漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 104

2023-07-29 05:02:15 | 貫之集

十二月

このまより かぜにまかせて ふるゆきを はるくるまでは はなかとぞみる

木の間より 風にまかせて 降る雪を 春くるまでは 花かとぞ見る

 

十二月

木々の間から風が吹くのにまかせて降る雪を、春が来るまでは花かと思って見るのであるよ。

 

 降る雪を花に見立てて、春を待ちわびる思いを詠みあげていますね。貫之による類歌は、古今集 331 にも見えます。

 

ふゆごもり おもひかけぬを このまより はなとみるまで ゆきぞふりける

冬ごもり 思ひかけぬを 木の間より 花と見るまで 雪ぞ降りける