弘法大師の護国精神 別所弘因(智山学報)・・続
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昨日護国寺岡本貫首様の本葬に参列させていただきました。
岡本貫首様には当方も何十年もまえに奉鐘会で定期的に朝鐘を突かせていただいて以来ご縁を頂いてきました。法話も何度も拝聴しその温容に接するとき限り無く心が休まったのを覚えております。
昨日はその岡本猊下の高徳を讃えるかのように空は晴れ上がり境内は有縁の緇素で立錐の余地もないくらいでした。このような混雑はダライラマ法王の東日本慰霊祭以来でしょう。
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「弘法大師の護国精神 別所弘因(智山学報)」
「・・・
元来弘法大師の理想は『即身成仏』『鎮護国家』にあった。すなわち人間完成の理想として即身成仏を提唱し、国家完成の目的として鎮護国家を標榜された。ここにこそ大師の日本仏教建設への大誓願が窺われるのである。
『即身成仏』『鎮護国家』の2つの理想は決して対立的な2つでなく、不二に立脚した而二であり、而二を表とした不二なのである。自己完成こそ国家成就 . . . 本文を読む
涅槃経第九に【 摩尼珠の如し 濁水に投ずれば水即ち為に澄む 大乗経典の如し 】 とあります。摩尼珠は濁水を澄ませる力があるといいますが、経典も信仰もこの摩尼珠のように、自分の濁った心の中を澄ませる力を持っています。信仰なければ自分の心は濁ったままです。また自分自身がこの摩尼珠のように人々の中にあって周囲の気持ちを澄ませることができる存在になることができれば・・と思うこの頃です。
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業は心相より起る。事に大小あれども理に巨細ない。此心あるところ此業ある。理にそむき法性に違ふ。地獄もあるべきことじゃ。餓鬼畜生も有べきことじゃ。此三途に堕するを異熟果と云ふ。
此不偸盗を犯ずる者は。たまたま人間に生するも貧窮な。資材に自在を得ぬ。此を等流果と云。
國に在て。植る所の五穀も霜雹を被むるを増上果と云。
謬る者は。本體かけめなき佛性に背いて。生々の貧窮下賎の身となる。
唯謹慎奉持 . . . 本文を読む
総じて何れの國にも。謬れば文華に過る。文華に過るときは。實を失ひ盗を招く。慎むべきことじゃ。
且く支那の事跡を視るに。誠に禮義文物の郷と云べし。それじゃが。此文物といふものは。國の為にはならぬものじゃ。三代の末に至て。國を盗む者が有た。次第に増長して。秦の時、趙高が天下を盗んだと謀った。此は成ぜずして刑せられた。漢に至て王莽は天下を盗み周禮等に依て政度を改めた。此れは奸謀すでに成じたれども。久か . . . 本文を読む
華厳経に偸盗の罪。又衆生をして三悪道に堕せしむ。若人中に生すれば二種の果報を得る。一には貧窮。二には共財自在を得ずとある。(華厳経・十地品第二十二之二「劫盜之罪。亦令衆生。墮三惡道。若生人中。得二種果報。一者貧窮。二者共財不得自在。」)
此偸盗の罪の悪趣を現ずることも。通途の者は信じがたきか。世間の道理を以て看よ。少々の盗を作者は必ず國の常刑有て許さぬ。何の國にも古今違はぬ。
周の末に田氏が斉 . . . 本文を読む
ローマ教皇訪日で広島では各宗派の代表が挨拶されているシーンがありました。
これを見て改めて日本で発達した「曼荼羅」や「本地垂迹」思想はあらゆる宗教を救うシステムではないかと思いました。つまり曼荼羅の中心にそれぞれ信仰する宗派の教祖様をすえて、他の宗教の教祖は自分の信じる教祖の変化身であるとすればよいのです。
胎蔵曼荼羅は中心に大日如来様がおられ周囲には無数の仏、菩薩、明王、天、二十八宿、十二宮、 . . . 本文を読む
又具に思惟すれば。是戒は不可思議の趣あるじゃ。経中に。寶間比丘と云者有り。初て具戒を受て佛所に往き。禮拝して佛に白す。既に受戒し竟る。云何修業して無漏聖道を得べきと。世尊云く。汝が物に非ずば取ることなかれと。
此比丘一言の教えを受け。禮拝し去て。樹下に至り石上に座具を布き、結跏趺坐して思惟す。大聖世尊の汝が物に非ずば取ることなかれとの教は。いかなる義ぞ。他の金銀財寶。禄位官爵は。此類何ぞ世尊の教 . . . 本文を読む
仁王般若波羅蜜経は、法華経・金光明経(金光明最勝王経)とともに護国三部経のひとつに数えられ、鎮護国家のために仁王経を講ずる法会(仁王会)や不動明王を中心とした仁王曼荼羅を本尊として修される仁王経法があります。 仁王会は宮中や国分寺などの大寺で百の高座を設けて行われ、「百座会」とも称されました。これは春と秋に定例的に行われるもの、臨時に行われるもの、天応陛下一生一度のものなどがあります。一方仁王経 . . . 本文を読む
向上の趣は且く略す。此人界の中。近くは身を百年に修して。家を千歳に守り。國を萬々世に傳ふる道じゃ。爰に至て君臣分定る。君は常に君たり。臣はとこしなへに臣たり。たとひ首に悪瘡ありて足肥白なるも。その位の易へられぬ如く。其君愚昧なるも。臣としては推戴すべし。其臣徳あるも。敢て其位をき窺窬(きゆ・うかがう)すべからず。
支那上代に。尭の位を舜に譲る。舜の位を禹に譲る。其聖人至公の心は貴む冪べきなれ . . . 本文を読む