ひさかたの あまつそらにも すまなくに ひとはよそにぞ おもふべらなる
ひさかたの 天つ空にも 住まなくに 人はよそにぞ 思ふべらなる
在原元方
遠い空の上に住んでいるというわけでもないのに、あの人はわたしのことを、遠く隔たったところにいる者と思っているようだ。
「ひさかたの」は「天」「日」「光」などにかかる枕詞。古今集には10首ほど出てきますが、0084 の紀友則の歌がつとに有名ですね。
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらむ
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ