漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0670

2021-08-30 19:12:08 | 古今和歌集

まくらより またしるひとも なきこひを なみだせきあへず もらしつるかな

枕より また知る人も なき恋を 涙せきあへず もらしつるかな

 

平貞文

 

 枕のほかには知る人もいない恋を、涙をこらえきれずに人に知られてしまったことです。

 人知れない恋を枕だけは知っているということをモチーフとした恋歌。同じモチーフの 0504 もあらためてお読みいただければ幸いです。

 

わがこひを ひとしるらめや しきたへの まくらのみこそ しらばしるらめ

わが恋を 人知るらめや しきたへの 枕のみこそ 知らば知るらめ

 

よみ人知らず