漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 090

2023-07-15 05:39:49 | 貫之集

延喜十七年の冬、中務の宮の御屏風の歌

元日

からころも あたらしくたつ としなれば ひとはかくこそ ふりまさりけれ

唐衣 あたらしくたつ 年なれば 人はかくこそ ふりまさりけれ

 

新しい年が来ると、人このように年齢を重ねて、ますます古くなってゆくのであるよ。

 

 「中務の宮」は、第59代宇多天皇の第四皇子で第60代醍醐天皇の弟にあたる敦慶(あつよし)親王のこと。この詞書による歌が 096 まで7首続き、貫之集第一巻の掉尾となります。「唐衣」はここでは「たつ」の枕詞ですね。