「末つひに海となるべき山水もしばし木の葉の下くぐるなり」(江戸時代の国学者・歌人、伴蒿蹊)
この句はむかし当方が現役時代に高田馬場のお寿司屋でみた句です。その時は当方が地方へ転勤を命じられた時で友人が壮行会を開いてくれていました。カウンターで友人とお寿司をたべつつ、ふと店主の後方の壁をを見上げると「末ついに海となるべき山水もしばし木の葉の下く々゛るなり。越山田中角栄」と墨痕鮮やかな色紙がありました . . . 本文を読む
お釈迦様の前世の捨身はあったということ・・その4、捨眼の話
法顕傳には四大塔として・タキシラ(中国語で截頭の意)国の『截頭施人塔』と・『投身餧餓虎塔』、・スハタ国の『割肉貿鳩塔』、・ガンダーラ国の『捨眼塔』を挙げています。法顕傳には「ここ(スハタ國)から東へ五日下っていくとガンダーラ(犍陀羅・今のハシュトナガル)国に至った。アショーカ王の子、法益が統治した処である。仏が菩薩だった時にも、またこの . . . 本文を読む
お釈迦様の前世の捨身はあったということ・・その3、割肉貿鳩の話。
法顕傳(5世紀)には四大塔として・タキシラ(中国語で截頭の意)国の『截頭施人塔』と・『投身餧餓虎塔』、・スハタ国の『割肉貿鳩塔』、・ガンダーラ国の『捨眼塔』を挙げています。宋雲行紀でも「釈迦四塔」としてこれらの塔に描かれた変相圖を「釈迦四塔変」として恵王が模写したとかいてります。
割肉貿鳩塔の実在に関しては、法顕傳に「ナガラハー . . . 本文を読む
高野山納骨のいわれ
高野山納骨のいわれは塵添壒嚢鈔(室町時代の百科事典)に次のように紹介されています。
「大師御記(高野山旧宝性院経蔵にあった)に「舎那の秘印を結んで先の身を秘し、身を樹下に留むといえども、意は兎率の内院にあり、然りと雖も遺跡を加持して日々の影嚮を欠かさず、有信の者に至ってはその身に幸を授かり、不信の者は先業を恨むべし、ただし我山に送り置るる亡者の舎利を、我は毎日三密の加持力によ . . . 本文を読む
お釈迦様の前世の捨身はあったということ・・その2、投身飼虎の話。
法顕傳には四大塔として・タキシラ(中国語で截頭の意)国の『截頭施人塔』と・『投身餧餓虎塔』、・スハタ国の『割肉貿鳩塔』、・ガンダーラ国の『捨眼塔』を挙げています。
投身飼虎の話はお釈迦様の前世譚として有名です。法隆寺の投身飼虎図も有名です。その元となるお経が何種類かあります(内容はあとで述べます)。そしてその前生譚が事実であることを . . . 本文を読む
今日は十斎日です。十斎日とは月の一日・八日(六斉日でもあります)・十四日(六斉日でもあります)・十五日(六斉日でもあります)・十八日・二十三日(六斉日でもあります)・二十四・二十八日・二十九日(六斉日でもあります)・三十日(六斉日でもあります)をいいます(根拠は下の地蔵経にあります)。この日に八斎戒(不殺生、 不倫盗、 不淫、. 不妄語、 不飲酒、 不聴歌舞、 不坐広床戒、 非時食戒)を守り、一日 . . . 本文を読む
自身仏
2019-03-28 | 法話
以前どこかで以下のような一文を読みました。筆者の禅僧が師僧から「お前さんは、そんなに道力があるわけでもないのだから、多くの人を救おうなどと大それたことを考えないで、まず身近な人を幸せにしてあげなさい。」と言われたという一文です。
これだけでも自分にひきくらべてなるほどと思いましたが今朝、修法していて「この師僧のおっしゃった『身近な人』とはこの『禅僧の中の仏さま』のことを言われたのだ」と思いました。 . . . 本文を読む
初禅に達した人は、喜びに満ちた顔をしており、精進し、読経し、争わず、布施を好み、言葉少なで、好き嫌いをしない、静かなところを好む、忍辱心をもっている・・
(問うて曰く「一心を得たるの相(色界(注)における禅定の最初の段階・初禅に達した人のあり様)は云何が知るべきや。」
答て曰く「面色悦澤し徐行端正にして一心を失せず、目色に著せず、神徳定力もて名利を貪らず驕慢を撃破し、其の性柔軟にして毒害を懐か . . . 本文を読む
お釈迦様の前世の捨身はあったということ・・その1、截頭施人の話。
法顕傳には四大塔として・タキシラ(中国語で截頭の意)国の『截頭施人塔』と・『投身餧餓虎塔』、・スハタ国の『割肉貿鳩塔』、・ガンダーラ国の『捨眼塔』を挙げています。
截頭施人塔の実在に関しては、実際に有った話として法顕傳・大唐西域記に截頭の地名と塔があったことが出ています。法顕傳には「ここ(ガンダーラ国)から東行すること7日、一つの . . . 本文を読む
瞋恚をおこせば相手より先に自分を害することになる。
「瞋悩を念はば慈悲もて滅せよ。・・慈悲を念ずれば瞋悩は滅す。譬へば明闇の同所せざるが如し。若し浄戒を持して瞋恚を念はば此の人は自ら法利を毀破せん。譬ば諸象の水に入って浴し復た泥土を塗坌するが如し。・・もし瞋恚を起こして彼(相手)を害せんと欲せば未だ前人に及ばざるに先ず自ら焼く。・・」(坐禅三昧経)
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神前拍手の意味
拍手は「虚にして霊ある宇宙の根源を示す」行為
拍手口訣(諸社根元記)「神道灌頂観想に曰く、神語に云う、天空虚にして昼夜運す。地虚無にして草木顕す。人無心にして動静をなす云々。皆虚にして霊妙あるなり。手を拍つも然り、掌内一物も無き空虚より其の音を為す。是もまた虚にして霊妙有るなり。妙即神なり。其の神妙拍手則ち顕るるは是神道なり。天地の間、妙に非ざるといふことなし。神に非ずといふこと . . . 本文を読む
今日はお彼岸の最後の日ですが布施の極みともいうべき本生譚があります。
賢愚経巻第六・ 月光王頭施品第三十
(あらすじ。お釈迦様が涅槃に入られるとき先に舎利弗が涅槃に入った因縁を阿難がきいたのに対し、お釈迦様が過去世においてお釈迦様が月光王であり婆羅門に頭を布施した時、臣下の大臣であった舎利弗が悲しんで先に死んでしまった因縁に依ると説かれた。この頭布の話は実際に有った話として、法顕傳には「ここ(ガ . . . 本文を読む