平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~第8回「初めての父」

2011年02月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 他のブロガーさんも書かれているとおり<ホームドラマ>ですね。

 たとえば、大河ドラマで見たいのは、「坂の上の雲」で日露戦争に向かう秋山好古が家族を集めて、「一家全滅すれども悔いず」(←すいません、はっきり覚えていません)みたいなことを言う父親の姿。
 完全に明治の父親、軍人の父親。
 好古の言ったことがいいか悪いかは別の問題として、我々は「なるほど、明治の人は、軍人はこういう考え方をするのか」と理解することが出来る。
 ところが、勝家(大地康雄)の父親像っていっしょに下着を洗濯してもらえない現代のお父さん。
 そういう父親像は別に大河ドラマで見なくてもいい。
 見たいのは、戦国時代の父親で、「ふうん、戦国時代の父親ってこうだったんだ」と学びたいのだ。
 そこから現代の父親はどうあるべきかを考えることが出来る。

 まあ、百歩譲って、ホームドラマとして面白ければいい。
 「篤姫」はそうだった。
 シンデレラストーリー。シンデレラであるがゆえに実の父親から引き裂かれるつらさ。
 つらいのに毅然とした態度で父親に別れを告げるヒロインの凛々しさ。
 公の場では「父上」ではなく「○○殿」と呼ばなければならない切なさ。
 どれも新鮮だった。

 しかし、今回は……。
 娘が迷惑をかけて父親が叱り、娘は父親を感じるって……。
 二十年前、いやそれ以前の古くさい、手垢のついたドラマだ。
 先週「池中玄太」を例に出したが、完全にそれになってしまった。
 それに雨に雷に、熊に狼……。これも定番といえば定番。

 まあ、別に面白くないわけではないんですよ。
 大地康雄さんの笑い方とかは好きだし、「それがしに想いを寄せてほしいのでございます」と勝家に言われた市(鈴木保奈美)が、「おのれの心が定まっておらなんだ。これからは勝家殿を受け入れ、共に暮らしていこう」と気づく所なんかは、深く描き込んでいるとは思う。
 でも全体としてフツー。ワクワク感がない。

 一応、<次回に期待>ということと、<江(上野樹里)は父親を求めていた>ということを書いておきます。
 ところで、江はラスト勝家から京の土産として何をもらったんでしたっけ?
 何をもらったかは、ドラマとして結構重要だと思うのだが。


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AKB48「桜からの手紙」楽しみです!

2011年02月26日 | アイドル
 今夜から始まるAKB48のドラマ「桜からの手紙」。
 AKBファンの僕としては実に楽しみです。

 役柄は実名と同じで、性格なども実際のメンバーの性格に合わせて設定されているとか。
 たとえば、エピソード「みなみとママの絆の話」のたかみな(高橋みなみ)。
 テレビガイドの記事に拠れば、「3Cの学級委員を務めるしっかり者。感動しやすく涙もろい一面も」って、まさにたかみなの性格ではないですか。(出来れば3Aの学級委員にしてもらいたかったけど。AKBのファンの方ならわかりますよね)
 さらに記事に拠れば、「恋愛に関しては進歩的になれず、パパママ大好きっ子」とのことですが、これも、たかみな。
 彼女は「男性にまったく興味がない」って、AKBINGO!の占い運勢診断の時に言っていましたから。

 エピソード「麻友の危険な友情」では、まゆゆ(渡辺麻友)と佐江ちゃん(宮澤佐江)がレズ関係?
 佐江ちゃんはボーイッシュで売っているメンバーですからね。
 AKBINGO!の「DANSO甲子園」でも格好良かった。
 まさにピッタリ。

 このようにメンバーの性格が役柄にリンクしているこの作品。

 ということで、記事で紹介されている役柄紹介を見ていくと、気になったのがゆきりん(柏木由紀)。
 エピソード「ひとりぼっちの由紀」の中でのゆきりんの設定は、「ひとりでいることが好き」「友人がいない」「リストカットの常習者」……。
 以前書きましたが、僕は<ゆきりん推し>ですからね、「そっか~、ゆきりんには友達がいないんだ~」などと心配し、「われわれファンがいるから大丈夫」などと思ってしまう。
 確かに誰にでも簡単に心を開けるタイプではないと思うけど。
 でも、実際には佐江ちゃんとか、フレキスのメンバーとかがいますしね。
 大丈夫、大丈夫。

 というわけで、今夜からの「桜からの手紙」。
 ゆきりんや他のメンバーがどんな演技をするか楽しみ。
 これは、ある意味、<役柄の中で自分を掘り下げていく作業>だと思うんですよ。
 掘り下げていって、新しい自分を見つけたメンバーがこの作品の中で、存在感を持って輝ける。
 そんな視点で、この作品を見ていきます。


※追記
 さらに「テレビガイド」の記事・メンバーの対談より

高城「たかみなさんの演技が面白いですよね」
篠田「ドラマでも若干スベってるんだよね。演技しているみなみはホント面白い(笑)」

 <面白くてスベっている演技>って!?
 確かにたかみならしいけど。
 ぜひ見てみたい!!


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ロンドンハーツ~楽しんごVS有吉先生

2011年02月24日 | バラエティ・報道
 芸人さんがお互いの芸を振りしぼって対決するのは面白い。
 一昨日のロンドンハーツでは、楽しんごさんと有吉弘行さんの対決。
 楽しんごさんのスペシャルマッサージを受けて、有吉さんがどうリアクションするか?

 まずはジャブ。
 「ドドスコスコスコ、ドドスコスコスコ、LOVE注入!」と楽しんごさんがお馴染みのギャグを放ったのに対し、有吉さんは「そのギャグで笑ったことないんだよ」と反撃。
 さすが有吉先生、毒舌炸裂!

 続いてマッサージ。
 超一流と言われる楽しんごさんのマッサージだが、有吉先生、いわく。
 「そこいらの安いマッサージと変わらねえな」
 さすが有吉先生、再び毒舌炸裂!

 そしてオイルマッサージ。
 楽しんごさんとしては、上半身をハダカにするつもりだったらしいが、有吉さんは何とトランクスまで脱いで真っ裸に!
 ここでも有吉さんの勝利!

 そしてトランクスを履いて、オイルマッサージ再開。
 ここからはさらに下ネタに入るのでイヤな方はスルーしてほしいが、何と楽しんごさんの手がトランクスの中に!
 おまけに施術で有吉さんのつま先が楽しんごさんの乳首に当たって「いやん!」。
 楽しんごさんが攻撃を次々と繰り出す。
 しかし、さすが有吉先生。
 そんな下ネタ攻撃に動じず、全く表情を変えない。
 完全に楽しんごさんのギャグを封じている。
 攻撃を受けて、楽しんごさんに「さっきよりあそこが硬くなった」と言われても動じない。
 足をM字に曲げられて、トランクスの間から股間のモノがのぞいても、動じない。
 大騒ぎするのは、ロンブーのふたりとこのコーナーの女性アシスタントのミキティ。

 というわけで、放送ギリギリの闘いを繰り広げた楽しんごさんと有吉先生。
 軍配はもちろん有吉先生!!

 すごいですね、有吉さんは。
 <毒舌王>として全く揺るがないし、腹が据わっている。
 素晴らしい芸人魂!!


 楽しんごVSアントニオ猪木はこちら


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江~姫たちの戦国~第7回「母の再婚」

2011年02月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 権力争い。
 今も菅さんの後を狙って、与野党で権力争いをしていますが、いつの時代も人は変わりませんね。
 権力なんて持ってもしんどいだけなのに。
 むしろ千宗(石坂浩二)の「茶さえたてられたらそれでいい」という趣味人のスタンスの方がイケてる。

 市(鈴木保奈美)にしても「秀吉の天下取りを阻むため、見過ごすわけにはいかぬ」と言って柴田勝家(大地康雄)に嫁ぐわけですが、権力争いに参戦してどうするの?
 無理をしてつらいだけなのに。

 以上は個人的な所感。
 さて、ドラマについて。

 市は秀吉(岸谷五朗)を「憎いというより許せぬ!」と評したが、ドラマに明確な<敵>が現れた。
 ただ、どうして市がここまで怒るのかがよくわからない。
 もっと憎むべきは、最愛の夫を殺した信長や実の兄を殺した光秀であったろうし、信孝(金井勇太)と会って話をするまでは、普通の怒りだった。
 それがなぜ勝家に嫁ぐという極端な行動を取らせるほどの怒りに?
 市は信孝の口車に乗せられてしまったのか?
 この辺の気持ちの描写は実に曖昧だ。

 おそらく、脚本・田渕久美子さんが市に「これは私の意思。誰かの思惑で動くのではない。母は武将の心で嫁ぐ」という決めせりふを言わせたかったために、筆が雑になってしまったのだろう。
 あるいは市は実は流されやすい単純な人物?
 そう言えば、夫・浅井長政に会えば簡単に長政LOVEになってしまうし、信長の天下布武の志を聞いて簡単に信長を許してしまった。
 それと同じ流れで市は信孝に洗脳されてしまったのか?

 <敵>秀吉についても今後どう描いていくのだろう?
 <善>なのか<悪>なのか?
 今の段階ではまだ曖昧でいいとは思うが、どちらに振って描かれるのか。
 まあ、田渕久美子さんは<悪人>を描くのが得意でないみたいですからね、信長も光秀同様、最後には<いい人>になってしまうのか。

 最後はホームドラマについて。
 ラストの市の再婚に対する茶々(宮沢りえ)、初(水川あさみ)のリアクションは完全に<ホームドラマ>ですよね。
 次回は、新しい父・勝家(大地康雄)と娘たちの話になりそうですが、「池中玄太」(←CS・日テレプラスでやってた)みたいな話は大河ドラマで見たくないな。
 こういうのは「池中玄太」を見れば十分なわけですし、何を今更?みたいな感じがします。
 もしかしたら次回、勝家は娘達の心を開かせるため、「鶴」を見せに行くかもしれない?


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のだめカンタービレ 最終楽章 後編~歓びのために

2011年02月19日 | 邦画
 「いくらがんばっても扉が開かない」
 こんな時ってありますよね。

 のだめ(上野樹里)は、千秋(玉木宏)とピアノ協奏曲を演奏するため、目の前の音楽と真剣に向き合ってきた。
 なのに、のだめはいつまでたっても練習の日々。コンクールにも出してもらえない。
 一方、千秋は孫Rui(山田優)と共演、どんどん先を歩いている。

 のだめは天才ピアニストという設定ながら、実は我々と同じ悩みを抱えて生きている。
 そこが観ている者に共感を与える。応援したくなる。

 扉がなかなか開かなくて、のだめは音楽を嫌いになり、音楽から逃げようとする。
 これも我々と同じ悩み。
 音楽の所を自分に当てはめてみれば、よくわかる。
 天才ピアニストという衣装をまとっておりながら、この作品は典型的な青春映画であり、サクセスストーリーだ。

 そして、訪れる歓喜の時。
 ベートーヴェンの第九のモチーフは「苦悩から歓喜へ」だが、まさにこの作品もそう。
 のだめは観衆の前で演奏をして、大賞賛される。マスコミが報じ、問い合わせが殺到する。
 しかし、この歓喜の時は意外な形で現れた。
 シュトレーゼマン(竹中直人)との共演だ。
 通常では<千秋との共演で絶賛される>というのが物語の定石。
 この裏切り方が上手い。

 そして、のだめはこのシュトレーゼマンとの演奏で燃え尽きてしまう。
 「あれ以上の演奏は出来ないし、演奏するのが怖い」と思ってしまう。
 のだめとシュトレーゼマンの演奏は、シュトレーゼマンに「こんな演奏が出来て、生きていてよかった」と言わしめるほどのすごい演奏だった。千秋にも「今まで自分がのだめと関わって来たのは、のだめにこの演奏をさせるために神が仕組んだことではないか」みたいなことを言わせてしまう。
 しかし、先にも書いたように、のだめは燃え尽きてしまう。
 作者はのだめにさらなる試練を課したわけだ。
 この試練をのだめがどう乗り越えるかは、ネタバレになるので書かないが、なるほどその手があったかという感じ。

 最後に千秋が語った最後のせりふを書いておきたい。
 以下、ラストのネタバレです。




 「気が遠くなるような孤独なつらい闘い。でも、こんな歓びがあるから何度でも立ち向かえるんだ」
 千秋がのだめとの共演を終えた時のせりふ。
 これは夢を持ってがんばってる人へのメッセージ。
 苦しみは歓びの瞬間のためにある。
 <失敗を怖れて何もしない人>と<失敗してあがき苦しむ人>、自分はどちらを選ぶか。
 後者を選ぶ人は、いくつになっても<青春>で、「のだめ」に感情移入出来る人なのだと思う。


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ゴールデンスランバー ~ジグソーパズルの魅力!

2011年02月17日 | 邦画
 伊坂幸太郎作品の魅力は、ジグソーパズルのようなストーリー展開にある。
 バラバラな登場人物、出来事が関連づけられ、やがてひとつの絵が浮かび上がってくる愉しさ。

 この作品で言えば、人物では<通り魔><アイドル><大学時代の元カノ><バイトをしていた花火職人><病院の元裏の世界の人間><運送会社の先輩社員><父親>……。
 出来事や物では<エレベーターのボタンを親指で押すこと><花火を見てキスをしたこと><大変よく出来ましたのスタンプ><動かない自動車><主人公の着ているハーレーのジャケット>……。
 未見の方には、何のことだかわからないだろうが、これらがすべてストーリーに密接に絡んでいることが、伊坂作品の魅力。

 さて、このことがテーマとして表現していることは何だろう?
 僕が考えるに
 『人は周囲の人間、過去の出来事、自分のまわりにある物などが、様々に絡まり合って生きている』ということ。
 『人はひとりで生きているのではなく、周囲の人、過去に関わった人、あるいは直接関係ない人の目に見えない縁で生きている』ということ。
 『現在の自分は周囲の人間や過去の出来事や物で形作られている』ということ。

 我々は、日常を断片として生きているが、実は十年後、二十年後、あるいは死ぬ際になって、その断片が意味を持ってくるのかもしれない。

 そんなことを感じさせてくれる。

 最後にgoo映画の解説に拠れば
 『タイトルの「ゴールデンスランバー」は、ビートルズの「アビーロード」の中の一曲。当時バラバラだったメンバーをつなぎとめようというポールの思いが、本作ではかつての友人達との絆を象徴する存在として使われている』とのこと。

 バラバラな断片が繋がる。
 何とも魅力的なモチーフだ。


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AKB48が男装!?~DANSO甲子園!

2011年02月16日 | アイドル
 AKB48が男装! 美形のイケメン男子に!

 宮澤佐江さんは<バイク乗りの不良>!
 渡辺麻友さんは<黒髪眼鏡で白衣の研修医>!
 前田亜美さんは<忠実な執事>!
 秋元才加さんは<戦国武将>!

 先週の「AKBINGO!」(日テレ/水曜0:30)で行われた『DANSO甲子園』での出来事。
 これを見て、世の女性たちがなぜ<美形のイケメン男子>を好きかがわかったような気がした。
 確かに美しい。

 まゆゆのやった眼鏡の研修医などは、小池徹平さんを越えていた。
 まるで少女漫画の世界からそのまま抜け出して来た感じ。
 <不良>も<執事>も<戦国武将>も世の女性のニーズを捉えている。
 そんな男装の美形たちが、シチュエーションの中でこんなせりふを言う。

・不良の宮澤さんは、不良に絡まれていた大島優子さんを助けて「何だ、笑った顔は以外にかわいいじゃん」。
・研修医の渡辺さんは、退院できないでヤケになっている宮崎美穂さんに「僕がこの指で絶対に病気を治してあげるから」と言って、くちびるに指を。
・執事の前田さんは、わがままお嬢様の板野友美さんに「お嬢様のためなら私は喜んで死にましょう」。
・戦国武将の秋元さんは、出陣の折に妻の北原里英さんに「私の心の中にはいつもお前がおる」。

 これらの男装パフォーマンスに対する他のAKBメンバーたちのリアクションもすごい。
 「恥ずかしくてしゃべれない!」「失神しそう!」「絶対に握手会に行く!」「この人になら見下されたい!」「こんな人が現実にいないと思ったら哀しくなった!」「この男装を見るために生きている!」「あたしなどがコメントしている場合じゃない!」など大興奮!

 これらのリアクションを見ていると、今年は男装ブームが来そうな気がする。
 昨日の「笑っていいとも!」でも宝塚の男性役の方が出ていたし。

 この「DANSO甲子園」後編は、本日オンエアの「AKBINGO!」でもやるらしいので、興味のある方はぜひ見てみて下さい。
 特に女子は必見だと思います!


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江~姫たちの戦国~第6回「光秀の天下」

2011年02月14日 | 大河ドラマ・時代劇
★歴史を描くとはどういうことだろう?
 資料を読んで史実を把握して、作家独自の解釈で、その人物なり時代を描いていく。
 歴史小説家はあくまで<史実>にこだわり、格闘して、自分なりの世界を描いていく。
 「江」の原作・脚本の田渕久美子さんのやり方は、史実と格闘する歴史小説家の方法とは違っている。
 あくまでドラマ優先。はじめにドラマありき。
 そのためには史実の改変も仕方がないと考える。
 これは「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」のアプローチと似ている。
 水戸光圀や徳川吉宗という人物だけを借りて、勧善懲悪のドラマを描いているように、江(上野樹里)という姫を自由に動かして、戦国時代のドラマを描いている。

 この手法の是非については観る人の判断。
 僕はドラマのための多少の改編、省略は仕方がないと思うが、今回はやり過ぎ?
 作家の姿勢としては、<史実と格闘して、その中で独自の解釈・世界観を描いてくれる>方が好感が持てる。
 あるいは「水戸黄門」や山田風太郎の忍法もののようにフィクションに徹してしまうか。

★さて、今回のドラマ。
 江が光秀(市村正親)に会うというご都合主義を除けば、ドラマとしてよく出来ている。
 特に光秀の絶望。
・「この光秀には誰もついて来ようといたしませぬ」
 →光秀は孤独ですね。自分の人望のなさを知ってしまうことほど、大きな絶望はない。
・「(信長は)心底敬い、お慕い申し上げたお方」
 →光秀は信長を愛していたんですね。だから拒まれて、愛情が憎しみに変わってしまった。
・「後を任せるのは光秀である」と信長が言っていたことが後になってわかった。
 →何という人生の皮肉! 蘭丸の手紙がもっと早く着いていれば……。人生とはこういうすれ違いで歯車が大きく狂ってしまうんですね。
 そしてこれらの思いが渦巻いて、光秀は疲れ果て、虚無に陥ってしまった。
 何と哀しい絶望!

 江の人物描写もなかなか。
 彼女は叔父の仇・光秀を許した。「太平」という信長の遺志を継ぐように促した。
 彼女は<許す存在>なんですね。マリア様や菩薩様のように。
 そして、人を決して憎まない。市(鈴木保奈美)が言ったように「いくさ」を憎む。
 出来すぎではあるが、これぞ、主人公!

 この作品は、江を<目撃者>にした新しい<講談もの>として見ればいいのだと思う。
 ということで、江が剣を持ってチャンバラをする日も近い?


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沈まぬ太陽~<果報>という考え方

2011年02月12日 | 邦画
 仏教には<果報>という考え方がある。
 <果>は結果。
 <報>は結果がもたらすもうひとつの結果。

 たとえば、頑張って一流企業に入ったとする。
 これが結果。
 しかし、まわりの人間は優秀な人間ばかりで、たちまち落ちこぼれて窓際族に。
 あるいはノイローゼになったり、不正に手を染めることになったり。
 これが結果がもたらすもうひとつの結果。つまり<報>。

 人はいい結果を出せれば大喜びするが、実は結果にはもうひとつの結果(=報)がついてまわる。
 そのもうひとつの結果は、上に書いた例のように悲惨なものかもしれない。
 だから仏教はこう考える。
 物事は<果>で考えるのではなく、<果報>というセットで考えなければならない。

 さて、「沈まぬ太陽」。
 この作品には様々な<果報>の物語が描写される。

★人件費を削り従業員に過重な労働を強いた国民航空は、効率のいい経営=高い利益という<結果>を得たが、ジャンボ機墜落事故という<もうひとつの結果=報>をもたらしてしまった。

★行天四郎(三浦友和)は組合を裏切り、エリートコースを歩み、常務にまでのぼりつめたが、不正を行い、東京地検に逮捕されてしまった。
 この場合、<果>は出世したことで、<報>は逮捕されたことだ。

★恩地元(渡辺謙)は従業員の労働条件や安全ということにこだわり、経営陣から疎まれ、海外を点々としたが、新会長の国見(石坂浩二)に抜擢され、会長室で会社の改革に取り組むことになった。そして、家族を始め、国見や航空機事故の遺族など、たくさんの絆が出来た。
 この場合、<果>は出世コースから外れたことで、<報>は会長室で改革に携われたこと、たくさんの人との絆が出来たことである。

 恩地と行天、このふたりの<報>を考えた場合、どちらが幸せであろうか? 人生としてどちらが豊かであろうか?
 その答えは作品を見た人の判断に任せるとして、考えたいのは<果報>である。
 つまり……
 いい結果が必ずしも、次にいい結果を生むわけではない。(行天)
 悪い結果であっても、次にはいい結果が生まれるかもしれない。(恩地)
 だから、仮にいい結果が出たとしても、一喜一憂しても仕方がない。

 恩地も行天の生き方を波乗りに例えて、こう感想をもらしていた。
 「波に乗っているやつの方が大変なのかもしれんな。波から落ちないように必死にしがみついていなければならない」

 <果報>という考え方を持つと、人生は結構楽に生きられる。


※今回の<果報>についての考え方は、「こだわりを捨てる」(ひろさちや・著 中公文庫)を参考にしました。

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さんまVSロンブー淳! ~ホンマでっか!?TV

2011年02月10日 | バラエティ・報道
 「ホンマでっか!?TV」にロンブー淳さんが登場!
 これは楽しみ。
 だって、さんまさんと淳さんが絡むのって初めてではないですか。
 月曜日の「笑っていいとも!」では、タモリさんと淳さんが絡んでいるが、まったく違和感がない。
 メインがタモリさんであることは変わりがないし、淳さんの良さも出ている。
 さて、さんまさんと絡んで何が生まれるか?
 視聴者としてはこういう夢の競演が楽しみ。

 さんまさんが淳さんにツッコんで絡んだのは実質二回だった。
 まずは「ホンマでっか」の先生たちから、淳さんが「この先はもうあまり伸びない」と指摘された時。
 さんまさんは「あまり伸びないんやて。拍手~!」と大喜び。
 確かにロンブー淳さんは、さんまさんを脅かす存在ですからね。
 さんまさん、紳助さんらの世代を脅かす司会も出来る芸人さんは、くり~むしちゅ~の上田さんと今田耕司さん、そしてロンブーの淳さんだろう。
 だからさんまさんはこの発言。

 二回目の絡みは、淳さんが「将来孤独死する」と指摘された時。
 さんまさんは「前の彼女に連絡したれや」
 前の彼女とは、もちろん歌手のAさん。
 別れても淳さんはこの話題がついてまわる。

 というわけでさんまさんと淳さんの対決はこんな感じ。
 ギャグの応酬でやり合うということはなかった。
 淳さんはボケではないし、さんまさんとしてはツッコミづらいのだろう。
 淳さんにしても大先輩であるさんまさんにはツッコめない。
 なので不完全燃焼。

 僕が思うに、ロンブー淳さんって、すごく常識人なんだと思う。
 「ロンドンハーツ」では<子供に見せたくない番組第一位>に選ばれるようなことをしていながら、本人はいたって生真面目で繊細。
 自分のことはあまり語りたがらないし、語っても「自分は毎年欠かさず献血をしている」とか「周囲で結婚をして幸せそうに見えるのは自分の両親だけだ」とか「学生時代は生徒会長だった」とか、発言は真面目で優等生。
 さんまさんが、くり~むしちゅ~の上田さんや今田耕司さんにはツッコめるが、淳さんにツッコめないのは、淳さんが心を閉ざす繊細な真面目人間だから?
 そして、この振れ幅が淳さんの魅力なのだと思う。

 将来、淳さんはどのように変わっていくのであろう?
 実に楽しみだ。


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