平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

青天を衝け 第37回「栄一、あがく」~商いで日本が変わる所を見たかった……! 

2021年11月29日 | 大河ドラマ・時代劇
 岩崎弥太郎(中村芝翫)の死。
 最期の言葉は「日本に繁栄を!」

 五代友厚(ディーン・フジオカ)の死。
 最期の言葉は「商いで日本が変わる所を見たかった……!」

 ふたりとも目指す所は同じだったんですね。
 つまり「商業による日本の繁栄」

 それは栄一(吉沢亮)も同じ。
 栄一と弥太郎は争ったが、目的は同じで方法が違うだけだった。
 弥太郎は「有能な経済人が経済を引っ張り、国を豊かにしていく」
 栄一は「皆で助け合い、弱い所は補い合って、民や国を豊かにしていく」
 いずれにしても弥太郎や栄一のような、道を切り拓いていく「機関車」は必要だな。

 五代の死で栄一は自分が大極を見ず、近視眼的であったことに気づいた様子。
 五代は10年後、20年後、50年後の日本の姿を思い描いていた。
 一方、栄一は目の前のことに一生懸命。
「攘夷」「一橋家」「徳川」「明治政府」「民間」
 この経歴を見ても栄一が「目の前のことしか見ていなかったこと」は明らかだろう。

 まあ、10年後、20年後が見える人など、なかなかいないだろうが、
 目の前の利益を捨てて、未来に生きる人たちのために種を植えておく、草を枯らさないでおくことは大切だろう。
 現代で言えば、原発とかどうするのかね?
 未来の人にとって迷惑でしかない。
  ……………………

 千代(橋本愛)を失った栄一は自分を見失っていた。
 千代は栄一の心の支えだったんですね。
 あまり自己主張をしなかったが、言うべき時はしっかり言った。
 迷う栄一に「間違っていない」と自信をつけ、背中を押してくれた。
 しかし、千代がいなくなって栄一は迷走。

 そんな時に後妻として現れたのが伊藤兼子(大島優子)だった。
 栄一の心に自分がいないことに気づくと、「女の矜恃」を語り、離縁を申し出る。
 そんな兼子に栄一は離縁を認めず、
「これからも俺を叱ってくれ」
「いつでも捨ててやる。ヘッポコ野郎と言ってくれ」
 自分を叱ってくれる存在。
 兼子は千代になったのだ。
 ………………………………

 政治史については言葉不足かな?
 北海道払い下げ問題などを深く掘り下げないと、
 大隈重信(大倉孝二)の失脚や民権運動の高まりは理解できない。
 今作はここをあっさり描いている。

 後のエピソードに関係ないのなら、この描写でいいのだろうが、
 何か影響しそうなんだよね。

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これだけ税金を取っておいて求められるのは「自助」「自己責任」

2021年11月27日 | 事件・出来事
 岸田内閣がコロナ対策を含めて過去最大55兆円の補正予算を組むそうだ。
 こんなにすごい金額なのに僕の所には全然来ないんだけど。
 直接は来ないけど、まわりまわってやって来るのかね?

 で、これらの原資は税金。
 なので税金の話をしよう。
 以下はネット掲示板からの拾いものだが、今の現実がよくわかる。
 
・働いたら罰金 →所得税
・買ったら罰金 →消費税
・持ったら罰金 →固定資産税
・住んだら罰金 →住民税
・飲んだら罰金 →酒税
・吸ったら罰金 →タバコ税
・乗ったら罰金 →自動車税・ガソリン税
・入ったら罰金 →入浴税
・起業したら罰金 →法人税(但し自公ズブズブ大企業は優遇有、コネ無し一般個人起業家除くw)
・死んだら罰金 →相続税
・継いでも罰金 →相続税
・頂いたら罰金 →贈与税
・生きてるだけで罰金 →住民税
・若いと罰金 →年金
・老けても罰金 →介護保険料

 ここまで絞り取っておいて、生活破綻やドロップアウトしたら「個人の自己責任」www
 これらの間接的影響で「可処分所得減少、民間疲弊、非活性化、消費不振による値上げ」→更なる疲弊スパイラル


 これだけ税金を取られて、生活が悪くなる一方なのは、どこか税金の使われ方が間違ってるんだよ。
 つーか、税金取られ過ぎ。
 税金を取られ過ぎているから僕たちの財布が膨らまない。

 それでいて政府が求めているのは「自助」=まず自分のことは自分で何とかしろ。
 よくこれで暴動が起きないなあ?
 よく自民党を支持するなあ?

 愚かで理不尽なのが、この世に生きることだと思うけど、
 庶民は舐められ過ぎではないか?

 現在は「右」と「左」の闘いではない。
「上」と「下」の闘いである。

 上の連中は「パン」と「サーカス(娯楽)」を与え、
「右」と「左」の対立を作り、
「韓国」「中国」という敵を作り、
 自分たちに目が行くのを逸らしているように思える。

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日本の労働を考える~生産性を上げるより奴隷を増やしてコストカットの方が楽だからね

2021年11月24日 | 事件・出来事
 昨日は「勤労感謝の日」
 なので、日本の労働について考えてみよう。

 生産性が悪い日本の企業。
 低賃金&長時間労働の日本の企業。
 新しいモノを生み出せない日本の企業。

 以下はネットの言葉
 …………………………………………

・税金で中抜き業者ばかり肥えさせてる日本じゃイノベーションなんて起きないわな
 第3のビールとか民間が努力しても国が潰してくるしな


・会議のための会議をする時に使用する資料を作るための会議

・やってる感を出すだけでいい
 政治家だってそうだし

・ジャップって穴掘って埋める作業大好きだもんな
 脳死状態で一生食える

・うちの営業の持ってくるイベントが人件費と利益が見合ってなくてまじ使えねぇ
 おまけに段取り悪いから他部署巻き込んで無駄な残業前提
 こっちが先を見越して動いたら勝手な事するなとかバカじゃねーの、
 お前の仕切りが悪いせいなのに

・何かのためにルールを作ったはずが
 ルールを守ることにリソースを注ぐようになるよな

・何か目的があって
 その目的を得るための無駄がなく最短の方法を考えられないよね
 観点が全て「失敗したくない」「責められたくない」
 だからどんどん無駄な決まりごとを付け足していく


 これらは日本の企業で多く見られる光景ですよね。
 ここからは脱却しなくては企業に未来はないと思う。
 次のような視点で労働を考えている人もいる。

・「無意味な労働」は確かに生産性を下げるが、
 日本において生産性を下げているのは間違いなく
 「中間搾取」と「働いているふりの上級国民」だよ。

・非正規を増やしたことだよ。
 非正規を増やした最大の失敗は本気でその才能を発揮する人間をなくしたことだよ。
 古い感覚で働かされる奴らは所詮奴隷並みの事しかできん。
 奴隷に何が革新的なことができるって言うんだよ。
 ケケ中(竹中平蔵)だけは万死に値する。

・生産性を上げるより奴隷を増やしてコストカットの方が楽だからね。
 優秀な人材を流出して奴隷ばかりで成長できる訳無いじゃん。
 でも、金持ち、利権組はその方が都合良いからね~。

・オリンピック関連も
 インプット(予算)が膨大な予算にもかかわらずアウトプットがアレだからな。
 最大のガンは中間搾取だよ。
 これを何とかしないと生産性は上がらんし、日本は終わる。

・そりゃ、商品を安売りして給料(コスト)減らしてたらそうなるやろ

・客が安さばかり求めるから儲けが上がらず
 従業員は安い給料で働かせて貧しくなったよね
 年で給料が上がっても税金で取られて変わらず


「中抜き」
「非正規社員・パート・外国人労働者→低賃金労働」
 これも、この国が抱えている問題。
「中抜きで効果的に資金を使えない」
「低賃金労働で庶民の財布が薄くなる→モノが売れない→デフレ・市場の縮小」
 この悪循環で、30年間、この国はまわっている。
 非正規労働を進めた小泉・竹中改革の罪は重い。
 結果、他国に抜かれ、どんどん衰退していっている。
 現在、話題になっている外国人労働者受け入れ拡大もなあ。
 右派が日本人の賃金を下げる、と言って岸田内閣に怒っているのは正しい。
 まあ、これに端緒をつけたのが安倍晋三なんだけど。
 この時、激しく反対したのは野党なんだけど。
 右派の皆さん、「反対する野党」も必要でしょう?
 一方、こんな意見もある。
 
・無駄な仕事があるから無駄な雇用も生まれ、失業率も少なく社会の安定に繋がってると思うがなあ
 生産性なんてリストラしまくって機械に置き換えれば手っ取り早く上がるけど、
 それで切り捨てられる人らのことを無視してるよね
 真の意味で生産性高められる職場なんて、ごくごくわずかよ


 これも一面、正しいんですよね。
 日本は欧米に比べて失業率が低いが、
 これは上記のような無駄な仕事の労働や非正規社員・パートがあるからだと言われている。

 さあ、優秀な企業経営者・官僚・政治家の皆さん、
 この複雑な連立方程式をどう解くか?
 答えのない問題だけど、少なくとも中抜き・利権漁りはもうやめろ。
 もはや日本にその余裕はない。

 あるいは、これが世界的な傾向あることを考えると
 資本主義は行き詰まっているのかもしれない。

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青天を衝け 第36回「栄一と千代」~生きて下さい、あなたの人生を……!

2021年11月22日 | 大河ドラマ・時代劇
「あなたのここは誰よりも純粋で美しい」
「生きて……生きて下さい、あなたの人生を……!」

 千代(橋本愛)の死である。
 千代はこうやって時に弱気になる栄一(吉沢亮)を支えて来たんですね。
 言わば、栄一の精神的支柱。
 言葉は少ないが、まわりの人間のことをしっかり見ていて、
 迷ったり、間違っていたりしたらズバリと意見を言う。

 この千代の死をさまざまな視点から描いたのが上手い。

 まずは、長女・うた(小野莉奈)。
 見合いの席で、母・千代のことをイキイキと話す、うたはお母さんっ子だ。
 母のことを心から信頼し、尊敬している。
 妹・こと(池田朱那)、弟・篤二(泉澤祐希)と違って、貧しい時代の苦労も共有している。
 そんなうたが穂積陳重(田村健太郎)と結婚して、未来に踏み出そうとしている中、母を喪った。
 流行病のコレラゆえ、死に目にも会えない。
 その悲しみ・痛みは相当なものだろう。

 一方、弟の篤二は母の死がピンと来ていない様子。
 こういう死の受け止め方もある。

 妾のくに(仁村紗和)は娘と共に千代の死を傷んだ。
 千代はくにを拒絶せずに受け入れてくれた人。
 強くて器量の大きな千代のことを思い出していたに違いない。
 
 喜作(高良健吾)も思いがいろいろありそう。
 何しろ昔、千代のことが好きだったから。
 今は事業をおこなって現実でたくましく生きているが、
 かつては箱館戦争で死のうとしていた人物だから。
 人の生と死についていろいろ考えたに違いない。

 通常、大河ドラマでは、妻の死は主人公との関係で描かれることが多い。
 こういう多視点はめずらしい。
 それぞれに心のドラマがある。
 脇の登場人物をしっかり描いて来たから出来ること。
 …………………………

 三菱との戦いは続く。

 合本の東京風帆船会社が潰され、
 明治十四年の政変で大隈重信(大倉孝二)が追放されると、
『共同運輸会社』を設立(設立資金400万・うち政府は240万を出資)。
 三菱に対抗する海運会社を作った。

 岩崎弥太郎(中村芝翫)や政府高官の考え方はこうだ。
「貧困はおのれの責任である」
「惰民は救済するな」
「今の日本には余裕がなく、すべての人間を助けるべきではない」

 毎回書くけど、これ「新自由主義」。
 2021年の日本もこれで動いている。
 首相の岸田文雄は「これではまずい」と考えているようだが、
 あっちへふらふら、こっちへふらふらで、結局今までと同じ路線。

 一方、栄一の考え方は
「皆が力を合わせて、すべての人間が豊かになる社会」

 これは、今回、栄一が悩んだように理想なのか?
 現実は「理想なんかで太刀打ちできず、切り捨てねばならぬこともある」のか?

 別件だが、伊藤博文(山崎育三郞)、井上馨(福士誠治)、大隈重信らがイキイキと描かれているのは楽しいな。
 見慣れて来たこととメイクのせいで、それぞれの役者さんが伊藤や井上や大隈に見えて来た!

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動画で大河ドラマ『風林火山』を見る!~信玄VS謙信 カッケー、やっぱ名作だな!

2021年11月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 大河ドラマ『風林火山』を動画で見る。

 最終回、川中島の合戦だ。

 冒頭、上杉の軍師・宇佐見定満(緒形拳)が尋ねる。
「一国を滅ぼしてまで、何のために戦うのか!?」
 緒形拳さん、圧巻!
 やっぱすごい役者さんだな。
 これに対して、主人公・山本勘助(内野聖陽)は何も語らない。

 そこへ白馬に乗ってやって来る上杉謙信(GACKT)。

 

 カッケー!
 しかも乗っているのは白馬だぞ!
 謙信は戦場を単騎で駆け抜け、武田信玄(市川亀治郎→猿之助)のいる本陣に向かう。

 一方、本陣の信玄。
 謙信の気配を感じて目を細める。

 

 これまたカッケー!
 この貫禄!
「動」の謙信と「静」の信玄!
「ロック」と「歌舞伎」の対決でもある。

 そして、これが信玄本陣からの川中島の光景。

 

 おそらく当時のいくさって、兵の数から言って、このくらいスカスカだったと思うんだよね。
『風林火山』はリアリズムに徹している。
 現在ならCGでど迫力の映像を作るのだろうが、これはアナログ。
 大きな平原で実際に馬や兵を配置して撮影している。
 このアナログ感がいい。

 そして、待ってました!
 信玄VS謙信!
 日本史で語り継がれる名場面!

 

 

 謙信の剣を軍配で受ける信玄!
 信玄は謙信の太刀に対し、座ったままで剣を抜こうとしないんだよな。
 ただ軍配で受ける!
 謙信もこの後、神がかりな技を見せる!

 そして動画後半は主人公・山本勘助の死。
 冒頭の宇佐美定満の「なぜ戦うのか?」という問いかけにも答える。
 ここの勘助の最期の戦いぶり、カッコいい殺陣じゃないんですよね。
 ふらついたり、押し倒されたりして、すごく泥臭く描いている。
 これまたリアリズム!

 大河ドラマ『風林火山』はやっぱ名作だねえ。
 男だらけの大河ドラマで、女性はほとんど出て来ない。
 こんなふうにスタッフが視聴率を度外視して、やりたいことを貫き通した作品はやはり名作になる。

 それでは動画を御覧下さい。

 風林火山 GACKT謙信 CUT#44(YouTube)

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日本維新の会の欺瞞~寄付は自分の政治団体に寄付! 橋下徹は維新から講演料3400万円!(画像あり)

2021年11月16日 | 事件・出来事
 国会議員が1日しか働いていないにも関わらず、歳費100万円をもらってる問題。

 日本維新の会は鬼の首を取ったように、この問題を喧伝しているが、どうなんだろう?
 たとえば、これ。

 

 維新は政党助成金や文書交通費の一部を寄付した、と勝ち誇っているが、
 寄付したのは自分の政治団体。
 自分で自分に寄付している。
 たとえば、これがその領収書。

 

 吉村知事も偉そうなことを言っているが、
 自分が衆議院議員時代、1日働いて100万円をもらい、問題にしてもいなければ返納してもいない。
 同じく維新の会の議員・音喜多駿ももらって返してない。

 こんなのもある。

 

 大阪都構想の時の吉村知事と松井市長の勤務状況だが、働いてねえ!
 この分の給料は返納したんだろうな?

 こんなのもある。

 

 維新はこういう行政の無駄をなくす政党じゃなかったのか?

 吉村知事といい、松井市長といい、維新議員といい、
 ほんと自分に甘くて、他人に厳しいな。

 ちなみに、この議論の中心人物・橋下徹元大阪市長は維新から3400万の講演料をもらっている。

 

 橋下さん、いいご身分だね。
 ……………………………………

 僕はこういう人たち嫌いなんだよな。

・自分に甘くて他人に厳しいヤツ
・自分を棚に上げて正義漢ぶるヤツ
・カネに貪欲なのに、そうでないようにふるまうヤツ
・口八丁手八丁、口だけが達者なヤツ

 れいわ新選組の議員・山本太郎さんや大石あきこさんらは、おそらくこの100万円をもらうだろう。
 何しろ日本維新の会のように18億もの政党助成金をもらってないから。
 小さな政党にとって100万円は政治活動に必要だから。
 維新は、共産党のように政党助成金を拒否してから偉そうなことを言え!

 維新や橋下徹の主張だけを一方的に流すメディアもどうなのかね?


※関連記事
 維新の「身を切る改革」どこへ? 横行する文通費“移し替え”に専門家が違法性を指摘(yahooニュース)

 音喜多議員、初当選時の正式任期は7月29日 文通費「寄付、供託しなかったことを反省」(yahooニュース)

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青天を衝け 第35回「栄一、もてなす」~これは僥倖。ぐるぐるいたします!

2021年11月15日 | 大河ドラマ・時代劇
「これは僥倖。ぐるぐるいたします!」
 グラントが渋沢家を訪問すると聞いて、千代(橋本愛)の目が輝いた。

 これを
・千代の自我の目覚め
・女性解放の始まり
 と解釈するのは、解釈し過ぎであろうか?

 今まで千代は家に縛られてきた。
 家を守り、夫を助け、自分をなくすことを良しとして来た。
 今回の千代も「家を守り、夫を助ける」という点では変わらなかったが、
 少なくとも今回は自分の意思で主体的に行動した。
 そうすることで胸が「ぐるぐるする」体験を味わった。

 親愛の情として、歯を見せて微笑み、シェイクハンドして、ハグして、
 井上武子、大倉徳子、益田栄子といった友も出来て、
 千代の世界は大きく変わったに違いない。
 自分も「国」のために働いていると考えたのかもしれない。
 すなわち自我の解放だ。

 これを受けて栄一(吉沢亮)も、
「意味なんか何でもいいか。千代のあんな顔を見られたのははじめてだ」

 千代にスポットを当て、女性の活躍に1話を使った脚本・大森美香さん。
 女性脚本家ならではのこだわり。
 おっさん脚本家では書けない視点。
 これが作家性なんだろうな。
 大河ドラマでは、今までもたくさんの女性ヒロインが登場してきたが、
 どうも理屈が先行して地に足がついていない感じがしていた。
 だが、千代はどっしりしている。

 さて、次回は千代の退場か……。
 そして、海運業での岩崎弥太郎(中村芝翫)との対決。
「三菱のひとり勝ちは国のためによくねえ」
 自由民権運動の始まり。
「一部の政治家と商人が国を独占していいのか!?」
「民の意見を聞け!」

 日本近代史を、ぐるぐる描いてるなあ。

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ひろゆき、いはく「日本は頭の悪い人が多数派なので間違ったことをやり続けている」

2021年11月11日 | 事件・出来事
 国民民主党の代表・玉木雄一郎は過去にこんなツィートをしたらしい。

『私は高齢者就労を応援したい。
 そのためには、本人の同意など一定の条件の下、最低賃金以下でも働けるような労働法制の特例も必要だと考える』


 おいおい、賃金下げてどうするんだよ?
 日本はますますデフレから脱却できなくなるぞ。

・賃金が上がる→皆が消費する→結果として物価が上がりデフレから脱却する。

 こんな基本も理解していないのか?
 まして国民民主は連合をバックにする労働者の党だろう?
 その代表が賃金を下げろ、と主張している。
 対象にしているのは高齢者だが、高齢者だって労働者だ。

 論破王ひろゆき氏はこんなツィートをしている。

『技能のない外国人労働者に頼るのは、日本人の給与を下げて、機械化などの設備投資を遅らせて、生産性を下げる効果があります。
 長期的には間違ってるのですが、日本は頭の悪い人が多数派なので間違ってる事をやり続けていますね』


 ほんと、そのとおり。
 日本の経営者は、ともかく労働者の賃金を上げることに注力すべき。
 あるいは、機械化などの設備投資。
 せっかくアベノミクスで株価が上がり、余剰金があるのに、
 なぜそれを賃金や設備投資にまわさない?
 どうして労働者を安い賃金で使うことばかり考える?
 結果として日本の国内市場は縮小していくばかり。
 ひろゆき氏が、
「長期的に間違っている」
「頭の悪い人が多数派なので間違ってることをやり続けている」
 と言っているのはそういうことだ。
 少なくともアベノミクスで恩恵を受けている大企業には責任がある。

 あるいは、
 企業が賃金UP出来ないのなら、税金を下げろ。
 特に消費税。
 税金が下がれば、その分、財布がふくらみ消費が促進される。
 デフレからも脱却できる。
 なのに今、政府がやろうとしているのは給付金。
 特に公明党の18歳以下の子供全員に10万円はまさに愚の骨頂。
 経済対策にも少子化対策にも繋がらない。

 おまけに現在は、原油高騰・円安・コロナによる東南アジアなどのボトルネックで物価があがり、
 それでいて賃金が安いという最悪の状況。
 つまり『スタグフレーション』。

 まあ、しょうがない。
 自民党を選んだ国民の責任だ。
 自民党は、20年間同じこと(=税金UP→経済対策→効果なし)をやり続けている。

 若者や高齢者は低賃金でこき使われ、
 非正規社員やパートがいっぱいで、
 正社員は簡単にクビを切られるようになり、
 日本の国内市場は縮小し、
 もはやため息しか出ない。

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相棒20 「復活」3部作~VR・整形・戸籍偽造・死の偽装・フェイク動画、ウソでいっぱいの世界!

2021年11月09日 | 推理・サスペンスドラマ
 そう言えば、『相棒20~復活3部作』のレビューを書いていなかった。
 VR世界を作ったりして大がかりだったけど、ただ長いだけって感じだったからなあ。
 官房長官・鶴田翁助(相島一之)との対決と言っても、対決らしい対決はなかったし。

 僕が考えたことは、ただひとつ。

 鶴田翁助のまわりはウソばかり。

・ヴァーチャル空間
・フェイク動画
・整形→別人
・戸籍偽造
・死の偽装
 どれもみんな作られたウソだ。
 鶴田はウソの現実をつくって、自分の権力を維持している。

 作家さんが、この3話を通して描きたかったのは、こういうことだろう。

 折しも、先の衆議院選で、首相の岸田文雄が茨城3区の候補者の応援に行った時、こんなことがあったらしい。
『岸田首相、「茨城6区」応援演説に「日当5000円」でサクラ動員』(Yahooニュース)
 つまり日当5000円でサクラを雇い、人がいっぱい集まっているように見せていた!
 岸田首相や候補者がさも人気があるように見せかけていた!
 ある人はこれを揶揄して「サクラが見る会」←上手い!
 まあ、自民党は支援者が勝手にやってることだと言って、とぼけているらしいんだけど。
 ウソか本当かわからない。

 このように政治家のまわりはウソばかり。
 ツイッターの政治アカウントDappiなどもそうだが、カネを払って自分に有利な虚構の世界を作っている。
 そんな虚実入り交じった世界で、僕たちはダマされないようにしないといけない。

 この点で、『相棒20 復活3部作』は極めて現代的なテーマの作品だった。

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青天を衝け 第34回「栄一と伝説の商人」~貧しいのは政治のせいか、努力が足りないせいか?

2021年11月08日 | 大河ドラマ・時代劇
「経済は勝つ者もあれば負ける者もある」
「欲のある者が前進する」
「強い者、才覚のある者が引っ張り、利益を独り占めする」
「貧しいのは努力が足りないせい」
「これからはカネの世ぜよ」
 岩崎弥太郎(中村芝翫)、新自由主義の権化のような人だな。
 現在でもこのように考える人は多い。

 一方、栄一(吉沢亮)
「皆で手を組み、知恵を出し合って、皆で豊かになる」
「貧しい者が多いのは政治のせい」
「カネは大事だが、それが目的ではない」

 ふたりの主張に多少の誇張はあるだろうが、
 ここに脚本・大森美香さんの現在に対する問題提起がある。
 経済人には道徳規範や哲学が必要だ。
 栄一の場合は「論語」。
 経済思想では「合本主義」。

 さて、僕たちはどちらを求める?
 自民党や日本維新の会に投票するってことは弥太郎的な考え方を支持する人が多いのかね?
 自己責任、自助、自業自得。
 やさしい社会はどこへ行った?
 自助を言うのなら国には頼らないから税金を下げろ。
 まあ、せいぜい転落しないようにがんばりましょう。
 …………………………………

 今回はお千代(橋本愛)の話でもあった。

 養育院で子供たちに裁縫を教える。
 泣きたい時は泣いていいんだよ、を諭す。

 栄一が社会の仕組みを変えて皆を幸せにしようとしたのに対し、
 千代は身近な所から皆を幸せにしようとしている。
 大きな視点と小さな視点。
 いずれも大切だ。
 大きな視点だけだと、必ずこぼれ落ちるものがある。

 その他にも千代は、ぜいたくを当たり前と考えるわが子を叱り、頭でっかちで他人任せの書生たちを叱りとばした。
 千代は背筋がまっすぐに通った人ですね。
 地に足がついていると言ってもいい。

 お千代さん、素敵な女性だ。
 今までの大河だと、千代みたいな立場の人はおざなりになることが多いのだが、しっかり描かれている。

 次回は女性の戦いですと?
 これは楽しみだ!

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