漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0071

2020-01-09 18:33:14 | 古今和歌集

のこりなく ちるぞめでたき さくらばな ありてよのなか はてのうければ

のこりなく 散るぞめでたき 桜花 ありて世の中 はての憂ければ


よみ人知らず




 残ることなくすべて散ってしまうのが、桜の良いところ。世の中にずっとあり続ければ、最後は嫌なものになるのだから。

 散らないでいてくれればどんなに良いかという 0070 に対して、すっかり散ってしまうから良いのだ、と逆の気持ちを詠んだ歌。選者による配置の妙ですね。