平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

イカゲーム~だるまさんが転んだ、ビー玉、綱引き……認知症のおじいさんが大活躍するデスゲーム!

2021年10月21日 | テレビドラマ(海外)
 netflixの「イカゲーム」を見た!

 

 この画像を見ただけで、いかに『頭のおかしいドラマ』かがわかる。
 世界中で大ヒットしたかがわかる。

 内容は巷で言われているように韓国版「カイジ」。
 いわゆるお金と生命を賭けたデスゲームものだ。
「カイジ」を分析しまくってヴァージョンアップした感じ。

 どのようにヴァージョンアップしたかと言うと──

①ゲームが子供の遊び
 だるまさんがころんだ、ビー玉、綱引きなど。
 これらのゲームで負けたら死んでしまう。
 これらで、なぜ死んでしまうかは実際に見て確かめて下さい。

②刑事が潜入する
 今までこうしたデスゲームものでは警察は不介入だったが、
「イカゲーム」では刑事が潜入して、真相に迫り、告発しようとする。
 ゲームを取り仕切る敵のボス(通称フロントマン)との駆け引きが面白い。
 その他、このデスゲームを利用して裏で別の犯罪をおこなっている連中もいる。

③ゲーム参加者が多彩
 通常、こうしたゲームに参加するのは借金を抱えた人や悪党などがほとんどだが、
「イカゲーム」では、脱北者(←韓流ドラマらしい)や認知症の老人などが登場する。
 認知症の老人などはすぐに負けて死んでしまいそうだが、意外と活躍する!

④結構、民主的
 参加者の過半数が「ゲームをやめたい」と言えばゲームは中止になる。
 男女、老人・若者などの差別がなく、ルールの下で平等。
 仲間からはぐれた者には救済措置がある。

 僕たちのいる一般の現実社会はこうしたことすらない弱肉強食の世界。
 だから、ゲーム参加者の中には現実社会よりゲームの世界の方がマシだと考える人もいる。
 このひねり方が面白い。

⑤頭をつかわなくても勝てる
 デスゲームものでは、数学の確率などを駆使した頭脳戦が展開されるが、今作ではあまり必要がない。
 結構、力業(ちからわざ)で勝てたりする。
 もちろんズルいやつは相手をダマして勝ち残ったりするが。

 ラストの真相は、僕はドラマオタクなので、第3話くらいでわかりました。
「イカゲーム」の黒幕は誰か?
 黒幕の動機は何か?
 なぜ「子供の遊び」なのか?

 それにしても、netflixなどのサブスクは面白いコンテンツばかり。
 世界で配信されるから、世界的な大ヒットに繋がるかもしれない。
 世界的な大ヒットを見込めるから予算もかけられる。
 表現規制もゆるい。
 こうなると民放地上波の視聴者離れはどんどん加速していくだろう。
 テレビをつければ、芸能人が飯を食べてる番組ばかりですから。

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ソウル1945~境遇の逆転を描いた壮大なドラマ!

2012年03月15日 | テレビドラマ(海外)
 韓流ドラマ『ソウル1945』は、日本の敗戦・朝鮮半島の独立・朝鮮戦争・南北分離までを描いたドラマである。
 この作品を見ると、戦中・戦後の朝鮮半島の歴史がよくわかる。
 名もなき民衆の息づかいや歴史に翻弄させる姿も。

 メインの登場人物は4人。
 侍女で後に半島ホテルのマネージャーになるヘギョン。
 故郷・咸興の秀才で、社会主義運動を行っていくウニョク。
 天才ピアニストでお嬢様のソッキョン。(ヘギョンは彼女の侍女だった)
 そして名門家一家の御曹司で、心優しいドンウ。

 面白いのは彼ら4人の境遇が、歴史の変転によって、どんどん変わっていくことだ。
 日本が朝鮮半島を統治していた時は、日本の軍閥・政治家に寄り添っていたソッキョンやドンウの一家は隆盛を誇っている。
 ソッキョンは「お嬢様」と、ドンウは「お坊ちゃん」と呼ばれ、苦労知らず。
 ところが日本が負けて、朝鮮が解放されると、日本と歩みを共にすることで利益を得ていたソッキョンたちの家族は糾弾される。
 実際、ソッキョンの父親は、<売国奴>とののしられ、誇りを踏みにじられることを潔しとせず、切腹する。
 隆盛を誇っていた者が衰えて滅びるのは、歴史の必然だが、まさにそれがソッキョンたちの上にも襲いかかる。

 ところが今度は南北対立が起きる。
 すると南朝鮮では、保守派が台頭し、今まで忍従を強いられていたソッキョンやドンウの父親が再び勢いを取り戻していく。
 逆に解放された朝鮮の国家像を<社会主義国家>に置いて活動していたウニョクは<アカ>として逮捕・糾弾され、ウニョクと婚約していたヘギョンも巻き込まれ、死刑で銃殺されそうになる。

 ところがここで三たび境遇の逆転が起きる。
 朝鮮戦争が起こり、ソウルが北朝鮮によって占領されると、今度は<人民の敵>としてソッキョンやドンウの父親が逮捕・糾弾される。
 逆に社会主義運動を行っていたウニョクは政府の要職に抜擢され、ヘギョンは<人民の英雄>として賞賛される。

 すごいですね、この変転。
 激動の歴史に生きた人々ならではのドラマ。
 主人公のヘギョンなどは、別に<社会主義>や<共産主義>を思想として持っていたわけではない。
 ただの普通の庶民で、家族を大事にし、恋人ウニョクと幸せになりたいと願って生きてきただけ。
 なのに、ウニョクを守ったその行動から<人民の英雄>に祭り上げられてしまう。
 逆にソッキョンは<人民の敵>として糾弾され、<自我批判>を強いられる。
 「わたしは間違っていました。わたしは多くの人民を搾取して、苦しめてきました。わたしは思想を改めます」と<自我批判>するソッキョン。
 今までの豪華な服はブルジョワの服であるため、人民服も着る。
 彼女は別に思想を改めたわけではないが、死刑にならないためには表面上はそうするしかないのだ。

 しかし、ここで四たび境遇の変転が起きる。
 アメリカを中心とする国連軍が盛り返し、南朝鮮がソウルを奪回するのだ。
 するとウニョクは逆に追われる身になり、<人民の英雄>ヘギョンは逮捕される。

 このように『ソウル1945』は、歴史の流れの中で翻弄されながらも必死に生きる人々の姿を描いた秀作である。
 先程述べたように、主人公のヘギョンたちの行動は、ウニョクを除いて、<社会主義・共産主義の思想>から出たものではない。
 ただ、家族と愛する人と幸せに暮らしたかっただけ。
 なのにそれを許さない歴史という怪物。
 この作品を見ると、思想やイデオロギーとは何なのかと考えさせられますね。
 思想やイデオロギーがあるから争いが起きる。
 同じ朝鮮民族なのに、どうして北と南で憎み合い、殺し合わなくてはならないのか?
 これは現在の紛争やテロも同じで、過激な宗教思想が(宗教自体は人々に心の拠り所と安らぎを与えるもので悪くないのだが)争いの原因になっている。

 さてラスト。
 ネタバレになるので、これからご覧になる方はパスしてほしいのですが、五たび境遇の逆転が起きる。
 それは……





 死刑になりそうになるヘギョンを、ソッキョンが逃がすのだ。
 その時に彼女らはこんなことをする。
 ヘギョンが<雨月夕景>というお嬢様になり、ソッキョンが侍女になる。
 これは、ヘギョンを日本に逃がすための偽装なのだが、ここで<境遇の逆転>が起きている。
 ただし、これは歴史の流れの中で強制されたものでなく、彼女たち自らの意思で行った<境遇の逆転>。
 この違いは大きい。
 何しろ彼女たちは自らの意思で<境遇の逆転>をすることで、歴史の流れに抵抗したのだ。友を守ったのだ。

 『ソウル1945』は<境遇の逆転>のドラマである。
 その<境遇の逆転>というモチーフを、ラストで<ヘギョン救出>というドラマに結びつけた所が実にあざやか。


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ソウル1945~愛と血を吐くような魂の叫び。

2011年11月09日 | テレビドラマ(海外)
 韓流ドラマ「SEUOL(ソウル)1945」を見ている。
 舞台は、太平洋戦争前の日本統治下の朝鮮から1945年の終戦、1950年の朝鮮戦争まで。
 壮大なドラマ。群像劇。

 この作品を見ると、日本統治下の朝鮮がどの様な状態だったかがわかる。
 統治者である日本に取り入り、日本化して、出世するムン・ジョングァン(キム・ヨンチョル)。
 彼は鉱山を経営する資本家でもあり、労働者を酷使する。
 その労働者を酷使する兄に反対し、日本からの祖国独立を目指す弟のムン・ドンギ(ホン・ヨソブ)。
 彼は共産主義革命にその活路を求める。
 また、過酷な労働に拠って愛する姉を失ったチェ・ウニョク(リュ・スヨン)。
 姉を殺された恨みから資本家を憎むウニョクはドンギの共産主義思想に共鳴し、共に活動する。
 一時、裁判官の試験に受かり、父や母、妹たちのために立身出世の道を選ぶが、運命は彼にそれを許さず、革命のための厳しい道を歩ませる。
 そして、ジョングァンの娘で、著名なピアニストのムン・ソッキョン(ソ・ユジン)。
 彼女は恵まれたお嬢様だが、自立心が強く、ウニョクのことが好きになり、シベリアを越えて、ソ連のレニングラードまで彼を追いかけていく。
 「私は芸術と愛の神に愛されたの。私は愛を選ぶ」と語るソッキョンは激しい情熱家だ。
 また、そのソッキョンの侍女で、聡明なキム・ゲヒ(ハン・ウンジョン)。
 彼女は自分が使えるソッキョンのことだけを思い、自分の置かれている境遇に何の疑いもなく生きてきたが、妹たちと父親を殺されて、世の中の矛盾に気づいていく。
 そして、最後には名前をキム・ヘギョンと変え、自分たちを苦しめたジョングァンの一族を没落させる決意をする。

 この作品を見ると、なぜ当時の人々が共産主義に共鳴し、行動していったかがわかる。
 貧しい生活、理不尽な扱い、受け入れてもらえない人として当然の主張や要求、不当逮捕、拷問……、すべての矛盾は資本家、資本主義という体制にあることを人々は理解するのだ。
 現在の立場で、つまり現在の北朝鮮の状態やソ連の崩壊を見てみると、共産主義とは何だったのだろう?と思ってしまうが、当時の人々にとっては矛盾を一気に解決する思想、社会体制だったのだろう。

 この様に、「ソウル1945」は激動の歴史物として抜群に面白いものだが、何よりもその登場人物たちが魅力的だ。
 前述した人物たち以外の人々も、それぞれ自分の人生を背負い、血を吐くような言葉を叫んで生きていく。
 皆、自分の信念や愛する者のために、必死に闘っている。
 それらの言葉は、資本家、労働者という枠を越えて、どれも胸を打つ。

 以下は、現在見ている14話~17話にあった登場人物達の叫び。

 「私はあなたへの愛にすべてを賭けたの! すべてを捨ててきたの! 私を受け入れて!」
 「貧困や貴賤のない世界を作りたい。そのために先生や多くの人は命を賭けている」
 「君の痛みは君の芸術に深みを与える」
 「人の恨みをかう者はいつか報いを受けるのさ。栄華は永くは続かない」
 「私は恩も恨みも必ず返してきた男だ。この恩は必ず返す」
 「私は築いてきたものを壊したくない。娘の破滅を見たくない」
 「私は君を恨んでいない。幼なじみが名士になって誇りに思っていた。君のために死んだ娘たちのことも運命だと思って諦めていた。だが、ゲヒだけは助けてくれ! 子供の頃からの友達じゃないか!」
 「お父様は結局、自分の人生を守りたいだけなのよ」
 「今度会ったら絶対にパク・チャンジュを殺してやる!」
 「心で血を流しながら耐えてきました。この人(夫)の看病があるから死ねなかった。この人がいたから生きてこれた。でも、死んでしまったので、もはや生きる未練はありません」

 どれもが激しい魂の叫びだ。
 この作品を見ていると、日本の薄味大河ドラマが物足りなくなる。時には薄味もいいが、やはりフルコースの肉料理を食べたい。
 作品は全71話という長さ。
 71話を通して、面白く見せる構成力(まだ僕は途中ですが)も見事!
 現在、韓国と北朝鮮は敵対して、休戦状態ですが、この作品を見ると、相互理解に繋がるかもしれない。
 両者は、同じように苦しみ、必死に生きてきた同胞なのだときっと理解するはず。


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刑事コロンボ~その見事な人物造形

2011年09月28日 | テレビドラマ(海外)
 AXNミステリーで放映されている「刑事コロンボ」。
 シリーズで全69話あるそうだが、月曜日の夜は毎週これを見ている。

 さてコロンボ。
 その人物造形は実に見事である。
 まず、コロンボというだけで、<レインコートに葉巻、もじゃもじゃ頭のさえないイタリア系の小男>という姿が浮かぶ。
 次に「うちのかみさん」という世間話から入る聞き込み手法。
 これに関しては「うちのかみさん」だけでなく、「かみさんの親戚」「うるさい上司」といった人物も話題にしている。
 そして、ポンコツ寸前の車(←実はフランスの車でアメリカに3台しかない貴重なものらしい)に、怠け者の犬(←最後まで名前がつけられることはなかったらしい)。

 行動のディティルも、しっかり<コロンボ>している。
・聞き込みの際に筆記用具を持っていなくて、他人から借りるが、必ず返すのを忘れて「返して下さい」と言われる。
・パーティで美味しそうなパンがあると、コートのポケットに入れて持ち帰る。
・貧しい人の救護院に聞き込みにいった時は、施しを受けに来た人とシスターに間違われる。
・高い所が苦手、運動が苦手、船が苦手(←必ず船酔いする)
・射撃が苦手。警察官が受けなければならない射撃テストを10年間受けていなかったらしい。

 こんなディティルもある。
・かつては朝鮮戦争に従軍していた。
・ギャング映画が大好きだった。

 このようにコロンボは実に見事に作り込まれている。
 これは日本の刑事ドラマにも影響を与えていて、「古畑任三郎」は「コロンボ」のオマージュであろうし、「踊る大捜査線」の青島のコートはコロンボのそれを思わせる。
 「相棒」の右京さんは、コロンボと正反対の人物像を狙ったのではないか。

 そしてコロンボの捜査手法。
 コロンボは「細かいつじつまの合わないことを突き詰めていくと、大きな真実にぶつかる」と語っているが、これがコロンボ捜査の基本。
 たとえば、<自殺した人間がなぜ大爆笑する楽しい本を読んでいたのか?><非力な男がなぜ240ポンドのバーベルを持ち上げようとしたのか?><コンタクトレンズをはめていたのになぜ眼鏡をかけていたのか?>など。
 そして犯人だと思った人間に徹底的につきまとい、イライラさせてボロを出させる。

 ただし、このコロンボの捜査手法、現在から見ると、犯人を特定する詰めの部分では甘い所がある。
 多くの場合、コロンボは犯人を特定するために<罠>を仕掛ける。
 たとえば、<待ち構えていて、犯人が証拠の品を隠しにきた所を捕まえる>とか<協力者にウソの芝居をさせて犯人に真実を語らせる>とか。
 この罠に犯人が乗らなかった場合、犯罪の立証は難しくなるのだが、コロンボは敢えてそんな詰めを行う。
 名探偵ポワロなどのような論理的鮮やかさはあまりない。

 だが、いずれにしても「刑事コロンボ」は、人物造形や後の刑事ドラマに与えた影響など、偉大な作品であることは間違いない。


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アイリス~銃を持てば格好よく、恋愛には初心なソンファ様!

2011年09月21日 | テレビドラマ(海外)
 「アイリス」のヒロインと言えば、スンヒ(キム・テヒ)だが、僕はキム・ソンファ(キム・ソヨン)を推す。

 ソンファは北朝鮮の工作員。
 黒ずくめの衣装で、クールなデキる女性。
 頭も切れるし、銃の腕も正確。
 言葉は少なく表情を変えない。

 そんなソンファが、ヒョンジュン(イ・ビョンホン)に助けられたことから行動を共にする。
 北朝鮮の工作員でありながら、ヒョンジュンのことが好きになってしまったのだ。
 ヒョンジュンと共にソウルでの核爆弾によるテロを阻止するために戦うソンファ。
 彼女は優秀な工作員であるため、ヒョンジュンの片腕として見事な働きをする。
 その身のこなし、表情、すべてがカッコイイ。
 銃を持たせてサマになる女性はあまりいないが、ソンファの場合は見事に決まる。
 日本で言えば、「ブラッディ・マンデー」の吉瀬美智子さん、「SP」の真木よう子さん、「ジウ」の黒木メイサさんのイメージだが、僕はキム・ソヨンさんが演じるソンファを一番に推す。

 さて、このソンファに僕が惹かれるのは、恋心を内に秘めた女性だからだ。
 先にも書いたように彼女はヒョンジュンのことが好きで、行動を共にするのだが、自分の気持ちを語ることをしない。
 あくまでヒョンジュンの相棒として振る舞う。
 だが、そんな彼女の中では、恋心が激しく渦巻いている。
 ヒョンジュンが恋人スンヒのことを思い出している時は、寂しそうな顔で静かに見守る。
 スンヒが生きていることをヒョンジュンが知れば、彼の気持ちがスンヒの方に行ってしまうのがわかっているので、黙っている。
 ヒョンジュンとスンヒが出会いそうになると、それを回避するために行動する。
 見ている方は、ヒョンジュンとスンヒが再び結ばれることを求めながらも、ソンファの気持ちもわかるので、許してしまう。

 そんな彼女が自分の気持ちをあらわにするシーンがふたつある。

 ひとつは、スンヒが生きていることを黙っていたことを告白するシーンだ。
 「なぜ黙っていたんだ?」とヒョンジュンに尋ねられて、ソンファはただうつむいて黙っている。
 「あなたのことが好きだから」と言ってしまえばいいのだが、ソンファは言えない。
 何という健気な女性だろう!
 任務や戦闘に関してはクールなプロフェッショナルなのに、恋愛に関してはまったく初心だ。

 こんなシーンもある。
 ソウルでの核爆弾テロを阻止して北朝鮮に帰ることになるソンファ。
 ヒョンジュンに別れを告げる時に彼女は、最後の最後にやっとこう言う。
 「私を名前で呼んで」
 これまでヒョンジュンはソンファのことを名字で呼び、名前で呼ぶことがなかった。だからこう言って頼んだのだ。
 何という恋する女心!

 そして、われわれ男性は、クールな女性が見せる純情に<ギャップ萌え>するのである!

 本当に映画やドラマの世界には素敵な女性がたくさんいるな。
 というか現実にいないから、魅力的に見えるのか?
 確かに頭脳明晰で戦闘能力に長け、一方で恋愛に初心な女性なんていませんよね。


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アイリス~アクションとメロドラマの見事な融合!

2011年09月20日 | テレビドラマ(海外)
 遅まきながら『アイリス』を連続視聴。
 『24』なんかもそうですが、こういう作品はイッキ見に限る。最高にぜいたくな気分になれる。

 物語は上手いですね、作劇が。
 サスペンス・アクションの要素とメロドラマが上手く融合している。
 メロドラマの部分は完全に『冬のソナタ』。
 チュンサンとユジンが運命に引き裂かれるように、この作品でも主人公ヒョンジュン(イ・ビョンホン)とヒロイン・スンヒ(キム・テヒ)が引き裂かれる。
 引き裂かれる原因は、南北朝鮮の対立と謎の組織アイリス。
 ヒョンジュンとスンヒは、相手が死んだと思い込み、その幻影を追い、すれ違い、再会すれば敵同士になり、恋のライバルが登場し、波瀾万丈のメロドラマを展開していく。
 そして僕は、こういったメロドラマが嫌いではない。むしろ好きだ。
 メロドラマは山あり谷ありのあざといドラマを見せてくれる。「こんなことあり得ない。大ウソだ」と思いつつも見てしまう。
 ドラマは嘘なのだから、これくらい力業で大ウソを見せてくれると気持ちがいい。逆に変に気取って、リアリティを追求し、何も起こらないドラマなんかより数倍いい。
 日本のドラマには、こうした荒っぽい力業で見せるドラマが少なくなってしまった。
 愛憎渦巻くガチガチの感情が描かれなくなってしまった。
 だから韓流が支持される。

 たとえば、こんなシーンが凄い!
 第5話、ブタペストの町を北朝鮮の工作員に追われて逃げるヒョンジュンとスンヒ。
 だが途中、スンヒの乗った車が爆破・炎上。
 恋人の死を目の当たりにして(←実際は生きていたのだが)ショックのヒョンジュン。
 敵が彼を見つけて、銃弾が体を貫いても、ヒョンジュンは痛みを感じないし、倒れない。
 なぜなら恋人スンヒの死の方が痛いからだ。
 ショックのあまり彼は銃弾の痛みを忘れている。
 血が噴き出し、撃たれるままになっている。←カッコイイ!

 その後、ヒョンジュンは自分を裏切り、恋人を死に追いやった敵を倒すべく<復讐の鬼>になるのだが、この時のヒョンジュンの冷たい死んだような目がいい。
 以前はイタズラ好きな陽気な男だったのが、無表情な死んだ目の男になる。
 この見事な変化の演技!

 『アイリス』は朝鮮半島が未だ休戦状態にあり、南北の対立があるから生まれたとも言える。それゆえ抜群のリアリティがある。
 一方、平和な日本がこういうドラマを作ってもお子様ランチになってしまう。(かと言って国と国との緊張状態や対立がいいということは絶対にないのですが)
 また、日本製品の競争力がなくなり、携帯電話や家電など韓国製品が世界に出回っている現状はエンタテインメントにも言える。
 『アイリス』ではソウルの中心の光化門で砲弾が飛び交う大規模な銃撃戦を行うシーンがあるが、そんなこと(たとえば銀座のど真ん中で銃撃戦をやるようなこと)は、現在の日本では規制がうるさくて絶対に出来ない。

 活力を失った日本のドラマよ、どこへ行く?


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24 ファイナルシーズン~ドラマとは葛藤である!

2011年05月28日 | テレビドラマ(海外)
 「24 ファイナルシーズン」第3話(18:00~19:00)は葛藤する登場人物たちでいっぱいだ。

 まずはハッサン大統領暗殺の容疑者として尋問されている女性記者メレディス・リード。
 彼女は自分がハッサン大統領の愛人であることを言うか否かで迷う。
 言えば、妻や子供のいる大統領のスキャンダルになるからだ。
 しかし言わなければ、暗殺未遂の犯人として終身刑になってしまう。

 そしてハッサン大統領。
 彼はメレディスが愛人であるか否かをCTUのニューヨーク支部長ヘイスティングスに電話で聞かれる。
 ハッサンは迷う。
 認めることは大きなスキャンダル、しかし認めなければ、愛している女性を窮地に追い込むことになる。

 ジャック・バウアーを拘束している新人警官も葛藤する。
 彼と同行している先輩警官はジャックを仲間の警官殺しの犯人として痛めつけている。
 一方、ジャックは、自分はハッサン大統領の暗殺計画を阻止するためにCTUを助けて行動している人間で、拘束を解いてほしいと主張する。
 新人警官はジャックと先輩警官のどちらを選ぶか?

 そして葛藤の最後はCTU捜査官のコール。
 コールはジャックに電話でハッサン大統領がマンホールに仕掛けられた爆弾で暗殺されようとしていることを告げられる。「ハッサン大統領の車を停めろ」と言われる。
 彼は迷う。
 CTUの本部は、爆弾は国連ビルに仕掛けられていると考えており、一刻も早く対比させろと命令している。大統領の車を停めるなどもっての他だ。
 しかし、ジャックの言うことも筋が通っている。

 まとめます。
 この第3話を見ると、ドラマは葛藤だということがわかりますね。
 1時間の放送時間の中にどれだけ多くの葛藤を入れ込めるか。これでドラマの面白さが違ってくる。
 第3話はこの点ですごい!
 必見です!


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プリズン・ブレイク ついに最終回!

2010年02月14日 | テレビドラマ(海外)
 「プリズン・ブレイク」をついに最後まで見た。
 なるほど、そう決着をつけましたか。マイケルの鼻血は伏線だったんですね。
 マイケルのメッセージは「自由と愛することがいることの素晴らしさ」。
 これが作品全体を貫くテーマだったんですね。

★「プリズン・ブレイク」の魅力は何と言っても脇役。
 僕はマホーンとティーバッグが好き。

 マホーンはシーズン2ではFBI捜査官。
 マイケルに匹敵する頭脳の持ち主として登場した。まさに最強の敵。
 だが味方になるとこれほど心強いものはない。
 何しろマイケルがもうひとりいるようなものなのだから。
 このマホーンの立ち位置はいいですね。
 ロール・プレイング・ゲームで知力の高い人間が仲間になった感じで、視聴者にワクワク感を抱かせる。
 クスリ中毒や過去の罪のトラウマ、家族といった弱点があるのもいい。
 僕の好きな人物造型です。(逆にマイケルは、後半サラという弱点はありましたが、万能すぎて面白くない)

★そしてティーバッグ。
 声をあてている若本規夫さんはまさに若本節。
 ときどき口パクが合っていなかったし、ともかく自由。完全にこの役で遊んでいらっしゃいましたね。
 役どころとしては、味方にも敵にもなるジョーカーのような役割。
 味方にしていてもいつ裏切るかわからない不安定要素。(「鬼太郎」でいうと、ねずみ男のような存在)
 マホーンのクスリ中毒もそうですが、この不安定要素はドラマでは大切ですね。
 後半マイケルも賢くなって、ティーバッグが裏切ることを前提として作戦を立てるようになりましたが、ティーバッグがいるからドラマが面白くなる。
 また、このティーバッグ、完全な悪でない所もいい。
 サラを撃つことをためらったり、聖書に目覚めて実は敵だったのに聖書売りを信じたりした。
 恵まれない母子にも優しかった。
 彼はマイケル同様、自由と愛がほしかっただけなのかもしれません。
 ただマイケルとやり方が違っていただけ。
 なのでティーバッグのラストシーンは、スタッフの愛情を感じました。
 いずれにしても僕はティーバッグのゴキブリのようなしぶとさは好きです。

 最後に「プリズン・ブレイク」のスタッフ・キャストの皆さん、愉しませていただきありがとうございました。


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24 シーズン7 ジャックってやつは!

2009年12月22日 | テレビドラマ(海外)
 ふたたび「24」シーズン7。
 しかし、ジャックというのはすごいですね。
 ターミネーター顔負けの戦闘能力!!
 第5話まで見た限りだが、どんなにすごいかと言うと……

 まずは首への攻撃。
 ジャックの首への攻撃は自由自在。
 まずトニーに対して。
 トニーに罵倒されたジャックは怒りでトニーの首を折ろうとする。
 後にジャックとトニーは手を組んでテロリストと戦うことになるが、その時にトニーに語ったせりふが「もう少しでお前の首の骨を折るところだった」。
 ジャックったら本当に殺すつもりだったのね……。
 次にFBI捜査官、ヒロインのルネ。
 彼女の首を絞めてルネを気絶させてしまった。
 その気絶させた時に言ったせりふが「体を委ねろ」。
 苦しめずに楽に落とすためには体を委ねる必要があるのだ。
 さすがジャック、心得ている。
 「24」リデンプションでは、こんな驚くべき離れ技をやっていた。 
 両手を縛られて吊り下げられているジャック。
 だが何とジャックは両足を敵の首に絡ませて、ひねって殺してしまう。
 本当にすごい!

 ジャックのすごさは続く。
 ひじで車の窓ガラスをぶち破るなんてことは当たり前。
 大使館に押し入った時は、なんと家庭用の洗剤などで何と<毒ガス>を作ってしまった!
 本当にジャックって……。

 もっともジャックはヒロイン・ルネにはやさしいようだ。
 先ほど首を絞めて落としたのに、今度はテロリストにルネを殺すように言われる。
 ここでルネを殺さなければ、潜入捜査をしていることがバレてしまう。
 そこでジャックが行ったのが……急所を外して死なないように銃を撃つ。
 さすがジャック。
 しかし、その後が乱暴。
 土に埋めろと命令されて、撃たれて気絶しているルネを生き埋めにしてしまう。
 結局クロエたちが掘り起こしに来て、ルネは助かるのだが、首を絞められたり、撃たれたり、生き埋めにされたり本当にかわいそう。

 ジャックに関わるとロクなことはないのだ。
 でも、われわれ「24」ファンは次にジャックが何をしでかしてくれるか楽しみにしているんですね。
 「エイリアンVSプレデター」みたいに「ジャックVSターミネーター」みたいな作品ができないだろうか。


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24 シーズン7 CTU再生

2009年12月17日 | テレビドラマ(海外)
 シーズン7 1話から4話までを見る。
 CTUは解体されていて、ジャックおよびCTUの強引な捜査手法から公聴会に問われているという状況。
 1話から4話はそんなCTUの再生の物語だ。
 かつてのCTUのメンバーが次々と登場してくる。
 以下ネタバレ。

 まず何とトニー・アルメイダ!?
 トニーは生きていた!
 しかもテロリストとして!
 実はこれには<潜入捜査>という裏があるのだが、<潜入捜査>こそジャックがシーズン4でやった捜査手法。

 3話ではブキャナンとクロエが登場。
 国家の後ろ盾もなく、ふたりだけで私設CTU。
 そしてトニーの潜入捜査を陰で指揮していたのは彼らだった。
 この登場の美学!!
 「24」マニアにはたまらない。
 おまけにこの時のジャックに言ったクロエのせりふ。
 「公聴会、テレビで見ました。あなたがあんなふうに問われるなんて。でも見た目にはステキでした」
 いいですね。
 おまけにジャックとクロエの名やりとりが復活!!
 囚われたトニーを逃がすためにFBIの監視システムにクロエがハッキング。
 逃走経路をジャックに教えていくが、FBIの分析官ジャニスがクロエのハッキングに対抗、監視システムが再びFBIに奪われる。
 そこでジャック。
 「クロエ、早く何とかしろ!」
 するとクロエ。
 「わかってます! 今やってます!」
 出ました~!「24」マニアは、このジャックとクロエのやりとりを聞きたいのだ。

 話は少し逸れるが、このクロエとジャニスのハッキング合戦は面白い。
 ジャニスはクロエのハッキングの腕を見て
 「このハッカー、誰だか知らないけどかなり出来る」と感想。
 見事な戦い。
 シーズン7 第3話はクロエファンには必見である。

 このように1話から4話はCTUが復活していく話。
 1話の公聴会でジャックが述べたように「テロリストに対抗するにはテロリストと同じルール(=CTUの過激なやり方)でなくてはダメ」なのだ。法に縛られるFBIのやり方ではダメなのだ。
 そのことをジャックたちの活躍の中で見せていく。
 この1話から4話は「24」マニアにはたまらないエピソードではないだろうか?

※追記
 4話ではこんな描写があった。
 敵のもとに戻ったトニー。
 トニーが裏切っていないかを確認するために、同行してきた「ジャックを殺せ」という敵テロリスト。
 しかし、敵がこう要求してくることは、ジャックもトニーもブキャナンも折り込み済みだった。
 これぞCTU方式!


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