このブログをいつもご覧くださっている and さまより、0666 の記事に質問のコメントをいただきましたので、超久しぶりに「一日一首の古今和歌集」以外の記事を書きま~す。 (笑)
Q. 古今和歌集とは?
A. 醍醐天皇の命により、わが国最初の勅撰和歌集(=天皇や上皇の命によって編纂された和歌集)として編纂された和歌集。成立は905年頃とされ、1,100首が収録されています。編集にあたったのは 紀友則・紀貫之・凡河内躬恒・壬生忠岑 の4名で、中心を担ったのは紀貫之。有名な「仮名序」を書いたのも貫之です。
Q. 百人一首とは?
A. 普通「百人一首」と言えば、藤原定家が選定した「小倉百人一首」を指します。その名の通り百人の歌人の歌を一首ずつ選んだ秀歌集。正確な成立時期は不明ですが、定家の没年が 1241 年なので13世紀前半の成立と推定されています。
Q. 0625 は百人一首の中の一首ですか?
A. はい。記事中にも書きましたが、0625 は百人一首の第30番に収録されています。
Q. 100(=百人一首の収録歌)は1,100(=古今和歌集の収録歌)の部分集合ではないですよね?
A. はい、違います。百人一首は古今和歌集から続後撰和歌集までの10の勅撰和歌集から歌が採られています。各和歌集からの採録数は次の通りで古今和歌集の歌がもっとも多くなってはいますが、それでも全体の四分の一ほどですね。
古今和歌集 :24
後撰和歌集 :7
拾遺和歌集 :12
後拾遺和歌集:14
金葉和歌集 :5
詩花和歌集 :5
千載和歌集 :15
新古今和歌集:14
新勅撰和歌集:4
続後撰和歌集:2
↑ これ、全部足すと実は 100 ではなく 102 になります。何故かと言えば、第20番の元良親王の歌は後撰和歌集と拾遺和歌集の両方に、第55番の藤原公任の歌は千載和歌集と拾遺和歌集の両方に採録されているからです。せっかくなのでこの二首をご紹介して、記事の締めくくりにしたいと思います。読んでいただいてありがとうございました。^^
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
元良親王
(後撰和歌集 巻第十三 恋歌五 第960番)
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
藤原公任
(千載和歌集 巻第十六 雑歌上 第1035番)