密宗安心教示章(明治十七年三月二十一日仁和寺三十二世別所栄厳大和上示衆)其の八(最終回) . . . 本文を読む
第十四 他力易行章真言陀羅尼と申すは法身如来自内証の法門にして最上無比萬機普益の深教なれば、上は上根上智より下は劣慧愚鈍の人、までも漏らさず助け給ふの御法なり。故に興教大師は「纔に名字を聞けば永く悪趣を離れ、一たび耳目に経れば忽に生死を越ゆ」と述べ給へり。此は人の唱ふる真言の声を聞くすら一切の罪障を消滅すとの御垂訓なり。况や自ら諦信して唱ふるときは十悪五逆等の種々の重罪をも速疾に除滅して、往生する . . . 本文を読む
・ 密宗安心教示章(明治十七年三月二十一日仁和寺三十二世別所栄厳大和上示衆)・ 第一 本来胸中章夫れ真言密宗安心の至要を示さば、大日経王には、実の如く自心を知なりと説給ひ、高祖大師は、真如外に非ず身を棄てゝ何か求めんと述給へり、されば朝夕に妄念妄執にほだされ、貪瞋邪見にまつはるゝ有漏雑染の我等が胸中に五智四身の徳、一も闕ることなく、本来円満して備れりと達悟する是を凡聖不二の宗要とす、但下根劣慧の者 . . . 本文を読む