理観上人(1635から1693、高野山僧侶、幕命で尼崎の大覚寺、称名寺、布引山滝勝寺等を中興、阿字観作法、阿字観口決、天照大神御託宣記、等を著、)の「阿字観行者の日常の心得」から
「一、阿字即ち自心、自心即ち阿字なり、阿字と自心と本来不二なりと観ずること常に亡失すべからず。
二、身口意の三つ荒く持つべからざること。
三、信心第一のこと。
四、菩提心(覚りを求める心)第一のこと。
五、慈悲心第一のこと。
六、人を軽んずべからず、わが身を重んずべからざること。
七、賤しきも貴きも慈悲の道には隔つべからざること。
八、世間のこと出世間のこと、急ぐべきは急ぎ、緩やかにすべきは緩やかにし、進むべきは進み、退くべきは退くて、無理の沙汰あるべからず。なにごとも自然の道理にまかせること。
九、たとえ一理合点したりとも人と争うべからず。人の悪しきを見ても謗るべからず。悪友悪事の座敷をすみやかに立ち、悪友にまじわるべからず。
十、善なればとてあまり深入りせず、自己の智慧のおよぶほどに堪えて、また重ねて思惟すべし。善も幻の如く、悪も夢の如しと思うて取らず捨てず心うべきこと。
十一、常に阿字の一字を忘るべからざること。
十二、目に見る事耳に聞くこと身に触れること意が知ること、思うことにつけて、皆これ阿字本不生の理なりと観じて、そのことに止まらず、余念あるべからざること。
十三、ひとえに阿字を念じて世間の事わざはその時々の沙汰に任せて、世間の事出世間のことともにその事々に品々に相応して阿字を観ずべし。厭うことも願うこともなきなり。
かくのごとく日を重ね月を畳みて一向に阿字を観誦すればいつとはなく自心と阿字と不二して自心の本不生際を知るなり。とかくに慮知分別をめぐらして心得るはあしし。常に阿字を忘れず思う人は、常住に世間出世間日日夜夜のことわざ皆阿字也。何事も世間出世間のことを破らず障りにならず一生無事に暮らすように心得べきこと。
十四、世間の五欲六塵の楽を離るべし。されど他の事は言はずして単に阿字本不生の理なりと観じてかまうべからず。自らの方に心なければ他の方はやむなり。また腹の立つときも物思はるる時も、心のうかつく時も、早く阿字を観ずべし。即やむなり。
十五、眠るときも阿字を観じて眠り、覚むる時も阿字を念じて起くべし。しかれば常が皆阿字なり。
十六、悪念きざすときその悪念を厭はばあしし。その念と共に住して阿字を観ずべし、即ちやむなり。」
十七、行住坐臥四威儀の中に阿字を忘るるなかれ。
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