古今和歌集 0074 2020-01-12 19:13:13 | 古今和歌集 さくらばな ちらばちらなむ ちらずとて ふるさとびとの きてもみなくに桜花 散らば散らなむ 散らずとて ふるさと人の 来ても見なくに惟喬親王 桜花よ、散るならば散ってしまえ。散らなかったとしても、昔なじみの人が見に来るわけではないのだから。 愛しい異性の無沙汰を嘆く歌のようにも見えますが、詞書には「僧正遍昭によみておくりける」とあり、「ふるさとびと」は遍昭のこと。咲き誇る桜を眺めながら旧交を温めたいのに、というところでしょうか。