漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1029

2022-08-24 06:34:40 | 古今和歌集

あひみまく ほしはかずなく ありながら ひとにつきなみ まどひこそすれ

あひ見まく ほしは数なく ありながら 人につきなみ まどひこそすれ

 

紀有朋

 

 逢いたいと思う気持ちは、星の数のように限りなくありながら、思う人に近づく手立てがないので、月のない闇夜のように迷っているのです。

 第二句「ほし」は「見まくほし」と「星」が掛かり、第四句「つきなみ」は「付きなみ(取り付くすべがない意)」と「月なみ」が掛かっています。「み」は理由を表す接尾語ですね。
 紀友則の父、有朋の歌は 0066 以来の登場。古今集への入集はこの二首です。



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