善財童子の訪問者と教え(華厳経入法界品)23
廿二番目、南方甘露味国 青蓮莘香長者
随順一切衆生外道に会うように勧められた甘露味国の青蓮莘香長者は、「自分はあらゆる香の功徳を知っている。病を治す香・御仏を念じる香・真理を悟る香など。象蔵という香は巨大な香雲となり国全体を覆い七日七晩香水を降らせる。香料の香が満ちる時衆生は喜びにひたり慈愛に満ちた心となる。牛頭という栴檀香は之を塗ると火に落ちても焼かれない、蓮華蔵という香は其れを嗅いだものを懺悔させ戒律を守らせる、具足明相という香はこれをかぐと【離垢円満という三昧】を得る・・・」という。
「我能善く一切諸香を知れり。一切和香。・一切熏香・一切塗香・一切末香・一切香王一切天香・龍夜叉乾闥婆阿脩羅迦樓羅緊那羅摩睺羅伽人等香・除滅一切衆疾病香・滅憂惱香・生一切衆生諸喜樂香・長養諸煩惱香・除滅諸煩惱香・喜樂有爲香・厭離有爲香・放逸香・不放逸香・念諸佛香・順正法香・賢聖人香・分別一切諸菩薩香・一切菩薩地香・一切菩薩住香、如是等の香を我悉く了知せり・・・
人中に香あり。大象藏と名く。龍の鬪により生ず。若し一丸を燒かば大光網雲を興して甘露味國を覆い、七日七夜香水雨を降さん。若し身に著けなば身は則ち金色となる。若し衣服宮殿樓閣に著けなば亦た悉く金色なり。若し衆生ありて此香を聞くことを得ば、七日七夜歡喜悦樂して一切病を滅し狂横あることなく、恐怖危害之心を遠離し、專ら大慈に向い普く衆生を念はん・・・復た香あり、名て牛頭栴檀、離垢山より生ず
。若し以って塗身すれば火も燒くことあたわず。復た香あり。名て不可壞、大海より生ず。若し以って塗身すれば妙音聲を出し怨敵を降伏す。復た香あり、名て蓮華黒沈水、阿耨達池四岸邊より生ず。若し一丸を焼けば悉く能く普く閻浮提界に熏ぜん。若し衆生ありて此香を聞くことを得ば、一切惡を離れ清淨戒を具せん。復た香あり。名て明相といい、雪山王より生ず。若
し衆生ありて此香を聞く者は諸垢染を離れ心清淨なるを得・・・善男子よ『我この香を知るのみ』・・」。
これは菩薩五十二位の下から廿一番目、十廻向の下から一番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第一救護衆生離衆生相廻向(くごしゅじょう・りしゅじょうそう・えこう) 」(十廻向の初地・始位。一切衆生を救護しながら、しかも衆生を救護する執着を離れる菩薩)とされています。
随順一切衆生外道は香のかおりを棚引かせて衆生済度を図りますが、薫香と同じように善行もその香りは人々を感動させます。『法句経』に「花の香りは風に逆らっては進んで行かない。栴檀もタガラの花もジャスミンもみなそうである。しかし徳のある人々の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のある人はすべての方向に薫る」とあります。
2018年8月行方不明児童を発見したスーパーボランテア尾畑春夫さんなどこの菩薩ではないかと思われます。
廿二番目、南方甘露味国 青蓮莘香長者
随順一切衆生外道に会うように勧められた甘露味国の青蓮莘香長者は、「自分はあらゆる香の功徳を知っている。病を治す香・御仏を念じる香・真理を悟る香など。象蔵という香は巨大な香雲となり国全体を覆い七日七晩香水を降らせる。香料の香が満ちる時衆生は喜びにひたり慈愛に満ちた心となる。牛頭という栴檀香は之を塗ると火に落ちても焼かれない、蓮華蔵という香は其れを嗅いだものを懺悔させ戒律を守らせる、具足明相という香はこれをかぐと【離垢円満という三昧】を得る・・・」という。
「我能善く一切諸香を知れり。一切和香。・一切熏香・一切塗香・一切末香・一切香王一切天香・龍夜叉乾闥婆阿脩羅迦樓羅緊那羅摩睺羅伽人等香・除滅一切衆疾病香・滅憂惱香・生一切衆生諸喜樂香・長養諸煩惱香・除滅諸煩惱香・喜樂有爲香・厭離有爲香・放逸香・不放逸香・念諸佛香・順正法香・賢聖人香・分別一切諸菩薩香・一切菩薩地香・一切菩薩住香、如是等の香を我悉く了知せり・・・
人中に香あり。大象藏と名く。龍の鬪により生ず。若し一丸を燒かば大光網雲を興して甘露味國を覆い、七日七夜香水雨を降さん。若し身に著けなば身は則ち金色となる。若し衣服宮殿樓閣に著けなば亦た悉く金色なり。若し衆生ありて此香を聞くことを得ば、七日七夜歡喜悦樂して一切病を滅し狂横あることなく、恐怖危害之心を遠離し、專ら大慈に向い普く衆生を念はん・・・復た香あり、名て牛頭栴檀、離垢山より生ず
。若し以って塗身すれば火も燒くことあたわず。復た香あり。名て不可壞、大海より生ず。若し以って塗身すれば妙音聲を出し怨敵を降伏す。復た香あり、名て蓮華黒沈水、阿耨達池四岸邊より生ず。若し一丸を焼けば悉く能く普く閻浮提界に熏ぜん。若し衆生ありて此香を聞くことを得ば、一切惡を離れ清淨戒を具せん。復た香あり。名て明相といい、雪山王より生ず。若
し衆生ありて此香を聞く者は諸垢染を離れ心清淨なるを得・・・善男子よ『我この香を知るのみ』・・」。
これは菩薩五十二位の下から廿一番目、十廻向の下から一番目ということで華厳五十五所絵巻でも「第一救護衆生離衆生相廻向(くごしゅじょう・りしゅじょうそう・えこう) 」(十廻向の初地・始位。一切衆生を救護しながら、しかも衆生を救護する執着を離れる菩薩)とされています。
随順一切衆生外道は香のかおりを棚引かせて衆生済度を図りますが、薫香と同じように善行もその香りは人々を感動させます。『法句経』に「花の香りは風に逆らっては進んで行かない。栴檀もタガラの花もジャスミンもみなそうである。しかし徳のある人々の香りは、風に逆らっても進んで行く。徳のある人はすべての方向に薫る」とあります。
2018年8月行方不明児童を発見したスーパーボランテア尾畑春夫さんなどこの菩薩ではないかと思われます。