿勢のまま息絶えていった。
 そして黒檀の時計の命脈も、陽気に浮かれていた連中の最後の者の死とともに尽きた。
 三脚台の焔(ほのお)も消えた。
 あとは暗黒と荒廃と「赤死病」があらゆるものの上に無限の支配権をふるうばかりだった。


 すごいイメージですね。
「赤き死の仮面」は「赤死病」に脅えるプロスペロ公や貴族たちが見た幻覚なのか?
 はたまた「赤死病」が実体化したものなのか?

 ポーの作品は一篇の詩である。
 その悪夢のような詩の世界に酔えばいい。
『アッシャー家の崩壊』などもそうだが、ポーの作品にはつねに『死』と『滅び』がつきまとう。
 ポーにとって『死』と『滅び』こそが追い求める心のふるさとなのだ。
 それは僕たちにとっても、どこか懐かしい。

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コロナ経済対策で「お肉券」や「お魚券」の案が出て、ネットで大喜利・ツッコミが始まる(笑)

2020年03月28日 | 事件・出来事
各国のコロナ緊急経済支援策

●米国
 現金13万円支給
●香港
 現金14万円支給
●韓国
 現金8万6000円支給
●イタリア
 現金30万円以上支給
●イギリス
 休業補償(賃金の8割)
●フランス
 休業補償(賃金の全額)
●スペイン
 休業補償(賃金の全額)

●日本
 お肉券400g ←自民党の部会レベルの話らしいけど。
 お魚券   ←  〃
 高速道路無料←収束後らしいけど。
 旅行クーポン←  〃
 ………………

 かくして、この日本政府のケチっぷりとバカっぷりに
 ネットではツッコミと大喜利が発生したのだった!(笑)

●米も肉も魚介類も株も馬券も買える日本銀行券をくばれよ。

●知ってるかお偉い人たちよ! 何にでも使える券があるんですよ!
 それは、 #日本銀行券、つまり現金!!

●もう印刷されていて、日本中どこでも使える万能な商品券「日本銀行券」を配ったらいいのに。

●【僕が考えた最強の商品券】日本銀行券

●日本銀行券の代わりに「利券」が配られている。←上手い!

●あらゆる商品券のアイデアが出尽くしたところで「日本銀行券でよくね?」となる流れ。

●業界に恩を売って利権獲得するつもりなんだよ。クソ自民公明は。

●贅沢言いません、ファミマの「おにぎり券」だけ下さい。

●お野菜券と味噌汁券はよ。

●デザート券も当然必要だし。

●もうカタログ作ってギフト方式にすればいいよ←上手い!

●ポエム券もお願いします。

●麻生を殴らせる券をくれ。

●大不況の風俗産業を救うため、おめこ券配れや!←下ネタww

●もずくはお魚に含まれるの?

●バカが集まってバカみたいな会議してバカみたいに金もらってると思うと殺意がわくな。

●本末転倒っぷりの。花畑政権に失笑しかないw

●なんかコントみたいな話だな。あまりに愚か過ぎて現実のこととは思えない。

 ほんと、それ。
 赤塚不二夫先生が生きていたら「俺のマンガを越えた」とビックリされるだろう。

 僕たちはこのような愚かな世界に住んでいる。
 公文書を偽造しても隠蔽しても破棄しても許される世界。
 ウソを100回言えば事実になってしまう世界。
 バカが7年間も総理大臣をやっている世界。
 この現実を目の当たりにして、僕たちはツッコミや大喜利で笑うしかない……。
 
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笑撃、コロナの経済対策で『和牛商品券』を配布!? 自民党の愚劣政治、ここに極まれり!

2020年03月26日 | 事件・出来事
 昨夜ネットで笑撃のニュースがバズった!

 新型コロナウイルス対策で『和牛商品券』を配布!

 どーせフェイクニュースだろうと思っていたら、
 自民党の農林部会で真剣に検討されていたらしい。
 理由は、コロナで観光や外食産業が打撃を受け、和牛が売れなくなったから。

 この緊急時に、自分の支持母体に配慮し、利益誘導する相変わらずの自民党である。
 国民全体のことよりも支持母体を大事にする自民党である。

 あのさ、安倍自民党、いい加減にしろよ!
 今、必要なのは現金なんだよ!
 和牛の商品券じゃないんだよ!
 違うだろーーーっ!←豊田真由子

 まあ、『和牛商品券』は安倍自民党のバカさ加減を象徴していてわかりやすいから例にあげているんだけど、
 現在、コロナで仕事が途切れてお金で困っている人がたくさんいる。
『家賃』
『ローン』
『水道代・光熱費』
『通信費』
 を支払えなくて、不安に思っている人がたくさんいる。
 安倍の金持ち優遇政策のせいで、無貯蓄世帯がドッと増えたことを自民党は知っているのか?
 だから国民が一番安心するのが『現金』を配ること。
 アメリカや香港など海外では、国民ひとりに10万円単位の現金を配ってるんだけどなあ。
 外国でできて、どうしてこの国で出来ない?
 無駄な戦闘機やトウモロコシは簡単に買うくせに、
 安倍はほんとうに自国民にお金を使わないな!
 税金だけはいろいろな形で取るくせに!

 まあ、政府が『水道代・光熱費』『税金』は支払い猶予しようとしているのは知ってるよ。
 でも、これはあくまで『支払い猶予』だ。『支払免除』ではない。

 麻生太郎は『現金』を渡せば貯蓄にまわるから経済効果が薄いと考えて、
『商品券配布』を検討しているようだけど、『商品券』では家賃や光熱費は払えない。
 それに給付された現金が貯蓄にまわったっていいじゃないか?
 それが国民の心の安定=安心に繋がる。
 今、必要なのは『経済効果』じゃなくて、『心の余裕』『安心』なんだよ。
 心の余裕が生まれれば、それが消費に繋がる。

 まとめると──
 今、必要なのは『現金給付』!
 それが出来ないのなら、
『税金や公共料金の支払い免除』!
『すべての国民への休業補償』!
 この休業補償はサラリーマンや子供のいる家庭だけじゃないよ。
 イベント中止で仕事がなくなった方など、すべての国民だ。
 自宅待機を要請した英国は、商店や企業の雇用維持のため労働者の賃金(賃金の8割・上限32万)を肩代わりすると発表したぞ。

 安倍さん、麻生さん、
 僕たち、国民は結構な税金を払ってると思うんだけどな。
 こういう時くらい、国民に戻してよ!
 お友だちばかりに配布しないでさ!

 つーか、安倍よ、麻生よ!
 税金はもともと国民のお金で、あんたらのお金じゃないぞ。
 あんたらは税金を配分する権限をたまたま与えられているだけ。
 あんたらが自分のお金を配布するなら「安倍さん、麻生さん、ありがとう」って言うけどさ、税金を配るくらいで偉そうにするな!


※参照記事
 [新型コロナ] 和牛消費へ商品券 経済対策自民が検討(日本農業新聞)

※追記
 と、『和牛商品券』は検討しているだけでやらないだろうと思っていたら、こんなニュースが流れてきた。
 自民、国産魚介類の商品券検討(共同通信)
 まさかの『お魚券』!?
 だったら、不公平だから『お米券』や『パン券』や花屋さんのための『お花券』も発行しろw
 いや、一番手っ取り早くてすべてを解決するのが『日本銀行券(お札)』なんだがww

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東京オリンピック延期~安倍晋三の「人類がコロナウイルスに打ち勝った証の大会にしたい」発言には苦笑してしまう!

2020年03月25日 | 事件・出来事
 東京オリンピックが1年延期だそうな。

・エンブレム問題
・新国立競技場問題
・当初の予算を大きく超えた膨大な費用
・招致賄賂疑惑
・東京湾大腸菌問題
・ボランティア問題
・暑さ対策の無策
・マラソン札幌開催

 いろいろケチのついたオリンピックになったなあ。
 ほんとグダグダ。
 …………

 このオリンピックを『ドラマ』の側面で見てみると、
 企画段階でのドラマは──『復興五輪』なんだよな……。

 でも個人的には『復興五輪』をまったく感じない。
 話題の中心は『運営のグダグダ』『経済効果』『利権』……。
 聖火リレーが始まれば感じるようになるのかと思ったが、それもコロナで中止になってしまった。

 先日、安倍晋三はもうひとつのドラマとして、
『人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証』
 をぶち上げた。
 おおっ、『人類』が出て来たよ。
『コロナウイルスに打ち勝つ』って言ってるよ。
 お前は『人類の代表』かよ!(笑)

 やっぱ、この人の頭の中は単純だな。
 こんな単純なドラマを信じられる人なんだ。
 たとえれば、SF映画『インディペンデンス・デイ』でアメリカの大統領が「人類が侵略する宇宙人に勝利する独立の日だ」と宣言したようなもの。
 僕はこういうヒロイックな物語は好きなんだけど、フィクションだからいいわけで、これを現実で言われると苦笑してしまう。
 腐敗だらけの安倍に言われると「お前が言うなよ」とツッコミたくなる。

『感動の押し売り』というのもなあ。
 僕は日テレの『24時間テレビ』をこの数年見ていないのだが、オリンピックが始まれば『感動の押し売り』を見せられそうでイヤだな、と思っていた。
 だって、この『感動の押し売り』の裏には『利権』やそれに群がる『シロアリたち』がいるのだから。
『メダル至上主義』というのも気になる。
 オリンピックが始まれば「金メダルがいくつ」「銀がいくつ」「日本のメダルは全部で○個」みたいな大騒ぎが始まるんだろうな。
 この先にあるのはクーベルタンの唱えたオリンピックの理想からかけ離れた『国威発揚』。

 というわけで、
 僕の心の拠り所は、もはやオリンピックではなくなってしまった。
『商業主義』や『感動の押し売り』や『国威発揚』はまっぴら御免。
 もっと共感できる他の場所を探さなくては。
 僕の心の故郷は他の場所にある。
 以前はオリンピックが大好きだったのになあ……。

 仮に1年後、東京オリンピックが開催されたとして、世界の人々が集う開会式や閉会式を見て、僕は何を感じるのだろう?
 それが楽しみだ。

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映画「新聞記者」~森友、加計など、安倍腐敗内閣が生み出した作品。メディアと官僚は自分の矜恃と良心を取り戻せ!

2020年03月24日 | 邦画
 日本アカデミー賞の最優秀作品賞など各賞を総舐めした映画『新聞記者』。

 そこで暗に描かれているのは──
・森友事件
・伊藤詩織さん事件
・前川喜平さんを貶めるための新聞リーク事件
・加計学園事件
 すべて安倍案件だ(笑)
 まあ、東京新聞の望月衣塑子さんの著書を原案にしているのだからこうなる!
 冒頭のテレビ番組の討論番組では、望月衣塑子さんと前川喜平さんが出ている!
 この作品、こんなふうに現実が見え隠れしているから、映画の夢の世界に没入したい観客はシラけるんだけど、こういう作品があってもいいだろう。
 まさに2019年に生まれるべくして生まれた作品、安倍腐敗内閣が生み出した作品だ。
 今、森友事件で自殺された近畿財務局の赤木俊夫さんの手記と遺書が公開されたが、この作品の内容ともリンクする。
 
 面白いのは首相官邸まわりの事件を扱っているのに、首相や官房長官や総理補佐官がまったく出てこないこと。
 主人公の新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)に敵として立ちふさがるのは、内閣調査室の多田智也(田中哲司)のみ。
 首相や官邸の顔が見えないことが、逆に権力の隠喩になっている。
 巨悪は決してオモテに出ず、下部組織を動かして暗躍するのだ。

 そんな巨悪の先兵である内調の多田が語っていた言葉は次のようなもの。
「安定した政権を持つことがこの国の国益なんだ」
「ウソか本当かを決めるのはお前じゃない。国民なんだ」
「この国の民主主義は形だけでいいんだ」

 多田は内閣調査室の職員を使って世論を操作する。
 スキャンダルをでっちあげ、権力に敵対する者を社会的に抹殺する。
 なかったことをあったことにして事実にしてしまう。
 何という傲慢!
 内調のやるべきことって、外国のスパイや国内の不穏分子を調べることだろう。
 権力批判をする人たちを取り締まることではない。
 まして、ウソをでっち上げて社会的に抹殺するなんて!
 結局、多田が守ろうとしているのは『政権』なんですよね。
 多田にとっては『国=政権』であって、『国=国民』ではない。

 こんな多田の姿勢に疑問を抱き、葛藤する者もいる。
「俺たちは何を守っているのか?」
 内閣調査室の杉原拓海(松坂桃李)だ。
 自殺した内閣府の神崎千佳(宮野陽名)も組織と自分の良心・信念の間で悩んでいた。
 健全な社会を維持するためにはこういう人たちが必要なんですよね。
 不正を告発する主人公・吉岡エリカのようなメディアの人間も。
 これは僕の持論なんだけど、
 社会のそれぞれの分野の人が、自分の矜恃と良心で仕事をしていれば、世の中はそんなに悪くならない。
 官僚は官僚の矜恃と良心を
 メディアはメディアの矜恃と良心を
 検察官は検察官の矜恃と良心を。

 最後に、この作品はあまりスッキリした形で終わらない。
 エンタテインメントのカタルシスはない。
 ネタバレになるので詳しく書かないが、このモヤモヤした感じこそが今の現実なのだ。
 森友、加計、桜──全部モヤモヤしている。

『新聞記者』はやはり2019年が生み出した作品なんですね。

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麒麟がくる 第10回 「ひとりぼっちの若君」~自分のことがよくわからない信長と、自分をすでに確立している竹千代

2020年03月23日 | 大河ドラマ・時代劇
「今川は敵です。いずれ討つべしと考えます。
 しかし、その顔を知りません。
 敵の懐に入り、顔を見てみとうございます」

 竹千代(岩田琉聖)、子供なのにすごい!
 悩む信長(染谷将太)に答えを与え、自分のなすべきこと、今後の戦略をしっかり考えている。
 竹千代は将棋が得意なようだが、将棋指しのように何手も先を読んでいる。
 信長の弟・信勝にわざと将棋で負けたように周囲を欺く術も知っている。
 おそらく今川に行っても、普通の子供を演じるのだろう。

 信長は自分が何者であるか、まだわかっていないようだ。
 光秀(長谷川博己)に「よくわからぬ男」と評されたのを聞いて、
「確かに自分のことがよくわからぬ」と同意した。

 溢れる才気、エネルギー。
 信長はこれをどう活用したらいいか迷っている。
 前回、松平広忠(浅利陽介)を殺害したが、父・信秀(高橋克典)から叱責された。
 魚を獲ったことで母親から褒められたので魚獲りを続けたが、今はそんなに喜ばれていない。
 自分のなすべきことは『広忠を殺害すること』なのか? 『魚獲り』なのか?
 はたまた『別のこと』なのか?

 迷う信長はアイデンティティが確立しておらず、青春真っ只中にいるんですね。
 しっかり自分を確立している竹千代とは大違い。
 ただ、将来の信長に繋がる断片はある。
『民に喜ばれること』『鉄砲への興味』『対今川の戦略』
 これらの断片がいつ繋がって形をなすのか?
 おそらく父・信秀が亡くなり、弟殺しで母を捨てた時、開花するんでしょうね。
 父親と母親は信長を抑圧している。

 それと、信長と竹千代は母親を追い求めているという点で共感し合っているようだ。
 信長は弟を溺愛する母親を求め、竹千代は引き離された母親を求めている。

 父親を否定し乗り越えることも、男の子にとって重要なテーマ(=フロイトの『オイディプス・コンプレックス』)で、信長は父親を乗り越えようとしているし、竹千代は「父が嫌いです」と言って父親の死を歓迎している。

 さて今週の駒ちゃん(門脇麦)。
「はっ!」 スタッ!
 綱渡りをして空中で一回転!!
 駒ちゃん、こんな特技を持っていたとは(笑)
 駒ちゃん、侮れない。奥が深い。
 こうなったら菊丸(岡村隆史)といっしょに忍者をやってほしい!

 おまけに駒ちゃんを助けたお侍が明智の人間であったことが判明。
 叔父の光安(西村まさ彦)ではないだろうから、助けたのは光秀の父親?
 駒ちゃんの物語も続く。

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コロナウイルス~『集団免疫』理論をやっと理解できた。コロナ収束のためには、感染して免疫・抗体を持つ人を増やすしかない

2020年03月21日 | 事件・出来事
 最近、耳にするようになった『集団免疫』という言葉。
 僕は理解できていなかったのだが、最近ようやくわかってきた。

 以下は数学。
 たとえば、1人が3人にウイルスを感染させていけば、患者はネズミ算で増えていく。
 1人×3=3人
 3人×3=9人
 9人×3=27人
 27人×3=51人
 51人×3=153人
 153人×3=459人
 459人×3=1377人
 これが一番まずい状況だ。
 発生当初の中国・武漢や現在のイタリアやヨーロッパがこの状態と言える。
 現在の日本はこうなる前の状態で、一歩間違うとクラスターが多数発生してヨーロッパのようになってしまう。
 政府の専門家会議がさらなる自粛を求めているのはそのためだ。
 
 ところが、1人が1人にウイルスを感染させていくのであれば、患者の数はほとんど増えない。
 1人×1=1人
 1人×1=1人
 1人×1=1人
 足し算で合計3人の感染者が出ているが、この中には回復して治る人もいるので、あまり増えることはない。

 そして1人が0.8人に感染させていく状態であれば、患者の数は減っていく。
 1人×0.8=0.8人
 0.8人×0.8=0.64人
 0.64人×0.8=0.512人
 0.512人×0.8=0.4096人
 これがピークを過ぎて収束していく状態だ。

 では、この感染するのが0.8人の状態とは何か?
 これが多くの人に『免疫』や『抗体』ができている状態、すなわち『集団免疫』状態らしい。
 わかりやすく言えば、
 今までライブハウスなどで1人が10人感染させていたら感染者はネズミ算でどんどん増えていく。
 ところが9人に『免疫』『抗体』が出来ていれば、ウイルス感染は1人×(10人ー9人)=1人になる。

 これは今回のコロナウイルスに限ったことではなく、「麻疹」「風疹」「おたふく風邪」ですでに経験済みのことらしい。
「はしか」「風疹」「おたふく風邪」のウイルスは現在も存在しているが、僕たちには予防接種で『免疫』『抗体』が出来ているから拡散しない。
 仮に1人が「はしか」に感染しても、まわりの人間には『免疫』『抗体』があるから、1人×0人=0人になる。

 なので、今回のコロナウイルスに関しては、水際対策で失敗してすでにウイルスが市中に出まわっているので、『集団免疫』状態にして乗り切るしかない。
 幸いにして、このウイルスは80%の人が軽症で回復するので、回復した人は『免疫・抗体持ち』になる。
 ワクチンが出来れば国民全員が『免疫・抗体持ち』になって、完全収束するだろう。

 問題なのは重症になる20%の人だが、これらの人たちに対しては病院で人工呼吸器などを使い、全力で看護するしかない。
 現在、政府は重症患者が過度に増えた時に備えて、病床の拡大と人工呼吸器の量産に力を注いでいるようだが、この施策は正しい。

 というわけで、
 政府や専門家会議がやろうとしていることがやっと理解できました。
 人がコロナウイルスに感染することは現状では仕方なく、免疫・抗体を持つ人を増やして『集団免疫』状態をつくるしか収束の道はない。
 ドイツのメルケル首相は国民の60~70%が罹るのは仕方ないと言っている。
 とは言え、これは、どうせ60~70%の人が罹らなくては収束しないのだから放置していいということではない。
 英国はこれをやろうとして失敗し、方向転換した。
 イベントなどの行動規制やPCR検査→軽い陽性の方の自宅待機など、クラスターを出来るかぎり作らない不断の努力が必要。
 そして、何より重症患者が出た時のために病床と人工呼吸器を確保しておかなくてはならない。

 収束への道筋が見えているのは、すこし安心しますね。
 ただし、今回のウイルスにはまだワクチンがないので長丁場になりそう。
 日本の場合は検査数が絶対的に少ないので、判断の際のデータの精度が問われる。
 いったん回復した人がふたたび陽性になるという事例も発生しているから、もしこれが確かなら『集団免疫』理論が崩壊するから先が見えなくなる……。
 これだけは絶対にあってほしくないですね……。

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相棒18 「ディープフェイク・エクスペリメント」 ~鬼石美奈代を始めとして、今回は「感じの悪い人」がいっぱい!

2020年03月20日 | 推理・サスペンスドラマ
「ところで官房長官、鬼石美奈代をご存じではありませんか?」
 すげえ、右京さん(水谷豊)、内閣官房長官の鶴田翁助(相島一之)に質問を始めちゃったよ(笑)
 鶴田は右京さんに圧力をかけたつもりだったのに、それを無視!
 せっかく官房長官に会えたのだから、訊くべき事は来ておく!
 右京さんには相手の地位など関係ない。
 忖度せずに自分のやるべきことをやる。
 これには鶴田も驚いただろうな(笑)
 …………

 城和工科大学特任准教授・鬼石美奈代(坂井真紀)は天才にありがちな、おかしな人。
 頭のネジが緩んでいる。
 ディープフェイク動画で、ベッドシーンの映像を偽装。
 その理由は──
「あいつがあの女を抱きたがっていたから、(映像で)抱かせてあげたのよ」
 映像で顔を変えることで疑似エッチって?
 鬼石美奈代は子供のように遊んでいる。
 クラブの映像の顔の入れ替えも学生を通して週刊誌に売るというすぐ足がつきそうな方法。
 鬼石美奈代は完璧なディープフェイク動画をつくるITの天才だが、一般常識的な所はどこか抜けている。

 この鬼石美奈代に連なる同系統の人物として
・右京さん
・社美禰子(仲間由紀恵)
 がいる。
「僕としたことが」
「私としたことが」
 冠城(反町隆史)にしてみれば、右京さんも美禰子も自分の頭の良さを鼻にかける「感じの悪い人間」なのだ。
 冠城は頭のいい右京さんを『推理力減退症候群』にして、自分たちと同じ領域に引きずり下ろそうとしたのかもしれない。

 そして「感じの悪い人」は他にもいて、
 内閣情報調査室の柾庸子(遠山景織子)や青木(浅利陽介)もそう。
 官房長官の鶴田もなかなか。

 今回のエピソードは、「感じの悪い人」のオンパレードだった。
・右京さん→推理バカ
・鬼石美奈代、青木→ITバカ
・鶴田翁助→権力バカ

 今作のコンセプトは「感じの悪い人」かな?
 水谷豊さん、今回、結構『怪演』してましたよね。

コメント
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