漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 089

2023-07-14 04:40:43 | 貫之集

ふるゆきを そらにぬさとぞ たむけける はるのさかひに としのこゆれば

降る雪を 空に幣とぞ 手向けける 春のさかひに 年の越ゆれば

 

冬から春になる境目で年を越えたので、降る雪を幣として空に手向けたのだった。

 

 新年と立春が同時に訪れるとともに舞い散る雪を、国境を越える旅路で道祖神に手向ける幣になぞらえての詠歌。特異な発想と言えると思いますが、この歌が添えられたのはどんな屏風絵だったのでしょうね。