三代実録 / 元慶二年(878)四月廿九日甲午条
「廿九日甲午 一百座を設けて 仁王般若経を説く。 京師御在所より始め 聖神寺に至る迄卅二、 畿内及外国六十八。 其呪願文曰 『・・・兼て因縁を察し 千の光明を放って 七災難を銷し・・(後略)」
聖神寺は、山城国愛宕郡紫野大門辺にあった寺院。弘仁十一年(820)に賀茂男牀が神託によって造立。
天皇は陽成天皇。元慶二年(878年)3月、飢饉と圧政で夷俘が蜂起して秋田城を急襲するという元慶の乱が勃発。
仁王般若経には「一切國王爲是難故講讀般若波羅蜜。七難即滅七福即生。萬姓安樂帝王歡喜」とあり。