あひみまく ほしはかずなく ありながら ひとにつきなみ まどひこそすれ
あひ見まく ほしは数なく ありながら 人につきなみ まどひこそすれ
紀有朋
逢いたいと思う気持ちは、星の数のように限りなくありながら、思う人に近づく手立てがないので、月のない闇夜のように迷っているのです。
第二句「ほし」は「見まくほし」と「星」が掛かり、第四句「つきなみ」は「付きなみ(取り付くすべがない意)」と「月なみ」が掛かっています。「み」は理由を表す接尾語ですね。
紀友則の父、有朋の歌は 0066 以来の登場。古今集への入集はこの二首です。