きみがよは かぎりもあらじ ながはまの まさごのかずは よみつくすとも
君が代は 限りもあらじ 長浜の 真砂の数は よみ尽くすとも
よみ人知らず
わが君の代は、限りなく長く続くことでしょう。たとえ長浜の砂の数は数え尽くすことがあったとしても。
左注には「これは仁和の御嘗の伊勢国の歌」とあります。ですので、「長浜」は伊勢の地名と思われますが具体的な場所は不明。「仁和」は第58代光孝天皇、その大嘗祭(御嘗)は 884年に執り行われています。国家「君が代」のもととなった 0343 の第一句は「わが君は」ですが、こちらは「君が代は」ですね。時の帝の代の永続を願うこうした和歌は、それこそ「限りもあらじ」で、たくさん謳われてきたのでしょう。