米ハイテク大手が株式市場を支配する状況について警告する声がかねて上がっていたが、投資家の耳には届いていなかった。だが、世界を見舞ったDeepSeek(ディープシーク)ショックで新たな懸念が浮上している。
ディープシークが開発した低コストの人工知能(AI)モデルの出現により米企業の優位性が揺らぐとの懸念から、今週初めのNew Yorkダウでは米テク大手の株価が急落し、S&P500種株価指数は1.5%下落して終了。だが、指数構成銘柄の大半は値上がりしていた。一定の冷静さが戻った翌日の取引では、その逆の現象が発生。ハイテク大手の主導でS&P500種が反発する一方で、指数構成銘柄の大半は下落した。
S&P500種は一握りの代表銘柄による支配がここ20年余りで最も強まっている。足元ではハイテク大手の株価は不安定な展開となっており、ウォール街にとっては特に大きな懸念材料だ。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストによると、データでは過去2年間にS&P500種を上回るパフォーマンスを達成できたのは、構成銘柄の3分の1未満にとどまる。
この構図はドットコムバブルに至る1990年代終盤と酷似しており、当時もごく一部の銘柄が指数全体をアウトパフォームする状況にあった。ディープシークの衝撃でエヌビディアの時価総額が5890億ドル(約91兆円)吹き飛んだように、一極集中が市場に及ぼすリスクが顕在化している。
ゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト陣は「割高なバリュエーションや株式リターンの急上昇によって調整を引き起こす条件が整う一方で、資産クラスとしての株式の一極集中が進んでいることで、株式投資家は失望を招く展開に脆弱(ぜいじゃく)になっている」と指摘。「株式の集中化は3つの形態を取っている。世界の株価指数における米国株式市場の支配拡大、テクノロジーセクターの増勢、単一銘柄への集中の高まりだ」と述べた。
今年は世界的に資産バブルが弾けてもおかしくない状況です。
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