福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験・・・その76

2018-12-14 | 四国八十八所の霊験
79番の高照院は白峰宮という神社の中にこじんまりと立てられています。
明治以前、神仏混合であったとはいえ今では珍しい構造です。
坂出の町で地元の人に79番高照院と言ってもわかりませんでした。
地図をみせると「ああ天皇さんか」といいます。
昔崇徳天皇がこの地に配流になった時この寺に住まわれて以来そう呼ばれているということです。
貞享4年1687真念「四國徧禮道指南」には「七十九番 崇徳天皇 山地 堂南向 正面は鎮守ひだり札所」とあります。昔は札所そのものが「崇徳天皇」とよばれていたのです。平幡良雄「四国へんろ」には「長寛二年1164此の寺におられた崇徳天皇が歌会へ出席の途中亡くなられ21日間八十八の泉に仮安置されやがて白峯山山荼毘にふされた。それからは天皇寺ともいわれ、崇徳天皇をまつる白峯宮の別当に任じられた。現在寺は白峯宮の手前にある」と書かれています。

 最初の遍路の時は境内で若者が近付いてきました。
「此処にしかないどんぐりの実です」といって米粒ほどの小さなどんぐりをくれました。
高知から来たというこの人は連続4回目の徒歩巡礼だということでした。
「将来は先達になりたいので道を覚えるため地図なしで回っています。」
「この冬は寒くて通夜堂に寝ていると凍死しそうでした。」といいます。
少しお接待をあげました。
 別れ際に彼は「80番国分寺よりも81番白峰82番根来寺を先にいくことになるかもしれませんね。
いずれにせよあと2,3日で回ってしまいますよ」といいます。
地図を見ても次は80番のほうが近いしまだあと一週間近くかかるかもしれないと思っているのに変なことを言う人だと思いました。
しかし不思議なことにその通りになったのです。

何度目かのときは、朝早くお参りしたので境内には人影はなく一人でゆっくりお経をあげることができました。しかし人気のない境内は朝なのに何となく不気味な感じもしました。ネットで見るといろいろ怪奇現象も起きてる寺の様でした。寺族らしき人が見えたので納経を早めにお願いできるか聞いてみましたが七時までは無理だとの事でした。このときは先をいそいでいたので納経なしで回ってしまいました。何度も回っているお遍路さんの中には一々納経をしてない人もいます。お経さえあげていればいいのです。
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