平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

TVタックル~憲法9条改正論議に大竹まことがもの申す!

2013年07月30日 | 監督・俳優・歌手・芸人
 昨日の『たけしのTVタックル』で憲法9条論争をやっていた。
 相変わらず、改憲論者は声が大きいな。
 逆に護憲派はおとしくて、何か発言してもかき消されてしまう。
 片山さつき議員は、戦争中の、はちまき、たすき掛けの愛国婦人会のおばさんのよう。
 自分の意見と違う者は「非国民」「現実を見ていない愚か者」、そんな感じだ。

 ヒゲの隊長こと佐藤正久議員は、憲法9条を改正しても<徴兵制>にはならないと主張していたが、そんなこと誰が信用する?
 仮に佐藤さんがそう思っていたとしても、後の世代の政治家は違うかもしれない。
 戦前の歴史が示すように、どんどんエスカレートしていく現実があり得る。

 そんな声の大きな改憲派の中、ひとりがんばっていたのが、大竹まことさん。
「戦争に行くのは、俺たち年寄りじゃなくて、下の世代の若者たちだ」
「非正規雇用が増大していく中、若者の貧困が進み、徴兵制がなくても、若者は軍隊に入らざるを得なくなる」
 正しい。
 大竹さんの言うとおり、われわれ、おっさんは戦場に駆り出されることがないから、別にどうなってもいいんですよ。
 仮に駆り出されたとしても、普通に生きていたとしても残り少ない人生、まあ、そういうものかとあきらめられる。
 でも、若い人はね、何かかわいそうだなと思ってしまう。

 現代の若者は改憲を考え、大いに右傾化しているようだ。
 だが、ここで立ち止まってイメージほしい。
 戦場に立っている自分や家族の姿を。
 殺し、殺されることが当たり前の戦場を。
 戦争はワールドカップの応援とは違うんですよ。
 自分だけ安全な場所にいられると思ったら大間違いですよ。

 以上、老婆心ながら。
 大竹さんが最後に言っていたように、われわれはもう引っ込むし、バカな議論で心を乱したくないから、「決めるのは、あんたたち、若者が決めてくれ」。
 ただ、どう考えても、片山さつきおばさんや、高市早苗おばさんの命令で死ぬのはイヤなんだよな~~。
 北川景子さんや桐谷美玲さんが言うのなら考えなくもないけど。


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八重の桜 第30回「再起への道」~こづゆって、こんなに美味かっただべか!

2013年07月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は生き残った会津の人たちの思いがさまざまな形で描かれた。
 大蔵(玉山鉄二)らは切腹する萱野権兵衛(柳沢慎吾)の言葉を受け、生きて<会津が受けた逆賊の汚名を晴らすこと>を誓う。
 頼母(西田敏行)は、生きて<わしらの会津を踏みつぶしていったやつらがどんな世の中を作るのか見届けてやる>と誓う。
 米沢の商人に囲い者にされているお千代は、心の奥底で憎悪をたぎらせ、<仇を討つこと、恨みを晴らすこと>を秘めている。
 八重(綾瀬はるか)も表面上は穏やかで、何とか前に進もうと思っているが、戦場が頭から離れず、きっかけがあれば、お千代のように憎悪に火がついてしまうことを怖れている。
 八重はお千代に「生き抜くことがいくさだ」と語ったが、残された会津の人たちは、いまだに<いくさ>の状態なのだ。
 だから大蔵は『斗南』の『斗』を『闘う』ことと理解した。

 そんないくさの状態とは対照的なのが、皆で『こづゆ』を食べるシーンだ。
「美味えな」「美味えな」「こづゆって、こんなに美味かっただべか」
 食べながら涙が溢れてくる八重たち。
 そこには、<ふるさとの記憶><平和だったかつての生活の記憶>がある。

 しかし、人は過去を振り返るのではなく、現在、そして未来を生きなければならない。
 一部の会津藩士たちは、三万石の斗南に行くことを言い渡された時、怒りで「斬り込みにいく!」と熱くなったが、大蔵は「斗南の地を豊かにすること」を説いた。
 破壊よりも創造だ。
 そう、生きることは<創造>なのだ。
 破壊からは何も生まれない。

 これから八重を始めとする、会津の人たちの真価がいよいよ問われてくる。

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ドリアン助川さんの豊かな生活

2013年07月28日 | 名セリフ・名言集
 『100分で名著~老子』(NHK・Eテレ)の録画を見ていたら、詩人のドリアン助川さんがこんなことを言っていた。

「一時仕事がなくて、多摩川の土手を自転車で走りまわってたんですよ。これを一年間続けていたら、多摩川は四季折々のさまざまな風景を見せてくれた。その時、思ったんですよね、この多摩川は自分の庭じゃないかって」

 見事な発想の転換ですよね。
 多摩川を公共の所有物と考えるから、つまらなくなる。
 自分の庭だと考えれば、すごく贅沢。
 人は塀で囲んで、家に小さな自分の庭を作って満足しているけど、それって少しせせこましい。
 ちょっとした発想の転換で、多摩川も街の公園も高尾山も自分の所有物と考えて見てみれば、おおきくて豊かな気持ちになれる。

 助川さんはこんなことも言っていた。

「社会からはずれて、誰にも相手にされなくて、多摩川を歩いていた時、ふとたくさんのコスモスが目に入ったんですよ。そのコスモスは風で揺れていて、自分に手を振っているように見えた」

 これも豊かな境地。
 こんなふうに物事を見られれば、多少貧しくても、孤独でも、豊かに生きられるような気がします。
 さて、今日は『老子』でも手に取って読んでみますか。


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サワコの朝~重量挙げ・三宅宏美選手 記録を1キロのばすために5年かかった!

2013年07月27日 | スポーツ
 本日の『サワコの朝』(TBS)に女子重量挙げの三宅宏美選手が出ていた。
 そこでのエピソード。

 三宅宏美選手、重量挙げで1キロ(194キロ→195キロ)を上げるのに5年かかったらしい。
 1キロのために5年もの歳月!
 もちろん、194キロ→195キロというのは日本記録レベルの高度なもので、それを乗りこえるのは相当、困難なことだろう。
 うまく例えが見つからないが、野球で打率3割5分を打っている選手が4割を打てないのと似ている。
 だが、それにしても5年とは!
 普通の人間だったら、とっくに諦めている。

 一流とはそういうことなのだろう。
 諦めずに地道に持続していく力。
 厚い壁を何度も叩き続ける力。
 確かに壁を9999回叩いてビクともしなくても、あと1回叩いたら壊れるかもしれませんしね。

 現在、三宅選手はリオデジャネイロのオリンピックに向けて練習中とのこと。
 こういうエピソードを知っていると、三宅選手に感情移入して、応援するのにも力が入りますね。


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賭博破戒録カイジ~明日からがんばるんじゃない。今日をがんばり始めた者にのみ明日が来るんだよ

2013年07月26日 | コミック・アニメ・特撮
 昨日の「アメトーーク」で<福本伸行大好き芸人>をやっていた。
 そこでサバンナ・高橋さんは、福本作品の名シーンとして、「カイジ」の地下労働施設のシーンをリストアップ。
 ということで、今回は過去に書いた「カイジ 地獄チンチロ」の記事を再度アップします。


 「賭博破戒録カイジ」地獄チンチロ編。
 ここでは人間の欲望・弱さというものを見せつける。

 借金で地下労働施設で働くことになるカイジ。
 彼は「蠢くミミズか虫けらのように地中で15年働かなくてはならない」
 「熱気と騒音、粉塵、悪臭、不衛生」の中で働かなくてはならない。
 そんなカイジの希望は「1日外出券」。
 1日外出できれば、博打で借金など返せると思っている。
 この外出券を得るためには、この地下の通貨で50万ペリカを支払わなくてはならない。
 ちなみにカイジが1ヶ月働いて得られる給料は9万1000ペリカ(1日の賃金・約350円)だ。
 カイジは給料を貯めて外出券を手に入れようとするが、誘惑が襲ってくる。
 給料を払う側も誘惑で這い上がろうとする人間をダメにしようとする。

 ビール、おつまみを販売するのだ。
 ちなみにビールは5000ペリカ、柿ピーは1000ペリカ。
 カイジは最初抵抗するが、次第に誘惑に負けていく。
 この過程がエキサイティングだ。

 まず給料を使わせようとする班長は「初月給のお祝いだ」と言って、ビールをただで渡す。
 体に染み込む冷たいビールの快楽。
「犯罪的だっ!うますぎるっ!労働のほてりと部屋の熱気で暑苦しい体に1ヶ月ぶりのビール。染み込んできやがる!体に!」
「本当にやりかねない!ビール1本のために強盗だって」
 と言って、底に残ったビールを手のひらに落としペロペロ舐める。
 こういうせりふや描写、この作品の作者・福本伸行さんはすごくうまい。

 カイジはさらなる快楽を求めるようになる。
 隣でさきイカを食べてビールを飲んでいる男を見て、「あんなものでビールが飲めたら、さぞっ」と思う。
 頭の中で計算を始める。
 1ヶ月の給料が9万ペリカ。
 9万×6ヶ月=54万ペリカ。
 外出券は50万ペリカ。
 ということは54-50=4万ペリカは自由に使えると計算する。
 ビールを1本だけ買うカイジ。
 そして自分に言い訳する。
「考えてみれば、1ヶ月我慢した、今日は特別な日だ」
 すると販売員が「せっかく飲むんだったら、素ビールじゃ味気ないって」と言ってつまみを誘惑する。
 カイジが負けて、柿ピーを買うと、今度は班長が誘惑する。
「欲望の発散のさせ方が下手だなぁ。カイジくんが本当に欲しいのは焼き鳥。だけど、それはあまりにも値が張るから、こっちのしょぼい柿ピーでごまかそうって言うんだ。その妥協は痛まし過ぎる。かえってストレスが溜まる」
 実に巧みだ。
 飢えて乾ききった人間にはそんな理屈を素直に受け入れてしまう。
 そして、さらにこんな誘惑も。
「食えなかった焼き鳥がチラついてさ、全然スッキリしない。心の毒は残ったままだ。自分へのご褒美の出し方としちゃ最低さ。カイジくん、贅沢ってやつはさ、小出しはダメなんだ。やる時はきっちりやった方がいい。それでこそ次の節制の励みになるってもんだ」
 これでカイジは手持ちのペリカを全部使ってしまう。
 人間とは何と弱い者なのだろう。

 そして、誘惑に負けたカイジを見ながら班長はつぶやく。
「ヤツはこう考えるだろう。明日から節制だ。その考えがまるでダメ。「明日からがんばろう」という発想からは、どんな芽も吹きはしない。明日からがんばるんじゃない。今日、今日だけがんばるんだ。今日をがんばった者、今日をがんばり始めた者にのみ。明日が来るんだよ」
 実に深い。
 こんな班長のせりふもある。
「世の中には利用する側とされる側、この2種類しかいないんだ」
 厳しい現実認識だ。
 そして主人公たちが日常のベールに覆われていない、過酷な状況に置かれているからこそ言えるせりふでもある。
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Woman 第4話~へえ、私、ここでも居場所なくなるんだ

2013年07月25日 | ホームドラマ
 カラオケ店で、栞(二階堂ふみ)は、再婚しない小春(満島ひかり)について紗千(田中裕子)と次のような話をする。

「いつまでも思ってても仕方ないのにね。結構 バカだと思う。ずっと1人でいるの?おかしいよね、後ろ向き過ぎでしょ。新しい人好きになればいいのに」
 すると紗千。
「そうは言ってもそうはいかないのよ。そうやって生きてる人もいるし、そこにすがってしか生きられない人もいる。たった一日や一度の幸せを大事に抱えて一生を生きる人もいるの。それはそんなに悪い生き方じゃないわ」

 この紗千の言葉は栞にとってショックであっただろう。
 なぜなら、紗千は小春のことを理解し、肯定しているのだから。
 栞にしてみれば、母親・紗千に「そうだよね。バカだよね」といっしょに言ってもらいたかったはず。
 その心の奥底には
<母親・紗千を小春に奪われたくない>
<母親・紗千は小春のことを理解しているのに、自分のことはまったく理解していない。絵の上手い自慢の娘だという上っ面の幻想しか見ていない>
 という思いがある。

 だから栞は、ピザなどを大量に注文し、自分の本音をぶちまけた。
「私、ずっとダメなの。小学校の時からずっとダメなの。何もできないくせに自己評価ばかり高いから自意識ばかり強いからいじめられるの」
「お母さんは、私のダメなとこなんて見たくないんだから」
 そして信(小栗旬)が家にやって来て、紗千と小春の関係が元に戻りそうになった時は「へえ、私、ここでも居場所なくなるんだ」と感じ、電車で信の顔を見て、次のように思う。
「へえ、こういうふうに笑う人がいるんだ。こういうふうに笑う人が世の中にはいるんだ。幸せな人なんだろうな。私みたいな思いしたことないんだろうな。こういう人達がうちに来たら、私、どこに行けばいいんだろう。もう行くとこないのにな。腹立つなって」
 そして……。
 痴漢のえん罪。
 信の轢死。

 栞は<ダメで醜い自分><罪深い自分><孤独な自分>を母親に知って欲しかったのだ。
 そんな栞を紗千は叩き、抱きしめた。

 人は<幻想>を見ている間は幸福ですよね。
 娘は、絵が上手い自慢の娘だと思っていればいい。
 しかし、むき出しの<現実>が現れると……。
 娘は、ダメで醜くて、罪深く、孤独で、誰かの助けを求めてもがいている存在になる。

 紗千はそんな娘を叩いて叱りはしたが、味方になり、守る覚悟を決めたようだ。
 それが母親ということか。

 坂元裕二脚本は、人の心の奥底をえぐり、グイグイ掘り下げていく。
 そして、掘り下げていった先に本当の理解がある。
 上っ面の表面的な関係では決して得られない共感がある。
 そう思いたいし、信じたい……。

 最後に二階堂ふみさん、見事な演技でした。


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孤独のグルメ~食べる喜びを追求する井之頭五郎は<経済優先社会>への痛烈な批判でもある

2013年07月23日 | その他ドラマ
『孤独のグルメ』(テレビ東京・夜11時58分)が面白い。

 内容は仕事の合間に、井之頭五郎(松重豊)が店に入り、ただ食べているだけ!
 何のドラマも起きない。

 たとえば、赤羽の鰻屋・川栄さんに入った時はこんな感じ。
 鰻屋にはめずらしいホロホロ鳥のメニューがあって、井之頭は心の中でこうつぶやく。
「ホロホロ鳥。まさか鰻屋でお目にかかれるとは! いろいろ仕掛けてくるな。いつの間にかホロホロ鳥に心を奪われてしまう。じゃあ、ホロちょっと行って、締めに鰻丼頼もう」
 そして、注文したホロホロ鳥の合わせ盛がやって来ると
「さあて、ホロホロ初体験。おおっ、おおっ、この美味さ! 未知との遭遇! いい! ET!」←映画(笑)
「いやあ、ホロ大正解! この店当たり!」
 そして、次にウナギのオムレツを注文。
「おおっ、トロットロッの中身にウナギ君か!」
 食べて
「んんっ、こうなりますか! 甘トロ。鰻屋で洋食屋気分! タマゴの中でもウナギはウナギ、仲良くしながらもおのれをまったく失わない」
 そして、待望の鰻丼登場。
「見た目を裏切らない鰻丼だ。美味い! ウナギと白い飯、最強! 埼京線、池袋行快速!」(笑)
 さらにガツガツ食べて
「いいぞ、いいぞ、食っても食ってもまだ美味い! ホロホロの活躍が霞むような鰻丼の横綱相撲だ!」(笑)
「この美味さは一朝一夕に作られたものではない! 俺は歴史を食ったのだ!」(笑)

 この作品の面白さは、松重豊さんが語るモノローグの独特の言い回しにあるが、これだけ食べることに喜びを見出せるのって、幸せだろう。
 食べることの歓喜、官能、至福!!
 これが、この作品のテーマ。

 また、ここには現代の経済優先社会への痛烈な批判がある。
 松重さん演じる井之頭五郎は、冴えない中年サラリーマン。
 大企業に勤めていないだろうし、出世街道を邁進しているわけではない。
 経済的にも何かを生み出しているわけではない。
 だが、ここで作品は問いかける。
 井之頭五郎とエリートサラリーマンとどちらが豊かで幸せなのだろうか? と。
 時間に追われるエリートサラリーマンはゆっくりと食事が出来ない。
 豪華な食事も接待とか上司に気を遣うものなら、少しも美味しくない。
 昔、貴族は働かなかった。働かずに優雅に生活を楽しんでいた。
 働くことが美徳とされたのは、近代になってブルジョワジーが台頭して、生産・金儲けが重視されるようになってからだ。
 つまり井之頭は<貴族の遊び>をしているとも言える。

 何も生み出さす、ただひたすら食べることの喜びを追及する井之頭五郎。
 現在、半沢直樹が働く男のヒーローになっているが、井之頭五郎ももう一方のヒーローである。


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八重の桜 第29回「鶴ヶ城開城」~何があっても生きていかなくてはなりません

2013年07月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回はラストシーンが秀逸ですね。
「……消えだ。何もかも」
 その落胆の中にありながら、八重(綾瀬はるか)は残っている鶴ヶ城の天守閣を見る。
 この少し前に、尚之助(長谷川博己)は天守閣を見ながら八重に言った。
「会津は打たれ強い。私は、国とはそこに住む人のことだと思っています」
 そうですね、砲弾を浴び、ボロボロになりながらも健在だった<鶴ヶ城の天守閣>は、会津の心の象徴だったんですね。
 たとえ、いくさに負けても<会津の心>は失われていない。
 鶴ヶ城の天守閣はその象徴。
 悲惨の中で、力強さを感じさせる描写だったと思います。

 この<会津の心>の力強さは他のシーンにも。
 勝ち誇る官軍を前に、大蔵(玉山鉄二)たち、藩士は会津の唄を唄う。
「やめろ!」と言われても歌い続ける。
 会津の女たちは、城を官軍に明け渡す前に、城の中をきれいに掃除する。
「これが会津のおなごの誇りだ」と言って。
 また、時尾(貫地谷しほり)は斎藤一(降谷建志)に「会津はゆっくりとやってくる春が美しい」と語る。
 砲弾が山のように飛んで来る中で。

 たとえ、いくさに負け、城や町がボロボロになっても<会津の心>が失われない限り、会津は負けていないのだ。

 八重というキャラクターも面白い。
 今までの大河ドラマの女性たちのように「いくさは嫌だ」「平和がいい」などと、八重は言わない。
 父親が戦死しても大きな感傷はない。
 彼女を貫いているのは、容保(綾野剛)に進言したように、会津の誇り(逆賊の汚名を受けた理不尽さへの怒り)だ。

 おそらく八重たちは、これから、平和な世の中で、<会津の誇り>を取り戻すために戦っていくのだろう。
 それは生きていくことによってのみ、可能なこと。
 死んでしまってはそれが出来ない。
 だから八重が容保に語った言葉「何があっても生きていかなくてはなりません。会津は逆賊じゃねえ。それを証明出来るのは御殿様です」は、自分にも無意識に言い聞かせた言葉のように思える。

 生きること。
 尚之助が「ここに女がいるぞ!」と言って八重の命を救おうとしたのも、容保が「何があっても生きのびよ。これが最後の君命じゃ」と言ったのも、八重が会津の誇りを取り戻すために「何があっても生きていかなくてはなりません」と進言したのも、すべて<生きること>を志向している。

 さて、これからは八重を始めとする会津人たちの再起の物語が始まる。


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参議院選挙~自民党で本当にいいのか?②

2013年07月20日 | 事件・出来事
 昨日は自民党の経済政策について書きましたが、今回は『自民党の憲法改正草案』について。
 これはヤバイですね。
 経済政策については、先日も書いたとおり、得た富を富裕層だけで独占するのではなく、うまくトップダウンして庶民に下ろしてくれれば、まだOK。
 おそらくやらないと思いますが。(マザー・テレサのような人でない限り、人間、自分に不利益なことはやりたがらないものだと思うし)

 そして憲法改正草案。
 これは完全にダメでしょう!!!!!!

★一番まずいと思うのは、第二十一条の集会、結社および言論、出版の自由。
 自民党の憲法改正草案ではこう書かれている。

 第二十一条 
 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する。
 2 前項の規定にかかわらず、公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない。

 現憲法に新たな第二項はつけ加えられているわけだが、<公益および公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない。>って。
 つまり<公益および公の秩序を害する>場合は、言論の自由は認められないというわけだ。デモも行えない。
 <公益および公の秩序を害する>と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、インターネットの世界だ。
 特に2ちゃんねる。
 これなんか真っ先に規制されそう。
 誰か(あるいは政府の人間のなりすまし)が、<公益および公の秩序を害する>書き込みをした場合、「では規制しましょう」となることは必定。
 おおげさと思われるかもしれないが、中国を例に取ってみればわかるとおり、権力者は自分に批判的な発言は規制したくてしょうがない。
 ここが突破されたら、どんどん好き放題やって来る。

 二次元のエロ画像とかもすぐに規制されそう。
 現に片山さつき議員とかは、ヤル気満々だし。

★憲法の前文の改定もヤバい。

 現行憲法では
『日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。』

 一方、自民党憲法改正草案では
『日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。』

 これは、緑の風の谷岡郁子代表が言っていることですが、現行憲法で『日本国民は』と書かれている所、改正草案では『日本国は』と書かれている。
 これを読み解けば、『国』の方が『国民』より上だということ。
 つまり、<国民のために国がある>のではなく、<国のために国民はある>という発想。
 言い換えれば、<国民はお国のために奉仕しなさい>という発想がその深層心理にある。

 こうなったら、たちまち<徴兵制>が復活だ。
 <国>の戦争遂行のために税金をいっぱい払いなさいということになる。

 まあ、これが杞憂であってくれればいいんですけど、過去の歴史を見る限り、権力者はいったん隙を見せればやりたい放題やってきますからね。
 だから、そんな権力者を縛るために憲法がある。

 まあ、そんな時代になった時は、おそらく僕は年齢的にこの世にいないからいいんですけど。
 でもね、国が国民より優先する時代が来てはいけないと思うんですよね。
 それに今度、戦争が起きたら、原子力発電所がターゲットにされ、最悪、核ミサイルが飛び交って人類滅亡ですよ。

 自民党の憲法改正草案が、どうしてこのような形になるのかまったく理解出来ない。


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参議院選挙~自民党で本当にいいのか?

2013年07月19日 | 事件・出来事
 さて参議院選挙。
 自民党が優勢ということですが、それでいいのかな~? と思ってしまう。

 まず経済政策について述べると、自民党は大まかににいえばトップダウン方式。
 一部の大企業が円安で、富裕層が株などで儲けて、それを下々の者に配分していくという方式。
 ここで問題なのが、果たして彼らが下々の者に配分してくれるか、ということ。
 具体的には給料アップ、下請け企業への単価、発注アップ、富裕層がお金を使ってくれること。
 これがなされなければ、富める者と貧しき者の格差は広がるばかり。

 世の中にはさまざまな政党がありますけど、自民党はざっくり言えば、大企業と富裕層のための政党。
 たとえば、就業者の35%を占める非正規雇用。
 これは経団連を始めとする大企業の意向で、小泉政権下で決定した政策。
 結果、いつ首を切られてもいい低賃金で若者や労働者が続出。
 そして、大企業の内部留保(貯め込んでいるお金)は250兆円。
 共産党の主張じゃないけど、この250兆円を働く人に還元しなくちゃ。

 若者層にお金が行かなければ、きっとこの国は衰退する。
 だって生活が不安定だから結婚できないんですから。
 結果、少子化。
 消費だって、お金を使うのは若い層。
 年寄りは永年生きて来て、多くの物を持っているから、あまり買い物をしない。
 買い物をするのは物を持っていない若者層。
 だが、お金がないから使えない。
 これではいつまでたっても内需拡大にはならない。

 おまけに現在は景気が良いとか言っていますが、これはバブルですからね。
 円高になったり、大口の株投資がなくなれば、あっという間に泡と消える。
 日銀はお金をやたら刷って、国債買って、結局借金を将来の世代に押しつけてるだけ。
 今が良ければ、後のことなど知ったこっちゃないという無責任。
 この発想は、放射能のかたまりの原発の使用済み核燃料を山のように出していて、あとの世代に任せるって発想に似ている。

 というわけで、自民党は大企業と富裕層(あるいは中間層の上の方)の利益を代表する政党なのです。
 貧しい人から富める人まで、すべて国民が満足する政策などあるわけがないし。
 だから自民党の政治家は心の奥底では、中間層の下の方や貧困層を「使えない、国の足を引っ張るどうしようもないやつら」と考えていますよ。おそらく。財務省のお役人様とかもね。
 これは某ブラック企業の居酒屋チェーンの元会長を候補者にしていることでも明らか。
 彼が議員になって、文科省の担当などになったら、今度は「国のために24時間働け」「国のために死ぬまで働け」という教育をするようになる。

 なので、個人資産もなく給料も安い生活を送っていて、これ以上の格差社会が嫌ならば、自民党に入れるのはやめた方がいいです。


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