まくらより またしるひとも なきこひを なみだせきあへず もらしつるかな
枕より また知る人も なき恋を 涙せきあへず もらしつるかな
平貞文
枕のほかには知る人もいない恋を、涙をこらえきれずに人に知られてしまったことです。
人知れない恋を枕だけは知っているということをモチーフとした恋歌。同じモチーフの 0504 もあらためてお読みいただければ幸いです。
わがこひを ひとしるらめや しきたへの まくらのみこそ しらばしるらめ
わが恋を 人知るらめや しきたへの 枕のみこそ 知らば知るらめ
よみ人知らず