あぶくまに きりたちくもり あけぬとも きみをばやらじ まてばすべなし
阿武隈に 霧立ち曇り 明けぬとも 君をばやらじ 待てばすべなし
よみ人知らず
阿武隈川に霧が立ち込め、そのまま夜が明けてしまっても、あなたをお帰しはしません。帰ってしまったあなたを待っていると、つらい気持ちになってしまうので。
「君」は想いを寄せる異性、「やる」は人を行かせる意。
ここから、古今集本体最後の 1100 までは「東歌(あづまうた)」。東国の歌ということですね。そのうち 1093 までは「陸奥歌(みちのくうた)」です。古今和歌集のご紹介も、いよいよ読み切りまで秒読みになってきました。