・「維摩経」には、維摩居士がなぜ病気になったのか、との問いに対し、「一切衆生病むをもっての故に我れ病む。もし一切衆生の病滅せば、則ち我が病も滅せん。…またこの疾、何の所因より起こるやと言わば、菩薩の病は大悲をもって起こるなり」とあり、
・「請観世音菩薩消伏毒陀羅尼経』に「(観世音菩薩は)地獄に遊戯し代わりて苦を受く」とあり、そしてこの代受苦の観音様を拝むことによって . . . 本文を読む
「都率往生問答訣 月海述」
(謹んで聞く、月海大和尚群生に示して曰く、西方極楽は報身の浄土にして、而も濁世愚昧の凡夫容易に遂げ難し。唯一向に都率往生を願うふべし。我が弘法大師都率を願ひ終焉の期に至りて弥勒の寶號を唱念し、而て寂定三昧に入りたまふ。何に況や凡夫をや。専ら都率宮を願ふべし。愚、案ずるに造悪の凡夫念仏十聲すれば他力の本願に乗じて西方に往生する教行、仏説少なからず。其の要を取るに観無量寿 . . . 本文を読む
秘密安心往生要集・・24/42
(廿三、経帷子等用心の事)。
問、経帷子を屍骸に著せしむることは功徳ありや。
答、罪を招くとも功徳は少なかるべし。本説を見ざれば必ず用ゆることなかれ。
問、印信血脈は棺に入れるべきや。守護(おまもり)は亡者の頸に挂けしむべきや。
答、印信血脈は弟子に譲るべし。守護は臨終の時には挂けしめよ。火葬の時は撤去すべし。但し随求の守りは本説あるがゆえに土葬の屍ならば頸に挂けし . . . 本文を読む
真言宗伝来相承のこと問。真言宗は一代教主釈迦如来も秘していまだ説示したまふことなかりつる無上最上秘密内証の教門にて、釈尊よりも位尊き自性法身大毘盧遮那如来の説なりと承れり。且つ又自性法身の境界は生死の人の所見に非ずと承れり。然らば其の教門何たる謂れにて此世界へは相伝れることにて侍るぞや。答。楞伽経の中に釈尊の懸記なされし如く (入楞伽経に 「如來滅世後 誰持爲我説 如來滅度後 未來當有人 大慧汝諦 . . . 本文を読む
弘法大師御入定の事問。大師御入定とあるは実にありがたき義なりとうけたまはれり。拙き我等ごときも少しき又聞くことを得べきや。答。大師は金剛大定と申すに入らせましまして、焼けば灰となり、埋めば土となる此の四大色身、此の五蘊聚集の肉身を、大師はそのまま少しも壊せず堅持したもうて、慈尊出世五十六億七千万歳龍華の暁を待ちたまふとなり。実に即身成仏の証拠効現著しきことにて最も又ありがたき御事ならずや。往昔迦葉 . . . 本文を読む
問。顕密の祖師古来西方往生を勧め給へる甚だ多し。今聞く所のごとくならば真言宗の輩は弥陀の浄土を願ふは無用のことにてあるべきか。答。大日経疏に「この一門に従って法界門に入るを得る」とある文の意をもって見るに、弥陀の一門西方浄土にいたり、竟には大日普門法界宮の佛果に至るべし。然れば直に大日普門の佛果に至る機根これなき下劣の衆生は其の機宜にまかせて西方極楽弥陀の浄土をも願ふべきなり。(下根のものは阿弥陀 . . . 本文を読む
(さきに「問、真言宗の極楽浄土なりと願ふべきはいずれぞや。答、法界宮これ真言宗徒の極楽浄土と心得べし。」とあったものの続きです。)問。その法界宮はいずれの処、いずれの方角にありや。答。法界宮は遍在なく、はかるべからずとあれば、方処方角は指しがたし。中央大日如来の仏土なれば、一中にして然も十方仏土を統摂せる法界宮なりと心得べし。真実の功徳荘厳するところの妙住の境、心王(心の働きそのもの)の都とする所 . . . 本文を読む
自性土の事(真言宗徒の極楽浄土なりと意得すべし)問、真言宗の極楽浄土なりと願ふべきはいずれぞや。答、法界宮これ真言宗徒の極楽浄土と心得べし。自性土とも名付け、密厳浄土とも申すなり。広大金剛無尽荘厳の国土にて、自性法身大日如来住しまします処なり。無量眷属の佛菩薩と共に自受法楽の故に、常恒に金剛智慧の一乗を演説し給ふ。生死の人の所見に非ずと云々。其の集会の諸尊聖衆、三密智印、四種曼荼羅を、大綱このせか . . . 本文を読む