漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0751

2021-11-19 19:14:38 | 古今和歌集

ひさかたの あまつそらにも すまなくに ひとはよそにぞ おもふべらなる

ひさかたの 天つ空にも 住まなくに 人はよそにぞ 思ふべらなる

 

在原元方

 

 遠い空の上に住んでいるというわけでもないのに、あの人はわたしのことを、遠く隔たったところにいる者と思っているようだ。

 「ひさかたの」は「天」「日」「光」などにかかる枕詞。古今集には10首ほど出てきますが、0084 の紀友則の歌がつとに有名ですね。

 

ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらむ

ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ