古今和歌集 0643 2021-08-03 19:55:03 | 古今和歌集 けさはしも おきけむかたも しらざりつ おもひいづるぞ きえてかなしき けさはしも おきけむかたも 知らざりつ 思ひいづるぞ 消えてかなしき 大江千里 今朝はどこに霜が降りたのかも、自分がどのように起きたかもわからない。昨夜のことを思い出すと、心が消え入るように切ないことよ。 「しも」は強調の助詞「しも」と「霜」、「おき」は「(霜が)置き」と「(私が)起き」の掛詞になっています。心ときめく逢瀬の夜が終わってしまい、別れの時間が来てしまったことの切なさ・悲しさを詠んだ歌が続きます。