平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「銀河英雄伝説」で政治を学ぶ3~反骨のヤン「私は起立しない自由を行使しているだけです」

2022年08月31日 | 小説
 アスターテ会戦戦没者慰霊祭でトリューニヒト国防委員長はこんな演説をする。

「彼らは貴い生命を祖国の自由と平和を守らんがために捧げたのだ。
 貴い生命と、いま私は言った。
 まことに生命は貴ぶべきである。
 しかし、諸君、彼らが散華したのは個人の生命よりさらに貴重なものが存在するということを、後に残された吾々に教えるためなのだ。
 それは何か。すなわち祖国と自由である!
 彼らの死は美しい。
 小我を殺して大義に殉じたからだ」


 ヤンはこの演説を「下品な扇動的な演説」と評し、聞くのを「徹夜以上の苦痛」と表現している。
 彼は国家のために殉じることをバカらしいと考える徹底した個人主義者なのだ。
 トリューニヒトはさらに演説を続ける。

「祖国あってこその個人であることを諸君は想起しなければならない。
 それこそが生命にもまさって重要なものなのだ。
 私は一段と声を大にして言いたい。
 祖国と自由こそ、生命を代償にして守るに値するものだと。
 吾々の戦いは正義なのだと!」


 トリューニヒトの矛先は、反戦を説く平和主義者に向かう。

「帝国との講和を主張する、一部の平和主義者たちよ。
 専制的全体主義との共存が可能だと考える、一部の自称理想主義者たちよ。
 迷妄からさめよ!
 諸君の行為は動機はどうであれ、結果としては同盟の力を削ぎ、帝国を利することになるのだ。
 帝国においては反戦平和の主張など認められない。
 自由の国であるわが同盟だからこそ、国策への反対が許されるのだ。
 諸君はそれに甘えている!
 平和を口で唱えるほどやさしいものはない」


 この言葉は2022年のネトウヨさんが言っていることと同じだな。
 仮にどこかの国と戦争になれば政治家も言い出すだろう。
 そして国民に犠牲を強いる。死を讃美し、国のために命を捨てろと言う。
 トリューニヒトは続ける。

「私はあえて言おう。
 銀河帝国の専制的な全体主義を打倒すべきこの聖戦に反対する者は、すべて国を害(そこ)なう者である。
 誇り高き同盟の国民たる資格を持たぬ者である!
 自由な社会と、それを保障する国家体制を守るため、死を怖れず戦う者だけが、真の同盟国民なのだ。
 その覚悟なき卑劣漢は英霊に恥じよ!」


 このトリューニヒトの言葉をどう考えるかは、皆さんにお任せします。
 ただ、「そのとおりだ!」と素直に同意して心酔するのはお薦めしません。
 立ち止まって考えて、違和感を抱くくらいがちょうどいいと思います。

 ちなみにヤンは、このトリューニヒトの演説に皆が「万歳!」をして立ち上がる中、ずっと座っている。
「貴官、なぜ起立せぬ!?」と問われると、
「この国は自由の国です。
 起立したくないときに起立しないでよい自由があるはずだ。
 私はその自由を行使しているだけです」

 と答える。

 アスターテ会戦で恋人のジャンを失ったジェシカ・エドワーズは演台のトリューニヒトの前にやって来て、こう尋ねる。
「委員長、あなたはどこにいます?
 死を賛美するあなたはどこにいます?
 あなたの演説には一点の非もありません。
 でもご自分がそれをなさってるの?」


 この場面、僕は『銀英伝』の中でも屈指の名シーンだと思っている。
 まあ、ヤン自身も言っているとおり、ヤンもジェシカも子供なんですよね。
 ヤンが養っている少年ユリアンにもたしなめられる。
「どうしてまた!
 内心で反対でも、立って拍手してみせれば無事にすむことじゃありませんか。
 他人には表面しか見えないんですからね」


 ユリアンの方がずっと大人!笑
 しかし、起立しないのがヤンなのだ。
 決して長いものに巻かれない。
 ヤンはこんなことも思っている。

 いつでも、王様は裸だと叫ぶのはおとなではなく子供なのだ。

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鎌倉殿の13人 第33回「修善寺」~お前、悪い顔になったな。でも、救いはある。迷いがあるからだ

2022年08月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 時政(坂東彌十郎)、執権別当に。
 これで実質、北条が鎌倉のトップに立った。
 だが、まだ不安定だ。
「北条のやり方は汚い」「いずれしっぺ返しを受けるぞ」
「武蔵を手に入れようとしている」

 そんな状況下、反北条の旗頭になりそうなのだ修善寺の頼家(金子大地)。
 頼家も牙を抜かれていない。
「鎌倉殿はこのわしじゃ! このまま朽ち果てるつもりはない!」
「もはや、あの女(政子)、母とは思わぬ」
 頼家は後鳥羽上皇(尾上松也)に「北条追討の院宣」を要請する。

 これを知った北条。
 義時(小栗旬)は──
「頼家様を討ち取る。これは謀反だ」
「こうなっては他に道はない」

 鬼となった義時。
 義時はかつての自分を捨てた。
 かつての自分は息子。泰時(坂口健太郎)のような、やさしい、正論を大事にする人間だった。
 だから泰時を評して言う。
「太郎(泰時)はかつての私なんだ。あれは私なんだ」
「太郎は私の望みだ」
「望み」というのは「良心」と言い換えてもいいだろう。
 だが、もはや義時は後戻り出来ない。
 修羅の道を突き進むしかない。

 司馬遼太郎は「歴史には、まずブルドーザーのように道を切り拓く人が現れて、次にその道を整地する人が現れる」と書いた。
 信長→秀吉→家康
 幕末の過激な志士→明治政府
 この図式で言えば、義時は「ブルドーザーで道を切り拓く人」になり、泰時はおそらく「整地する人」になるのだろう。

 義時は善児(梶原善)を責めることが出来なかった。
 兄、宗時(片岡愛之助)を殺害したのがわかったにも関わらず、
「あれは有用な男だ」
「わたしは善児を責められようか?」
 自分も善児と同じだと義時は自覚しているのだ。
 善児同様、自分の手も血で汚れている。

 そんな義時に対して、運慶(相島一之)。
「お前、悪い顔になったな」
 こう言いつつ、
「だが、まだ救いがある。お前には迷いがある。その迷いが救いなのよ」
 自分の行為に迷いや葛藤がある義時はまだ鬼になり切っていないんですね。
 鬼になるとは、何の迷いや葛藤もなく陰謀、粛清などが出来ること。
 罪を自覚できなくなること。
 こうなってしまったら人間おしまいだ。

 そして、芸術家・運慶は葛藤しながら修羅の道を進む義時に創作心をそそられたようだ。
「お前のために仏を彫りたい。いい仏が彫れそうだ」
 確かに苦悩している人、罪を背負って歩み続ける人は美しい。
 苦悩が鑿(のみ)となって顔や体を彫っていく。
 おそらく運慶が彫る仏の顔は義時の顔になるのだろうが、どんな顔になるのだろう?

 鬼になり切れていなかった人物はもうひとり。
 善児だ。
 頼家を殺害しようとして、『一幡』の文字を見た時、手が止まった。
 それで返り討ちに遭った。
 それはトウ(山本千尋)の時も同じで、
 範頼(迫田孝也)殺害の時、トウの両親は殺せたが、少女のトウは殺せなかった。
 そのことが数年後──
「じっとこの時を待っていた! 父の仇! 母の仇!」

 修羅の道を歩いている者にとって、
 人間らしさや弱さは命取りになるんですね。
 やさしさもそう。
 でも、これらをなくしてしまってはいけないと思う。
 暗闇の中にも光はある。

 最後はトウ。
 数年間、憎悪を隠して善児に仕えて来たトウは強く凄まじい。
 善児を越えるキャラクターになった。
 善児退場。トウ檜舞台に。
 見事な退場&登場劇である。

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空っぽな総理大臣~岸田首相、原発再稼働・新増設を言い出す……

2022年08月28日 | 原子力発電・反対
 首相の岸田文雄が17基の原発再稼働と原発の新規増設を言い出した。
 総裁選の時は新規増設なんて言っていなかったのにね……。

 日本は地震大国だ。それでいいのか?
 3・11を忘れたか?
 日本人がこの土地に住めなくなってもいいのか?
 使用済み核燃料はどうする?
 どこに貯蔵するのか?
 ウクライナを見ればわかるとおり、
 有事の際、敵に原発を狙われるが、それでいいのか?
 どんなにご立派な武器があっても原発爆発で終わりだぞ。
 狭い日本に原発は不向きだ。

 原発にこだわった結果、再生エネルギーの技術からも遅れていく。
 30年後、50年後を考えれば、再生エネルギーにこだわった方がはるかに有益になる。
 その技術を輸出することだってできる。
 安倍晋三氏は原発をトルコやベトナムに輸出しようとしたが、全部失敗しているじゃないか?

 政府・自民党が原発にこだわるのは、電力会社や原子力ムラの意向があるからである。
 電力会社や原子力ムラは高額な費用を投じて造った原発をもったいなくて捨てることができない。
 ここで政府に方向転換されたら、原発は莫大な負債になる。
 だから、こだわる。
 でも、ここで方向転換しないと、日本はどんどん世界から遅れていくぞ。
 既得権者にはここで泣いてもらおう。
 一時期、経営が苦しくなるかもしれないが、それが最終的に企業にとって未来に繋がる。
 政治家は30年後50年後を構想しろ。

 しかし、岸田文雄という人は空っぽな人だな……。
 麻生太郎や自民党・清和会が「国葬をやれ」と言えば、それに従う。
 電力会社や経産省が「原発を動かせ。造れ」と言えば、それに従う。
 岸田文雄という人物の意思はどこにあるのか?
 結局、彼の「聞く力」というのは、彼のお仲間の言うことを聞くということなのである。

 こんなに意思のない総理大臣はめずらしい。

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軍事産業「ごちそうさまで~す」~自民党、防衛費10兆円のために「防衛増税」「防衛国債」を検討!

2022年08月26日 | 事件・出来事
 自民党の国防部会が防衛費10兆円のために「防衛国債」または「防衛増税」を検討しているらしい。

 防衛費10兆円と言ってもなあ。
 どれだけ効果があるんだろう?
 中国は22兆円だぞ。
 もちろん、こちらが上げれば向こうも上げて来る。
 結果、こちらも上げなくてはならなくなる。

 仮にこれを税金で賄うとしたら消費税2%UPか……。
 日本経済、ますます悪くなるぞ。
 人々はますますお金を使わなくなる。
 完全な悪循環。

 それに、これは何度も書いているけど、
 日本の低い食料自給率、エネルギー自給率をどうするんだ?
 どんなにご立派な兵器があっても、食料が尽きたら終わり、燃料が尽きたら兵器は動かない。
 平時の今でさえ「電気が足りません」「節電をお願いします」と言ってる国だぞ。
 それに日本にある50基以上の原発。
 これどうするんだ? 攻撃されたら終わりでは?
 日本の安全保障を語るやつはこの視点が抜けている。
 ご立派な武器があれば、憲法9条がなくなれば、すべてが解決すると思っている。

 それに日本の軍事費は世界5位だぞ。
 日本より軍事費の低いベトナムやモンゴルといった国も中国と接しているんだけどねえ。
 …………………………………………

 以下はネットの言葉。

・国債でやれよ

・参議院選挙前は財源について何も言わなかったのに選挙終わったら増税案を出してきたのか
 本当に地獄の自民党政権だね

・軍需産業「ごちそうさまでーす」

・80年前も同じこと言ってそう

・防衛費増額って要は日本国民の金をアメリカに流そうってことだよな?

・アメリカの兵器営業マンの言いなり
 こいつらに、いくら予算をつけてもアメリカの兵器産業が儲かるだけよ

・9割中抜きするから

・防衛費の中抜きを狙っている連中が騒ぎだしたから、よく注意することだ
 あいつら、本当に日本防衛なんてどうでもいいからな
 中抜きでカネを手にしたい連中だから

・まずは国葬をやめて、それをまわすべきだわな

・機械のことしか考えず
 それを扱う人や兵站を置き去りにしたのが昭和の敗戦

・国防よりも教育や食糧の自給にカネを使いなさい
      ↓
・それな。食糧自給率すら気にも留めない国で国防とか言ってる始末だしな
 ガタルカナル島に放り込んでしまえばいい
      ↓
・自民党のアホに任せていたら、日本人は苦労するぜ
 アメリカから武器を買うことが国防だと勘違いしているからね
      ↓
・しばらくしたら、買わされた武器で戦争しろと脅されそうだ
 がち右の俺でも今回の防衛費増加は内容の吟味が必要だと思う

・軍事力世界5位でも足らないんだー
 世界4位になっても3位になっても足らないと思うよ
 軍事おもちゃ中毒くんには

・納税と国防は国民の義務だよ
      ↓
・憲法に国防なんて一言も書いてないわ

・たとえば戦闘機を増やすにしても搭乗員や整備担当者はどうするんだ
 機械だけ調達するために増税とかふざけすぎだ
 中抜き魂胆がミエミエ
 徴兵制でもやるのか?と。
      ↓
・当然徴兵制も必要
      ↓
・徴兵で足りるとでも?
 中国は10倍以上の人口
 徴用、国家総動員、列島総動員しても足りるわけないだろ
 観念しろ

・円が紙屑になるの見てみたい。戦後紙屑になったし
      ↓
・マジかよゴールド買って隠すわ

・自民党のバカは継戦能力のために弾薬が必要だとわめく
 弾薬があったって戦争したら日本人がまともに生活できるわけがない
 ケガや病気でもまともに治療もなく死んでいく
 食料、エネルギーもなく死んでいく
 電気・ガス・水道の保障もなく死んでいく
      ↓
・それを耐え抜く精神力が必要
 だから国民に普段から贅沢な生活を送らせるのは良くない

・国防バカ一代
 ハード面しか考えられないバカ集団
 そもそも、若者の大半が戦争に参加したくないのに
 防衛費にだけ注目するのが笑えるわ
      ↓
・参加したいとかしたくないとか甘ったれるな
 国防は国民の義務

・台湾で有事が起きたら、日本も参戦することにされそうで怖いな

・なんかやろうとするたびに増税するなこの政府は
 ………………………………………………

 私感。
 残念ながら、この30年間で日本は中国に完全に差をつけられてしまったんですね。
 与党の政治家は目先の利権を貪ることばかりで、30年先、50年先を考えることを忘れていた。
 だから、今から対抗しようと思ってもムダ。
「中国さま~」「アメリカさま~」と両方にいい顔をしながら生き残っていくしかない。

 引用の中に
「耐え抜く精神力が必要」
「国民に普段から贅沢な生活を送らせるのは良くない」
「甘ったれるな。国防は国民の義務」
 という言葉があるが、この国は1945年から変わっていない?

「なんかやろうとするたびに増税するなこの政府は」
 というのも実感で、たまには「減税」ってものをしてみろ。笑
 今よりずっと景気が良くなるから。

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五輪汚職~高橋元理事の逮捕で捜査はどこまでいくのか? 元大臣・元総理大臣の名前も浮上!

2022年08月24日 | 事件・出来事
 受託収賄容疑で逮捕された東京五輪大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)。
 その容疑内容はこうだ。

 紳士服のAOKIホールディングスが大会オフィシャルサポーターになるための協賛金7億5000万。
 うち5億を大会組織委員会に。
 残り2億5000万を高橋元理事が推薦する競技団体(馬術・セーリング)の強化費に。
 その2億5000万のうちの1億~1億5000万を高橋氏が経営するステーキ店の借金返済に使用?
 AOKIはオフィシャルサポーターになり、ユニフォーム製造や衣服関係の商品化の権利を得た。
 ここに高橋元理事の意向が働いた?
 オフィシャルサポータになる協賛金は15億だが、高橋元理事の意向で半額になった?
 その他AOKIは顧問料として5100万を高橋理事に4年間で4500万を支払っている。

 受託収賄事件は立証が難しいのだが、どうやらAOKIの社員がやりとりを録音していて、
 それが検察側の逮捕の決め手になったらしい。
 AOKIの社員にしてみれば、あとで「言った」「言わない」のトラブルを避けるための録音だったが、これが功を奏したわけだ。
 もしかしたらこの収賄が闇に葬られたかもしれないし、社員が勝手にやったことと責任を押しつけられたかもしれない。
 今の時代、重大な会議での録音は必須だ。
 …………………………………………

 さて、この受託収賄事件。
 検察の捜査はどこまで伸びるのか?

 当然こういう案件には政治家が絡んで来る。
「俺にもいっちょ噛ませろや」と利権に入って来る。
 現在、名前が挙がっているのは菅内閣でIT担当大臣を務めたH議員。
 逮捕された高橋理事は元・電通だが、このH議員も元電通社員。
 東京地検はこの件で、電通にガサ入れをしている。

 ちなみに電通。
 オリンピック、そして9月27日の安倍晋三氏の国葬を仕切っている。
 電通どれだけ政府と癒着しているんだよ。
 まあ、インターネット全盛で、もはや広告代理店は要らなくなったから、こういう形で稼ぐしかない。

 高橋元理事の件では、捜査の対象として元総理大臣の名前も挙がっているらしい。
 それはIT担当大臣のH議員に指示を出せる人物S元総理。
 S元総理の下でH議員はこの案件で動き、その論功でIT担当大臣に抜擢された?
 ちなみにこのS元総理の三男は大手ゼネコンに務めていて、
 そのゼネコンは新国立競技場の建設を請け負っている。

 東京地検はどこまで踏み込めるのか?
 ………………………………

 これまでも何度も書いているが、オリンピックは大きな利権である。
 国民の税金でオリンピックを開催し、これで動く巨大なマネーを関係者で分け合う。
 それは2025年の大阪万博でも同じ。
 2030年の開催に手を挙げている札幌オリンピックも同じ。
 どれも利権を生み出す木だ。
 だから彼らはやりたがる。

 以下のことも何度も書いているが、
 今の日本にそんなことをしている余裕はないと思うんだけどな。
・少子化問題をどうする?
・低い食糧自給率・エネルギー受給率はどうする?
・格差拡大・薄くなっていく中間層=日本市場の縮小をどうする?
 やるべきことは山のようにある。
 そして税金は限られている。
 醜いおっさん、おばさんたちよ、税金に群がるな。
 今だけ金だけ自分だけは、もうやめろ。

 それにしても安倍晋三氏が亡くなって、いろいろなことがボロボロ出て来た。
 検察はここぞとばかりに動いている。
 テレビも連日、統一教会批判。
 これは偶然か?
 安倍氏の影響力で、いろいろな闇が止められていたのかもしれない。

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鎌倉殿の13人 第32回「災いの種」~慟哭する頼家。これで義時は完全な悪役になった

2022年08月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 義時(小栗旬)、完全な悪役になった。

 まず一幡(相澤壮太)を殺害した。
 善児(梶原善)はためらい、トワ(山本千尋)は守ったのに。

 比奈(堀田真由)は自ら離縁を申し出た。
「わたしからお願いいたします。どうか離縁して下さい」
 それは比企の娘である自分の存在が義時にとってマイナスになるからだが、
 比企滅亡に荷担したことへの呵責もあるだろう。
 別れの際の言葉「いってらっしゃいませ」が哀しい。

 仁田忠常(高岸宏行)は北条と頼家(金子大地)の板挟みになって自害した。
 相談に来た時、話を聞いていれば……。

 政子(小池栄子)、泰時(坂口健太郎)からは責められる。
「あなたはわたしの孫を殺した! 頼朝様の孫を殺した!
 頼家も殺すつもりですか!? もうあなたを信じることができません!」
 泰時は「父上はおかしい」
 これに対して義時は「武士とはそういうものだ」

 そしてラストの頼家の慟哭。
 生還した頼家は事情を知って激怒。
「北条をわしは絶対に許さん!」
 しかし、もはや頼家には力がない。結局負けて、子供のように泣き叫んだ。
 そして修善寺へ。
 ……………………………………………

 義時、修羅の道である。人がどんどん離れていく。
 孤独でもある。
 義時は身を以て頼朝(大泉洋)が背負っていたものを実感しただろう。
 権力者になるとはこういうことである。

 もともと義時は器用な人物ではない。
 詰めが甘かったり、失敗したりして、いろいろな所に頭をぶつけている。
 結果、さまざまな偶然も重なって今の事態に陥った。
 そして今の事態は最悪。
 義時は「それしか道はない」と言っているが、悪手を打ち続けているのではないか?

 暴力ですべてを解決しようといているのも気になる。
 まあ、これは現代人の感覚で、敵対する者を根絶やしにするのは当時の常識だったのかもしれないが、これを2022年の視聴者が見ると、主人公像として違和感が出て来る。
 義時を「ダーク・ヒーロー」と思って見るしかない。
 さて、三谷幸喜さんはこれをどう料理するのか?
 狩りで剥製の鹿をヒモで引っ張って倒して「お見事!」と言っていた頃が懐かしい。
 もはやあの頃には戻れない。

 ラストは善哉(長尾翼)。
 比企尼(草笛光子)の亡霊? が現れて、「北条を許してはなりませぬぞ」
 伏線である。
 これで後の歴史に繋がった。

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今、意味を持つモハメド・アリの言葉~あなたが私に対して、なって欲しいという者に私はなる義務がない

2022年08月21日 | 名セリフ・名言集
 過去記事をアレンジしてもう一度。

 ボクシングのモハメド・アリはベトナム戦争の時、徴兵を拒否した。
 その時の言葉がこれだ。

「俺にはベトコンと戦う理由がない。奴らは俺をニガーとは呼ばなかった」
「いかなる理由があろうとも、殺人に加担することはできない。アラーの教えに背くわけにはいかない」


 アリは「国家」ではなく、「個人」「自分のルール」に従った。
 周囲の目や空気に流されることもなかった。
 結果、アリは王座剥奪、長期間の試合禁止へ。
 それでもアリは自分にこだわった。
 安倍晋三氏の国葬。
 政府は黙祷を要請して来るだろうが、僕はやらない。
 ウクライナに侵攻しているロシア兵もなあ。
「俺にはウクライナ人と戦う理由はない」と武器を捨てれば、戦争はすぐに終わるのに……。
 アリはこんなことも言っている。

「あなたが、私に対して、なって欲しいという者に私はなる義務がない」
 ………………………………

 無敵のチャンピオン・ジョージ・フォアマンとの死闘を演じた<キンシャサの奇跡>。
 この時、アリはすでにピークを過ぎたと言われていた。
 試合もロープにもたれながら逃げまわっているだけ。
 観客は、そんなだらしないアリにブーイング。
 しかし、これがアリの作戦だった。
 「ロープ・ア・ドープ」
 アリは相手に打たせるだけ打たせて、フォアマンが疲れるのを待っていたのだ。
 結果、フォアマンは不用意にアリを追い、左、右のワンツーパンチを喰らってノックダウン!
 この経緯は、沢木耕太郎さんの『一瞬の夏』で描かれているが、沢木さんはこのKOシーンに鳥肌がたったという。
 アリは、逃げまわる防戦一方のカッコ悪い自分を見せることを気にしなかった。
 ファンのブーイングにもめげず、あくまで自分の作戦を貫き通した。
 これも、強烈な「個人」をもっていたアリならではエピソードである。
 …………………………

 アリは「ビッグマウス」のボクサーであった。

 有名なのがこれ。
〝Float like a butterfly, sting like a bee. Your hands can’t hit what your eyes can’t see(蝶のように舞い、蜂のように刺す。奴には私の姿は見えない。見えない相手を打てるわけが無いだろう)〟

 その他にもこんな言葉。

「私ほど偉大になると、謙虚になることは難しい」
「私は神話を作り、神話の中で生きる」

 これらの「ビッグマウス」も強烈な「個人」の表れだろう。
 凡人が「神話の中で生きること」など出来ないが、
 がんばって国家や周囲に左右されず「個人」を貫いて生きていきたいと思う。

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ネトウヨさん、またやらかす!~安倍氏銃撃現場に「スナイパー小屋」があった!笑

2022年08月19日 | 事件・出来事
 安倍晋三氏はスナイパーに狙撃された?
 ネトウヨさんの間ではこの話題が持ちきりだ。笑

・山上徹也はスナイパーの犯行を隠すための囮。
・山上徹也が銃を撃ったのはスナイパーの銃声を隠すため。
・スナイパーは少し離れたビルから、山上の発砲に合わせて銃を撃った。

 これがネトウヨさんの素晴らしいお考えだ!
 こんな言説が出て来た背景には、
 銃撃現場の近くのビルの屋上に白いテントが張ってあったことにある。

 

 スナイパーはこの白いテントの中から銃を撃ったというのだ。笑
 そして、このテントは3時間後に撤去。
 これに対してネットではツッコミが殺到!

・そもそもスナイパーが小屋を置く意味が分からない
 そんなん置いたら余計目立つやん
 演説の何時間も前から小屋で休憩でもしてたのか?w

・映画しか知らないけどスナイパーって荷物も最小限で
 目撃されないようにするなら撃つときだけ姿を出すもんじゃねーの?w
 それが白いテントを屋上に貼ってキャンプしてたのか?w

・俺がスナイパーなら現場に証拠なんて絶対に残したくないけどな
 3時間も小屋置きっぱなしにして報道ヘリに写して貰った挙げ句に後からノコノコ片付けに行くなんてまっぴらごめんだわw

・ビルの縁よりも離れたとこにテント貼って獲物を狙うプロのスナイパー

・事件後3時間で撤去は草
 スナイパーどんだけ仕事おせーんだよw

・けんさく:音のはやさ

・スナイパー小屋という
 パワーワード

・ネトウヨと陰謀論ってなんでこんな相性が良いんだろう
 そのへんを研究した論文とか無いの?
 めちゃくちゃ読みたい

・スナイパーテント信じて安倍が韓国カルトだったのは信じないネトウヨさん
 ピュアでステキー!!

・保守右翼の底抜けの馬鹿さ加減にはただただ呆れ返るばかり
 まさにカルトそのもの

 で、この白いテントは何だったかと言うと、ビルの方に取材したBuzzFeedの記事に拠れば、
「ビルの排煙ダクトの清掃や点検などのオーバーホール作業で2畳ほどの大きさの白いテントを張っていた」
 ということだったらしい。
 …………………………………………

 これぞ陰謀論の典型である。
 おそらく、これはアメリカのケネディ暗殺がオズワルドの手に拠るものではなく、別のビルから誰かが狙撃した説から来ているのだろう。
 そしてネトウヨさんは安倍氏が統一教会絡みで殺害されたことを認めたくない。
 安倍氏を抹殺したいと考える国や勢力の仕業にしたい。
 総理大臣辞めてるし、そんな国や組織があるとは思えんが……。

 さて、まとめると──
 人間の認識能力など、この程度のものである。
 自分に都合のいい事物を繋ぎ合わせて、自分に都合のいい物語を作り出す。
 現実というのは案外、平凡で退屈で、
 壮大な暗殺陰謀論が『排煙ダクトの掃除・点検』だったりする。

 最後はふたたびネットの言葉で終わりましょう。

・ネトウヨさん
 現実は辛いが、変な妄想していないで
 安倍氏は壺と一体だった事実を受け入れましょう


※関連記事
 安倍元首相銃撃事件「ビル屋上にスナイパー小屋」→誤り。動画やツイートが拡散、当事者が法的措置を検討(BuzzFeed)

 【陰謀論】安倍元首相銃撃事件「ビル屋上にスナイパー小屋」→誤り。(ニュー速)

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「銀河英雄伝説」で政治を学ぶ2~独裁者を生んだのは民衆が楽をしたがったからさ

2022年08月17日 | 小説
 ヤン・ウェンリーの父ヤン・タイロンは宇宙の交易商人だった。
 タイロンは「独裁者のルドルフにどうして民衆はだまされたんだろう?」という少年ヤンの質問にこう答える。

「民衆が楽をしたがったからさ」
「自分たちの努力で問題を解決せず、どこからか超人なり聖者なりが現れて、彼らの苦労をひとりでしょいこんでくれるのを待っていたんだ。
 そこをルドルフにつけこまれた。いいか、おぼえておくんだ。
 独裁者は出現させる側に多くの責任がある。
 積極的に支持しなくても、黙ってみていれば同罪だ」


 問題や困難に直面した時、人は何かにすがりたくなる。
 それは宗教だったりするかもしれない。
 自分の行動や考えをすべて宗教の教義や教祖に委ねてしまうのだ。
 これは生き方として「楽」である。
 なぜなら何も自分で考える必要がないのだから。

 すがるのが政治家である場合は、タイロンの言うとおり「独裁者」を生み出すかもしれない。
 政治家の言うことはすべて正しいと信じて、言うとおりに生きる。
 政治家が「これは正義の戦争だ」と言えば、疑わずに戦い、命を捨てる。
「戦うべき敵はこれだ」と言えば、それが憎むべき対象になる。
 あるいは、強い政治家と同一化すれば、自分も強く立派になったように錯覚する。

 だが、これでいいのだろうか?
 もちろん、この人の主張していることはまさに自分が思っていたことだ、みたいなことがあるだろうが、100%一致することはあり得ない。
 ここは同意するが、ここは自分と意見が違うくらいのスタンスが独裁者に取り込まれないコツだ。
 あるいは政治家なんてからかい、バカにするくらいの方がいい。
 自分の人生を他人に委ねるな。
 ………………………

 タイロンはこんなことも言っている。

「お前、そんなことよりももっと有益なものに関心を持て。
 金銭と美術品だ。
 金銭は懐中(ふところ)を、美術品は心を、それぞれ豊かにしてくれるぞ」


「金銭は決して軽蔑すべきものじゃないぞ。
 これがあれば嫌な奴に頭を下げずにすむし、生活のために節(せつ)を曲げることもない。
 政治家と同じでな、こちらがきちんとコントロールして独走させなければいいのだ」


 交易商人らしい金銭観である。
 非常に現実的でもある。
 確かにお金は大切だ。

 もっともタイロン、美術品に関しては鑑定眼がゼロだったらしく、彼が収集した美術品はすべて偽物だった。笑
 このあたりは同じ田中芳樹作品『アルスラーン戦記』のナルサスが、絵がメチャクチャ下手だったことを思い起こさせる。
 田中芳樹先生も絵が下手なのだろうか?

 そして、このことがヤンの運命を変えた。
 父タイロンが亡くなり、美術品が偽物ばかりで、父の交易会社の権利は借金の抵当に入っていて、ヤンは歴史を学ぶ学資を稼ぐために仕方なく「国防軍士官学校・戦史研究科」に入るのだ。
 愛国心や好戦性とは無縁なところでヤンの進路は決定されたのである。

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鎌倉殿の13人 第31回「諦めの悪い男」~これでよかったかどうかはわかりません。しかし、これしか道はありませんでした……

2022年08月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 義時(小栗旬)、闇落ちである。

「やれることはやりました。
 方々、拒んだのは向こうでござる。これで大義名分が立った。
 比企を滅ぼす!」

 権力闘争である。
 少しでも甘さを見せれば、こちらがやられる。
 この判断の決断の背景には生前の頼朝(大泉洋)の姿があった。

「敵に容赦せず常に先を仕掛けていた。これが頼朝様のやり方」
「一幡様を殺せ。頼朝様ならそうされていただろう」

 こうやって頼朝を言い訳にするあたり、義時には迷いがあるのだろう。
 頼朝様ならこうやったに違いない。だから自分もこうするしかない。
 こう自分に言い聞かせていた。
 迷いがあるから泰時(坂口健太郎)に「そこまでして北条の世をつくりたいのですか!?」と
 問われて、「当たり前だ!」とキレた。

 迷っているから、時政(坂東彌十郎)にも覚悟を尋ねた。
 時政は自分の三つの大事にしているもの「伊豆の地」「りく」「息子と娘たち」を守るのが天命だ
 と語り、覚悟を示した。

 もはや進むしかない義時。
 そして比企を滅ぼした時は自分に言い聞かせるように
「これでよかったかどうかはわかりません。しかし、これしか道はありませんでした……」

 迷える義時である。
 冒頭で「闇落である」と書いたが、義時は完全に「鬼」になっていない。
 今後も迷い、もがき苦しみながら修羅の道を歩いていくのだろう。
 ……………………………

 迷い、葛藤しない人物もいる。

 時政は吹っ切れていて、比企能員(佐藤二朗)殺害の蔡には
「板東武者は何でもする。名前が傷つくことなど何でもない!」

 三浦義村(山本耕史)も
「三浦と北条は刎頸の交わり。三浦を見くびってもらっては困るな」

 比奈(堀田真由)は比企の娘でありながら、非情な夫・義時を弁護して、
「人は変わるもの。それでいいではありませんか」
 ただ、そう言ったものの、比企滅亡の際は複雑な思いだった様子。
 ………………………………

 ここで、上記のことをさらに深掘りして考察すると、

・歴史は暴力によって変わる……。
 どんなに言葉を尽くしても「よし、わかった」にはならない。
 言葉が行き詰まった時、採用されるのは暴力だ。
 そして僕たちは7・8の事件に思いを馳せて、この命題に向き合い戸惑う。

・あとは断言する人はカッコいいけれど……。
 時政の「板東武者は何でもする。名前が傷つくことなど何でもない!」
 三浦義村の「三浦と北条は刎頸の交わり。三浦を見くびってもらっては困るな」
 はわかりやすくてカッコいいんですね。
 でも僕は「これでよかったかどうかはわかりません。しかし、これしか道はありませんでした……」
 とつぶやく義時を良しとしたい。
 迷いのない勇ましい言葉はスッキリする。
 でも、迷ったり、後悔したりする義時の姿勢こそ大切だと思う。

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