平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

逃げるは恥だが役に立つ 第8話~会えます! 近くにいます! 会って火曜の分のハグを!

2016年11月30日 | 恋愛ドラマ
 みくりの母親は父親を家事でこき使い、こんなに何もできない人だとは思わなかった、と憤慨する。
 みくりの兄夫婦。無遠慮な夫に妻は〝怒りの壁ドン〟をする。
 夫婦っていうのは、これなんですよね。
 ズバズバ何でも言えるこの距離感。

 一方、みくり(新垣結衣)と平匡(星野源)は……。
 契約結婚という形式と体の関係がないことが阻害して、互いに遠慮し合っている。
 特に平匡には、心地いい自分の距離というものがあって、それに踏み込まれると、悩み出し逃げてしまう。

 もちろん、みくりの父親と母親も、兄夫婦もそれなりの物語があって現在に至ったのだろう。
 彼らは彼らなりにぶつかり合い、葛藤して、現在の信頼を築いた。
 だから、こんな言葉。
「運命の相手ってよく言うけど、わたし、そんなものいないと思うのよ。運命の相手にするの」
「誰かを誠実に愛し続けることはすごく大変なこと」
 愛には努力が必要なのだ。

 今回、平匡はがんばった。
 恥ずかしい自分をさらけ出し、誠実に語った。
 みくりも自分の心の中を整理し、自分の気持ちに向き合った。
 その結果が、
「会えます! 近くにいます! 会って火曜の分のハグを!」
「はい!」

 昔の恋愛ドラマは、相手を追いかけて必ず走ったんですけど、今回、平匡は走りましたね。
 やっぱり恋愛ドラマに〝走り〟は必要。
 最高に盛り上がる。
 もっとも平匡とみくりの場合は、今回のラストのようにイマイチ決まらないんですけど(笑)

 最後はみくり。
 心理学を学んだ彼女の問題解決の仕方が面白い。
 まずは妄想。
 妄想により自分を客観視し、発想の転換をおこなう。
 今回は<情熱大陸ふたたび>と<恋愛47キロ級のアスリート>になって自分を客観視した!(笑)
 前回、平匡に言った、「いいですよ、わたしは。平匡さんとなら、そういうことをしても」は痛恨のミス!(笑)
 そして素因数分解。
 余計な気持ちを取っ払って最後に何が残るのか?
 仕事、収入、自分のやりたいこと、なりたい自分──それらを無にした時、最後に残る思いは何か?
 それは市議会議員になって他人のために働いてお金をもらうことではなかった。
 <平匡といっしょに生きること><失敗してもいいからもう一度やり直すこと>だった。

 いやあ、みくりは女神だわ~。
 みくりは全国のこじらせ男の希望の光です!

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逃げ恥 「恋ダンス」の動画を集めてみた!~東洋英和女学園ミスコンファイナリストなど

2016年11月29日 | 恋愛ドラマ
 さて本日は『逃げ恥』です。
 〝恋ダンス〟です。
 そこで今回はYouTubeに投稿された〝恋ダンス〟の動画をまとめてみました。

★逃げ恥 恋ダンス 東洋英和女学園ミスコンファイナリスト
 タイトルのとおり東洋英和女学園ミスコンファイナリストに拠る恋ダンス!
 恥ずかしがっていて、振り付けもおぼつかなく、キレがない所が新鮮!
 いいよ! いいよ!

 逃げ恥 恋ダンス 東洋英和女学園ミスコンファイナリスト(YouTube)

★りりり 恋ダンス 踊ってみた
 彼女は上手い!
 恋ダンスを自分なりに消化して〝りりりワールド〟にしてる。
 りりりさんはプロなんでしょうか?

 りりり 恋ダンス 踊ってみた(YouTube)

★逃げ恥 恋ダンス踊ってみた 登美丘高校ダンス部
 ダンス部だけにキレは最高!
 人数もAKBみたいにたくさんいる。
 でも個人的には、東洋英和女学園ミスコンファイナリストのお姉さんたちがいい!

 逃げ恥 恋ダンス踊ってみた 登美丘高校ダンス部(YouTube)

★女二人で全力恋ダンスしてみたという動画が面白すぎると話題に
 フリは完全オリジナル。
 おそらく感じたままの即興なんでしょうね。
 それがメチャクチャ面白い!
 ウケて爆笑している左側の女の子がその面白さを倍増している。
 ちなみに左側の子は本家のフリをちゃんとやっている。

 女二人で全力恋ダンスしてみたという動画が面白すぎると話題に(YouTube)


★公式 再生回数3800万超「恋ダンス」フルvers
 最後は本家!
 ガッキー&星野源さん&出演者バージョン!
 うん、やっぱり、これですね!
 皆さんも練習して忘年会などで披露すると人気者になれるかもしれません。

 公式 再生回数3800万超「恋ダンス」フルvers


※追記
 こんなのもありました。
 勇者ヨシヒコが踊る恋ダンス!(笑)
 ドラマの映像を曲に合わせて編集しているのだが、実によく合っている!
 これをつくった人、お見事!

 【恋ダンス】勇者ヨシヒコ 曲ありVer(YouTube)

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真田丸 第47回「反撃」~望みを捨てぬ者だけに道は開ける

2016年11月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 真田丸を壊され、堀を埋められて無力化した大坂城。
 さすがの幸村も心が折れた。
「策はない。もはや、このいくさ勝ち目はなくなった。申し訳ない」
 幸村は最後の最後まで辛抱強く戦ったんですけどね。
 城を出ての壮大な作戦を否定されたにもかかわらず、真田丸を造って敵を撃退。
 しかし、大坂城の優柔不断、大蔵卿(峯村リエ)の浅慮、家康(内野聖陽)のしたたかさに負けた。
 幸村は戦術家、軍略家であったが、〝政治家〟ではなかった。
 浪人ゆえ大坂城での権力、発言力も弱かった。

 しかし……。
 そんな心の折れた幸村に後藤又兵衛(哀川翔)らが力を与える。
「行く場所がないやつらがここに集まったんじゃないのかよ!」
「何をのんびりしてんだ。早く策を建ててくれよ!」
「考えろ。どうしたら勝てるか考えるんだ!」
「徳川にひと泡吹かせましょう!」

 そして締めの言葉──
「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」

 これが三谷幸喜さんのメッセージなんですね。
 『古畑任三郎』の「再会」では、妻に裏切られて自殺を考えた作家・安斎(津川雅彦)に古畑はこう言った。
「たとえ明日死ぬとしても、やり直してはいけないって誰が決めたんですか」
 映画『マジックアワー』では、
「マジックアワーをのがしたらどうすればいいか知ってるか?
 簡単なことさ、次の日まで待てばいいのさ。やめるのは早過ぎる。
 わたしだって待っているのさ、次のマジックアワーを。
 このままくたばってたまるか」

 どんなにどん底でも、最後の最後まで諦めずに抗う。
 この姿勢は三谷幸喜作品の中で、さまざまな形を取りながら一貫している。
〝どうしたら勝てるか考えよう〟
〝いくらでもやり直せる〟
〝このままくたばってたまるか〟
 何て素敵な言葉なのだろう!
 ………………

 ディティルについて書くと、大蔵卿は浅慮だよな~。
 完全に家康の手のひらの上で踊らされている。
 幸村は、「戦えぬわれらに家康が約定を守るとお思いか!」と叱ったが、よくぞ言ってくれたという感じ。
 もっとも人間の世の中って、他人を簡単に信じてしまう善良な人って、悪い奴にしてやられるんですよね。
 欲望で闘っている分、悪は善より強い。
 原発事故で福島の人はひどい目に遭っているのに東電幹部は関連会社に天下りして優雅な暮らしをしている。
 最近になって、検察審査会が機能して、やっと起訴になった。
 有罪になるかどうかはわからないけど。

 きり(長澤まさみ)は〝その場をかき回し、流れを変える〟役割(笑)
 それでやったのが、「足が吊りましたぁ!」(笑)

 昌幸(草刈正雄)は〝義の人〟だったのか……(笑)
 武田の領地を取り戻すために戦い、そのためにはどんな汚い手でも使う男。
 ものは言いよう。
〝汚い手〟という言葉も〝したたか〟〝戦術家〟という言葉に言い換えれば、カッコよく聞こえる。

 淀(竹内結子)は絶望の縁にいる。
 昔の茶々に戻って幸村の胸の中で、
「もう、この世はたくさんじゃ……」
 幸村は淀を絶望から引き戻し、もう一度、生きてみようと思わせるために戦っているのかもしれない。

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(伏見つかさ・著)~オタクの世界は楽しい。こっちに来なよ!

2016年11月26日 | 小説
 ひさしぶりに『俺妹』を読み返した。
 第1巻のオフ会で出会う桐乃と黒猫。
 そこで、ふたりは互いの大好きなアニメをめぐって、こんなケンカを始める。

「『maschera~堕天した獣の慟哭』──ストーリー・作画ともに今期最高峰のアクションアニメよ。毎週木曜日の夕方にやっているから、ぜひとも観て頂戴」
「あ、それって、あの──メルルの裏番組じゃない? 確かオサレ系邪眼厨二病アニメとか言われてるやつ」
「──聞き捨てならないことを言うのね、あなた、メルルって、まさか『星くず☆ういっちメルル』のことかしら? バトル系魔法少女なんて、いまさら流行らないのよ。あんなのは超低脳のお子様と、萌えさえあれば満足する大きなお友達くらいしか観ない駄作」
「その言い草だとメルル観てもいないでしょ。つーか一期のラストバトル観てたら、絶対そんなふざけた口きけるはずがないからね! あーかわいそ! アレを観てないなんて!」
「あなたこそ口を慎みなさい! 何が厨二病アニメよ。私はね、その漢字三文字で形成される単語が死ぬほど嫌いだわ。ちょっとそういう要素が入っているというだけで、作品の本質を観ようともせずにその単語を濫用しては批判する蒙昧どもね。あんたもそんな豚どもの一匹なのかしら?」

 一部、抜粋しての引用だが、何とも壮絶な口ゲンカ。
 オタクは好きなものをけなされると、こんなふうに反論するのである。
 それはアイドルオタクでも同じで、<AKBとハロプロ><AKBの支店どうし><48グループと坂道シリーズ>がそれぞれにdisり合っている……(泣)
 このふたりの口ゲンカに対して、一般人で桐乃の兄である主人公(語り手)は圧倒され、ツッコミを入れる。
 だが、やがて考えを改めて、こんな感想を持つ。

★桐乃と黒猫のよくわからん罵り合いを聞きながら、この数時間のことを反芻してみる。
 今日、俺は桐乃以外のオタク連中に初めて触れたわけだが……正直なところ、想像してたのとは大分違っていたんだよな。

★当たり前のことを言うが、それは『大好きな趣味を持っている』という、ただそれだけのことなんだよな。そう、それだけのことなのさ。R&Bが好き、バスケが好き、ミステリーが好き、書道が好き──そういうのと何にも変わらねえ〟

★いまも俺の脇で桐乃と黒猫が、ベラベラ喧嘩ごしで、たぶんアニメの話をしているけどさ、それってカラオケボックスで、夢中でカリスマアイドルの話をしてるのと、どう違う? 洒落たカフェの片隅で、セレブが恋愛小説の話をしてるのと、どう違うんだろうな?
 たぶんだけど……たいした違いはないと思うんだよ、俺は。違うかな?

 そして、こんな最終的な感想。

★今日の出来事をもう一回思い出してみれば、よーく分かる。
 オフ会やってた、さっきのメイド喫茶にしろ。祭りみてーだった、あの(秋葉原の)大通りにしろ。でもってこの二次会にしろだ。
 だって楽しそうなんだもんよ。
 同じモンを好きなやつらで集まって、騒いで、遊んで──
 混ざれないのが、悔しくなってくるくれえだよ。
 世間体が気になる? 偏見がおっかない? よーし、それじゃあオマエもこっちに来いよ。
 さあ俺らと一緒に、大騒ぎして遊ぼうぜ──そんなふうに手をさしのべられているような気がするんだな。

★こいつらは望んでここにいるんじゃねえかな?
 仲間を捜してここに来た、桐乃みてーに。
 だってちょっと見てみろよ、この桐乃と黒猫のギャーギャーうるせー言い争い。
 出会ったその日に、こんだけ本気で深い喧嘩ができるって、それはそれでスゲーと思わないか?
 で、それって……こいつら二人の間に、強く通じ合う『大切なもの』があるってことだと思うんだ。
 ………………

 ここまで読んで、涙を流さないオタクはいないだろう。
 見事にオタクの気持ちを代弁してくれた。
 僕がアニメオタクだった頃の世間の目は冷たかったからね~。
 もっとも現在は一億総オタク化で、アニメなんかはしっかり市民権を得たけれど。

 では最後にもう一度、主人公の言葉を繰り返しましょう。

〝世間体が気になる? 偏見がおっかない? よーし、それじゃあオマエもこっちに来いよ〟

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原発避難の小学生がいじめ~悲劇しかもたらさない原発

2016年11月25日 | 原子力発電・反対
 痛ましい事件が起きた。
 福島の原発事故で非難していた小学生が自殺したのだ。いじめを受けたのだ。
 両親の告発によると、「お前の家は原発事故の賠償金をもらってるから金を持っているんだろう」と言われて、遊ぶ金150万円を支払わされた。
 ちなみに東電から支払われた賠償金の額は、10万~20万らしい。
 そんなに少ないのか……。
 原発事故で人生を狂わされた人の賠償金だぞ。
 東電の責任は10万、20万で済む話ではない。

 学校側は「被害者生徒が率先して金銭を渡していた」として、いじめにはあたらないと判断して放っておいたらしい。
 まったく、学校は何度、同じ間違いを繰り返すんだ?
 こんな話は過去のいじめ自殺事件で何度も聞いた。
 どうして加害者側の言うことばかりを鵜呑みにし、被害者の叫びに耳を貸さないのか?
 <率先して金銭を渡す>だけでも大問題だろう?

 亡くなった小学生はこんなメモを残していたそうだ書いていた。
『いままで、なんども死のうとおもった。
 でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけど、ぼくはいきるときめた』
 なのに自殺してしまった。
 よほど、つらかったのだろう。
 ……………………

 この件は、学校や教育の問題だが、間接的な原因には原発事故である。
 もう原発はやめよう。
 一昨日も、大きな地震が起きた。
 日本は地震大国だ。

 ベトナム政府は安倍政権が売り込みをして、ほぼ決定していた<原発建設>を議会で否決した。
 懸命な判断である。
 何しろ重大事故が起きれば、とんでもない被害をもたらすし、廃炉費用は莫大に掛かるし、核のゴミの処理や捨て場もないのだから。
 安倍首相も原発売り込みを<成長戦略>のひとつになんかするなよ。
 あと武器輸出。
 <原発>と<武器>の輸出は卑しいビジネスだ。


※関連記事
 原発避難いじめ 学校は「率先して金渡した」と判断(NHK NEWS)

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相棒15 「フェイク」~謎と伏線が一気に回収される<フェイク>なラスト! 誘拐事件も鮮やか!

2016年11月24日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回の事件を素直に解釈すると、こうなる。

〝借金に苦しむ高木美奈子(安達祐実)が男と誘拐事件を企み、中山広斗を誘拐するが、自分の息子・翔太が巻き添えを食って死んでしまった。
 美奈子は死んだ息子をそんなに愛しておらず、なおも誘拐事件を遂行しようとする〟

 以上の件を表す、思わせぶりなせりふが次のふたつ。
 警察を離れて、ひとりになった時のつぶやき。
「みんな、バカね」
 電話で男と話している時は、
「わかってます。バレたらまずいのはお互い様ですから」

 しかし、ここでまったく予想外の事実が視聴者に提供される。
 何と死んだはずの息子・翔太は生きていたのだ!
 アパートの部屋の中にちゃんといた。
 美奈子ともちゃんと会話していた。

 ここで視聴者はわからなくなる。
 翔太は本当に死んだのか?
 美奈子が翔太と呼んでいるのは、実は誘拐されている広斗なのか?
 だが、広斗なら美奈子と普通に会話しているのはおかしい。
 では広斗は洗脳されているのか?

 これらの疑問を一気に解決する〝フェイク〟なラストが展開される。
 上手い脚本ですね。
 ドラマがすべて謎で進行していき、ラストで伏線がすべて回収されている。
 ……………………

 同時進行で描かれる警察の誘拐捜査とそれを次々と解決していく右京さん(水谷豊)もお見事。
 ここはネタバレにしてもいいと思うので書くと、警察側に内通者がいて誘拐実行犯に警察情報を提供していた。
 しかも、内通者はひとりではなく、ふたり!
 内通者がひとりなら普通だが、〝ふたりいた〟という所が見事なアイデア。
 右京さんが、犯人の逃走経路を見破る所も、内通者がいると見越してウソの情報を流して犯人を罠にハメるというのも面白い。

 いやあ、『相棒』がひさしぶりに鮮やかなミステリを見せてくれました。

 ちなみに、美奈子の息子の件の元ネタは〝ヒッチコックのあの作品〟でしょうか?
 あれを初めて見た時は本当に驚いた。
 フランスの映画監督トリフォーも分析本を出すほど熱狂したようだけど、僕も熱狂して何度も名画座に足を運んだ。
 DVDも持っているから、見返してみよう。
 あの作品は後世のミステリ作品に影響を与えていますよね。

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逃げるは恥だが役に立つ 第7話~いいですよ、わたしは。平匡さんとなら、そんなことしても

2016年11月23日 | 恋愛ドラマ
「今日はちゃんと先に寝て下さい」
 平匡(星野源)がみくり(新垣結衣)を気遣って、ハグの前倒しをした時の言葉だ。
 この言葉にみくりはへなへなと崩れ落ちて、
「好きの嵐が……! わたしの中の平匡さん旋風が……!」
 そして、妄想モードに入って、
『心のベスト10 第1位! 9999! 「今日はちゃんと先に寝て下さい」』(笑)

〝言葉の浸透力ハンパない〟のは平匡だけではなかったんですね。
 みくりも平匡の言葉に旋風が吹き荒れてしまった。

 しかし、言葉というのは時に厄介だ。
「聞いていいですか? どうしてわたしにキスしたんですか?」
「すみませんでした。雇用主として不適切な行為でした」
 こんなふうにすれ違いをもたらす。
 みくりの言葉はストレート過ぎるし、平匡のは逃げの言葉だ。

 平匡にはストレートな言葉はまずいんですよね。
 メールの言葉も、もし<二回目もお願いします>と送っていたら、平匡は高い壁をつくってしまっただろう。
 ここは、<こちらこそよろしくお願いします。末永く>が正解。
 このくらいの距離感が平匡にはちょうどいい。
 なのに、みくりったらラストで、とんでもないストレートの剛速球を投げ込んでしまった。
「いいですよ、わたしは。
 平匡さんとなら、そんなことしても」
 もう一度、繰り返そう。
「いいですよ、わたしは。
 平匡さんとなら、そんなことしても」
 おおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!
 何という超ドストレートな剛速球!!
 ガッキーにこんなこと言われたら、平匡でなくても、うろたえるよね!!
 結果はもちろん予想どおり。
「ごめんなさい。無理です、僕には」
 みくりもこんな言葉を言ってしまった自分が恥ずかしくて家出。

 こんなふうに言葉は、誤解、すれ違い、溝をもたらすんですよね。
 どんな言葉を選んで使うかは本当に大変。
 むしろ心を通じ合わせるには、言葉なんか要らないのかもしれない。
〝手を握って、キスして、ハグする〟
 ただ、これだけでいい。
 言葉は邪魔。
 実際、〝手を握って、キスして、ハグした〟時のふたりは本当にいい感じだった。
 その後の余計な言葉、「いいですよ、わたしは。平匡さんとならそんなことしても」が溝をつくってしまった。

 先週も書いたけど、今から考えると、『東京ラブストーリー』の「カンチ、セックスしよう」はすごい言葉だな~。
 あの時代は、「カンチ、セックスしよう」が共感を呼んでいた。
 しかし現在は、
「いいですよ、わたしは。平匡さんとならそんなことしても」
 で、うろたえるふたり。
 これが今の時代の恋愛ドラマなんですね。

 ところで、ナインティーンナインの岡村隆史さんはガッキー大好きで、女性に対しては<平匡>みたいな所があるけど、このドラマをどう見ているのだろう。

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真田丸 第46回「砲弾」~いかに兵を損なわずしていくさに勝つか、家康と幸村の心理戦!

2016年11月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は静かな戦い、心理戦である。

 家康(内野聖陽)は、夜を徹して〝鬨の声〟をあげさせ、敵を寝かせずイライラさせる。
 叔父・信尹(栗原英雄)を使って、幸村(堺雅人)を寝返らせようとする。
 そして内通者・織田有楽斎(井上順)による和睦の誘導。
 その根本にある思想は、
「いかに兵を損なわずして城を落とすか」

 幸村も同じ思想で、いくさをしている。
「いかに兵を損なわずしていくさに勝つか」
 亡き妻・梅(黒木華)の言っていたことでもある。
 だから城にこもっての持久戦。
 幸村は<攻め来る敵を真田丸で撃退していけば必ず徳川方に離反者が出て来る>と考えている。
 実際、福島正則(福水元基)や平野長泰(近藤芳正)などの離反者が出て来ていた。

 幸村は家康の仕掛けてくる心理戦をひとつひとつ撃退していく。
 秀頼(中川大志)が有楽斎に乗せられて和睦を考えた時も、淀(竹内結子)を使ってこれをつぶす。
 このやり方に秀頼が文句を言うと、
「その断に誤りがあれば、私はいかなる手段を使ってでも食い止めまする」
 幸村は必要があれば、秀頼の顔をつぶすことも平気でやってのけるのだ。
 家康の心理戦と持久戦にイラつく後藤又兵衛(哀川翔)、毛利勝永(岡本健一)たちに対しては、夜襲を許し、ガス抜きをさせた。

 刀や銃を交えていなくても、幸村と家康はいくさをしているのだ。
 その根本は、<組織の不満や綻びにいかに対応していくか>。
 ただ、実権を持たない幸村は家康より分が悪い。
 堤防の穴がひとつ開くと、いちいちそれに対応しなければならない。
 まさに孤軍奮闘。
 皆があっちこっちで勝手なことを言っていて、幸村の心の中はかなりハードであっただろう。

 しかし、決定的な出来事が起きた。
 大坂城の天守閣に落ちた一発の砲弾だ。
 これで豊臣側の心が折れた。
 崩れたのが大坂城の天守閣というのも象徴的。
 目の前で自分の侍女が死んだのも、トラウマを持つ淀を心を折るのに十分だっただろう。
 こうなると、幸村がいくら孤軍奮闘していても収められない。
 今まで鬱積していたものが吐き出される。
 これで心理戦の決着がついた。
 ……………………

 あとは個々の人物について。

 信之(大泉洋)は、人生で一度だけ〝無茶〟をしたかったんですね(笑)
 信之のコンプレックスは、自分が<実直で面白みがない人間>であることだったため、一度でいいから無茶をしてみたかった。
 しかし、稲(吉田羊)と出浦(寺島進)に止められて……。
 お婆様が亡くなる時言っていたが、人には持って生まれた役割・宿命がある。
 信之の役割は、真田家を存続させることだったんですね。

 きり(長澤まさみ)は相変わらず本質を見抜く。
 徳川側の鬨の声を、「あたしたちを怖がらせようとしているだけ」と見事に見抜いた。
 きりが男だったら、幸村の見事な参謀になっていただろう。

 叔父・信尹はクール。
 幸村に裏切りを誘う書状を渡して、
「大御所様からの書状じゃ。読まんでいい」
 そして、まっすぐ幸村の目を見つめる。
 信尹は最初から調略する気なんかなかったんですね。
 まっすぐに見つめる目は、がんばれ、と言っているよう。

 淀は妹・初(はいだしょうこ)が言っていたように、死にたがっている。
 城が焼け落ちるのを待っていて、それが運命だと思っている。
 同時に秀頼と穏やかに暮らすことを願っている。
 おそらく、このふたつの思いに引き裂かれているのだろう。
 幸村は、死にたがっている淀を一喝し、秀頼と生きることを主張するんだろうな。
 幸村が大坂城に入った理由は、<死にたがっている淀を止めること><生かすこと>なのかもしれない。

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2019年の大河ドラマは<オリンピック>~テーマは戦争と政治と景気に振りまわされた人々←おおっ!

2016年11月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 宮藤官九郎さんが2019年の大河ドラマの脚本を書くらしい。
 テーマは「東京とオリンピック」。
 内容は、日本選手が初めて参加した1912年のストックホルム大会から、1964年の東京オリンピック開催までのオリンピックに関わった日本人を描くものだという。

 描く時代は近現代なのか。
 朝ドラっぽい内容になるのかな?
 企画は翌年2020年のオリンピックを意識したもの。
 オリンピックの盛り上げが必死だね。
 僕は、新国立競技場、エンブレム、開催費用3兆円で、すっかり冷めてしまったけど。
 これら一連の騒動で、オリンピックが利権の温床であることがわかってしまった。
 少なくともオリンピック大会組織委員会の森喜朗氏は辞めてほしいわ。

 さて、クドカンはオリンピックをどう描くのだろう。
 制作発表で、官九郎さんはコンセプトについてこう語ったらしい。

 <戦争と政治と景気に振りまわされた人々の群像劇>

 おおっ、これは期待できる!
 オリンピックで愛国心と国威発揚を狙っている安倍自民党に完全に水を差す内容じゃん!
 愛国心って、自然に湧いてくるもので、国から強制されるものではない。

〝景気に振りまわされた人々〟っていうのもいい。
 おそらく放送される2019年はオリンピック景気で浮かれているんだろうけど、オリンピック後が怖い。
 祭りの後の大不況がやって来る。
 今、〝レガシー〟と称してイケイケで建てているオリンピック施設は、維持費のかかる赤字の建造物になる。
 現在は物の満ち足りた成熟社会で、1964年とは違うんだからさ。
 クドカンには、「日本人よ、浮かれるな」ってメッセージを出してほしいな。
 …………………

 宮藤官九郎さんは、みうらじゅん氏との対談本『みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議』(集英社)で、現在の右傾化する政治についてこう語っているらしい。

「憲法を変えるとか、戦争できる国になるとかならないとか、ちょっと勘弁してほしいなって思います」
「僕が“戦争”っていう言葉を聞いたときに一番最初に思い浮かべるのって、やっぱり子供のことなんですよね」
「万が一、戦争が将来起こったときに、僕たちはもう老人になってるから戦場に行くことはないと思いますけど、子供たちの世代が戦わなきゃいけなくなる可能性があるわけじゃないですか」
「いずれ学校の授業で、日本が昔、戦争で負けたっていうのを知ることになるわけじゃないですか。
 にもかかわらず、今になって再び戦争をやりかねない状況に持っていこうとしてる大人がいるっていうその現実を、戦争を体験した世代がどんどん減っていくなかで、子供たちにどう伝えたらいいんだろうなって」

 同感である。

 昨年の大河ドラマ「花燃ゆ」は、企画の決定過程が不明瞭で、同じ長州出身で吉田松陰を崇拝する安倍首相をヨイショする企画ではないか、と言われたが、2019年の大河はそんなものになってほしくない。
 そもそもカルチャー、特にサブカルは、権威や権力を鼻で笑う〝反体制的なもの〟だと思いますしね。
 宮藤官九郎さんには、クドカン流を貫いてほしい。


※参照記事
 宮藤官九郎のオリンピック大河はナチスの「民族の祭典」になるのか、それとも五輪ナショナリズムを解体するのか(リテラ)


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稲田防衛大臣、〝駆けつけ警護〟の任務を発令。自衛隊員が殺し、殺される時代がやって来る

2016年11月19日 | 事件・出来事
 稲田朋美防衛大臣が、南スーダンのジュバに派遣される自衛隊に〝駆けつけ警護〟の任務を付与した。
 ついに〝銃による撃ち合い〟が始まる。
 自衛隊を普通の軍隊にしたい安倍自民党は、こうした既成事実をどんどんつくっていきたいのだろう。
 あってはいけないことだが、仮に自衛隊員の亡くなれば、英霊扱い。
 安倍氏は黙祷し、演説することによって殉職した自衛隊員を讃える。
 国民やマスコミは一時的には政府の責任を問うだろうが、やがて忘れ、自衛隊員が戦闘で殉職することに慣れ、当たり前になっていく。
 そして憲法改正。
 自衛隊は国防軍に。
 安倍晋三氏の野望はついに完成だ。

 南スーダンのジュバは、政府軍と反政府軍が入り乱れる戦闘地域だ。
 今年の7月には300人が戦闘で殺され、略奪、性暴力が横行した。
 この戦闘の際、駐留していた中国の軍隊は危険だという理由で、国連職員を助けにいくことはなかった。
 性暴力は国連の女性職員に対してもおこなわれたが、これをやったのは何と国連が支援している政府軍の兵士。
 政府軍の兵士は「国連は俺たちの味方ではない」と言っているらしい。
 つまりジュバは、何が正しくて何が悪いのかがはっきりしない混沌とした地域なのだ。
 あまりに危険すぎるため、ヨーロッパの軍隊はジュバから引き上げた。

 こんな地域に〝駆けつけ警護〟の任務を付与して自衛隊を行かせるのか?
 政府はこの7月の〝戦闘〟を〝衝突〟と言ってゴマかした。
 安倍首相は国会で、「南スーダンは永田町よりはるかに危険だ」と答弁した。
 言葉の遊びはやめろ。
 稲田防衛大臣はジュバを7時間視察して安全だと理解したそうだ。
 たった7時間でそんなことがわかるのかね?

 昨日、安倍首相はトランプ次期大統領と懇談して意気投合したらしい。
 おそらく首相が話したことはこんな内容だろう。
「日本はこれから自衛隊をどんどん派遣してアメリカを助けていきますよ」
「アメリカの武器を高い値段でどんどん買いますよ。年金や福祉を削って」
「自衛隊員も海外で血を流します。血の同盟の時代がまもなくやって来ます」

 自衛隊員の命は政治の道具として使われている。

※参照記事
 駆けつけ警護、稲田防衛相が命令 南スーダンPKO(朝日新聞)

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