観音經功徳鈔 天台沙門 慧心(源信)・・2/27
一、穆王霊山に至る事。
此の品(観世音菩薩普門品)を當途王經と名けて(妙法蓮華経秘略要妙・観世音菩薩普門品第二十五(浄厳)「當途王經(とうずおうきょう)一、當品を當途王經と號する事は、當世 尊大の経と云義なり。途とは世の義なり。一説に周の穆王八駿の馬に乗て西方に遊歴せられしに、天竺に至て、佛の普門品を説玉ふを受持して歸られしが故に、王の行途に當 . . . 本文を読む
眞言付法纂要抄 成尊(後三条天皇(11世紀)の護持僧でもあった小野僧都成尊(小野曼荼羅寺二世、東寺長者、明算の師)は天皇の諮問にこたえて『真言付法纂要抄』を呈した。成尊に対する後三条天皇の信頼は特別で、即位灌頂も成尊から受けている。大江匡房「後三条院御即位記」に「 又 ( 三条院)即位時は 、 小 安殿より 笏を端し、歩 行 云 々 、今の 度 は 然らず 、主 上 (後三条天皇)此 間手を 結び . . . 本文を読む
観音經功徳鈔 天台沙門 慧心(源信)・・1/27
観音經功徳鈔目録
一穆王霊山に至る事
二當品を讀誦して疫病を除く事
三法華彌陀観音一躰の事
四題の外品の内に妙法の言は之無き事
五別號の観音の事幷翻名の事
六盲人眼を開く事
七涅槃普門勝劣の事
八長劔火難を遁るる事
九事理一心称名の事
十劉澄水難を遁るる事幷風難の事。姫殺害を遁るる事。二鬼羅刹の事。亡魂の事。
十一月蓋の事。 . . . 本文を読む
疾病の人を見れば「身の空寂なるを知りて 衆苦を解脱せん」と願え華厳経巻六浄行品第七、「・・・若し橋梁を見ば 當に願ふべし衆生 法橋を興造して人を度して不休ならしめんと。園圃を修むるを見ば 當に願うべし衆生穢惡を𦓷除(うんじょ)して 欲根を生じざらしめんと。 無憂林を見ば當に願うべし衆生 心に歡喜を得て 憂惱を永除せんと。好園池を見ば 當に願うべし衆生 衆善を勤修して菩提を具足せんと。 嚴飾の人 . . . 本文を読む
「口に供養の「おん」(梵字)の字を誦するは語密なり。意に周遍法界の観を作すは意密なり。手に香華等を取て供養するは身密なり。かくの如く今行ずる三密と観音の三密と一切衆生の三密と無二平等なりと観達する時は、自身即観音なるが故に、一切の所願意に任せて成就するなり。」(妙法蓮華経秘略要抄・浄厳) . . . 本文を読む
三密行の霊験を助ける十善戒
「三密行の霊験は計り知れないがそれを助けるのが十善戒」(真言宗義章より)
(要約・密教の身口意の三密の行には罪障消滅の功徳も備わる故に罪業深重の者も一たびこの法に入り菩提心を生じて真言念誦する時は無始以来の罪障は即消滅する、がこれから作る悪までも消滅することはできない。故に密教に入りて三密の妙行を修しても、後に恣に悪行を行ずれば覚る以前に先ず地獄の罪人となる。大日如 . . . 本文を読む
霊魂不滅論 上田照遍
「山僧阿國に生まれ、幼歳に出家し孜々として仏教を学ぶ。儒を学ぶと雖も傍として耽らず。若冠の時より明師を尋ねて諸国に周遊し、倶舎・唯識・因明論・華厳・天台等の疏章を学ぶ。三十の歳より此の河内の山中に錫を留めて密教を精研す。慮らず今年七十六の壽算を重ぬ。近頃若年の僧四方より尋ね来りて我が講を開かんと請ふ。因って常に講座虚日なし。聴者時々人魂滅不の議論を作し、而して決択を予に問 . . . 本文を読む
性霊集巻十、「暮秋に元興の僧正大徳(護命のこと)の八十を賀する詩」「それ天に翔けるの雁も次第を忘れず、地に蚊はうの螘ありもまた陳列を守る。いかに況や天地の最霊、含識の首たる誰か長老を尊び眉寿を貴ぶことを遺れんや。礼には郷飲を著し(礼記・郷飲酒義「郷飲酒の礼は長を尊び志を養ふ所以なり」)経には供宿と称す(月灯三昧経巻五「若し是れ耆宿ならば供養恭敬し頭面接足すべし」)、まことに以あり。元興寺の大徳僧正 . . . 本文を読む
日本は観世音菩薩の有縁の地なる事
法花秘畧抄・浄厳「日本國殊に観音有縁の地なる故あり。日本は天照大神の御國なり。天照大神の御本地を安置して世貴寺と号す。金剛頂大教王經には、金剛法の梵讃の「ろけいじんばら」を世貴と翻ずる也。又内侍所の圓鏡は即ち天照大神也。金剛頂經には鏡を以て観音の三昧耶形と説けり。又天照大神を大日孁貴と名け奉る。是豈大日世貴と同なるに非ずや。故に國を大日本國と名け、又この國の形獨 . . . 本文を読む
観音様の縁日が十八日である理由
「准胝の十八臂は九界を度するに折伏摂取の二門あるがゆえに二九十八の数を顕せり。十八日を観音の縁日とすることは是に本つ゛くならん。」
(観自在菩薩冥應集 連體) . . . 本文を読む
法句経「一一〇 若し人壽百歳なるも惡戒散動なれば、一日生きて具戒靜慮するに若かず。一一一 若し人壽百歳なるも惡慧散動なれば、一日生きて具慧靜慮するに若かず。一一二 若し人壽百歳なるも懈怠怯弱なれば、一日生きて勇猛努力堅固なるに若かず。一一三 若し人壽百歳なるも生と滅とを見ざれば、一日生きて生滅を見るに若かず。一一四 若し人壽百歳なるも甘露處を見ずんば、一日生きて甘露處を見るに如かず。(甘露處とは不 . . . 本文を読む
「八幡大菩薩託宣集」「光仁天皇八年。宝亀八年丁巳 777五月十八日託宣。」「明日辰時を以て沙門と成る、三皈五戒を受くべし。自今以後は禁断殺生・放生すべし。但し国家の為に巨害之徒出来たる時は此の限にあらず。疑念なかるべし。古仏垂迹大悲菩薩の御身なり。仏位にして説き給はば経教と仰ぎ奉り、神道を以て宣るをば、託宣と称す。真実者也。不虚妄者。不誑語者也。御誓願に任す之旨、天皇や奉り守り給ふ。」八幡大菩薩は . . . 本文を読む
入楞伽經を読んでいると以下のような言葉がありました。古代インドの「順世外道」という、現代人とおなじように因果を認めず現世快楽至上主義の外道ですら肉食を禁じていたというのです。(戒律については仏教でも複雑な経緯がありよくわからないところがありますが徐々に研究していきたいと思います。大乘入楞伽經(實叉難陀譯)斷食肉品全訳をこの後出します。)大乘入楞伽經(實叉難陀譯)斷食肉品第八「・・・路迦耶(ローカー . . . 本文を読む
阿毘達磨倶舍論によると宇宙は、「成、住、壊、空」(つまり成立の成劫、安定の住劫、壊滅の壊劫、何も無くなった空劫)を繰り返しているとされます。そして住劫では、人々が「美食にふける」「性嬾惰になる」ことにより「刀兵、疾疫、飢饉」がおこり減劫(住劫のなかで人々の寿命が10歳まで縮む時代)となるとされます。(注1)注2)阿毘達磨倶舍論第十二「諸の有情虚誑語を起せしより、諸の惡業道は後後轉増す。故に此洲の人 . . . 本文を読む