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福聚講

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あの世の存在について

2017-08-11 | 法話
あの世の存在について。
現代の日本人には『あの世』の存在感覚が戻ってきています。
統計数理研究所『日本人の国民性調査』(2008年)の調査では、『あの世』を“信じる」という人は1958年の平均20%から50年を経て2008年は平均38%へと倍増しており、特に20歳代では49%と半数が「信じる」としています。2012年8月29日にNHK「クローズアップ現代」で、「天国からの“お迎え”
~穏やかな看取り(みとり)とは~」という番組が放送され、そこでは、在宅緩和ケアを利用した患者の遺族、500人のうち4割の人が「お迎え」現象を体験したということでした。そして、「お迎え」を見た人の、実に9割が穏やかな最期を迎えたそうです。
逆にあの世を信じられない人は死ぬとき大変な不安に責めさいなまれることとなります。私の継母も95歳ですが相当衰えてきていますので13佛掛け軸をかけて仏様の看取りを感じさせようとしていますが、なかなか素直にはいきません。若いときからの信仰であの世を深く信ずる心を造っておかなければその場しのぎではダメなのかもしれません。
もともと人類はあの世の存在を当然のこととしてきました。仏典、聖書やコーランを待つまでもなく、世界の古典そのものが「あの世」の存在を前提にして成立しています。プラトンの「国家」、ダンテの「神曲」、ゲーテの「ファウスト」、シェイクスピア「マクベス」など『あの世』の確信なしにはできない作品です。
古来、日本人もあの世の存在を確信し死者を手厚く葬ってきました。
古事記では伊弉諾が黄泉の国の伊邪那美を訪ねた有名な件がありますが、あの世の存在は常識でした。縄文墓の周辺にも葬送儀式を伺わせる土器類が多く発見されています。その後各地につくられた古墳と銅鏡などの副葬品も『あの世』を前提にしたものです。
民俗学者の柳田国男も遠野物語等で日本人のもつあの世の確信を書いています。
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