古今和歌集 0087 2020-01-25 19:51:17 | 古今和歌集 やまたかみ みつつわがこし さくらばな かぜはこころに まかすべらなり山高み 見つつわが来し 桜花 風は心に まかすべらなり紀貫之 山が高いので、私は見るだけで帰ってきたその桜花を、風は思うままに吹き散らすようだ。 詞書には「比叡にのぼりて帰りもうできてよめる」とあり、歌われているのは比叡山の桜。高いところで咲き誇っていて、自分は遠くから見るだけで触れることもできなかった桜を、風が縦横無尽に吹きあれて散らしてしまうことのうらめしさ。