中国の不動産開発大手、万科の祝九勝最高経営責任者(CEO)が警察に連行され、国家当局に拘束された可能性があると、中国紙の経済観察報が匿名の関係者の話として伝えた。この報道を受け、万科の社債は過去最安値を付けた。
同紙によれば、深圳市政府から派遣された特別チームが事業運営に介入した。万科は買収されるか再編の可能性があるという。深圳市には同社の本社がある。
これとは別に経済観察報は、祝CEOが警察に連行されたと報じた。報道に関するコメントを祝氏に電話で求めたが、回答はなかった。万科は16日、先にブルームバーグ・ニュースから問い合わせを受けた際にすぐコメントしなかった。
報道から数時間後に中国メディアの財聯は、祝氏が17日早くの「微信(ウィーチャット)」への投稿で、万科の賃貸集合住宅事業を宣伝したと伝えた。その後、祝氏は財聯の記者からの電話に答えたが、会話の内容は明らかにされていない。 現在、経済観察報の記事はウェブサイトから削除されている。
中国不動産市場の先導役である万科の社債は売り込まれている。返済期限が迫る多額の債務や、政府の取り組みにもかかわらず収束しない不動産危機への懸念があるためだ。
万科の2027年および29年償還のドル建て債は17日午前に1セント余り下落し、30セント近辺と過去最安値を付けた。一般的に苦境に立たされている発行体の社債では、償還期限が近い方が返済の可能性が高いとされてれるが、今年5月償還の社債ですら約0.5セント値下がりし、週間の下落幅は17.5セントと過去最大となった。
万科の株価は香港株式市場で一時9%下げ、昨年9月以来の安値を付けた。
ブルームバーグ集計データによると、25年に償還または償還オプション対象となる万科の人民元建ておよびドル建て債は49億ドル(約7600億円)相当と、国内不動産開発会社の中で最も多い。
事情に詳しい関係者によれば、万科は27日に償還期限を迎える人民元建て債(表面利率2.95%)について、償還に十分な資金を確保していると一部の債権者に伝えた。ブルームバーグがまとめたデータによると、同社債の未償還残高は30億元(約637億円)。万科は今のところコメントしていない。いよいよ万科の経営破綻が近いのか?