古今和歌集 0753 2021-11-21 19:42:47 | 古今和歌集 くももなく なぎたるあさの われなれや いとはれてのみ よをばへぬらむ 雲もなく なぎたる朝の われなれや いとはれてのみ 世をば経ぬらむ 紀友則 この身は、雲もなく凪いだ朝のようなものか。「いと晴れて」ならぬ、あの人に「厭はれて」世を過ごすのだろうか。 上二句の晴れやかで穏やかな歌調が、掛詞「いとはれて」の一語で、一転して思いを寄せる人に疎まれて日々を過ごすわが身を憂う沈鬱な詠歌となっています。言葉使いの妙を味わえる歌ですが、スマートに口語訳するのは難しいですね。^^;;