古今和歌集 0083 2020-01-21 19:01:37 | 古今和歌集 さくらばな とくちりぬとも おもほえず ひとのこころぞ かぜもふきあへぬ桜花 とく散りぬとも おもほえず 人の心ぞ 風も吹きあへぬ紀貫之 桜の花はすぐに散ってしまうと人は言うけれど、そうとも思えない。人の心こそ、風が吹きすぎる間もなく、あっという間に変わってしまう。 美しく咲き誇っては短期間で散ってしまうという、誰しもが抱いている桜という花のはかない特性をもとに、いやいや、人の心の移ろいの早さはそれ以上で風が吹きすぎるよりも早いものだと、歌い上げています。