福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、22(最終回)

2025-02-22 | 十善戒
「百歩の間持(たも)つすら 仏になるとのたまえば 萬行中の易行なり 唯 ひたすらに守るべし」(慈雲尊者の和讃終わり)未曽有因果経に「仏、波斯匿王に告げたまはく『世人、心粗なること例えば猿の如し。諸々の煩悩の為に動転せらる。この故に十善道を行ぜんとおもふ者は遅れてはならない。十善戒を修行するに三時という概念がある。まず、晨より食時にいたる(間、守るを)名つ゛けて上時とする。次に、(十善戒を)一食の間 . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、21

2025-02-21 | 十善戒
「(十善戒を)百歩の間持(たも)つすら 仏になるとのたまえば 萬行中の易行なり 唯 ひたすらに守るべし」(慈雲尊者の和讃終わり) 十善戒を持つは菩提心を起すなり、菩提心を起すは 仏に供養するなり、仏に供養するは自他の滅罪生善 浄安楽の種植なり。 百歩の間の善行も増長縁(増上縁のこと、他の物事が生ずることを助 ける働きをする縁)と加持力を被り漸漸に仏道 成就すと、のたまえり。 須らく少時も惜しみて三 . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、20

2025-02-20 | 十善戒
「神も聖もみ仏も みなこの道に由りたもう   これぞ真実の道なれば この道撥無(ほつむ)するなかれ   妻子珍宝及王位 死出の旅路の共ならず   唯この戒の功徳のみ 身に添う三世の友ぞかし」  前説せる如く此の十善戒は法性自爾の道徳にして人道の基礎萬善の根本にして、我等衆生が今日作為する所の微小の善業に到るまで此の十善戒の功徳の外ならざるはなし。故に此れ理に戻り、この道を撥無する者は神ながらの道に . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、19

2025-02-19 | 十善戒
「八正の道広けれど 邪見の人ぞ踏み迷う 己(おのれ)が顔貌智慧技量 皆善悪の影ぞかし」これは不邪見戒を讃嘆し奉るなり。凡そ悪業は貪瞋痴により起こる。貪瞋痴はただ邪見により因果応報の真理に眼を塞ぐゆえに起こる。邪見にして因果応報の理に明らかならざるゆえに貪瞋痴が起こるのである。従って十悪の中で他の九悪を惹き起こすはこの邪見による。従って十善戒の中でこの不邪見戒が最も大切である。ここで八正道の「正」と . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、18

2025-02-18 | 十善戒
「世を乱し身を亡すも 皆一朝のいかりなり。一切男女は過去の父母、一子の慈悲を運ぶべし」我等衆生無始劫より以来三界の苦海に沈淪して常に生老病死の為にせめらるるは、もと此貪瞋二種の所為に由らざるはなし。此貪瞋の煩悩は諸の愚痴邪見の煩悩による。愚痴邪見の煩悩は何によって起こるかとなれば、宇宙の真理を知らざるによる。宇宙の真理は如何なる形かと謂うに所謂、無我・無自性にして衆の因縁の仮和合によりて成立するも . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、17

2025-02-17 | 十善戒
一切万善の中で意業がもっとも大切・・ . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、16

2025-02-16 | 十善戒
「主従和睦違わぬは 不両舌語の功徳なり 親好厚く和敬せば これぞ菩薩の心なる」両舌とは離間語ともいう、人の仲を悪くせしむる語なり。本戒に止善と行善とあり。止善について有部広律に、共に仲良く育った牛の子と獅子の子が母獅子の遺言である「離間語に気をつけよ」という言葉に従わず、狐の離間語を信じて死闘となり共に死んだという話がある。その時、釈迦如来は「汝諸々の弟子、この畜生、その両舌を聞きて母の遺言を憶は . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、14

2025-02-14 | 十善戒
「言辞弁舌明瞭に 生まれし種は不綺語なり。 時候和順に資産富み、草木さえ皆 色ぞ増す」この四句は第五の不綺語戒を讃嘆する。綺語とは、戯笑等の種々野卑の雑談をいうなり。初めの二句(言辞弁舌明瞭に 生まれし種は不綺語なり)は等流果を明かし、次の二句(時候和順に資産富み、草木さえ皆 色ぞ増す)は増上果を示す。等流果とは習慣によって成せる結果である。所謂習い性となるものを習果といいまた等流果というのである . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、13

2025-02-13 | 十善戒
「班足王の猛悪も 実語の徳に感悟して 九十九王の命をも 放ちて道に入りにけり」これは不妄語の徳を称えるもの。(以下の話は「仁王般若波羅蜜經」等にあります。太宰治の「走れメロス」の元になった説話ともいわれています)昔天竺に班足王という悪王がいて、普明王という聖王の不妄語の徳に感じて自ら悔いて仏道に入ったという因縁を述べて不妄語の美徳を讃嘆し給えるもの。昔印度で普明王という持戒堅固な王がいたが、城を出 . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、12

2025-02-12 | 十善戒
「影勝王の象の子の 産に臨みて悩みしも 牧女(うしかいおんな)の操にて 誓って分娩せしめたり」ここは第三不邪淫戒の功徳を讃嘆する。影勝王とはマカダ国阿闍世王の父にして韋提希婦人の夫、頻婆沙羅王(びんびさらおう)のことなり。この王の威光は閻浮提に冠たり。後宮に二万の彩女ありて侍給せり。時に王の乗用の牝象、胎みて分娩の機に臨んで困難し苦しんで児を産することを得ず。時に王、後宮の后妃以下二万の彩女に命じ . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、11

2025-02-11 | 十善戒
「また毘舎佉母(びしゃきゃも、古代インドの大臣夫人)の指の環の 落ちて入り江に沈みしも 元の指端に 還りたる ためしは実にいなまれず」これは十善戒の第二、不偸盗戒を讃嘆するなり。昔佛世尊、広厳城より出て逝多林給孤独園(ぜーたりんぎじゅぎっこどくおん、祇園精舎のこと)に来たりて住したまう。そのときに勝光王の大臣の夫人に毘舎佉母鹿子母(びしゃかろくしも、お釈迦様の女性弟子の一人、鹿子母講堂を寄進したこ . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、10

2025-02-10 | 十善戒
「また、八才の少沙弥の 水の流れて蟻穴に 入るを救いし功徳にて 夭死転じて長寿せり」(目連尊者の弟子で八歳の沙弥がいたが尊者が観視したところ夭死の相あり、よって父母のもとに帰らしめたが、途中蟻の穴に雨水が入るのをみて蟻を助けるべく堤の上に泥土を盛りこれを防いだ。その後少沙弥は父母の元を辞して無事目連尊者のもとに帰ったので、尊者は驚き、改めて定に入り観相したところ少沙弥は蟻を助けた功徳により夭死の業 . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照)、9

2025-02-09 | 十善戒
「昔、比丘あり、行く道に渇きに迫り水を得て 蟲の命をあわれみて 死して道果を得たりけり」ここは第一不殺生戒の功徳をのべる。此の最初の四句は水中に虫あるを飲まずして道果を得たる功徳を讃嘆せるなり。二人の比丘三か月の夏安居を満じて、世尊を拝し奉らんと道にしたがって行きしが、残暑強くて渇きに苦しめり。水を得たが無数の虫有。一人は世尊の制戒は虫ある水を飲むを許さずとて飲まずして渇きに依りて死す。一人は水を . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照),6

2025-02-06 | 十善戒
「戒・定・智慧も三密も三十七の道品も身三口四と、意三より 皆生じたる功徳なり 」・ここでいう「戒」とは、在家の五戒(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)、八戒(優婆塞・優婆夷が一日一夜受持する戒。離殺生・離不与取・離非梵行・離虚誑語・離飲酒・離眠座高度厳牀座・離塗飾香鬘・離歌舞観聴・離食非時食)、沙弥の十戒(不殺生・不偸盗・不淫泆・不妄語・不飲酒・不塗飾香鬘・不歌舞観聴・不坐高大広床・不非時食 . . . 本文を読む
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十善戒和讃略解(慈雲尊者・釋雲照),5

2025-02-05 | 十善戒
「戒・定・智慧も三密も三十七の道品も身三口四と、意三より 皆生じたる功徳なり 」・ここでいう「戒」とは、在家の五戒(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)、八戒(優婆塞・優婆夷が一日一夜受持する戒。離殺生・離不与取・離非梵行・離虚誑語・離飲酒・離眠座高度厳牀座・離塗飾香鬘・離歌舞観聴・離食非時食)、沙弥の十戒(不殺生・不偸盗・不淫泆・不妄語・不飲酒・不塗飾香鬘・不歌舞観聴・不坐高大広床・不非時食 . . . 本文を読む
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