平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

石丸伸二人気は本物か?~東京都職員とされるXの投稿から読み解いてみた

2024年06月28日 | 事件・出来事
 東京都知事選の石丸伸二人気は本物か?

 Xでは以下のようなポストが頻繁にタイムラインに流れてくる。

『石丸の事を友人や家族に話したらみんな感動して石丸に投票するって言ってた』

 これはウソだと思う。
 人間の行動ってそんな簡単に変わらない。
 自民党に投票していた人は自民党に投票するし、共産党に投票していた人は共産党に投票する。
 無党派層は依然として政治不信のままだし、
 仮に「石丸さんに投票するよ」と言った人がいたとしても、
「断わると面倒くさそうだから投票すると言っておこう」くらいのノリだろう。
 創価学会の人が「公明党をよろしく」と言って来た時に「わかりました」と答えるのと同じ。
 ……………………………………………………

 さて、本題。
 以下のポストを見て、皆さんはどう感じるだろうか?
 石丸伸二氏を賞賛する東京都職員? のポストだ。

 


 AIが作った文章だと思う。
 一見、整ったきれいな文章に見えるが、部分部分で間違っている。

・一般的に読点は「、」だが、この文章では「,」になっている。

・句点「。」のついている文章とついていない文章がある。

・「石丸サン」
 なぜ「さん」ではなく、「サン」なのか?
 カタカナにする時は、ふつう対象を揶揄する時に使う。

・「私は東京都の職員です」
 文法的には正しいが、日本語って主語を省略できる言葉。
 疑い過ぎかもしれないが、僕には不自然な文章に思える。

・「心ある仕事ぶり,そして若い,」
 文脈で言うと「心ある仕事ぶり,そして若い。」と、最後は「。」で終わるのが正しい。

・「その時にでできた人材石丸サンですね」
 「でできた」は入力の間違いだろうが、「でてきた」が正解。
 「人材石丸サン」の間には「、」か「が」がほしいかな?

・「安芸高田市の思いをその行動力を東京都で発揮してください」
 普通に読点を打つのなら、
 「安芸高田市の思いを、その行動力を、東京都で発揮して下さい」が正しい。
 少し前の文章「心ある仕事ぶり,そして若い,」では、区切ってたし。
 あと「安芸高田市の思い」って何だ?

・「登庁された時に都庁でお会いできるのを楽しみにしています。」
 僕もしばしばやらかすが、説明過多な文章だ。
 「登庁された時にお会いできるのを楽しみしています」
 あるいは
 「都庁でお会いできるのを楽しみにしています」
 で十分。

 ネトウヨさん界隈では、これを「中国人の書いた文章」と騒いでいるが、
 そう解釈されても仕方がないくらいにディティルでおかしな点が多い。
 ……………………………………………………………

 というわけで、皆さんは、この文章をどのように捉えられただろうか?

 言っておくが、僕は政治家・石丸伸二を否定していない。
 小池百合子を追いつめた議論の能力はたいしたものだし、
 東京一極集中の解消(東京の予算を使って地方を活性化させる)も賛成だ。
 都民税を払う立場としては複雑だが、それが日本の将来に繋がると思っている。
 蓮舫さんが出馬せず、他に有力な候補者がいなければ、
 石丸氏か、日本のオードリー・タンと言われる安野たかひろ氏に投票していたと思う。
 彼らが頑迷な都議会とどう戦うのか、見てみたい。

 ただ、石丸氏のまわりの応援団がちょっとおかしい。
 無理矢理、ネット世論を盛り上げている気がする。


※追記
 本日(29日)は、こんなポストが流れて来た。
・20歳になった息子に父親が「プレゼントは何がいい?」と尋ねた。
・息子は「都知事選のお父さんの1票をプレゼントしてくれ」と答えた。
・父親は期日前投票で石丸伸二氏に入れた。

 これも作り話だと思う……。

コメント (3)
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和田アキ子氏、都知事選をめぐって薄っぺらな発言~芸能人よ、もっと勉強して発言してくれ!

2024年06月26日 | 事件・出来事
 都知事選をめぐる和田アキ子氏の言葉が炎上している。

 23日(日)の『アッコにおまかせ!』(TBS系)で、
 小池氏が給料が都道府県知事の中で「一番安いって聞いたけど」と、小池百合子氏上げのコメント。
              ↑
 確かに小池氏は給料の半分を返納しているが、その分、『政治資金パーティ』をやっている。
 そして、その政治資金のパーティ券を外苑開発関係者が買っている(小池氏は明言を避けたが)。
 つまり自民党と同じ。
 利害関係者にパーティ券を買ってもらっている?

 オンラインで小池百合子氏が記者会見をしたことについて、和田アキ子氏は──
「人と会うというのは重要なんですか? オンラインよりも」
              ↑
 和田アキ子氏は歌手なのに、会場での生のライブよりもオンラインライブがいいらしい。笑
 まあ、この返しは詭弁術のひとつなのでスルーしてほしいが、
 次に和田アキ子氏が語ったことが的を射ている。

「質問されたくないというのもあるでしょうし、警備上の問題もあるかも分からない」
              ↑
 そう。小池百合子氏は嫌な質問をされたくないんだよね。
 学歴詐称疑惑とか、外苑や晴海フラッグでの企業との癒着を指摘されたくないから。
 和田アキ子氏はさらに続ける。
 
「素人目でいうと、小池さんは8年間やってきたので、ドッシリしている印象がある。
 蓮舫さんは頑張りが…すごいかな、という気が」

              ↑
 テレビに出ている人が『印象』で話さないで下さいよ。
 視聴率1%でも100万人の人が見ているだからさ。
 4人家族で見ていたら400万人への影響力があるんだからさ。

 谷原章介氏、真鍋かをり氏……和田アキ子さんに限らず、
 テレビに出ている芸能人は『印象』『イメージ』で語りすぎる。
 一応、庶民の代弁者という体で発言しているのだろうが、
 もう少し勉強してから発言してほしい。
 それがテレビの出てしゃべる人の最低限の姿勢だろう。

 この点、同番組に出ていたカンニング竹山氏は『勉強』していた。
 竹山氏は「都政のことってあんまり報道もされないから、この8年間、小池都政で何があったか、みなさんあんまり分かってない」
 と話し、小池氏が答弁拒否が多かったこと、経歴、財政などを取材したくても拒否されることなどを指摘したのだ。
 そう。竹山氏は小池都政について勉強していた。
 勉強していたから深い話ができた。

 芸能人の皆さん、もう少し勉強しようよ。
 もっとツッコんだ深い話をしてくれよ。

 テレビもなぜ批判精神を持たない?
 三井不動産や電通に気を遣っているのか?
 批判精神をもたないメディアは見捨てられるぞ。


※参照記事
 和田アキ子「小池さんドッシリしている」記者排除の会見も「警備上もあるかも」→カンニング竹山がバッサリ「なびいたから」(デイリースポーツ)

※追記
 余計なお世話だと思うけど、
 谷原章介さん、そろそろ役者の世界に戻って来ればいいのに。
 佐々木蔵之介さんは役者として、どんどんいい仕事をしていますよ。

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「光る君へ」 第25回「決意」~好きだからだ、おまえのことが! 宣孝叔父、外堀を埋めて決め台詞!

2024年06月24日 | 大河ドラマ・時代劇
「都で考えてみます」
「わたしは誰を想って都に帰るのだろう」

 まひろ(吉高由里子)は宣孝(佐々木蔵之介)との結婚を迷っている様子。
 宣孝のことは嫌いではない。
 むしろ気軽に話せて、いっしょにいて楽しい。
 恋愛は熱情に駆られておこなうものだが、結婚は違う。
 結婚とは生活であり、今後、歩んでいく長い人生のことだ。
 でも宣孝には妻も妾もいる。それを自分は受け入れられるだろうか?
 それに、自分の心の中には「忘れえぬ人」道長(柄本佑)もいる。
 宣孝はそれも含めて受け入れてくれると言ってくれたが……。

 このように迷っているまひろに「決意」をさせたのは、次の出来事だ。

 宣孝は道長に自分とまひろが結婚することを報告。
 公の場で報告することで道長は何も言えない。
 いや、私の場でも何も言わないだろう、と宣孝は考えた。
 結果、これで道長の了承を取ったわけだが、まひろがその強引さに文句を言うと、
「好きだからだ、おまえのことが」
 外堀を埋めていって、最後に決め台詞!
 恋愛巧者、宣孝叔父!

 結婚のお祝いの品もまひろの背中を押した。
 品に添えられた手紙の字は道長のものではなかった。
 つまり事務的な贈り物。
 道長にしてみれば、こうするしかなかったのだろう。
 現在の立場で、結婚をやめろ、と言うわけにはいかないし、
 自分が何かを書けば、またまひろを迷わせることになる。
 ふたりはすでに別の人生を歩いているのだ。
 おそらく、まひろはこんな道長のメッセージを読み取ったのだろう。
 これで踏ん切りがついた。

 その他
 いと(信川清順)と福丸(勢登健雄)、
 乙丸(矢部太郎)ときぬ(蔵下穂波←あまちゃん)
 彼らの幸せそうな姿も背中を押したのだろう。

 最後は──
「わたしは不実な女でございます」
「わしも不実だ。あいこである」
 清濁併せ持った夫婦が誕生した。

 前半の為時(岸谷五朗)の租税エピソードは「清濁併せ持つ」の伏線。

 すこし強引な展開の気もするが、それは今までの『少女漫画』を引きずっているからだろう。
 これからは『大人の女性の物語』に切り換えなければならない。
 ………………………………………………………………………………………

 宮廷では政争が勃発。

 一条天皇(塩野瑛久)は中宮・定子(高畑充希)に執心で政務に身が入らない。
 職御曹司には伊周(三浦翔平)。
 伊周は中宮の隆盛を取り戻して、ふたたび権力を握ろうとしている。
 そのために清少納言(ファーストサマーウィカ)の草子を宮中に広めようとし、
 公任(町田啓太)を自分の派閥に入れようとしている。

 一方、一条天皇が政務を蔑ろにしていることで凶事が勃発。
 これを『天人相関説』と言うらしいが、まずは加茂川の堤が決壊。
 一条天皇に強く進言できなかった責任を取って、道長は辞職を申し出る。

 この辞職の申し出をどう解釈すべきなのか?

①政治の駆け引き説
 今、道長が身を引けば一条天皇は後ろ盾をなくす。
 後ろ盾をなくせば、前回登場した居貞親王(木村達成)が次の帝になる。
 伊周は帝に取り入って権力復帰を狙っているが、財力も宮廷での信頼もなく頼りない。
 だから道長は辞職をちらつかせて、一条天皇を脅し、政務に向かわせようとした。

②誠実に責任を取った説
 今までの道長は「権力に執着のない人物」「駆け引きできない人物」として描かれていたので、
 僕はこちらの説を取りたい。
 道長にしてみれば、面倒くさい政治の世界など早くおサラバしたいという感じだろう。

 とはいえ、安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)に拠れば、
 凶事を鎮めるには「お宝を使う」しかないらしい。
 お宝とは、道長の子・彰子のことだろう。
 道長は仕方なく彰子を入内させる。
 女院様(吉田羊)もこれを後押ししそうだし。

 道長がギラギラの権力志向の人物でなく、
 流されて強力な権力者になっていく所が本作の特徴。

「軽い、軽い」をした道長の家族団らんの場に彰子はいなかったと思うが、
 彰子はどのような人物として描かれるのだろう。
 以前、倫子(黒木華)は「あまりしゃべらない子」と語っていたが。

コメント (7)
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蓮舫さんの演説会に行って来た!~渋谷、三軒茶屋に多くの人が集まった!

2024年06月23日 | 事件・出来事
 東京都知事選。
 昨日(22日)三軒茶屋と渋谷でおこなわれた演説会に行って来た。
 もはや完全にアイドルの追っかけ状態!笑

 
 ※三軒茶屋~蓮舫さん、いい顔してるな。
  会場も2階スペースまで人がいっぱいだった。
  保坂展人世田谷区長、手塚よしお衆議院議員も挨拶していた。

 
 ※渋谷~この人だかり。
  長妻昭衆議院議員、福山哲郎参議院議員、塩村あやか参議院議員も挨拶。

 
 ※渋谷~キリリとした蓮舫さん!
  わがデジカメのズームの威力発揮! カメラ、もっと上手くなるぞ。

 演説を聴いての感想は──
 やっぱ蓮舫さん、パワーあるわ。
 エネルギーのかたまりという感じで、都政を改革してくれそう。
 
 一方、小池百合子氏は、動画などで見るかぎりだが、衰えたな……。
 8年前、4年前とぜんぜん違う。
 ………………………………………………………………

 蓮舫さんの政策の評価については下記のリンクを参照して下さい。

 今回は精神医の和田秀樹氏の言葉が、なるほどと思ったので紹介しておきます。

 都の予算はスウェーデンの国家予算に匹敵する16兆。
 その気になればスウェーデンのような高福祉社会にすることが可能。
 もちろんスウェーデンの人口は東京都の半分なので、そのままそっくりとはいかないが、
 逆に東京都は軍事予算などは考えなくていい。
 だとすると、都民は、行政改革や予算の見直しをすることで、もっと充実した福祉を受けられる
 可能性がある。
 だから蓮舫さんの行政改革の手腕に期待が持てる。
 小池都政だとそんなに大きく変わらない。
 現状の小池都政に満足している都民は小池氏に投票すればいい。

 さて選挙戦は始まったばかり。
 有効な予算の使われ方ができれば東京はもっとよくなると思う。
 東京のやり方が成功すれば、それは全国に拡がるだろう。
 出生率が上がった泉房穂氏の明石市のやり方を他の自治体が真似し始めたように。
 今回の都知事選は日本の閉塞感をぶち破る選挙だ。


※関連記事
 蓮舫さん、公約を発表! いい内容だ!(当ブログ)

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「保守」とは何か?~都知事選・田母神俊雄氏の発言から考える

2024年06月22日 | 事件・出来事
 東京都知事選の立候補者討論会。
 立候補者の田母神俊雄氏の発言が「保守とは何か?」を考える上で、
 面白かったので紹介していきます。

 保守を名乗る小池百合子氏との違いについて
 田母神氏、いはく
 保守には二種類ある。
『伝統的保守』と『戦後保守』だ。
 自分は『伝統的保守』であり、小池百合子氏は『戦後保守』。
『伝統的保守』とは、対米従属でない「一国独立」。戦前の価値観を大事にすること。
『戦後保守』とは、対米従属を含めた戦後の価値観を守ること。

 明解ですね。
 本当の保守とは田母神氏の言う保守だ、と僕も思う。
 しばしば「保守」を名乗る人が「老人を切り捨てろ」みたいなことを言うけど、
 年長者を敬い、大切にするのが「保守」だから。
「老人を切り捨てろ」というの新自由主義者の発想。

 神宮外苑開発について
 田母神氏、いはく、
 反対。
 明治神宮は外苑も神聖な場所である。
 外苑は、明治天皇と昭憲皇太后のために全国から献木されて植樹された場所。
 決して伐採してはならない。

 これが「保守」なんですよね。
 伐採もそうだが、マトモな保守なら明治天皇と昭憲皇太后を祀った場所の隣りに
 巨大高層ビルを建てるなど、もっての他と考えるはず。
 100年前の日本人の思いを無碍にして外苑を再開発しよう、という「経済優先」の発想は、
 これまた新自由主義の発想である。
 ちなみに小池百合子氏は神宮外苑を単なる「人工林」と認識していた模様……。←保守がこれかよ!

 46億円の都庁プロジェクションマッピングについて
 田母神氏、いはく、
 廃止。
 そのお金を困っている都民のために使いたい。

 これぞ「保守」の発想。
 政治は民のためにあるべきだ。
 戦前の保守は、民を顧みない腐敗政治家と財閥を糾弾した。
 戦前の保守なら、政治家と電通(プロジェクションマッピング)や外苑開発(三井不動産)との癒着を追及してるだろう。
 それなのに現在の保守を名乗る連中は──
 大企業と結託している腐敗政治家を責めない。それどころか擁護する。
 
 というわけで、「保守」を考える上で、田母神氏の発言は面白かった。
 
 田母神氏の主張は一貫している。
 関東大震災での「朝鮮人虐殺追悼式典」に出席するかと問われれば、
「出席しない」「追悼文も送らない」とキッパリ発言し、持論を滔々と述べる。
 一方、小池百合子氏は、慰霊は他でもやっているから、と誤魔化している。

 腹が据わってないよな、小池百合子。
 僕は田母神氏とは反対の意見だが、
 誤魔化す小池百合子よりキッパリと言う田母神俊雄の方が人して好きだ。


※関連動画
 ライブ【東京都知事選、公開討論会@日本記者クラブ】(YouTube)
 外苑開発などで、他の三候補から責められる小池百合子。
 小池百合子、パワー落ちたな。
 街頭演説もせず逃げまわっているみたいだし。

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「アルキメデスの大戦」~「数字はウソをつかない」が「人間はウソをつく」。ここに人間社会の悲喜劇が生まれる。

2024年06月20日 | 邦画
 空母VS戦艦。
 来たるべき戦争で有効なのはどちらなのか?

 山本五十六(舘ひろし)と永野修(國村隼)は空母派。
 嶋田繁太郎(橋爪功)と造船中将・平山忠道(田中泯)は戦艦派。
 戦艦派の主張の根拠は──
「戦艦こそが日本海軍の象徴である」
「砲撃戦こそ日露戦争以来の日本海軍の伝統である」
「巨大戦艦を目の当たりにすれば敵は怖じ気づくだろう」
「戦艦は美しい」
 
 こんな理由で物事は決められていくんですね。
 戦闘機による戦いこそが次の戦い方なのに。
 現在の日本の防衛は大丈夫なのだろうか?
 今になって「ドローンが重要」とか言っているけど……。

 さて、空母VS戦艦。
 山本五十六ら空母派は「空母の建造費より戦艦の建造費が安いこと」に疑問を持つ。
 戦艦派の見積もりのウソを暴くために、自ら巨大戦艦の建造費を割り出そうとする。
 そこで抜擢されたのが、帝大の数学の天才・櫂直(かい・ただし 菅田将暉)だ。

 櫂は奮闘する。
 補佐するのは海軍少尉の田中正二郎(柄本佑)だ。
 艦船の建造費は海軍の機密であるため、十分な情報を得られない。
 七転八倒の末、櫂はこんな数式を導き出す。
『艦に使用された鉄の総量から建造費を割り出す数式』だ!←すげえ!

 結果、見積もりのウソがバレる。
 主人公・櫂は胸を張って言う。
「数字はウソをつかない!」

 だが、物語はここで別の展開を迎える。
「数字はウソをつかない」が「人間はウソをつく」のだ。

 人間や組織の意思決定は必ずしも「数字の正しさ」でおこなわれない。
「思惑」「利害」「思想」「理想」で決められる。
 そのためには数字を誤魔化すし、ウソもつく。
 だから人間社会は厄介なのだ。
 数字の正しさや合理性がなくても、あらぬ方向に突っ走ってしまう。
 ここに人間社会の悲喜劇が生まれる。

 物語はここからさらに、ひと捻り、ふた捻りされる。
 ネタバレになるので書かないが、この捻り方が素晴しい。
 これが映画『アルキメデスの大戦』を深い作品にしている。

 それにしても、平山中将ではないが、やはり戦艦大和は美しい。
 主人公の櫂もこの美しさには抗えなかった様子。

 監督・脚本・VFXは『ゴジラー1.0』の山崎貴さん。
 山崎貴監督はVFXで大和を再現したかったのだろう。
 山崎監督はTAMIYAのプラモデルを一生懸命作った子供だったに違いない。


※追記
 本作に拠れば、太平洋戦争開始時のアメリカと日本の国力差は──
 工業力~アメリカ:日本=50:1
 石油 ~アメリカ:日本=120:1
 やはり無謀な戦争だった。

※追記
 ヒロインの尾崎鏡子役は浜辺美波さん。
『ゴジラー1.0』でも使っていたけど、山崎監督、浜辺美波さんが好きだねえ。
 浜辺さん(鏡子)の顔がなぜ美しいのかを数学的に解明するシーンもあった。笑


※関連動画
 映画『アルキメデスの大戦』予告(YouYube)
 攻撃を受けて傾く大和……!

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蓮舫さん、公約を発表!~いい内容だ! 予算に余裕のある東京が次世代のための政策の先陣を切る!

2024年06月18日 | 事件・出来事
 東京都知事選。蓮舫さんの公約『7つの約束』が発表された。

 

 いいですね!
 僕が評価するのは──

 現役世代の支援 →都との取引企業に待遇改善を要求。
          都の非正規を正規に。
          奨学金援助・住宅援助
          結果、若者の可処分所得が増えて、結婚できて子供を持てる。
          結果、少子化対策。
          小池都政下の出生率は0.9%。
          これに対し、小池百合子氏は「国の責任」と言って逃げている。

 ガラス張りの都政→小池都政は企業との癒着が多かった。
          外苑開発や晴海フラッグの『三井不動産』とか
          プロジェクションマッピングの『電通』とか。
          このあたりが完全に『ブラックボックス』。
          これがガラス張りになるだけでスッキリする。
          癒着がなくなれば都民のために税金が使われることになる。

 ボトムアップの政治→小池都政は上からの政治だったが、
           蓮舫さんは下の意見を吸い上げて政治をするらしい。
           これも風通しがよくなりそうだ。

 現役世代の支援は税金のかかる政策だが、
 何と言っても東京都はスウェーデンに匹敵する予算16兆(特別会計含)の自治体!
 行政改革も加われば、かなりの予算が使えるだろう。

 そう。予算に余裕のある東京が「若者の支援」の先陣を切るのだ。
「少子化対策」の先駆けとなるのだ。
 この「東京モデル」が成功すれば全国に広がる!

 ひさしぶりに明るい政策を見た気がする。
 仮に当選しても議会は敵ばかりという厳しい状況で茨の道になると思うが、
 それでも立候補した蓮舫さんに敬意!

 というわけで、一応都民なので7月7日は蓮舫さんに投票します。
 近所にも話をします。
「若者支援」の方が「電柱ゼロ」よりずっといい。
 がんばれ、蓮舫さん!

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「光る君へ」第24回「忘れえぬ人」~理想から現実へ。まひろの心の変化を考察してみた!

2024年06月17日 | 大河ドラマ・時代劇
 まひろ(吉高由里子)の心の変化はこんな感じだろうか。

①道長からの解放
 道長(柄本佑)を「忘れえぬ人」としてずっと心に抱えていることは正しいのだろうか。
 道長を想い続けている自分はいつも同じ所に留まっている。
 そろそろ前に進んでもいいかもしれない。苦しむのではなく心から笑いたい。
 だから、いはく、
「道長様と向かい合い過ぎて、求め合い過ぎて苦しうございました。
 愛おし過ぎて嫉妬もしてしまいます。
 されど宣孝様だとおそらくそれはなく楽に暮らせるかも」

②結婚観・人生観の変化
 自分は結婚に幻想を抱き過ぎていたのではないか。
 心から愛する人と結婚することだけが結婚ではない。
 子供も産みたい。
 結婚することで、子供を産むことで見えて来る別の人生があるかもしれない。
 さわ(野村麻純)が亡くなったように人生は案外はかなく短いのだ。
 だから、いはく、
「妻になることはたいしたことではない気がしてまいりました。子供も産みたい」

③周明の裏切り
 周明(松下洸平)とのことは、まひろを現実主義に走らせた。
 まひろの中には「理想の国・宋に行って周明と暮らす」という思いがあったかもしれない。
 しかし、周明は自分を利用しようとしたし、
「民に等しく機会を与える国などこの世のどこにもない。つまらぬ夢など持つな」と言った。
 幻想が一気に崩れた瞬間だ。
 もっともまひろは聡明なので、「あの人も精一杯なのだわ」と周明に理解を示してしていたが。

・道長との恋の思い出
・理想の結婚
・理想の美しい社会
 まひろはこんな幻想にとらわれていた。
 宣孝(佐々木蔵之介)が言った「他人が見ているまひろ」とは「幻想にとらわれた女性」と
 いうことなのだろう。
 為時(岸谷五朗)の仕事も順調そうだし、まひろは自分の一歩を踏み出そうと決意した。
 それに宣孝は「ありのままのお前を丸ごと引き受ける」と言ってくれた。

 さて、まひろは次回からどう変わるのか?
「少女漫画」から「キャリアウーマンの物語」へという感じか?
 …………………………………………………

 今回、変わった人は他にもいた。

 一条天皇(塩野瑛久)は父親になって、
「朕が生まれた時の母上の気持ちがわかりました」と和解。

 詮子(吉田羊)は一条天皇に「母が追い詰めていた」と謝罪。
 描き込みは浅かったが、詮子は「母親」として目覚めたのだろう。
 帝であることよりも、息子の幸せを願うひとりの母親へ。

 今回のことで一条天皇と詮子は「母と子」に戻った。

 道長は自分の人間理解の浅さを痛感。
 長徳の変で斉信(金田哲)にしてやられたことを認識して
「斉信の方が上手であった」
 まひろも一番身近にいた乙丸(矢部太郎)の本心がわからなかったように
 人は他人のことが本当にわからないのだ。

 ただ、この時の道長のリアクションは素晴しかった。
「誰をも味方にできる器がなければやっていけんな」
 と自分に反省を持っていった。
 凡庸な権力者なら「騙したな」と怒って斉信を排除する。

 少しずつひと皮剥けていく登場人物たち。

 さて、まひろの結婚を知って道長はどのような反応をするのか?

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ゲーム『大三国志』~戦争、経済、同盟、奪い合い、諍い、上下関係……とても人間くさいソーシャルゲームだったな

2024年06月16日 | その他
 画像フォルダーを整理していたら『大三国志』の画像が見つかった。
『大三国志』
 ユーザーが『同盟』を組んで長安を目指し中国統一をおこなうというソシャゲである。
 しかし長安奪取は容易ではない。
 他にも長安を目指す同盟がたくさんあって、これらをひとつひとつ撃破しなければならないのだ。
 ユーザー人数の少ない同盟ならたちまち飲み込まれる。
 最後は長安をめぐって、ふたつの同盟がぶつかり合って勝利した方がゲームクリア。
 クリアすると、別の参加ステージが現われて、ふたたび長安奪取が始まる。
 こんなソーシャルゲームである。

 これを画像で見て行くと──

①中国大陸に自分の領地を確保して、経済基盤と兵を育成する。

 
 ※ブルーは味方の同盟の領地だが、赤は敵の領地。結構、敵に囲まれている。

②同盟同士が激突

 
 ※最前線ですね。
  ブルーと赤がぶつかり合い、潰し合っている。
  基本は、囲碁のような領地の獲り合い。
  ブルーの領地が赤を凌駕すれば長安への道が一歩近づく。

③関(要塞)の攻略
 長安への道は遠く、敵の同盟が支配している関(要塞)もある。
 関には強度があって、味方の同盟で一気に攻める。
 強度をゼロにすれば味方のものになる。

 
 ※虎牢関攻め。
  これだけの軍勢が一気に攻める!
  これがソシャゲの醍醐味!

 
 ※重安の関を攻略。決戦前。
  関の向こうに敵(赤)がいるので攻略はかなり困難。
 …………………………………………………………………………………

『大三国志』
 まだサービスは続いていると思うので、興味のある方はやってみたらいかがでしょう?
 ソロでゲームを楽しみたいという方には向きませんが、
 仲間をつくって『三国志』を楽しみたいという方にはお薦め。
 A、B、Cという3つの同盟があったら、
 AとBが話し合って、いっしょにCを攻めるみたいなことも可能。
 まさに『三国志』ですね。

 ただし、ゲームにはチャット機能があって、
・領地をめぐるユーザー同士の諍い
・他同盟との挑発、罵り合い
 あるいは
・同盟内部には役職(将軍名など)があり、弱いユーザーは役職につけない。
 などのマイナスもある。

『大三国志』
 現実をかなり反映した、非常に人間くさいゲームだったと思います。

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「野党は批判ばかり」は本当か?~テレビ局よ、ウソを垂れ流すな! テレビ局は批判ばかり、と言われるようになれ!

2024年06月14日 | 事件・出来事
「野党は批判ばかり」が少し前に、Xで急上昇しトレンド入りした。

 きっかけはテレビ番組でのタレントの眞鍋かをり氏の発言。
「自民党の裏金問題があって野党がワーって言うけど、別に文句しか言ってないみたいなのが、
 もうウンザリって思っている」

 これに対するネットの反応は──
・野党は批判ばかりって言う人たちは、与党に問題はないと考えてるんだろうか。
・『野党は批判ばかり』が真なら『与党は違法ばかり』も真。
・ちゃんと法令通りに裁かれてれば文句はいわねーよ。
・批判に答えない与党の逃げの言葉。

 確かに。
 以前は「野党は批判ばかり」という詭弁にダマされる人がいたが、さすがにみんな気づいてきた。
 つーか、そんな批判が薄れてしまうくらいに自民党が酷すぎる。

 立憲民主党の米山隆一衆院議員もXで痛烈に反論。
「野党は其々に政治資金規正法案を出しています。『野党が文句しか言っていない』は端的に誤りで、
 真鍋かおり氏が国会で何が起こっているか全く知らずに『野党への文句しか言っていない』が
 実際です』

 真鍋さん、もしかして与党からカネをもらってる?
 官房機密費もらってる?
 もし、そうでないのなら、もう少し勉強してから発言してほしい。

 テレビ局もさ、こんな不勉強な人物を使うなよ。
 つーか台本あるんだろう?
 テレビ局は番組の主張に近いタレントをキャスティングし、
 タレントは台本どおりにしゃべっている。
 少なくとも『こういう発言だけはしないで下さい』という制約はあるはず。
 それを越えた発言をした場合は降板させられる。

 テレビよ、これでいいのか?
 ネットの方がはるかに情報は濃いんだが……。
 ドラマもnetflixとかの方が断然面白いのだが……。

 テレビ局は不動産収入で経営を成り立たせているらしい。
 朝日新聞もそうだ。
 テレビマン、新聞記者はここで奮起して、
 自らの職業の矜恃を見せてほしいのだが、無理か?

 他の日本企業のように現状にあぐらをかき、
 世界に通用する製品・コンテンツを作らず、自滅していくのか?

コメント (4)
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