平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

桐島、部活やめるってよ~学校という狭い空間には、さまざまな思いがひしめき合っている

2016年06月30日 | 邦画
 学校という狭い空間には、さまざまな思いがひしめき合っている。
・恋愛、性
・文化部、運動部、帰宅部
・女と女の争い
・意味と無意味
・将来への不安、進路
・弱者と強者、スクールカースト
「瀬戸物と瀬戸物がぶつかり合うと砕けてしまう」というテレビCMがあったが、学校生活はまさにそんな感じ。

 狭い空間にさまざまな思いがひしめき合っているから、場所の奪い合いもある。
 映画部の前田涼也(神木隆之介)と吹奏楽部の沢島亜矢(大後寿々花)の屋上や科学準備室裏の奪い合い。
 ふたりはなぜ相手がその場所にこだわるかがわからない。
 完全なディスコミュニケーションだ。

 ディスコミュニケーションと言えば、桐島がなぜ部活をやめたのか、誰も知らない。
 親友の菊池宏樹(東出昌大)も、カノジョの梨紗(山本美月)も、同じバレー部の仲間たちも。
 そのことが、桐島が最後まで現れない、という描写で象徴的に語られる。
 果たして今まで自分が見てきた桐島とはいったい誰だったのか?
 彼らはそれが不安なのだ。

 こんなディスコミュニケーションもある。
 沢島亜矢は菊池宏樹に自分を見てもらいたくて、屋上でサックスを吹き続ける。
 しかし、宏樹は気づかない。
 宮部実果(清水くるみ)は風助(太賀)に好意を寄せて応援しているのだが、伝わっていない。
 前田涼也と東原かすみ(橋本愛)は同じ中学で、昔はそれなり話をしていたが、高校に入ってからは同じクラスなのに話をしていなかった。

 作品は、こうした学校生活のディティルを積み重ねながら、〝ディスコミュニケーション〟と〝孤独と不安〟を描いていく。
 しかし、そんな彼らにも一瞬、心と心がふれ合うことがある。
 映画館の前で缶コーヒーを飲みながら映画について語り合う前田とかすみのシーンがそうだ。
 かすみは前田のマニアックな映画の話についていけなかったが(←ディスコミュニケーション)、前田の映画に対する熱い思いは理解した。
 あるいは、ラストの前田と宏樹の8ミリカメラについて語り合うシーンがそうだ。
「お前、将来は映画監督か? 女優と結婚か?」
「映画監督なんて無理だよ。僕が映画を撮るのは、僕の好きな映画と僕の映画がつながっているのを感じるからなんだ」
 おそらく宏樹には前田の言っていることをほとんど理解できていないだろう。
 だが、心はふれ合った。
 そして宏樹は、野球部の練習を見ながら、自分に野球部復帰をしつこく求めてくる野球部の先輩の気持ちを理解しようとする。

 リアルな青春映画ですね。
 おそらく現在、学校生活をおくっている人は、ここで描かれるディティルに共感するのだろう。
 他の青春映画だと、登場人物たちは葛藤を経て理解し合う。
 しかし、この作品は、現実はそんなに簡単ではなく、むしろディスコミュニケーションばかりで、仮に理解し合っても相手のごくわずかな部分なのだ、と語っている。 

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海街diary~そばにいるだけで背負っている心の重荷が少しは軽くなる。そんな四姉妹の物語。

2016年06月29日 | 邦画
 鎌倉を舞台にした四姉妹の物語だ。
 長女で、家族を背負ってきた真面目でしっかり者の幸(綾瀬はるか)。
 次女で、姉の反動からか、開けっぴろげで大ざっぱな佳乃(長澤まさみ)。
 三女で、対照的な姉ふたりの間にあって物事を客観的に見る癖のついた、ちょっと変わり者の千佳(夏帆)。
 そして、四女のすず(広瀬すず)。

 すずは腹違いの妹だ。
 すずの母親が幸たちの父親を奪って生んだ子。
 幸たちにとっては〝自分たちの父親を奪った憎むべき女の子供〟。
 だから拒絶の対象になってもいいのだが、悪いのはダメ男の父親であり、すずに罪はないと思っている。
 それどころか、〝やって来た新しい妹〟に興味津々で、すずの存在が家を活性化させていることを愉しんでいる。
 たとえば、
 すずがサッカークラブで大活躍すれば大喜び。
 同じサッカークラブの尾崎風太(前田旺志郎)との恋愛?をからかう。
 いっしょにシラスご飯を食べ、年末には障子張りをする。
 花火大会での浴衣。
 庭の梅の木に梅がなれば収穫~おおざっぱな佳乃などは、すずが一生懸命梅の実をもぐのを見て「いい妹が出来たねえ」と縁側で横になる(笑)
 すずが梅酒を飲んでしまって寝込むと、眠っているすずの顔を見て
「まつげ、長いね」
「こんな所にほくろがある」
「耳の形、お姉ちゃんに似てる」
「お酒を飲んだ乱れ方、佳乃にそっくり」
 新しくできた妹は、幸たちにとって〝宝物〟なのだ。
 
 やさしい映画だ。
 テーマは寄り添うこと。そばにいて話をすること。
 それで抱えている問題が解決するわけではないけれど、少しは心が軽くなる。
 ひとりで背負っている重荷を少しは背負ってあげられる。
 たとえば、幸が医者の椎名(堤真一)と別れた時は、佳乃が部屋にやって来て、関係ない別の話をする。
 ちくわカレーを食べながら千佳が「あたし、お父さんのことよく覚えていないんだよね」と何気なくつぶやくと、すずは「お父さんは釣りが好きだった」と話をする。
 それだけで人の心は軽くなるのだ。
 すずに関してもそうだった。
 すずは自分の母親が幸たちの父親を略奪したことに罪悪感を抱き、母親のことを考えたり、思い出したりすることを避けていた。
「わたしがいるだけで傷ついている人がいる」と考え、母親のことを心の奥底に封印していた。
 でも、すずは亡くなった母をまだ求めていて、泣きたいのを必死でこらえていた。
 そんなすずに幸は言う。
「お母さんのこと、話していいんだよ。すずはずっとここにいていいんだよ」

 この作品は、第39回日本アカデミー賞の最優秀作品賞ほか最優秀賞最多4部門を受賞。
 広瀬すずさんの透明感はハンパでなく、広瀬さんがなぜブレイクしたかがわかったような気がしました。


※関連動画
 「海街diary」広瀬すずの華麗なサッカーシーン&予告編(YouTube)
 
コメント (6)
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ウソばかりの自民党CM~テレビ局もこの問題CM放送に難色を示したが、無理矢理ねじ込む

2016年06月28日 | 事件・出来事
「日本は今、前進しています」で始まる自民党の選挙用CMが流れ始めた。

「雇用110万人増加
 国民総所得36兆円増加
 求人倍率UP、賃上げ3年連続
 前進か後退か
 停滞したあの時代に後戻りさせてはなりません
 この道を力強く前へ」

 しかし、この数字。
 テレビ局から「数字が恣意的で、客観的ではない」という指摘があがったらしい。

 確かにそうだ。
〈雇用100万人増加〉などと謳われているが、増えたのは非正規雇用。
 正規雇用も実際には2012年と2015年を比較すると正規雇用は36万人も減少。
 非正規労働者はついに4割を超え。
〈賃上げ2%3年連続〉というのも完全に誇大広告。
 厚労省の統計では実質賃金は5年連続でマイナス。
 無貯金家庭は3割。
 子供の6人にひとりは貧困。
〈停滞したあの時代に後戻りさせてはなりません〉というけれど、〈停滞したあの時代〉というのはリーマンショックや東日本大震災があった。

 まあ、CMとしては上手いと思いますけどね。
 数字の裏を知らなければ説得力がある。
〈前進か後退か〉と不安を煽り、国民を脅しているようでもある。
 さすが電通!
 でも、<誇大広告>

 しかし、これらのことでテレビ局が「このCMは問題が多いので流せない」と難色を示すと、自民党は電通と弁護士を連れて直談判し、無理矢理ねじ込んだ。
 本当に自民党って、選挙に勝つためなら何でもありだなぁ。

〈この道を力強く前へ〉
 この結果、やって来るのは、さらなる格差と貧困だ。
〝貧乏人は軍隊に入れ〟という経済的徴兵制だ。

 以前、書いたことを繰り返しますが、
 今回の参議院選挙で反自民の野党連合(民進・共産・生活・社民)が勝っても、自民党は衆議院に2/3の議席を持っているので政権交代にはなりません。
 しかし、参議院選挙で野党連合が勝てば、自民党も「これはヤバいぞ。もっと庶民の声を聞かなくては」と政策を改めるようになります。
 金持ちや大企業ではなく、庶民に税金を使うようになります。
 庶民はこのままナメられていいのでしょうか?

 庶民と若者は、反自民の野党連合に投票した方がいいと思います。


※参照サイト
 スクープ!! 安倍自民党が参院選で公選法違反の“誇大政党CM“放映をゴリ押し! 弁護士を使いテレビ局に圧力(ライブドアニュース)

※追記
 国民総所得(GNI)36兆円増加というのもゴマかしだった。
 国民総所得(GNI)とは国民総生産(GDP)に海外からの所得を加算したものであり、実質GDPは第二次安倍内閣以降ほとんど伸びておらず、その成長率は民主党政権下の約1.7%(12年)よりも低い約0.5%(15年)。
 危ない、危ない、またダマされる所だった。
 国民総所得(GNI)=国民総生産(GDP)と勘違いしてしまった。
 GDPは横ばいと僕は理解していたから、おかしいと思ってたんだよ。
 要するに、GDPでは誇れる数字にならないから、苦肉の策でGNIを持ってきたわけね。
 本当に安倍自民党って、ゴマかすのが上手い。
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真田丸 第25回「別離」~業に悩み、押しつぶされる利休と茶々、それと対照的な家康と昌幸

2016年06月27日 | 大河ドラマ・時代劇
「わては商人の街に生まれ、金が人の心や国を動かす事を学びました。
 そして知ったんや。いくさはもうかりまっせ」
 利休(桂文枝)の言葉だ。
 そう、戦争は儲かる。
 だから世界から戦争がなくならない。
 そう言えば、安倍首相のお友達、JR東海の葛西敬之名誉会長も言っていた。
「戦争でも起きないと日本経済も立ちゆかなくなってきますなあ」
 ああ、怖ろしい。
 こうして巻き込まれていくのは、名もない庶民。

 利休はさらに言う。
「人の心を、命を、金で操るは業の深いことや。
 それゆえ、わては茶をたてる。
 ここまで茶の道を極めることができたのも、それだけ、わての業が深いゆえ」
 業を浄化するための茶。
 清浄で質素な茶の精神世界に浸らなければ、利休は狂っていたのだろう。
 ならば、〝少欲知足〟に生きればいいのだが、利休にはそれが出来なかったようだ。
 それが利休の業。

 しかし、利休の犯した罪は〝因果応報〟で跳ね返って来た。
 大徳寺山門に利休像を置く。
 これは茶々(竹内結子)の無邪気な提案によってなされたものだったが、これが利休の命取りになった。
 こんなまったく意識していなかった、些細なことが足を引っ張った。
 利休はこれを自分の宿命と理解したようだ。
 犯した罪はめぐりめぐって返ってくる。

 面白い利休の解釈ですね。
 今まで、利休と言えば、〝小欲知足〟の美に生きた人、というイメージだったが、これをひっくり返して別の顔を描いた。
 欲深くて、権力志向で、金で人の命や心を操ることに喜びを見い出してしまう自分の業。
 茶の世界の大家になって歴史に名を刻むという業。
 しかし、利休はそんな自分の業に疲れ果てていたようだ。
 だから因果応報として、自らの死を受け入れた。

 一方、利休とは対照的に、欲望満々、エネルギーでいっぱいの人物がいる。
 家康(内野聖陽)と昌幸(草刈正雄)だ。
「わしの読みどおりになりそうだ。豊臣の世はそう長くは続かぬぞ」
「豊臣の世は一代で終わる」
 派を争い、世の中と格闘することを愉しんでいる家康と昌幸。
 彼らには、利休のような自らの業に悩む弱々しさはない。
 生命力にあふれ、自らの業をねじ伏せている。
 昌幸などは、鶴松のために煎じた薬までを、うっかり食べてしまう(笑)
 社会や歴史は<欲望>によって動き、作られていくんですね。

 一方、もうひとり、自らの宿業に悩む人物がいる。
 茶々だ。
「みんな死んでしまう。わたしの大切な人たち」
 鶴松を亡くして、茶々はまわりの人間が次々と死んでしまうことに自分の宿業を感じ、怖れる。
 寧(鈴木京香)の腕の中で泣く茶々。
 悲しむことを忘れた茶々が泣いた。
 そう、泣くことで人は浄化される。
 それは利休が茶をたてるのと同じだ。
 泣くことで、茶をたてることで、人は癒やされ浄化される。

 自らの業に悩み、押しつぶされる利休と茶々。
 自らの業をねじ伏せる家康と昌幸。
 今回はその対照が見事でした。
 そして、秀吉(小日向文世)は衰え、押しつぶされつつある。
 時代は大きく動きそうだ。

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ラヂオの時間~脚本家の悲痛な叫び 「お願いですから私の脚本とおりにやって下さい!」

2016年06月26日 | 邦画
 生放送のラジオドラマのドタバタ喜劇だ。
 役者のわがままに翻弄され、スタッフたちは右往左往する。
 それはこんな感じだ。
 ヒロイン役の千本のっこ(戸田恵子)のわがままで、役名が<律子>から<よしえ>に変わり、最終的には<メアリージェーン>に。
 職業も<パチンコ屋のバイト>から<女弁護士>へ。
 舞台も<熱海>から<ニューヨーク>に変わり<シカゴ>に。
 メチャクチャはさらに発展する。
 メアリージェーンは台本上、<海の事故>に遭って<漁師>の恋人ドナルドに出会うのだが、ドナルド役の役者のわがままで仕事が<パイロット>に変わり、シカゴには海がないことがわかり、<ダムが決壊>して昔の恋人に出会うことになる。
 一方、ドナルドは<パイロット>なのでハワイ上空で行方不明に。
 しかし、スポンサーに航空会社がいて飛行機事故はまずいだろうということになって、ドナルドの仕事は<宇宙船のパイロット>に変更され、宇宙で行方不明になる(笑)

 この作品を見た最初の感想は、
 新人作家の鈴木みやこ(鈴木京香)が可哀想だかなぁ。
 自分の脚本をメチャクチャにされ、結末まで変えられようとしてしまった。
 もちろん作品は喜劇だから、その変更は誇張されているんだろうけど、可哀想すぎる。
 これじゃあ、みやこが「これは私の作品ではありません」「お願いですから私の脚本とおりにやって下さい」「私の名を外して下さい」と訴えるのも無理もない。
 ついでにマジにツッ込むと、
 プロデューサーの牛島(西村和彦)が「ダメなものはダメ」と言い、ちゃんと仕切っていればよかったんじゃねえ?などと思ってしまう。

 こんな制作の現場について、ディレクターの工藤(唐沢寿明)は言う。
「ここにいるやつは誰もいい作品を作ろうなんて思っていないよ。
 牛島は女と自分の番組を成立させることだけを考え、編成の堀之内(布施明)は掛け持ちが多くて作品に愛情なんて持っていない。俺も仕事として割り切っている」
 なるほど、制作の現場ってこういうものなのか……。
 プロデューサーの牛島は次のようなことを言っていた。
「満足のいくものなんてそんなに作れるもんじゃない。妥協して、妥協を重ねて作ってるんです。それでも、いつかはみんなが満足するものを作れると信じている」
 何かいい話になってるけど、いやいや、牛島さん、今回のような姿勢じゃ永久に<満足にいくもの>なんて、作れないと思うよ。

 というわけで、僕はこの作品、みやこがあまりにも可哀想すぎた。
 喜劇と悲劇は表裏一体なんですけどね。
 <最後まで思いを捨てずに奮闘していれば、いいことが起こる>という三谷幸喜さんのメッセージも理解できるんですけど。
 みやこさんは、集団作業のラジオの現場より、個人の世界が反映されやすい小説などの世界に行った方がいいと思う。
 そんなことを考えてしまった。

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幕が上がる~「銀河鉄道の夜」をモチーフにした青春演劇ストーリー。さおりは果てしない世界に旅立つ

2016年06月25日 | 邦画
 演劇部の部長になった高橋さおり(百田夏菜子)は不安だった。
 自分には何もない。
 演技する力も、人をまとめる力も、演劇に対する思いも、どれも中途半端。
 演劇部に入ったのもユッコ(玉井詩織)に引きずられてのものだったし、自分が将来、何をしたらいいかもわからない。
 ただ負けず嫌いではあった。
 県大会の予選に進めなかったすべての学校に与えられる<優秀賞>という名の参加賞。こんなに人をバカにしたものはないと思っている。
 それと、自覚していない演劇的センス。
 さおりはユッコがいったん舞台に立てば人の目を惹きつける、<演劇の女王>のような資質を持っていることを見抜いていた。
 しかし、さおりじゃそんな自分をどう活かしていけばいいか迷っている。
 もやもやとした感じを持っているのだが、どう表現すればいいのか、わからない。
 
 そんなさおりを目覚めさせて、方向を与えたのは新しく赴任してきた美術教師・吉岡美佐子(黒木華)だった。
 美佐子はかつて舞台女優をやっていて、演劇の本質をわかっている。
 まず演劇は自己表現であること。
 さおりは新人オリエンテーションの演目に『ロミオとジュリエット』を選んだが、深く感情移入できない内容だったので、結局、失敗。
 美佐子はさおりたちに<肖像画>という課題で、自己紹介をすることを提案する。
 結果、<肖像画>は見る人の胸を打つ公演に。
 その過程で、さおりは他人の演技に何が欠けているかに気づく。
 祖父の良い所ばかりを演じて悪い所を表現しようとしない明美(佐々木彩夏)に違和感を感じ、がるる(高城れに)にムダな動きを多いこと(←れにちゃんらしい・笑)ことに気づく。
 さおりには演出家の才能があったのだ。
 美佐子先生はそれをしっかり見抜いていた。
 次に美佐子が教えたのは、演劇をするということが、とてつもなくハードだということだった。
 さおりたちには受験もある。
 それに演劇の高見を目指せば目指すほど、山頂がどんどん遠くに行って見えなくなってくる。ある地点にたどりついたと思ったら、道はさらにあり、もっと苦しみ、汗をかいて登らなくてはならない。そんな先の見えない行為なのだ。
 しかし、演劇の楽しさを知ったさおりは言う。
「いいです、人生が狂っても。だって私たちの人生だもん」

 真摯で真面目な高校演劇の物語だ。
 そして、さおりたちが演じた『銀河鉄道の夜』がそのまま作品のモチーフになっている。
 ジョバンニとカンパネルラの関係は、そのままさおりと美佐子先生の関係にあてはまる。
 ふたりは同じ演劇の旅をする同行者だったが、カンパネルラがいなくなったように美佐子先生もいなくなる。
 ジョバンニがそうであったように、さおりはこれからひとりで演劇の道を歩んでいかなくてはならなくなる。
 ふたたび道を失い、どこにたどり着けるかわからないことに脅えるさおり。
 一方、さおりは自分の手に<どこまでも行ける切符>があることを知っている。
 生きるということは大変で、不安でいっぱいなのだが、同時にどこまでも無限に行けるのだ。
 あとは、この切符を使って旅立てるかだ。
 さおりは吉岡先生に手紙を書く。
『先生、わたしをここまで連れてきてくれてありがとうございます。
 わたしはここから宇宙の果てまでを目指します』
 そして、幕が上がる5秒前。
 緞帳スタンバイ、5、4、3、2、1……
 さおりは演劇部員たちに叫ぶ。
『さあ、行こうか』

 さおりたちの旅は始まった。


 主題歌『青春賦』はこちら
 『青春賦』ももいろクローバーZ(YouTube)

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ツイッター #自民党に質問~ウソとゴマかしの安倍政治への質問が殺到して炎上状態!

2016年06月24日 | 事件・出来事
 自民党が炎上している。
 ツイッターで、#自民党に質問 というハッシュタグで質問を募った所、今まで安倍自民党がウソをつき、ゴマかしてきたことへの質問が殺到したのだ。
 やはりみんな、安倍政治をおかしいと思ってるんだよなぁ。
 寄せられた質問にはウイットも効いている。
 今回はその一部を紹介します。

『本当に アベさんが言うように 景気いいんですか?
 それなのに 消費税増税延期したのは何故ですか?』

『アベノミクスは道半ばだそうですが、何年後、何十年後がゴールなんですか。
 一応僕も寿命がありますので』

『なんで 社会福祉だけ財源がないと言うのですか?』

『安倍首相の舌は何枚あるのですか?』
『安倍総理はどうしてすぐにばれる嘘をつくのですか?』
『なぜ、安倍総理大臣は人の話を聞けないのですか?』

『甘利さんの疑惑は晴れましたか?』
『甘利のように、都合悪くなったら病気になるのは政治家の権利ですか?
 不起訴になると治るのもそうですか?』

『あなたたちは富裕層以外の人のことを考えたことはありますか?』
『パナマ文書はなぜ調査しないんですか~!?』

『今回の選挙で自民党が掲げる公約のうち、どれを「約束と異なる新しい判断」で破る予定でしょうか?』

『なんで「ぼくちゃんたちよりも民主党の方が悪いもん」しか言えないの?』

『「リーマンショック級の危機」「今すごく景気が良い」 どっちなの?』
『伊勢志摩サミットで、リーマンショック前夜って、総裁が言ってたけど。選挙になったとたんに経済上向きって。なんで?』

『強行採決した安保法制(戦争法)についてのていねいな説明はまだですか?』
『法律を自分達の都合の良いように自由に変えられるって気持ち良いですか?』

『なんで安倍首相になると、報道の自由度ランキングが下位に転落するんですか?』
『メディアに圧力をかけていなかったら、内閣支持率はどのくらい下がると思いますか?』

『なぜ法人税が下がると消費税が上がるのですか?』

『実質賃金が上がってなくて貧困の子どもが6人に1人に増えてるのに、なぜ景気が良いと言えるんですか?』

『どうしていつも国民に許可なく海外に大金を勝手にばらまいて、
 国民から税金を超まきあげて、国民を貧困や不幸にするのですか?
 誰の判断で海外にばらまいたり贅沢三昧をしてるんですか?
 舛添氏の事をよく言えますよね?』

『貴党の支持者が反自民の人達に対して野次る時に「対案を示せ」との決まり文句を吐きますが、あまりに酷い内容で「やらない方がマシだから対案を示す必要がない」と反自民の人達に笑われている点についてはどう思いますか』

『自民の支持率が下がりそうだと、必ずと言っていいほど北朝鮮がミサイル発射してくるのですが、お願いとかしてるんですか?』

『このポスターについて一言おねがいします』
         ↓

 
『なぜ削除するんですか?なにか不都合でも?』
         ↓


『右隅にいると、世の中の全てが左に見えませんか?』
『国民をバカにするのもいい加減にして貰えませんか?』
『ズバリ、国民のことを正直、どう思っているのですか?』
『自民党にマジな質問です。この国をどうしたいのですか?』


 昨夜、自民党の山本一太氏はこれらの質問に答えるツイッターの番組に出たが、結局、ひとつも答えなかった。さすが自民党!

 この #自民党に質問 は今も書き込みされています。
 ぜひ、#自民党に質問 で検索を。
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悲報 安倍首相は小さい男!~たった1分遅れただけで、テレ朝・報ステに激怒!

2016年06月23日 | 事件・出来事
 いまだかつて、こんな子供のような総理大臣がいただろうか?
 6/21(火)の報道ステーションでの党首討論。

 他の党首がしゃべっているのに「ちょっといいでしょうか?」と割って入って、自画自賛のデータをべらべらと並べ立てる。
 「簡潔に申し上げます」と言いながら、自分の政策がいかに実績をあげたかを長々としゃべりまくる。
 われらが安倍総理のことだ。
 まったく、この幼児性は何だろう?

 安倍首相の幼児性はさらに続く。
 討論終了間際、終了予定時間がたった1分過ぎただけで、急に怒り出したのだ。
 いわく
「ちょっと6時に出なきゃいけないんだよ、飛行機の問題があるから!」
 おまけに時事通信の報道に拠れば、番組終了後も司会と番組スタッフに次のように怒りまくったらしい。
「(収録は午後)6時までって言ったじゃないですか! びっしりなんですから、日程が!」

 いやはや小さい男である。
 たった1分ですよ、たったの1分!
 そんなに飛行機の時間が差し迫っているのなら、すぐに出て行けばいいのにネチネチと司会と番組スタッフに詰め寄っている。
 僕も番組を見ていたが、そもそも長々としゃべって時間を延ばしていたのは安倍首相じゃないか?
 しかも、野党の質問には何も答えず、ずらずらと自画自賛の言葉を並べて。

 安倍首相がこんなふうにキレたのは、何回かの党首討論で痛い所を野党に突かれてストレスがたまっていたからだろう。
 そしてラストで自分がしゃべれず、民進党の岡田代表がしゃべったこと。
 この人、お膳立てされた安全な場所じゃないと平静を保てないんだよな。
 根本がお坊ちゃんでナルシストだから批判にさらされるとムキになってキレる。

 以下は、討論ラストの画像。
 他の党首が「ありがとうございました」と頭を下げているのに、安倍首相だけが憤然として席を立っている。

 

 こんな子供のような人物を総理大臣にしておいていいのだろうか?


※追記
 この件については、首相の秘書がフェイスブックで「公平性を欠く」とか「印象操作だ」と反論しているようだ。
 でも、やめた方がいいと思いますよ。
 小ささがもっと浮き彫りにされますから。
 それに総理大臣なんだから、この程度こと軽く受け流せよ。
 他にもっと考えるべき問題はいっぱいあるだろう?
 あと公平性を欠くというのなら、安倍首相をヨイショする「ミヤネ屋」や「ひるおび!」に首相が出るのはどうなんだ?

 なお、この日、熊本入りした安倍首相は、高級ホテル「ゆふいんホテル秀峰館」で温泉と豪華料理をゆっくり堪能したらしい。

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みなさんは、これでも自民党に投票しますか?~安倍政権の悪政をリストアップしてみた

2016年06月22日 | 事件・出来事
 ネットである方が書かれていたが、以下が安倍内閣になってからの社会保障政策である。

・国民年金保険料引上げ
・国民年金支給開始年齢引上げ
・国民年金支給額0.7%引き下げ

・厚生年金保険料引き上げ
・後期高齢者医療制度保険料引き上げ
・介護保険料率引き上げ

・児童扶養手当減額
・診療報酬引上げ(医療費値上げ)
・高齢者の医療費窓口負担引上げ

・生活保護費引下げ
・生活保護老齢加算廃止
・生活保護母子加算廃止

・生活保護の扶養義務厳格化(生活保護申請の認定基準が厳格化)
・2015年公的年金引き下げ(物価の上下に無関係に)

 ひどいもんだね~。
 海外には何兆円も気前よくバラまくくせに社会保障は削りまくり。
 公共事業もどんどんやっている。リニアの予算は20兆円!
 オスプレイなんかも通常の価格以上に高く買って、アメリカに貢いでいる。
 ツイッターでは、こんな言葉がトレンドになっているらしい。
 「なぜ社会保障だけ財源が無いの」

 安倍首相は言う。
「企業は最高収益をあげています」
 だったら、消費税あげられるだろう、とツッコミを入れたくなるが、一方、庶民の生活は、
・非正規労働者はついに4割を超え
・無貯金家庭は3割
・実質賃金は2年連続マイナス
・子供の6人にひとりは貧困
・安倍政権になってからの流行語は「ブラックバイト」「下流老人」「奨学金問題」。
 安倍の政策を続けていたら、格差はますます拡大していくだろう。
 貧乏人は軍隊に入れ、という<経済的徴兵制>も間近に。

 本日は参議院選挙の公示日。
 みなさんは、これでも安倍自民党に投票しますか?

 今回の参議院選挙で反自民の野党連合(民進・共産・生活・社民)が勝っても、自民党は衆議院に2/3の議席を持っているので政権交代にはなりません。
 しかし、参議院選挙で野党連合が勝てば、自民党も「これはヤバいぞ。もっと庶民の声を聞かなくては」と政策を改めるようになります。
 金持ちや大企業ではなく、庶民に税金を使うようになります。
 庶民はこのままナメられていいのでしょうか?

 庶民と若者は、反自民の野党連合に投票した方がいいと思います。

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党首討論で安倍首相のウソが発覚!~税収21兆円UPはゴマかしの数字だった!

2016年06月21日 | 事件・出来事
 本日の日本記者クラブでの党首討論の記者からの質問で次のことが発覚した。

 何と、安倍首相が演説やテレビの討論番組などでよく言う
 「税収21兆円UPしました」は、都合のいいインチキな数字だったのだ。

 確かに2012年に比べて21兆円UPしたのは事実だ。
 だが、2012年と言えば、リーマンショック~東日本大震災と続いた日本経済のどん底の時期だ。
 そんな時期と比べて、21兆円あげたと言われてもねぇ。

 ちなみに、これを第一次安倍政権の2007年と比べると、
★2007年の国税~51兆円
★2015年の国税~51.3兆円 と微増しただけ。

 地方税を加えた税収全体で見れば、
★2007年の国税+地方税~92兆円。
★2015年の国税+地方税~99兆円。(うち8兆円は消費税3%分だから実質91兆円)

 要するに
 2012年のどん底が普通に戻っただけで、アベノミクスの効果でも何でもなかったのだ。

 サミットの時といい、本当に安倍首相ってウソの数字をつくって自画自賛するのが上手いよな。
 危ない、危ない。
 あやうくダマされる所だったぜ。
 おそらく安倍首相が言う数字は、こんなインチキな数字ばかりだろう。
 自分に都合のいい所だけ切り取って、アベノミクスがすごいと言っている。

 このウソつき体質は、
 前回の参議院選挙で、経済再生を主張して<特定秘密保護法>を通したり、
 前回の衆議院選挙で、アベノミクスを主張して<戦争法案>を通したのと同じ。
 今回、勝たせたら経済などそっちのけで、<憲法改正>をやって来る。

 安倍首相のウソとゴマかしにはもううんざりだ。

コメント
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