漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0069

2020-01-07 18:29:11 | 古今和歌集

はるがすみ たなびくやまの さくらばな うつろはむとや いろかはりゆく

春霞 たなびく山の 桜花 うつろはむとや 色かはりゆく


よみ人知らず




 春霞がたなびく山の桜花が、もう散ろうとしているのか、色が変わっていく。

 せっかく咲いている桜が、山に霞がかかってまだ良く見られないでいるうちに、もう散ろうとしていることの嘆き。

 ここからが巻第二「春歌下」の歌。四季を歌った歌ではやはり春と秋の歌が多く、夏と冬の歌はそれぞれ一巻ずつですが、春と秋は上下二巻の構成になっています。春と秋が他の季節以上に人の心を揺さぶるのは、今も昔も変わらないのですね。