福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

密宗安心教示章(明治十七年三月二十一日仁和寺三十二世別所栄厳大和上示衆)其の五

2022-03-05 | 密宗安心教示章

第十四 他力易行章
真言陀羅尼と申すは法身如来自内証の法門にして最上無比萬機普益の深教なれば、上は上根上智より下は劣慧愚鈍の人、までも漏らさず助け給ふの御法なり。故に興教大師は「纔に名字を聞けば永く悪趣を離れ、一たび耳目に経れば忽に生死を越ゆ」と述べ給へり。此は人の唱ふる真言の声を聞くすら一切の罪障を消滅すとの御垂訓なり。况や自ら諦信して唱ふるときは十悪五逆等の種々の重罪をも速疾に除滅して、往生すること疑ひあるべからず。殊に在家の男女に於て、最も辱きは光明真言なり。なんとなれば其身の浄不浄を択ばず、常に之を唱えよとの佛祖の御示しあることなれば、行住坐臥に唱ふるも皆悉く往生の正因に非ずといふことなし。是れ誠に末世相応の他力易行の法門ならずや。されば士農工商はいはんもさらなり、漁業を家業とする者までも、真実懺悔の心を発し、諦信して唱へ奉る時は,其身其儘助けたまふの深教なり。さればとて信心の領解違ひをして、なすべき善事をも作さず、なすまじき悪行を恣にし、妄に罪を作りて、遮善修悪の道理に戻るべからず。十悪を止め、十善を勤修すべきは、人たる道なれば、後世を願はん程の人の疎かに意得ざらんは本よりのことなれど、往生のことは、唯大日如来の真実誓願より末世の我等を助けんが為に、説きたまふ所の真言不思議の教力を頼み奉るのみにて往生は決定と心得べきなり。(続)

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