トランプ米政権により本格化した不法移民の強制送還の多くは、ニューヨークやシカゴなど「聖域都市」と呼ばれる地域で行われているとみられ、昨秋の大統領選で民主党が勝利した州とほぼ重なる。
聖域都市は不法移民を保護し、寛容な政策を採用している自治体で全米に11州、約600都市。総人口の半数が住むという。
近年の米大統領選では、共和、民主各党支持が州によってはっきりと分かれる傾向がある。共和党支持は「レッドステート(赤い州)」、民主党支持は「ブルーステート(青い州)」、中間の激戦州は「スイングステート(揺れる州)」と呼ばれる。
聖域都市の一つシカゴがある中部イリノイ州はブルーステートの代表格。シカゴ市内には中南米系移民の多さから「中部のメキシコ」と呼ばれる移民街もあり、トランプ政権による不法移民対策の標的とされている。
聖域都市とは、不法移民を強制送還する連邦政府の移民・税関捜査局(ICE)の法執行への協力を制限する政策を取る州や都市を指す。非営利組織「米国移民改革連盟」の調査によると、全米50州のうちニューヨーク州やイリノイ州、カリフォルニア州など11州が「聖域州」を宣言。市や町レベルでは約600都市にのぼる。
11州はすべてブルーステートで、これらの地域は総人口約3億3650万人の半数程度が居住、人口比で国の半分が不法移民の「聖域」となっている。
トランプ氏は聖域都市が「不法移民の犯罪者をかくまっている」と主張。8年前の1期目就任直後にも、聖域都市に対し連邦補助金を停止する大統領令に署名した。都市側は違憲だとして法廷闘争に出るなど混乱が続いていた。今回も『大統領令』乱発で法廷闘争が活発化しそうだ。
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