しはつやま うちいでてみれば かさゆひの しまこぎかくる たななしをぶね
しはつ山 うち出でて見れば 笠結ひの 島漕ぎ隠る 棚なし小舟
よみ人知らず
しはつ山を出て見渡すと、笠結いの島に漕いで隠れてゆくのが見える、棚なし小舟よ。
詞書は「しはつ山ぶり」。「しはつ山」「笠結ひの島」はいずれも地名と思われますが詳細不明です。「棚なし小舟」は舟べりに板のない小さな舟のことで、0732 にも登場しましたね。
ほりえこぐ たななしこぶね こぎかへり おなじひとにや こひわたりなむ
堀江こぐ 棚なし小舟 漕ぎかへり 同じ人にや 恋ひわたるらむ
よみ人知らず