漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0075

2020-01-13 18:39:02 | 古今和歌集

さくらちる はなのところは はるながら ゆきぞふりつつ きえがてにする

桜散る 花のところは 春ながら 雪ぞ降りつつ 消えがてにする


承均法師




 桜が散る花の場所は、春でありながら雪が降っていて、しかもそれが消えにくそうにしていることよ。

 散る桜を雪に見立てつつ、しかし解けて消えることはないので、「消えない雪」との表現に至っています。作者の承均法師は、古今集に三首が入集していますが、人物については良くわかっていません。