先週の土曜日、江差線で木古内まで行った時、短い滞在時間の中で見つけた場所をご紹介します。
海岸沿いに建っている一基の鳥居。
でも、その後ろに神社らしき建物は見当たりませんよね・・・。
ご覧のとおり、鳥居の後ろは、どこにでもある、ごく普通の砂浜。
一体ここはどういう場所なのかと言うと・・・
「みそぎ(禊)」という言葉、聞いたことがある方もいると思います。
神道で、自分自身の身に穢れのある時や重大な神事などに従う前に、自分自身の身を洗い清める儀式のことで、昭和から平成に変わって間もないころ、某疑獄事件を経て行われた国政選挙で、クロ若しくは灰色だった議員が多用したことで有名になったことがあったけど、実はここ木古内は、毎年1月に、選ばれし4人の若者が、厳寒の津軽海峡の中で冷水に浸かることで体を潔め、1年の豊漁豊作などを祈願するという、「みそぎ祭&寒中みそぎフェスティバル」というイベントが名物になっていて、「みそぎ浜」と呼ばれるこの海岸一帯が、その舞台になっているのです。
※石碑に何やら怪しい人影(白いポロシャツを着てカメラを構えている)が写ってますが、どうぞお気になさらぬよう(笑)
こちらが、祭りの中で若者達が津軽海峡に浸かる前に籠っている、「佐女川(さめがわ)神社」で、1600年代からこの地にあったとされている歴史深い神社。
記録によると、1831年1月15日、夢枕で御神体を清めよとのお告げを受けた神社守が、近くを流れる佐女川に入って、冷水で身を清め、御神体を抱いて海に出たところ、そこには大きな鮫と、その背中に白衣の美しい女性がいたという。
女性を神の使者だと信じた神社守は、夢中で何度も沐浴したが、いつの間にか女性は姿を消していて、大きな鮫は川を上って、上流の佐女沼に姿を消したとされており、それ以降、この地では、豊作、豊漁が続き、かの有名な「天保の大飢饉」も乗り越えることができたのだという。
このことが起源となって、毎年1月の寒中みそぎに繋がっているのだそうです。
「佐女川」に架かる橋。
どこにでもあるごく普通の橋だけど・・・、
その名も「みそぎ橋」と言うのだそうです。
ここが、佐女川と津軽海峡の合流地点。
川の河口を見るのは昔から好きなんだけど、こういう風に歴史に触れた上で見てみると、また違った趣があるように感じます。