平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

銀河鉄道の夜 宮沢賢治

2009年01月31日 | 小説
 作品というものは純粋にその作品世界に浸って楽しめばいいのだが、僕はどうしても<意味>にこだわってしまう。
 「銀河鉄道の夜」もそう。
 この豊かなイメージ世界を楽しむ。これだけで十分。しかし引っかかってしまう。
 例えばインディアンが現れて矢で鶴を射るシーンが出て来る。
 なぜ<インディアン>で<鶴>なのか?
 調べてみると新しい星座で<インディアン座><鶴座>というのがあるらしいんですね。

 あるいは大学士に鳥捕り。
 宮沢賢治はなぜ彼らを登場させたのか?
 調べてみると大学士は<学問探究者>の象徴。
 学問探究に生きることは賢治の生き方のひとつの理想であったらしい。
 鳥捕りは<生きているものを殺して生きていく人間>の象徴。
 生き物を殺して生きている鳥捕りは決して救われることがなく銀河鉄道を乗って降りての生活を送っている。

 キリスト教的救いのイメージもある。
 途中で乗ってきたタダシ、かほる、家庭教師の描写だ。
 大西洋で沈む船。
 救命ボートの数が足りない。自分たちが乗ったら乗れなかった人達が死んでしまう。だから自分たちはボートに乗らずに犠牲になる。
 結果かほるたちがたどり着いたのは南の十字架(サウザンクロス)。
 「ハレルヤ、ハレルヤ」
 そこで神様に出会い天国に行く。
 当然そこには大学士や鳥捕りはたどり着けない。
 一方主人公のジョバンニやカムパネルラは?
 南の十字架で降りて神に救いを求めることをしない。

 カムパネルラが行き着いたのは、その次の石炭袋、空の孔(あな)。
 ブラックホールを思わせる無の世界。
 ここでカムパネルラはこんなことを言う。
 「ああ、あすこの野原はなんてきれいだろう。みんな集まってるねえ。あそこが本当の天上なんだ。あっあすこにいるのはぼくのお母さんだよ」
 カムパネルラのお母さんは生きている。
 なのになぜお母さんがいるのか?
 意味を考えるに石炭袋は元素の世界。
 この世にあるものは人間、生物、物を問わず元素で出来ている。
 カムパネルラは死んで元素に戻ったのだ。
 だから「あすこにいるのはぼくのお母さん」。
 元素はあらゆる存在の始まりだからだ。
 これが宮沢賢治の死生観?
 天国も地獄もなく人間は死んだら元素に戻るだけ?

 ラストは蠍(さそり)のエピソード。
 いたちに食べられそうになって逃げる蠍。
 蠍は逃げて井戸に落ちる。
 井戸の水で溺れて蠍は思う。
 「どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちに呉れてやらなかったのだろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神様。私の心をご覧下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはみんなの幸いのために私のからだをおつかい下さい」
 これが賢治の人生観。倫理観。
 かほるやタダシ、あるいはザネリを助けるために川へ飛び込んだカムパネルラに通じる生き方。

 みんなの幸いのために生きる。
 その事によって何も得ようとは思わない。
 これが賢治の生き方。
 かほるやタダシはみんなの幸いのために生きて天国への切符を得るが、賢治はそれを求めない。
 みんなの幸いのために生きてもとの元素に戻るだけ。
 宮沢賢治は実に強い。
 僕には到底出来そうもないが、このメッセージと格闘してみようとは思う。


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スピード

2009年01月30日 | 洋画
 だいぶ古い作品になってしまうが映画「スピード」。
 ここで頭の体操。
 「時速50キロ以下にスピードを落とすと爆発してしまうバス。あなたはどれだけの困難を主人公に与えられるか?」

 「スピード」の脚本家は、この問いに対して膨大な量の答えを用意している。
 だからこの作品は手に汗握る名作になった。
 では答え合わせ。

・主人公がバスに乗れない。
・他の車を奪ってバスに乗り移ろうとするが、なかなか乗れない。
 バスの乗客は「あいつ、よほどこのバスに乗りたいんだな」←ギャグ!
・バスに逃亡犯が乗っていた。逃亡犯は自分を捕まえに来たと思って銃を暴発。
 バス運転手が運転不可能に。
・代わりの運転手は免停中。
・赤信号。
・バスが渋滞に巻き込まれる。側道に迂回。
・反対車線を走ってしまう。
・バスの前を乳母車が横切る。
・猛スピードでの右折。バスが傾く。
・バスは信号や渋滞のないハイウェイを走るが、ハイウェイは工事中で切れている。
・重傷の運転手をいかにバスから下ろすか。
・運転手が降りるのに便乗して降りようとする客。怒った犯人はバスの乗車部分を爆破。
・爆弾解体。しかし爆弾処理のスペシャリストが死んでしまう。
・バスは空港をぐるぐる走ることになるが、車止めでパンク。
・ガソリン漏れでバスが走れるのはあと10分。
・テレビ局の報道で犯人に情報が筒抜け。
・実はバスにも犯人の仕掛けた監視カメラがあった。
・犯人の監視カメラを逆利用(電波キャッチ録画)して乗客を下ろす作戦を決行。
 しかし同じ映像を使い回しているためいつ犯人にばれるかわからない。←サスペンス!

 以上18個のアイデア。
 <赤信号>といったシンプルなものから<爆弾処理のスペシャリストの死>まで実にバラエティに富んでいる。
 またこれに加えて乗客たちの心情も的確に描写。
 いっしょに困難を乗り越えて手を取り合って大喜びしたかと思えば、爆発で乗客が死んだことで暗い気持ちになったりする。
 主人公とヒロインの心のふれあいも。

 ひとつの設定に対してどれだけアイデアをひねり出せるか。
 作品の面白さとはここにあるんですね。


 「スピード2」のレビューはこちら


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相棒 「超能力少年」

2009年01月29日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回はふたつのミステリー。
 視聴者の目も肥えてきているから謎がふたつぐらいないと物足りなくなってしまうのでしょう。
 さてその謎とは
・少年は超能力者なのか?
・強盗犯は誰か?

★「少年は超能力者なのか?」という謎に関しては小道具がうまく使われていますね。
 チョコレート。
 虫歯を治したばかりだから食べさせない母親。
 米沢(六角精児)にごほうびにチョコレートが食べたいという少年。
 米沢がチョコレートのことを右京(水谷豊)に話して、右京は<虫歯>のことを思い出すという仕掛け。
 何気ないチョコレートの会話から真相を引き出してしまう鮮やかさ。

 その真相にたどり着くまでのストーリーテリングも見事!
 少年の超能力は<盗聴>によるものであることを示唆。
 そして生じる次の様な可能性。
・母親が息子を<超能力者>として売り出すために盗聴をしている?
・息子が父母の離婚のことを知りたくて盗聴している?
 だが、これらの可能性がないことが判明。
 では少年は本当に超能力者なのか?
 そして米澤が実際に少年が<お告げ>を聞く所を目撃。
 これで視聴者は少年が本当に超能力者ではないかと思ってしまう。
 視聴者が考えつくような可能性を否定することで、推理ドラマは面白くなっていくし、探偵は名探偵になるんですね。

★もうひとつの謎「強盗犯は誰か?」については<盗聴電波を拾える区域に住んでいる事件の関係者>ということで判明。
 証拠を隠滅する犯人の行動を右京さんたちがアパートの部屋の外で盗聴するというのが楽しいですね。
 「ジッパーを閉めました」「これは冷蔵庫の音ですね」・笑
 冒頭の防犯ビデオの不自然さから背後にあるものを見破ってしまうのもすごい。
 なるほど!
 名探偵には普通の人に見えないものが見えてしまう。

 今回のお話はまさに連立方程式を解く様な感じですね。
 少年の超能力の謎が解ける→犯人は盗聴電波の拾える区域に住む人間。
 Xが解ければYが解ける。
 まさに連立方程式です。

※追記
 今回の相棒は米沢さんだった様だ。
 右京の手足になって動き、少年との関わりから右京にヒントを与える。
 亀山との関わりから右京さんは人の使い方を学んだのかもしれませんね。


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渡辺直美 新ネタは美空ひばり

2009年01月28日 | 監督・俳優・歌手・芸人
 なぜか渡辺直美という女性芸人が気になってしまう。
 ビヨンセのエアのモノマネをする人。

 昨日のカスペ『お笑い芸人歌がうまい王座決定戦スペシャル』。
 渡辺さんが歌ったのは「あなたのキスを数えましょう」(小柳ゆき)。
 上手い。
 それ以上にインパクトがあったのは新ネタ。
 美空ひばりさんのエアのモノマネ。
 コロッケさんの芸に通じる対象をデフォルメしてのモノマネ。
 本人は少しも美空ひばりさんに似ていないのになぜか似ている。
 それはビヨンセのモノマネでも同じ。

 以前、渡辺さんにはビヨンセに代わる新機軸・新ネタが必要だと書いたことがあったが(「渡辺直美 ビヨンセと共演」)、それを見事に成し遂げてくれた。
 渡辺さんはトークではイマイチの様だが、このモノマネではいける。
 僕ははるな愛さんのファンでもあるが<エアあやや>以外のネタではイマイチ。その分彼女にはトークの力がある。

 芸人さんが生き残るとはどういうことだろう?
 ひとつはバラエティなどでの<トーク路線>。
 もうひとつは新ネタをこつこつ作る<芸・路線>。
 お手軽にお金を稼げるのは<トーク路線>。
 <芸>の場合は地道な研鑽が必要。
 世の中を明るくしてくれるという点で僕はどちらも評価するが、一発屋と言われる人はなかなかきつい。
 トークがダメなら芸に生きるべきだが、二番目の芸がヒットするのはかなり難しい。
 小島よしおさんがいい例。(彼は自分の新ネタが滑るのをネタにしているが)
 猿岩石の有吉さんが今のあだ名でブレイクしたのは希有な例。

 エドはるみさんは?
 彼女は昨年一年つっ走り過ぎた。
 自伝のドラマ化。24時間テレビの100キロマラソン。
 普通のタレントさんが10年・20年かけてやることを1年でやってしまった。
 デビューが遅かったのでそれを取り戻そうとつっ走ってしまったんでしょうね。
 それとこれは戦略の失敗だと思うが、エドさんがすごく真面目で努力家であることが世間に知られてしまった。
 これは芸人としてマイナス。
 タレントさんはどこか未知な部分がなくてはならない。
 生き残る戦略がなければならない。

 話題が脱線してしまったが、渡辺さんは美空ひばりさんのエアで今年も生き残っていけそうだ。


コメント (2)
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あいのり 1/26

2009年01月27日 | バラエティ・報道
★ヤマジの歪み
 パソコンに向かう仕事をしている僕は10日に一回整体に行く。体が歪んでいる。
 体が歪むように人の心も歪む。
 ヤマジの歪み方はすごいですね。
 同級生のラブレターを掲示板に貼って楽しんだと告白。
 あいのりの仲間たちはその話に退いたが、実はヤマジ自身がされたことだった。
 敢えて他人が退くようなことを言う(しかも自分がされたことを)。
 この歪み方。屈折と言ってもいい。
 ヤマジは他人を拒絶する所があるのでしょう。
 退くようなことを言って他人を自分から遠ざける。ハリネズミの針の様に。
 彼女が他人を拒絶する理由は過去のトラウマ。
 誘惑したらキスを許すかという賭けの対象にされたこと。
 これ以外にもヤマジは様々な形で傷つけられて来たのだろう。
 だから歪んでしまった。
 これを矯正するにはただっちの様なまっすぐで強い人間が必要でしょうね。
 だからヤマジもただっちの強さを無意識に感じていて惹かれている。

 来週はヤマジをめぐる修羅場?
 でもみんな、ヤマジが好きで何とかしてあげたいから言っていること。
 あいのりは若者の成長の旅でもある。
 ヤマジにも心の歪みを少しでも矯正して戻ってきてほしいものです。

★シュレック
 まずリタイアしなかったのは偉い。
 結構つらい旅だったでしょう。
 でもつらいことの後にはいいことがあるもの。
 今回のまぁみんがそう。
 「シュレックがリタイアするって言ったら絶対反対したよ」
 「シュレックを支えてあげるよ」
 自分のために泣いてくれる女の子。

 「桃からなぜすぐにまぁみんに?切り替え早っ!」と言う方もいるだろうが、ぽっかり空いた心の穴に入ってきてくれる人がいたら心が動くのは当然。
 よく<失恋した人を口説けばすぐに落とせる>と聞きますし。

 シュレックは今ふうのイケメンではないですが、ぬいぐるみの様で可愛いと見てくれる人がいるはず。
 それに心優しい。
 また朴訥もひとつの個性。朴訥を魅力に思ってくれる人もいるはず。
 まぁみんとは合いそうですね。
 今のまぁみんは<友情><心配>なのでしょうが、この気持ちがどう動いていくか?
 恋愛観察としては面白い。
 シュレックはがんばり所。
 桃の時の様な告白も出来ないで終わることは何としても避けよう。


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天地人 第4回「年上の女」

2009年01月26日 | 大河ドラマ・時代劇
★今回は思春期の兼続(妻夫木聡)。
 
 府内港。母のことを思い出して櫛をあげたいと考える。
 お船(常盤貴子)が「櫛を誰にあげたいと思ったのか?」と問いましたが、「母だ」と答える所はまだ少年。
 これが女性の名だったら青年。
 でも兼続、「母だ」と答えるのは少しためらった。
 このためらいが思春期の証拠。
 母親離れ出来ない自分を見られるのが恥ずかしいのだ。

 お船の立ち位置は面白いですね。
 そんな母親離れできない兼続の心をすっかり見抜いている。
 年上としての上から目線。
 浜辺の漁師小屋で雨宿りでは、思春期の兼続をからかっている。
 でも兼続が昔の自分とのことを覚えていないと面白くない。
 櫛をわざわざ買って訪ねてきたのに他人行儀だと腹を立てる。
 お船の本音は自分の訪問を兼続に喜んでほしかったし、櫛のことでは大喜びしてもらいたかったのだ。
 この微妙な女心。
 兼続はお船の女心に気がつかない<お子チャマ>なのですね。
 
 さてこのふたりどうなるか?
 殿・景勝(北村一輝)がいますからね。三角関係。
 ここに初音(長澤まさみ)が絡んでくる?
 僕は大河ドラマにこういうラブストーリーがあるのは大歓迎です。

★シナリオ的には
 <緊張のシーン>ってドラマを面白くしますね。
 今回は漁師小屋での雨宿り。
 ドキドキドキ!
 謙信(阿部寛)に信長に会いたいと願い出る所もドキドキ!
 もしかしたら謙信に生意気だと一喝されるかもしれないから。
 ドラマの面白さとはこういうドキドキをどれくらい作れるかだと思います。

※追記
 上杉家ってあたたかいファミリーですね。
 景虎(玉山鉄二)を気遣って華姫(相武紗季)の結婚。
 華姫は景虎のことを想っていたし、景虎は自分が安らげる場所が出来たと言って喜んでいる。
 兼続は謙信に意見を具申できる。
 ピリピリした織田家とは正反対。
 やはり主人公の側だからでしょうか?

※追記
 今回も見せた兼続の大器の片鱗。
 信長の送った屏風の意味を読み解いたのもそうだが、初音の衣装や大出世した秀吉のことを聞いて「面白い」と言ったのもそう。
 普通の人なら顔をしかめることを面白いと言えるとらわれのない心。
 これが大器の片鱗なんですね。
 

コメント (11)
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「疑惑」 松本清張

2009年01月25日 | 推理・サスペンスドラマ
 松本清張作品はトリックでなく動機を大事にする。
 動機とは人間の心。
 だから清張作品はドラマにしやすい。

★さて「疑惑」
 その動機は?(以下ネタバレ)

・水死した夫・福太郎(小林稔侍)
 妻の球磨子(沢口靖子)を誰にも渡したくない。しかし自分は老齢で不能。
・球磨子
 人生で初めて愛された安住の地、それが福太郎。
 しかし福太郎は心中とはいえ自分を殺そうとした。
 事件は心中事件でなく事故でなければ自分の安住の世界は壊れてしまう。

 愛ゆえの動機。
 愛ゆえの罪。
 実にせつない。
 そして真相が明かされた時、ドラマになる。

 弁護士・佐原(田村正和)の捜査の中で浮かび上がる球磨子の過去。
 レイプ・信じた男の裏切り・経営していたクラブの倒産・このままでは故郷に帰れないというプライド・悪ぶった仮面を被らずには生きていけない弱さ・前科四犯であることによる世間の冷たい目。
 これらの球磨子像がドラマをさらにせつなくする。

 余談だが僕の好きな「嫌われ松子の一生」はこの作品をベースにしているのではないか。

★社会性も清張作品の特徴
 今回はマスコミの暴力。
 話題作りのために記事をねつ造。
 十分に調べもせず自分の都合のいい様に解釈。
 不都合な事実(球磨子が刑務所でいっしょだった老女を介護して看取った)は削除。
 それは検察も同じ。
 裁判で都合の悪い証言は調書に書かれない。
 この理不尽。

 裁判での証言者もそう。
 夫が助手席に乗っていたという目撃証言。しかしそれは思い込み。マスコミの報道を見てそうだと思い込んでいた。
 球磨子がしゃべった「大きな仕事をする」という言葉も主観的で立場によって様々に解釈が出来る。
 こんな曖昧な中で行われている裁判。
 これが人間の限界と言えばそれまでだが、清張さんが生きていたら現在の裁判員制度をどの様に語られるだろうか?

 またこれも余談だが結局確かなものは物証。
 この作品でも脱げていた靴とスパナが一番確かな物になった。
 物証のない情況証拠だけの起訴は推定無罪。大いに疑問を持って判じるべきだ。

★シナリオとしては次の様な構成
①保険金殺人を行ったとして逮捕された球磨子
 彼女はクロかシロか。彼女の言動からすればクロなのだが。
②新聞に書かれた球磨子の過去の裏づけ捜査
 新聞に書かれたことが事実を言っていないことが判明。
 同時に浮かび上がる哀しい球磨子像。
③裁判
 次々とくつがえる証言。事件は事故?
④真相

 ドラマとしては③の証言が次々とくつがえる所が面白い。
 有罪から無罪へ。180度変わる展開。
 視聴者がカタルシスを感じる所。
 やはりドラマは変化。

 冒頭の球磨子像から違う球磨子像に変わる所も面白い部分。
 悪い人だと思っていた人が別な面を見せる。
 これで視聴者は球磨子に感情移入する。

 真相がさらにあるのも見事。
 「これは事故でした。球磨子は無罪でした」で終わってもいいのだが、さらに別の真相(心中事件)を用意する。
 これは同じテレビ朝日の「相棒」がよくやる手ですよね。
 もうひとつの真相を見出した名探偵の手腕に視聴者は「参った!」となるわけだ。

※追記
 最後に<裁判もの>の基本展開について書いておく。
①容疑者との接見~弁護士との人間関係が生じる。
②検察側の調書の裏づけ捜査~調書の違う部分が発覚。
③実験~この作品では車で海に飛び込んでガラスが割れるか?
④裁判~容疑者に不利な証言をくつがえす。
⑤真相~結審。


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アグリー・ベティ 60日で意中の男と結婚する方法

2009年01月24日 | テレビドラマ(海外)
★「アグリー・ベティ」12話で描かれた「60日で意中の男と結婚する方法」

 新雑誌の編集長ソフィアは業界一のプレイボーイ編集長ダニエルをこう落とした。

①相手の興味をひく~エレベーターで上着を脱ぎダニエルに肌を見せる。
②そばに近づく  ~新雑誌の創刊のスペースが足りないと言ってダニエルの編集部の近くで仕事をする。
③気のあるふりをする~ビリヤードで一夜だけの関係とダニエルを誘惑する。
④障害を作る   ~つき合っている男ハンターを紹介する。ハンターはダニエルが圧倒されるほどのイイ男。(実はハンターは男性ストリップダンサーでソフィアに雇われて恋人のフリをしていただけなのだが)
⑤タイムリミットを作る~ハンターと婚約していて翌日は結婚するというソフィア。ダニエルはソフィアを自分の物にしたくてプロポーズする。

 見事な作戦ですね。
 特に④と⑤がすごい。
 ダニエルの様な男はプライドが高いから自分より上の男がいることが許せない。勝ちたいと思う。
 また逃げれば追いたくなるのが男の心情。
 翌日には結婚となれば必死に追いかける。

 ある意味、恋愛はゲーム。
 心のさぐり合いと駆け引き。
 しかし男は単純だからソフィアの様なしたたかで魅力的な女性には簡単にダマされてしまうんですね。

★シナリオとして
 さてこのソフィアとダニエルの恋愛をめぐるエピソード、シナリオとして見事!
 僕は11話までは純粋にふたりの恋愛物語として見ていた。
 ソフィアは本当に魅力的な女性でこんな裏の顔があるなんて微塵も見せない。
 ダニエルだけでなく視聴者も見事にソフィアにダマされたわけだ。

 そして今回の12話。
 ソフィアの正体が明かされてからの各キャラクターのリアクションがいい。

 ダニエルに問いつめられたソフィアは言う。
 「私も悩んだわ。でも私はこうやってのし上がって来たの」
 これでソフィアは単なる悪女にならない。のし上がるために必死で生きてきた女性像が浮かび上がる。

 一方ダニエル。
 ダマしたソフィアをクビにするという出版社社長の父親に
 「僕が経営者なら彼女をクビにしませんよ。おかげで新雑誌は爆発的な売れ行きですから」
 ソフィアは自分の新雑誌に「「60日で意中の男と結婚する方法」という特集記事を載せたのだ。
 ダニエルがこう言ったことで彼は単にダマされた失恋キャラにならずに済んだ。

 そして主人公ベティ。
 ソフィアの雑誌に引き抜かれて前途洋々だったのだがダニエルをダマしていたことが許せない。
 そしてソフィアに言う。
 「私はあなたの下では働けない。モード(ダニエルの雑誌)のみんなの方がずっと正直よ」
 ファッション雑誌モードの人間はダサいベティをバカにしていたが、自分の思っていることを口にする分、正直だと言う。
 これでベティが主人公になった。

 うまいですね、キャラクターの立て方が。
 「アグリー・ベティ」は本当にシナリオが見事です。

※追記
 ウィルミナのリアクションも面白い。
 劇中ソフィアとダニエルの恋愛エピソードとは別にもうひとつ描かれていたのがウィルミナの恋愛エピソード。
 ウィルミナも恋人と別れて帰ってくるのだが、そこで彼女が言ったことは「人生すべてを得ることなんて無理なのよ」
 このせりふはソフィアとダニエルにも当てはまる。
 ソフィアは恋愛でなく仕事を選んだのだから。


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ジェームズ・ボンドに愛をこめて

2009年01月23日 | キャラクター
★昨日に引き続きもうひとつ英国について
 007 ジェームズ・ボンド
 シャーロック・ホームズに並ぶ有名な英国人

 ボンドが象徴するものは<ジェントルマン>。
 そうですね、ジェントルマンは英国人にこそふさわしいですね。
 アメリカ人だとカウボーイに象徴される土くささを感じる。
 フランス人やイタリア人だと好色なイメージ。
 ドイツ人だと質実剛健。ジェントルマンのスマートさからは遠い感じ。

 タキシードが似合うっていうのもジェントルマンの条件ですよね。
 そこで様々な映画のヒーローを思い浮かべてみると、タキシードが似合うのは何と言ってもジェームズ・ボンド。

 ジェントルマンの条件としてさらにあげられるのは女性への優しさ。
 007シリーズでは必ずヒロインの女性が出て来る。 
 ボンドには任務を遂行すると同時にヒロインを助ける。
 任務とヒロイン、どちらを選ぶかという選択を迫られる危機が彼を襲うが、両方とも解決してしまうのがボンド。
 任務のために女性が犠牲になってもいけないし、女性のために任務が失敗に終わってもいけない。
 ボンドというキャラにはそういうカセがある。
 
★それにしても<ジェームズ・ボンド>というのは見事なキャラクターですね。
 敵と戦う時は常に余裕を持って取り乱したりしない。
 「ダイ・ハード」のマクレイン警部の様にギャアギャアわめき声をあげない。
 凶悪な敵でも女性であれば決して礼を忘れない。
 「私を愛したスパイ」では武装ヘリコプターで襲って来た女性の敵にウインク。
 愛用の銃が<ワルサーPPK>というのもおしゃれ。
 マグナムの様な大型拳銃ではない。
 危険な仕事ゆえ殺傷能力のある大型拳銃を使えばいいのに、敢えて小型のPPKを使うこだわり。いいですね。

 後はナイト・騎士の要素。
 「女王陛下の007」というタイトルがあったが、ボンドはあくまで英国の秘密情報部員で女王陛下の臣下。
 ジェームズ・ボンドは現代のナイトなのだ。

 僕はそんなボンドを見たくて毎回劇場に足を運ぶ。
 それにしてもお決まりのあのオープニングはいいアイデアですね。
 あの有名な音楽をバックにふり返ってカメラマンを撃つやつ。
 観客はまずあれを見に来る。
 あれを見られただけで半分は満足する。
 CM用語で言うと最高の刷り込み効果です。


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ハリー・ポッターと炎のゴブレット

2009年01月22日 | 洋画
★英国テイストってやっぱりいいですね。
 ファンタジーはやっぱり英国。
 アーサー王伝説があるこの国にはファンタジーが生まれる土壌があるのかもしれない。

 さて100年ぶりの「三大魔法学校対抗試合」
 ここも国際色豊か。
 上品な女子生徒たちのボーバトン魔法アカデミーはフランス?
 たくましい男子生徒のダームストラング学院はロシア?
 この対象でホグワーツが英国なんだなってことが分かる。
 それぞれの制服も目を見張る。

 英国テイストは他にも。
 <ミステリー要素>
 ハリー・ポッターシリーズで毎回謎になるのは怪しい先生。
 今回は……。
 そしてハリー(ダニエル・ラドクリフ)が事件解決のために解かなくてはならない謎。
 今回は対抗試合。
 これがミステリー要素。
 
 ファンタジーとミステリーが融合。
 まさに英国テイスト。

★この物語は少年から青年への成長物語でもある。 
 ハリーやのロン(ルパート・グリント)もそうだけどみんな大人になりましたね。
 特にハーマイオニー(エマ・ワトソン)。
 第一作では外国によくいそうなこまっしゃくれた女の子だったが今はレディになっている。
 ダンスパーティの相手探し。
 女の子を誘えなくてオロオロするハリーとロン。
 ハーマイオニーはハリーに誘ってもらいたかったのかな?
 自分のことなど眼中にないハリーに見せつける様に別の男の子の誘いを受け入れ、最高のおしゃれでパーティに出る。
 かわいらしい女心。
 この時期、女の子の方がずっと大人なのだ。

 今回復活したヴォルデモードとの対決と共に見逃せないハリーたちの成長。
 こうなると最後まで見るしかない。


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