漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0064

2020-01-02 18:27:56 | 古今和歌集

ちりぬれば こふれどしるし なきものを けふこそさくら をらばをりてめ

散りぬれば 恋ふれどしるし なきものを けふこそ桜 折らば折りてめ


よみ人知らず




 散ってしまえば、いくら恋しいと思っても何の甲斐もないのだから、今日こそ桜を折るならば折ってしまおう。

 0055 でも書きましたが、ここでも枝を折るという所作が非難の対象ではなく、花の美しさを称賛する行為として詠まれています。