福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

樒と榊

2020-02-29 | 法話
Ⅰ、シキミ(樒)は密教大辞典によれば『我が国古来此の枝を仏前墓前に供え、密家には葉を六器に盛りて生花に代用し、また護摩の時房花に用ふ。『真俗仏事編』に、鑑真和上その実を天竺より将来し、その形天竺無熱池の青蓮華に似たるより仏前の供物用と為せりと云ふ。・・』とあります。密教ではこれ以外にも灌頂の投華得佛のときにも樒を投げますし、修行の時、柄香炉のかわりに樒の枝を用います。いずれにせよ樒の香気はほんとうに有難い香りがします。葉は乾燥させ粉末にして末香・線香・丸香としても使用しています。またお墓に樒を植えるのは樒の持つ毒性や香気を獣が忌むためといわれます。

Ⅱ、榊は文字通り神木で,あらゆる神事に欠かせない木です。いろいろな説があります。
① 「栄木」説。(賀茂真淵、荒木田久老、他)榊は繁栄の象徴とするものです。
② 「境木」説。(『岩波古語辞典』)境を表わすとされます。
神事で使われるようになった起源は、古事記によると、天照大神がお隠れになった時、天の香山の青々とした榊を抜き取り、その枝の上段に八尺勾玉、中断に八咫の鏡をかけて、下の方の枝に楮の布と麻の布の祭具を垂らし天照大神の出現を促したことにはじまるとされています。
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